なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

セラチア・緑膿菌・ESBL

2015年10月26日 | Weblog

 80歳代前半の男性が施設からの紹介で受診した。脳梗塞後遺症・嚥下障害で胃瘻造設による経管栄養を受けている。リハビリ科入院中に誤嚥性肺炎を起こした時から内科の若い先生が診ていた。経口摂取では誤嚥性肺炎を繰り返して半年の入院になった。胃瘻造設して落ち着き、その後施設に入所していた。その当時から喀痰培養で緑膿菌が検出されて、PIPC・4世代セフェム・カルバペネムがRで、アミノグリコシド・ニューキノロンがSだった。

 今月初めに、誤嚥性肺炎で入院していた。喀痰培養で緑膿菌とセラチアが検出されて、尿培養で大腸菌ESBLが検出された。尿の方は定着菌で症状には関与していない。その時の緑膿菌は抗緑膿菌用の抗菌薬に広く感受性があった。吸引による採取なので、緑膿菌とセラチア自体が定着菌で、口腔内嫌気性菌が起炎菌なのかもしれない。しれないが、やはりそれらをカバーした抗菌薬ということで、カルバペネムが使用された。順調に改善して、1週間前に退院していた。

 施設に戻ってすぐに、喀痰の増加・微熱があり、本日の再受診となった。前回にはないような肺浸潤影があり、誤嚥性肺炎として再入院となった。案外ユナシンSで改善するかもしれないが、やはり前回検出された菌をカバーする抗菌薬になってしまう。頻回に喀痰培養を要すると、施設での生活は無理で、療養型病床への紹介しかないと思われる。

 「診断力強化トレーニング2」を読み始めた。いきなり、VGKC複合体抗体関連辺縁系脳炎(Morvan症候群)というものが出てきた。難し過ぎるが、そのくらいじゃないと京都GIMカンファランスには出せないのだろう。他院での診断だが(当院では絶対診断できない)、当院の神経内科に卵巣腫瘍から辺縁系脳炎をきたした20歳代の患者さんが、リハビリのため入院していたことがあった。

 今日BSで「レモンハート」がある。一時はまって単行本を続けて購入していた古谷三敏さんの漫画が原作だ。バーのマスターは原作とちょっと違うが、いい味を出している。放映が終わってDVDが出たら、多分購入する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする