スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編323~

2020-11-30 06:36:39 | 食~番外編(京都)

高台寺 和久傳

京都市東山区高台寺北門前鷲屋町512

TEL 075-533-3100

定休日 不定休

https://www.wakuden.jp/

京都の超高級料亭の和久傳さんは明治3年、丹後峰山町で桑村傳右衛門が旅館として創業した。

江戸時代から丹後縮緬(タンゴチリメン)で栄えており、訪れる商人に宿泊や会合の場として利用され、

峰山が誇る老舗旅館として100年以上も続いた。

やがて丹後産業の陰りに伴い、町中の旅館からリニューアルする形で山の麓へと移転した。

その後、昭和57年に京都市内の高台寺近くに「高台寺 和久傳」として移転、

現在の料亭として新たにスタートした。

和久傳さんは現在、料亭業態の他、茶菓席やレストラン、おもたせ(物販店)などの店舗を展開している。

その主だった店は高級料亭のここ高台寺和久傳、

少し価格を下げた「室町和久傳」、京都駅に立地する「京都和久傳」。

それ以外に五一いつつ、丹、はしたて。

又、茶菓、物販店として都内では丸の内店、新宿伊勢丹店、松屋銀座店、玉川高島屋などがある。

和久傳さんの特徴は細工を凝らした懐石料理を提供する老舗料亭が並ぶ中、

日本海に面した港に揚がった魚や山で採れた旬の食材も陸道で数時間で京都に着くという点に着目し、

創業の地である丹後峰山の名物、囲炉裏の蟹焼をはじめとした

季節の素材の味を活かした「野趣と文化」という味を生み出した。

そして「お客様にご満足いただけるサービスでおもてなしをすることを大切に

日々技術と感性を磨き上げている」という。

まさに京都の紅葉シーズンが始まったばかりで、

当店玄関の所にも季節感を伝える紅葉の活け花のしつらえがお客をやさしく迎えている。

たった6室しかない数寄屋建築の座敷間には、高台寺参道の喧噪を忘れるかのような

ゆったりした時間が流れている。

献立、器、しつらえのすべてに自然の情緒を映し出すよう心を尽くしている。

この部屋は掘りごたつ式の席で、これから始まる蟹づくしの至福の時を

ゆったりと過ごせるように迎えてくれた。

床の間には何か意味ありげな掛け軸が。

そして真っ赤に燃えたモミジの生け花が私達を見守っていた。

又、シンプルな照明器具からはこれから運ばれる料理をピンスポで照らす演出の光が差し込んできていた。

ゆったりした和室の一角、奥まった所にある蟹焼きの台。

この1150年の歴史と文化の重みから伝わってくる

京都の洗練と丹後の野趣がこの部屋で融合するのを今かと待っていた。

この焼き台は和久傳の舞台だ。

 

 

 

それではいよいよ解禁開けの蟹焼きコース(11月~3月)の始まり始まり・・・。

ここからは本当の味を伝えられないコメントは野暮なので、なるべく写真を中心にお伝えします。

その素晴らしさ、品のある奥深さを申し訳ございませんが目で味わって下さい。

スワイガニ(松葉ガニ)の雌(メス)ガニの話。

これは地域によって様々な呼び名がある。

兵庫県北部(香住、浜坂・津居山、柴山)地方ではセコ(背子)ガニ、鳥取県もセコガニ、

これが京都府に入るとコッペガニ、更に越前(石川県)ではセイコ(勢子)ガニとか香箱ガニと呼ばれている。

コッペガニの卵は2種類ある。

未成熟の卵で色はオレンジ色で見た目はとろっとしているのが内子。

意外と歯ごたえがあってよく熟成されたチーズに例えられる。

カニ味噌と混ぜて日本酒といっしょにいただくと最高。

もう1つは産卵直前の熟成した卵で外子。

プチプチとした食感でそのまま食べる場合は醤油を少しだけつけて食べると美味しい。

カニと言ったらやはり日本酒。

和久傳には当店が調整した青竹に入った日本酒がある。

おちょこも青竹で、入れやすくする為に青竹徳利の先端に切り口を入れてある。

風情があります。

これが本日供される姿の間人蟹(たいざがに)タグ付きのブランドガニで

タグのカラーによって採れた水揚げ地がわかる。

京都府の間人港は緑。

因みに兵庫県浜坂・津居山港は青、柴山漁港は赤、香住港は緑、島根県は青、

鳥取県は白地に赤、石川県は水色、福井・越前漁港は黄色だ。

京都府の間人港で水揚げされる間人蟹は丹後半島の幻ともいわれている。

これは5隻(和久傳曰く今年は4隻)の小型底曳網漁船しか操業していないことも幻の理由だ。

毎年11月6日に解禁されるが間人蟹は経ヶ岬の沖合い約20~30kmを漁業とし日帰り操業により

鮮度が抜群で甘みが強く素材の良さが光っている。

ふぐの昆布締め。

ご覧になって下さい、ふくの肉厚の厚いこと!

歯触りがすごく、絶品中の絶品です。

焼き始める前にお客の所に間人蟹の足と爪を確認のため見せにくる。

ワインの試飲のようなものか。

間人蟹のすごい所は身の詰まりの大きさ、重さ、キズ、色つや、形の良し悪し、成長の度合いなど

約50種の厳しい基準により選別される。

この事を知るとCPが高いのもある程度納得してしまいそうだ。

カニの殻入れと金の手洗い器。

この2つの器も重厚で大したものだ。

セリとほうれん草の煮浸し。

この写真に京都の文化、京都の雅、京都の風流を感じる。

とても絵になっています。

最初の焼蟹は半生、ミディアムレアだ。

焼き方を2段階にして出してくるとは知りませんでした。

すごいです。

ふくのひれ酒は幾度も飲んだが、蟹酒は記憶の中では初めて。

ふくよりもずっと上品で香り、味が繊細。

そして深い旨さがある。

この間人の甲羅酒焼は、この日出された蟹づくしの中でもチャンピオンだ。

こういうのをカニ料理の王様というのだろう。

ウーン、これはすごいネーとしか言いようがない。

焼き蟹コースもいよいよ後半戦。

今度はステーキでいうとウェルダム。

焼いた蟹の香ばしさが部屋中に漂う。

なんと贅沢な空間にいるのだろう。

次は蒸しカニ。

カニ味噌を絡めてさらに夢の世界へ。

一口のしのぎ蕎麦とその器。

写真をよく見るとひょっとしてこの中にもカニが入っているのかも。

海老芋、下仁田ねぎ(九条ネギではないのが何かうれしい)、かぶに一年わかしたからすみ。

なぜかハタハタ。しかし美しい。

香の物 からすみをサンドした餅 味噌汁

カニ雑炊

デザートにトロトロの柿

栗(?)の練り菓子 栗きんとん

 

 

会食の途中、メディアでも有名な当和久傳の大女将、

そして若女将も挨拶にわざわざ来ていただき、さらに席が一層華やいだ。

 

 

 

スミダマンのブログにも過去掲載した

蟹料理 城崎温泉 老舗旅館 西村屋本館(番外編7、2012-2-9付)の松葉ガニや、

越前三国温泉 荒磯亭(番外編86、2015-12-22付)の越前がにの旨さに感動したのを思い出したが、

今回の京都・和久傳の焼き蟹はさらに京都の文化、京都の粋、京都の洗練さが加味され、

一次元違った料理、味となって私達に出していただいた。

ちょっと品に欠けるが今迄に食べた中で、すきやばし次郎(番外編95、2016-2-13付)を抜いて

一番高価な食事となった。

 

 

 


フォーシーズンズホテル京都

2020-11-28 05:54:42 | ホテル・旅館

GO TO トラベル第4弾

業界有志で京都に新しく完成した一流ラグジュアリーホテルの視察に

行ってきた。その一つがこのフォーシーズンズホテル京都だ。

旅行屋さん曰く「数年前まではインバウンド需要もあって

京都はホテルが圧倒的に不足していた。

ところが昨年から数多く新しいホテルが開業した矢先、

新型コロナの関係で外国人旅行客は勿論、国内観光客も

バッタリ減って全く需給バランスが逆転してしまった」との事。

そんな環境下の中で、宿泊したホテルを含めて四ヶ所の

話題のホテルを隅々まで視察することができた。

そのレポートを今日からお伝えいたします。

https://www.fourseasons.com/jp/kyoto/

フォーシーズンズホテル&ホテルレジデンス京都は寺社仏閣が立ち並ぶ

東山の静かな一角、京都市東山区妙法院前側町に2016年10月開業した。

智積院、豊国神社の近くである。

ご覧の様に道路から玄関までのドラマチックなアプローチは

いかにも京都らしさを感じさせる長い、竹穂垣の回廊になっている。

因みにこの100Mの竹穂垣の距離は日本一だそうです。

ホテルのエントランスの屋根組みはとても印象的なデザインで和傘をモチーフにし、

杉檜材で組み立てられている。やわらかな木漏れ日を浴びながら竹林を抜けると

そこには和の心が息づくラグジュアリーな写真のような空間が広がる。

当ホテルの設計は久米設計、施工は大成建設が担当したそうだ。

そしてデザイン関係では光井純アンドアソシエーツが参加したとの事です。

ホテルの担当者の話では完成までには7年間がかかりその苦労は大変だったようだ。

ホテルの建物は地下2階地上4階と京都の建築規制により低層になっている。

客室は全180室。その内57室はホテルレジデンスで分譲され80㎡~190㎡の大きさだ。

今回の視察で一番ショックを受けたのはその分譲価格。

最低価格が8億円で最高価格が16億円という信じ難い金額。

一同その金額を聞いて深いため息をついてしまった。

しかし購入した人は外国人は1人であとは日本の方。

いったいどんな人が買ったのだとしばし話は尽きなかった。

ゆったりと造られたロビーとフロントエリア。

新型コロナ対策で自動の検温器の前を通って入館。

ここは都内のシティホテルのような人の賑わいはなく時間がゆっくりと流れていた。

空間がある程度区切られ和と洋の雰囲気が混在している印象を持ったロビーラウンジ。

この感じはとても好みでいいナー。

この優雅さとは裏腹に現実的にはこのホテルの所有者マレーシア系複合企業の

ベルジャヤグループは約490億円でどこかにこのホテルを売却したらしい。

館内のいたるところに飾られた和風でシックなアートワーク。

あるものは石庭をイメージ。ある空間は床の間の空間。

和の香りがするモダンな行燈的照明器具。

石と木のフローリングの重厚な組合せなど最新のホテルの

インテリアデザインに触れるのは本当に楽しい。

フロントのある2Fフロアーから見た1Fのモダンフレンチレストラン ブラッスリー。

高い天井の迫力ある大空間はこの光景を見た人の目を圧倒する。

これを見るだけでも好奇心を満たすラグジュアリーな

京都体験を約束するホテルと確信する。

こちらも光と影を上手に使ったモダンなしつらえのアートワークだ。

フォーシーズンズホテル京都の敷地内に約1万㎡の庭園がある。

これが800年の歴史を超えて守り継がれる「積翠園」だ。

平家物語に「小松内府の園地」と記されている平清盛の長男・重盛の

山荘庭園(小松邸)と言われている。

その後江戸時代(元禄期)に改修されたものの、現存する

平安時代末期の庭園は数少なく、貴重な文化遺産である。

この庭園を見渡すテラスからはこの悠久の都において

奥ゆかしき伝統と四季折々の美意識・モダンな感性が響き合う

新たなシティリゾート滞在をご提案しています。

尚、奥の建物エリアがホテルレジデンスだ。

丁度テラスに組み立て中だったかまくら(イグルー)を進化させた

人気のシャンパンドーム。

数寄屋造りの茶室とサロン。

サロンの小屋組みは母屋から曲がり材を用いた合わせ梁を掛け

その間に繋ぎ梁を挟んでいる。そしてサロンのテラスがせり出している。

引き戸の取っ手は銀杏の形と芸が細かい。

設計は山本良介アトリエ、施工は竹田工務店だ。

以前ウエスティング都ホテル京都でも紹介したが、殺風景なコーンに

竹を組んでちょっとでも景観を壊さない配慮を京都の人達はしているのが素晴しい。

こちらの方が今回、ホテル内を案内し、詳しく説明してくれた一流のホテルマンさん。

以前、東京で現天皇ご夫妻をエイドした経験話をしてくれたのが

とても印象的であった。このブログを借りてお礼を申し上げます。

「大変お世話になりました。」

さあこれから館内の視察だ。

長い廊下もシックな雰囲気でとても気持ちが良い。

地下のフィットネスクラブ。床を正方形・長方形に区切っているのは

畳を表現しているとの事。この部屋を施工するにあたって2枚目写真の奥に

設置してある機材が大きくて部屋に入らなかった為、

わざわざ床を低く施工し直したとのエピソードを聞き、

その徹底ぶりに皆驚いた。

こちらは地下にある室内プール。

いかにもゴージャスでリッチでセレブといった雰囲気。

こんなプールで時間を過ごす人達はどのような人なのだろう?

これはルームナンバー表示の器具。

ここにも和の香りがする行灯的デザインのものを採用している。

フォーシーズンズホテル京都の土地を所有しているのはこの模型でわかると

思いますが、隣地の妙法院。こちらは天台宗の寺院で、青蓮院、三千院とともに

天台三門跡と並び称されてきた名門寺院である。

特に2枚目の大きな建物の模型の「庫裏」は

安土桃山時代の建築で国宝に指定されている。

Moden&Traditionalの融合が織り成す洗練された居室空間。

そして憩いの空間。当ホテルのスイートは家族や大切な方と

ゆったりとくつろげる市内最大のリビングスペースが魅力だそうだ。

因みに一泊10~15万円。京都のホテル価格はちょっと高すぎるのではないか!?

ここはフォーシーズンズホテル京都の最高級の部屋だ。

直線的なラインを活かしたミニマムなデザインが和の心を感じさせる典雅な空間。

リビングルームのなんという広さ。高目の天井の木の造りの素晴らしさ。

ベッドルームの壁の仕上げはなんと西陣織りという絢爛豪華さ。

化粧材に使われている木製組子の格子。

他にも和紙を使った照明器具、襖、漆器など和のエッセンスを組み入れた

モダンで洗練されたゲストルームが待ち構えている。

さぞ外国人がここに宿泊したら興奮して感動して、

恍惚状態に成ってしまうのでは。

因みに聞いた所によるとここは一泊180万円と庶民には

別世界の部屋を見てしまった。

最高級の部屋から見た800年の歴史を誇る「積翠園」の全景。

池に配された大小2つの島と数々の石組から不老不死を希求した蓬莱思想に

基づいて作庭されていることが明らかになっている。

階段の上からパチリしたシャンデリアもすごかった。

自然の温もりと明るい陽光に包まれ、五感に響くセレモニーが挙行されるチャペル。

床に細かく組まれたクロマツの甘い薫りがチャペルの中に香り、

今まで見たそれぞれの部屋もすごかったが、このチャペルの香りには

ウットリする心気よいものに浸ってしまった。そしてしっかりして年輪を重ねた

長椅子も寿きの縁起を担いで使われているという。実に凄い拘りだ。

またまた目に止まったインテリアデザインのしつらえ。これでもか、これでもかだ。

そして共用部分にディスプレーされていた人力車とオーダー自転車。

メーカーはエルメスで人力車は超高級外車が買えてしまう位の価格がするとか。

ここまでくるとちょっとバブリーなホテルイメージに成ってしまっている。

西陣織など京都が誇る伝統工芸を取り入れたモダンなしつらえのボールルーム。

最後にフォーシーズンズホテルについて若干触れてみたい。

フォーシーズンズホテル&リゾートは1961年に最初のホテルをオープン。

フォーシーズンズの物語は絶え間ない革新、目覚ましい拡大そして

最高水準へのひたむきな献身の物語だ。

アジア進出第1号として1992年1月に開業したフォーシーズンズホテル椿山荘東京は

2012年末に提携が解消され現在はホテル椿山荘東京となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 


浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編322~

2020-11-27 06:23:29 | 食~番外編(京都)

うぞふすい わらじや

京都市東山区七条通本町東入ル

TEL 075-561-1290/075-541-4694

定休日 火曜日

http://aquadina.com/kyoto/spot/2504/

当店は三十三間堂の斜め前、京都国立博物館の並びにある超々老舗のうなぎ屋さんだ。

その歴史と由来は次の通りだ。

秀吉がここで昔、わらじをぬいだとか、それが由来で「わらじや」の名前が付いた。

ということで創業は三百六、七年という東京(江戸)では考えられない歴史を重ねている。

やはり、千年の都、京都は時間軸が違う。

京都の古い座敷には格別の味わいがあります。

立派な料亭より、骨董屋でものぞいた帰りにひょいとはいれる古い店が、

いちばん京都らしくて私は好きです。

三十三間堂の前のわらじやはそんなお店の一つです。(文 犬養智子)

当店は百名店2019.2018に選出されています。

ご覧のように建物全体が古いのですが、左一炉庵と名付けられた茶室は特に古く、

チョウナだけで作られているそうです。

いかにも京都町家風の建物に入ると、ここも中庭・坪庭があり、いかにも京都の風情を醸し出している。

庭の真ん中には北山杉が植えられ、その下に日本庭園の装飾として設置される

「ししおどし」(鹿威し、獅子威し)があり、より風流な雰囲気を作っている。

はじめに運ばれてきたのがお千菓子の落雁とお抹茶。

お千菓子は、わらじやと書かれた小さなひょうたん型。

さすが茶の文化が根づいている京都!と納得。

当店は、うぞふすい(6,831円 税・サービス込)と、まむし(3,668円 税・サービス込)と、

昼限定メニューのうぞふすい(3,668円 税・サービス込)しかない。

因みに関西では鰻のことを「まむし」と言う。

そして腹開きで蒸さずに焼くのが関西式。

香ばしさとともに鰻らしい風味と食感が楽しめる。

うぞふすいの最初は季節のものの先附。

人参でもみじの紅葉、銀杏などが見た目に秋の季節感かな?

当店の箸袋にはびっくり。

達筆な筆使いで、うぞふすい(登録商標)についての能書きが書かれてある。

犬養智子曰く「古いだけでは現代人の好みをつなぎとめられません。

ここは「うぞふすい」を発明して古さと新しさをミックスして成功しました。

一年中おいしいうなぎを老幼男女だれにでもたべられるぞうすいにして、

とっつきやすい値段で出たところに、着眼点の卓抜さがあります。」

これが「うなべ」。

鰻の筒切りと焼き九条葱、庄内麩に生姜が入った吸い物風の鍋だ。

とてもあっさりした優しい味で、なんとも言えない鰻の香ばしさで箸が進んでしまう。

それにしても二階の座敷へ上がる急階段を熱い土鍋を持って上がり下りする仲居さんは本当に大変だ。

ひとたびこけたら大変なことに成ってしまう。

次は当店大名物の「うぞふすい」。

鰻の白焼、ごぼう、人参、椎茸、三つ葉、お餅、卵がはいった雑炊で、

香ばしいうなぎの旨味と濃いめの出汁が効いたまさに絶品料理。

旨味の余韻がどこまでも続き、いくらでもお腹に入ってしまう。

これを医者が見たら即ドクターストップになってしまったろう。

又、見た目にも白木の筏が素敵で、京都のまつり「御神興」を思い浮かべてしまう。

やはりこの料理にも京都千年の食文化の歴史を感じてしまいました。

わらじやさんの裏舞台、厨房と帳場。

ここでまた一つ時代が止まっていることを発見した。

こちらの代金の決済はキャッシュオンリーだそうです。

クレジットカード利用も駄目だそうです。

さすが秀吉の時代にできたお店だと変に感心してしまった。

関東では決して使わない表現の「まむし弁当」税込3,000円。

まむしと言うと鰻ではなく蛇になってしまって全く食欲が無くなってしまう。

しかし関西のまむし重はしみじみと一度味わってみたい。

 

 

 

 


第3回 旨い店シリーズ 「番外編-県外部門」ベスト10

2020-11-26 06:29:23 | コラム

県外ベスト10というと埼玉県、東京都を除く全国が対象となるだけにエリアは広く、レベルも高い。

県外の店は目的を持っていくケースが多いだけに名だたるお店があり、

10軒に絞り込むのはかなり大変な作業で正直ベスト20位ぐらいが必要だったのでは。

期間は2017年1月19日から2020年10月30日迄の78軒が対象で、それぞれ思い出深いお店が多い。

それは大なり小なり旅とセットになっていることがそうさせるのだろう。

結果的にはメジャーなお店が4軒、中堅クラスが3軒、マイナーなお店が4軒と

バランスが取れたランキングとなった。

 

第1位  菊乃井 本店(京都)

~番外編277~ 2019-10-26付

京都の老舗料亭「菊乃井」の創業は大正元年というから108年の歴史を有する。

しかし当店のすごさはこの伝統に安住することなく絶えず食の革新を求めている所がすごい。

現代の三代目・村田吉弘氏は和食を世界に広めるため心血を注いでいることで知られている。

そんな菊乃井さんのしつらえは、すべてに主人の心配りが感じられる。

又、料理では茶の湯の心と水に生かされた野菜の出汁で煮含め調理する水の料理は

伝統を守りながら豊かな四季を繊細に表現し、

訪れる人の心にたおやかに余韻を残す不朽の名作を創り上げている。

なんといってもその発想がすごく、この写真でも紹介した様に

ほおずきの実、蓮の葉に水滴など独創的でお客の目を瞬間につかんでしまう。

当店は「料亭は大人のアミューズメントパーク」。

普通の人が普通に働いて、人生の節目に少しだけ贅沢な気分を味わえる店です。

そして伝統を重んじながら柔軟に進化を続ける時代を超えた名店という生き方は、

我が社と同じ創業であり、多くを示唆してくれる親しみを感じる。

 

第2位  京料理 竹林(宇治)

~番外編224~ 2018-11-29付

宇治市の平等院参道の中で静かな街並みに解け込んだ素晴らしい純日本家屋の京料理屋さんだ。

こちらの店主は京都・菊乃井で修業し、ここで独立した若い料理人だ。

ここでも紹介したが、ご夫婦でお店を切り盛りしており、

帰りがけには外まで2人で送っていただいた本当に素敵なご夫婦だった。

ご主人は今でも定期的に応援がてら勉強も兼ねて菊乃井・本店に行っていると言っていた。

料理も本当にすごく、菊乃井の流れを受け継ぎながら自分独自の世界を作り上げつつあるように感じた。

特にすごかったのは子持ち鮎の杉板焼は上品で鮎そのものの良さを引き出した傑作だと感激すらした。

実に奥深く美味しかった。

機会があればもう一度食したいほどすごかった。

竹林さんの京料理は、すべて納得の懐石料理だったが、特に感じたのは素材の良さとそれを生かす技だ。

この若き料理人はもうかなりのレベルに達し、今油にのっているといった感じ。

さらに今後の飛躍も期待できる可能性を強く感じた。

 

第3位  ふく おこぜ懐石 活魚料理 あじろ(萩)

~番外編140~ 2017-2-23付

当店は歴史と文化の萩を代表する懐石料理店だ。

上質の和の空間に統一された静謐な和風建築。

そして当店の大将は毎朝セリに出かけ、味覚美食の追求に妥協は許さない。

主たる食材は地物で揃えるが気に入った野菜が無い時は京都から取り寄せる程のこだわり。

こんな「あじろ」さんは今迄食べたふく料理ではダントツNo1と太鼓判を押せる名店だ。

ふく料理のコース、ふく皮のポン酢仕立て、ふくのひれ酒、ふく刺し、

ふくの白子、ふくの唐揚、ふくろり(関西ではテッチリ)、ふく雑炊、

どれをとってもトータルバランスが素晴らしい中でしっかりとふくの良さを主張してくる。

これは大将の目利きと腕の良さから来ているのだろうと感服してしまった。

 

第4位  瓢亭 別館(京都)

~番外編174~ 2017-12-18付

創業は天保8年(1837年)。

誰もが憧れる瓢亭の朝がゆを食べに行った。

朝食を料亭でとはなんと贅沢なことか。

当店の朝がゆは今では京都人でさえも食べてみたいという憧れの懐石仕立ての朝ごはんだ。

(AM8:00~AM11:00 )

朝のしっとりとした京都の趣きを感じながら梅湯で朝一番の味として口の中をさわやかにし、

名物の半熟玉子など見た目に楽しい三段重ねの瓢箪型の器に盛り付けられた

京懐石を食べながら朝粥が炊き上がるのを待つ。

粥に出汁と醤油で仕上げた葛餡をかけて頂くと、今京都に居るのだなーと、しみじみ感じ入ってしまう。

瓢亭の朝かゆは京の旦那衆が作り、育て上がった食文化だとつくづく思う。

次の機会があったら是非本館で味わいたいものだ。

 

第5位  焼肉冷麺 ぴょんぴょん舎(盛岡)

~番外編161~ 2017-8-17付

昭和29年、ぴょんぴょん舎がニッポンめんサミットに出店した冷麺が評価され、

盛岡冷麺と名付けられたという。

ということで当店は歴史的なお店と言える。

ここの冷麺のキャッチコピーは「イーハトーブの味伝説」だそうだ。

これは宮沢賢治の世界で岩手県のグルメ文化と言っても良いかもしれない。

いつかは本場の雰囲気で盛岡冷麺を食べてみたいという願望が達成でき、とても満足したのを思い出す。

冷麺は表面がツルツルしてコシが強くシコシコした麺で歯ごたえと喉越しの良さが特色だ。

その上、見た目も爽やかで、まさに盛岡のソウルフードと言ってよい。

すっかりぴょんぴょん舎の冷麺にハマったので東京や埼玉にもお店があるようなので、

是非、盛岡での感動をもう一度味わってみたい。

 

第6位  ペンティクトン(長野県飯山市)

~番外編209~ 2018-9-12付

ペンティクトンさんは今回のベスト10で一番の大穴だと思う。

飯山市といったら正直田舎町。(地元の皆さん、こんな言い方してすいません。)

紹介者の「並んでも食べたいカレー店です。」という殺し文句を信じて訪問したが、

いくら世話に成った人の紹介といってもこんな旨い店があったとは想定外の美味しさの出会いであった。

特に人気No1が焼きカレーというのもすごい。

当店の食材のこだわり、豚肉のみゆきポークの旨みには脱帽だ。

又、ここでもお米、生産者が明記された飯山産のごはんがまたすごかった。

第9位の但馬産コシヒカリが終わったら、こちらの飯山産に切り換えたくらいだ。

ペンティクトンのカレーは病み付きになるとは本当にそうだ。

それにしてもカレーという食材のすごさには改めて考えさせられてしまった。

 

第7位  お食事処 慶(山口県周防大島)

