なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

耳鼻咽喉科からみた風邪

2016年03月12日 | Weblog

 「その症状は風邪?」中山書店を読んでいた。著者の橋口一弘先生は耳鼻咽喉科医で、感染症科の岸田直樹先生や山本舜悟先生の風邪の本とは記載している内容がちょっと違う。しかし、田坂佳千先生が「今日の治療」に書いた記事を引用していて、分類としては準じている。

 咽頭痛(のどの痛み)を痛みの部位別に鑑別を述べていて、上咽頭炎という捉え方は内科にはない。少しだけだが、咽頭炎・扁桃炎・扁桃周囲炎(この捉え方も内科にはない)・扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎のカラー写真が載っていて参考になる。クラミジア咽頭炎・淋菌咽頭炎・梅毒咽頭炎の記載もある。

 columnとして診療のコツを多数入れている。gustatory rhinorrhea(摂食性鼻漏)として、辛い物を食べた時の鼻汁は、口腔粘膜からの刺激が副交感神経を刺激して出ている。熱いラーメンをすすった時の鼻汁は神経反射ではなく、鼻入口部の高温多湿蒸気により鼻粘膜上に再吸収されなかった水分が残り、呼気からの水分が加わったために鼻汁として出るというのが面白い。

 耳鼻咽喉科からみた風邪も興味深い。これまで扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎・咽後膿瘍は耳鼻咽喉科へ紹介(搬送)させてもらっている。咽後膿瘍の患者さんは、搬送した耳鼻咽喉科から、その日のうちに大学病院へさらに搬送されて緊急手術になった。

 以前から、徒然草の全文が記載された本(古典全集の一冊ではない単行本)がほしかった。今日ジュンク堂書店で「徒然草全釈」清水書院を見つけたので、さっそく購入した。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする