なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

メトホルミン著効例

2014年06月25日 | Weblog

 糖尿病で通院している46歳男性は肥満があるが、なかなか体重を減らせなかった。血糖コントロールはよろしくない値が続いていた。インスリン(ノボラピッド30ミックス朝夕)を長年使用してきたが、Cペプチドでみると、自己インスリンは充分に出ている。体重が減少すれば、ぐっと良くなるのはわかっていたが、どうしてもやせられなかった。DPP4阻害薬が出てから、追加してインスリンの減量を期待したが、それほどの効果はなかった。

 前の外来主治医が退職して、私の外来に通院し始めてから3年経過していた。この方は精神科にも通院して、処方をみるとうつ病のようだ。そこのところは、詳しく突っ込んで聴いていないが、あまり触れてほしくないらしい。糖尿病についても、血糖の結果をみて、もう少し下げないと言うと、そそくさと帰ってしまっていた。

 保険のメトホルミン用量が増えた後に、消化器症状の有無を確認しながら、少しずつメトホルミンを増やしていった。特に副作用もなく、メトグルコ1500mg/日にまで増量できた。しばらくは変化がなかったが、そのうちHbA1cが低下してきた。それに合わせてインスリンが減量できて、40単位/日のインスリンが11単位/日になった。前回と今回は5.6%で、夕食前に低血糖症状が出る。インスリンを休止して、メトホルミンとDPP4阻害薬のみで経過をみることにした。食事については、無理にがんばっているわけでもなくて、それほどいっぱい食べようという気にならなくなってきたそうだ。

 中年の肥満患者さんの数人にメトホルミン1500mg/日を内服してもらっているが、この患者さんが一番効いている。もっとも、インスリン量が20単位/日まで減量できた時に、GLP-1受容体作動薬(ビクトーザ)に変更すべきだったかもしれない。インスリンを休止して血糖が上昇するようだったら、DPP4阻害薬をGLP-1受容体作動薬に変更することにしよう。

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