~番外編142~ 2017-3-2付

今回のベスト10で最も辺ぴな所(瀬戸内海周防大島)にある意外性のある海鮮料理(かっこよく言えば)だ。

見た目は掘建て小屋(バラック)で都内ベスト第8位の「かおたんラーメン」を思い浮かぶ。

前日この前を通って明日の昼食会場はここですと知らされた時、

グルメツアーの皆は一様に驚きの声を上げた。

当店は旅行屋さんは決して連れていかない店、地方でなくてはできない名店だった。

当店は最後の写真のご夫婦がやっていて周防大島の伝統食材(亀の手、いりこ等)を使って

他では出せないものを提供している。

亀の手ラーメン、プリプリのサザエの天ぷらミニ丼、太刀魚ばかりのデラックス定食。

その日の漁師の釣り魚定食、美人オコゼ御膳など素敵なラインアップが続く。

味も最高、マイウーの2.5乗の逸品ばかりだ。

ここは本当に良い店で心も胃袋もフィーバー状態にさせる。

まさにボロは着てても心は錦の店でこういうの好きだナー。

 

第8位  割烹 喜紫(草津)

~番外編252~ 2019-5-15付

草津温泉にリゾートマンションを所有して約30年。

その間、草津の街の旨い店の開拓をしてきたが、

当店が数十年間の草津エリア旨い店シリーズの総決算と思える程の発見であった。

まさに20年間、特にここ10年間、当店を知らなかったことが一番の驚きである。

草津町にある日本料理店の中では最も本格的な懐石料理店だ。

全国各地にはこのレベルの懐石料理店は数多くあると思うが、第2の故郷と思える草津の地だからうれしい。

そんな気持ちが第8位にランキングさせてしまった。

草津には他に行きつけの店として中国四川料理の「龍燕」(番外編3)、

「地球屋草津」(番外編21・・・閉店したかも?)、菱麦 豚しゃぶ「月や」(番外編35)、

焼肉 しゃぶしゃぶ「したつづみ」(番外編74)、くいもんや「あ・うん亭」(番外編118)等があるが

新たな名店として「喜紫」が加わってより厚みを増した。

 

第9位  グリル・ド・神戸(神戸)

~番外編194~ 2018-5-7付

社員旅行で来た神戸。

大奮発して7,900円の神戸ステーキのコースを注文。

これが大当たりのステーキハウスであった。

神戸市内には神戸牛のステーキハウスが183軒もあるそうです。

当店はその中で食べログ14位の店だ。

偶然この年の秋には神戸の最高峰・麤川(あらがわ)にも来訪したが(2018-11-20付~番外編222~)、

ここは旨いのは当然決まっているのでベスト10では当店を選出した。

神戸牛は最高級A5級、紀州備長炭で焼き、人肌で溶けるほど沸点が低く、

あっさりとした味わいで、やはり他の和牛とは違っていた。

しかし、ステーキよりも盛り上がったのはごはん。

「こんな旨いごはん一生で初めて食べた」とか「ごはんの香りが強く、甘~い」とか、

何人もの社員からごはんのおかわりリクエストがでた。

こんな現象は滅多に無いことだ。

このごはんは但馬産コシヒカリで、さっそく帰って来て取り寄せ、しばらく我が家で続いた。

 

第10位  みんみん(宇都宮)

~番外編296~ 2020-2-25付

ぎょうざの街・宇都宮と言われながら、しかもこんなに近い県外で本格的に餃子を食したのは、

お恥ずかしい話、ここが初めてでした。

よく本当の旨い店の情報を得るには地元の人に聞けと言われますが、

今回仕事で来た帰りにタクシーの運転手さんに「みんみん」を推薦されて来た。

ここは栃木県内9店舗あるうちの駅近ビルインの明るく開放的な店だった。

内装壁には私の好きな地元の大谷石を使い重量感があるのも気に入った。

当然オーダーしたのは焼餃子と揚餃子。

さすが、ぎょうざの街で地元の人が推薦した餃子は正直言って最近食べた中ではNo1だ。

特に焼餃子はどこまでも余韻が残り、また是非食べたい逸品であった。

それと同じ位、あるいはそれ以上だったのが1日限定25食の炸醤麺。

ご覧のように光っていて美しい姿。

これがサッパリしていてさわやかな味と食感が口に拡がり、

さいたま市内では味わったことのない逸品だった。

宇都宮へ餃子を食べに足を伸ばす価値のあることがわかった。

 

特別賞  日本料理 しゃぶ禅(京都)

~番外編166~ 2017-10-5付

23年前アルゼンチン・コルドバ市から

さいたま市立浦和高校に留学に来ていたアレハンドロ・ロマーノ君(愛称アレ君)が

20年振りにサーモンカンバックした。

私は彼のカウンセラー(日本のおとうさん役)をしていたので、一泊二日で京都に旅に出た。

彼の日本での大好物の一つがしゃぶしゃぶだったので祇園にある「しゃぶ禅」さんを予約。

我々(アレ君夫妻)が入店してしばらくすると外国人のグループが入ってきた。

どうやらスペイン人の観光客のようで「しゃぶしゃぶって何?」と議論しているとの事。

アレ君に「同じスペイン語だから説明してあげたら!」と言ったら

ちょっと躊躇していたが、やおらスクッと立ち上がりスペイン人のグループのテーブルへ。

そして手振り、身振りで説明が始まった。(写真)

スペイン人グループは感心したように笑顔でアレ君に質問したりして大いに盛り上がっていた。

この光景は一服のドラマを見ているようで感動したのを昨日のように覚えている。

その舞台が京都・祇園のしゃぶ禅さんだった。

 

