西武ホールディングスが過去最大となる総事業費1040億円をかけ
旧赤坂プリンスホテル(通称赤プリ)跡地を再開発。
(解体は風景 2013-4-1付ブログ参照)
2016年夏、ホテルやオフィス、住宅などの複合施設
「東京ガーデンテラス紀尾井町」として誕生した。
敷地面積は約3万400㎡、建築延べ面積は約22万7200㎡。
紀尾井タワー(36階建)をはじめ、紀尾井町レジデンス(135戸)
赤坂プリンスクラシックハウス(旧赤プリ旧館)の3つの
建物を配置。敷地内の緑化率は45%を確保してある。
当初は旧赤プリを宿泊施設として改修する構想を考えたが、
収益源を分散してリスクをコントロールする狙いから複合施設計画に決定した。
花の広場の花のオブジェ。タワーの1階から4階までは
飲食店を多くそろえ、周囲を散策しやすくするなど
長く滞在できる仕掛を随所に取り入れている。
花のオブジェの奥には、クリスタルイルミネーションの
「輝きの集い 2016 クリスタルツリー」が。
約43,000粒のクリスタルガラスが昼は自然光だけで7色に輝き、
夜はライトアップされて幻想的に輝く。
このオブジェは箱根ガラスの森美術館提供のようだ。
今回は建物内で目立ったオブジェ、インテリアデザインを中心に紹介します。
これは草月会東京西支部が製作したもので、タイトルは「躍動」。
歴史ある場所で伝統芸術が融合新たな可能性を求めて・・・!
この先の未来に一歩踏み出すことをコンセプトにしている。
タワーの30階から36階までがホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」。
客室数を従来より7割減らして、都内プリンスホテルで
最も少ない250室にした。そして高級路線に変更し一泊6万円からとか。
ホテルフロントに入る手前にあった雪柳の植木。
回りをブルーのLED照明で囲んで、近未来的な作品に仕上げている。
メインダイニングのWASHOKU 蒼天 SOUTEN。
アイスコンセプトをテーマにしたクリスタル調のインテリアなどで
店内を演出している。主に和食を提供しているダイニングで
SAKEバーや鉄板焼カウンター、寿司カウンターなどがある。
それにしてもLED照明はインテリアデザインの奥深くまで
入り込んできたとの印象を強く持った。
このインテリアはすごいと思う。お正月の飾り付けだろうが、
お祝いの水引をモダンに活用していて私の好みのデザインだ。
こちらはあくまでオーソドックスでクラシカルな生花だ。
オフィスのエントランスに飾られていたものだが、約6割を占めるオフィスは満室で
当ガーデンテラスは1日平均1万4千人が訪れているとか。
エスカレーターもデザイン性のこだわりを感じる。
上り下りの間スペースをフランク・ロイド・ライト風の格子模様。
手前のスペースに小さな門松が立っていた。
壁面緑化を意識したデザインのオブジェ。遠くから見ると
生花に見えるが、手で触ってみるとよく出来た造花だ。
目を凝らして見るとお正月らしく小さな扇子がポイントポイントに差してあった。
タワーの1階から4階まで33店舗が入店しており、1階から2階は
気軽に立ち寄れるカフェなどが中心。3階から4階は
接待にも使える高級店などとしている。これは施設全体の
印象を決める重要な要素とみてテナント構成をしたとの事。
テナント表示も合理的に単純に並べるのではなく
あくまでデザイン空間の一つとして作られていた。
敷地内には高低差を生かし、いくつもの眺望スポットがある。
ホテル、商業エリアを利用しなくても足を運びやすい工夫がしてある。
社長曰く「ここは品川の再開発のモデルケースになっている。」
最後に赤プリと言ったら誰もが思い出す旧グランドプリンスホテル
赤坂旧館。ここは旧李王家東京邸として都の
指定有形文化財になっている。この赤坂プリンスクラシックハウスは
曳家(ひきや)工法で建物全体を移動。1930年当時の
雰囲気を残しつつ、大改修された。