                                                                                           

 


浦和エリア旨い店シリーズ ~その451-Ⅱ~

2020-11-25 06:37:49 | 食~ラーメン・中華
  • ニュー吉野

さいたま市南区太田窪2843-35

TEL 048-886-6966

定休日 不定休

駐車場 2台

昨年の12月から当店にハマって今年は今迄5回通ってしまいました。

その中でどうしてもこのかつカレーライス(800円)を皆様に見てもらいたくて

~その451~(2020-1-15付ブログ)に続き、かつカレーライスだけの為にPART-Ⅱをアップしました。

当店のかつカレーのカツはロース豚肉の塊をかつサイズに切って油で揚げる本格的なレシピです。

コクのあるカツと上品な味のカレーが相まってとにかく旨い。

スプーンで1口ごとに口にほおばる度に美味しさに自然と頷いてしまう程のカツカレーです。

作っているのはこちらの初老のご夫婦。

カウンター越しから見ていると手際はイマイチだが決して手を抜いていない。

旨いものを作ろうという思いがカウンター越しから伝わってきます。

このメニューを見ると通常の街の中華屋さんよりは種類も多いし幅もかなり広い。

これも当店の素晴らしさの1つだ。

そして、このメニューを老夫婦2人でこなしている。

この大将の頭の中にはレシピが全て入っている。

それがプロの技なのだろう。

この日は入店して見るとほぼ満席状態。

しかも作業服を着た猛者が多く見えた。

おかげで店内模様を撮るのにちょっとビビり撮る位置がずれてしまった。

そしてカツカレーを注文後、先着の人達の料理が出てくるまでかなり時間がかかり、

約40分の待ちになってしまった。

外には出前用と思えるバイクが駐車してあった。

まさかこの老夫婦が出前をするのではないと思うが、出前は今では貴重なシステムだ。

当店に限らず普通の街の中華屋さんの数はものすごくあるが、

このタイプの店が戦後からの日本の中華を引っ張ってきた。

中華料理を日本人の国民食にした功績は大変大きいとこの旨い店シリーズを体験して思う。

この街の中華屋さんが近年、徐々にやめていく傾向があるのはとても心配だ。

 


続々・マンション販売中です!

2020-11-24 06:36:39 | お仕事

不動産部リフォーム再販事業より毎回いち早く情報をお届けしておりましたが

今回は申し訳ございません!

あっという間にお客様にご購入いただいた物件です!

ご紹介は終了してしまいましたが、リフォーム再販サポート担当のIが

本当に素敵な物件でどうしてもご紹介したくて、掲載のみさせていただきました。

 

「アーバンキャッスル東川口」

川口市東川口4丁目

南東向きで日当たり良好!

スーパー、公園などの施設も揃い東川口駅徒歩8分の好立地のマンションです。

温かみのあるLDKと和室。

フルリフォームの水回りは清潔感もあり、落ち着いた色で揃えています。

お住まいになる方のアレンジをじゃましないので担当Iもお気に入りのカラーコーディネートです。

洋室2部屋もそれぞれに収納もあり、使い勝手のよさは折り紙付きです!

 

さて、担当Iはこのお部屋のたまらなく好きなポイントを切り取らせていただきました。

  

こちらの3枚です!

バルコニーに面した北欧テイストのキッチンスペース。

今回のリフォームの際に吊戸棚をなくしオープンキッチンにしてスポットライトを設置。

トクラスのキッチンはお掃除のしやすさ・使いやすさ・デザイン性と3拍子揃っていています。

キッチンに立つのが毎回うれしくなりそうな空間です。

そして温かみのある和室。

いぐさの香りとやわらかな和室のトーンが心休まる空間で心地よかったです。

 

こちらで新生活をスタートされるお客様。

誠にありがとうございます。

快適で素敵な新生活を送られることを心よりお祈りいたします!

 

 

住み替え検討中の方、買いたい方、売りたい方、リフォームしたい方が

いらっしゃいましたらスミダマンまでお気軽にお声がけください。

只今、不動産部リフォーム再販事業では買取り強化中です!

 

スミダ工業(株) 不動産部リフォーム再販事業 担当:大久保

048-882-0166

 

 

 

 

 

 

 


浦和エリア旨い店シリーズ ~その512~

2020-11-23 07:02:33 | 食~ラーメン・中華

北海道らーめん ひむろ 南浦和店

さいたま市南区南浦和2-35-3

定休日 水曜日

11月2日新規オープンの日にたまたま行ってきた。

当店はJR武蔵野線の高架下にあり、以前は博多ラーメン極麺「うまか」と

隣に焼肉ホルモンの「松阪牧場」(2017-4-20付ブログ)があった。

同じようにこの後を引き継ぎ、隣にはホルモン肉問屋ゴロゴロ肉の「ピッコロ」も開店した。

ラーメンは博多から北海道、焼肉ホルモンは同じとあまり変わり映えがしない業態だが経営者は違うようだ。

開店日というのに本日のラーメンはみそラーメンのみと来た。

当店を経営する梅沢グループの梅沢社長32歳は江戸川区出身の若い社長だ。

この日はオープン日ということもあってだろう、本人自らカウンターの中に入りオーダーを取っていた。

本人曰く、当店で5店舗目、埼玉は初で、地域一番店を目指しているとの事。

彼はロック歌手・氷室京介が好きで店名はそこから取った。

尚、隣の店名は母親の名前と言っていたがピッコロと結びつかない。

本当はもっと早くオープンしたかったがコロナの関係で遅れてしまったとも言っていた。

オープン時限定メニューとして札幌味噌ラーメン(790円)、一番人気の特製味噌ラーメン(1,100円)、

味玉味噌ラーメン(900円)、他にもやし味噌ラーメン(もやし倍)、味噌バターコーンラーメン、

味噌でっかいどう(2倍)などがある。

メニューの注釈にOPEN時は混雑が予想されるため、麺類は味噌ラーメン系のみ提供と断りが書いてあった。

店内はコの字型のカウンター席とワンテーブル席と前店のうまかと全く同じ。

壁の色は弁柄色に変えて内装はすべて変えていた。

お店が心配していた混雑は我々が行った時はなく、

かえってパラパラ状態で若社長は気が抜けたのではないか?

尚、いつまでかわからないがオープン記念として200円の割引券を帰りにいただいた。

これが一番人気の特製味噌ラーメン(1,000円)だ。

見た目にも具沢山。

大きめのチャーシューが3枚もあり、中にも小さく切ったサイコロ状のチャーシューがゴロゴロ入っている。

他に山盛りの生の長ネギにもやしで、こちらはシンプルなトッピングとなっていた。

スープは10数種類のスパイスをブレンドした秘伝味噌ダレとゲンコツ、背ガラ、豚足、

北海道根昆布を炊き込んだこだわりの極上豚骨スープ。

確かにまろやかで旨いのだが、いまいちパンチ力に欠けている。

北海道の味噌ラーメンといったらスープにもインパクトがほしい。

それに比べると麺は素晴らしい。

日本の三大製麺と言っていたが北海道の小林製麺のもので直送の成熟卵麺。

厳選した良質の小麦粉を練り上げたもので絶品といってよいのでは。

この日は心配なのか、技術指導の為なのか、小林製麺の人が応援に来てくれたと言っていた。

外にはオープン祝いの祝花が2基、

小林製麺と隣のピッコロの元気酒場一笑一杯から出されて華やいた雰囲気を作っていた。

卓上にはおろしにんにく、こしょうとともに

小さなお店にもかかわらず呼び鈴が置いてあったのが印象的であった。

壁には北海道ラーメンひむろのこだわり

1、秘伝味噌ダレ

2、極上豚骨スープ

3、熟成卵麺

これを中華鍋で一杯一杯心を込めてお客様に提供します。

との誓いの言葉が2ヶ所に張ってありました。

 

 


浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編321~

2020-11-21 06:44:04 | 食~番外編(都内)

Orient Cafe (オリエント カフェ)

東京都文京区本駒込2-28-21 (公財)東洋文庫内

TEL 03-3942-0400

定休日 火曜日

ランチタイム 11:30~14:30

ティータイム 11:30~17:30

ディナータイム 17:30~21:30

東洋文庫1階の展示コーナーの大きな窓硝子越しに見えたオリエントカフェの建物全貌。

全面芝生の庭の中庭が贅沢な雰囲気を作っている。

この中庭をシーボルト・ガルテンというそうだ。

東洋文庫からこのオリエントカフェに通じる廊下がまたすごくお洒落空間。

片やアジア諸地域の文字でデザインされた壁と壁面緑化が交互にどこまでも続き、

反対面には広葉樹と草木が良い感じの間隔で植栽され、

金属製のパネル天井と床も敷石と石をアクセントにした道に仕上げている。

ここは知恵の小径(アジアの名言)というそうだ。

店外には広々した庭シーボルト・ガルテンの空気を吸いながら

のんびり時を過ごせるワイドなテラス席がある。

オリエントカフェを経営するのは実は岩手県にある小岩井農場(2017-8-23付ブログ参照)だ。

小岩井農場は明治24年に開設され、その後明治32年から岩崎久彌(三菱第三代社長)が継承し場主となった。

その岩崎久彌が大正13年に設立したのが東洋学分野での日本最古・最大の研究図書館である東洋文庫だ。

そんなゆかりの地に佇むオリエントカフェ。

店内に入ると木のぬくもりが感じられるゆったりとしたテーブル配置で、大人の香りがしてすごくいい感じ。

当店のことは詳しくは知らなかっただけに大当たりでラッキーといった気分になった。

バーカウンターには小岩井農場に歴史とともに生まれてきたカラマツの1枚板が使用され、

大人の雰囲気がする素敵なコーナーに成っている。

今回はティータイムとしてお伺いしたのでランチメニューはパス。

スウィーツメニューとしては小岩井チーズケーキ700円、小岩井カスタードバニラアイス700円、

シェフのおすすめシャーベット580円、デザートプレート1,220円など

いかにも小岩井農場経営のカフェらしいラインアップだ。

因みにランチの参考メニューとして10食限定の重箱にセットしたいかにもらしい

文庫ランチ(マリーアントワネット)2,000円。

厳選たまごのふわとろオムライス(マルコポーロセット)1,720円は気に成るメニューだ。

以前行った小岩井農場を思い出して小岩井カスタードバニラアイスと小岩井チーズケーキセットをオーダー。

これをシェアして楽しんだ。

小岩井農場が一貫して取り組んでいるのは素材にこだわった製品づくり。

お客様の信頼に応えるため小岩井だからこそできる安心安全な製品づくりに真剣に取り組んでいるそうだ。

窓から見えるシーボルト・ガルテン(庭園)には小岩井農場から移植された一本桜が枝を伸ばしている。

びっくりしたのは大理石のベンチの下に長く延びているステンレス製の板。

よく見るとこの建設に関わった設計者、構造設計者、意匠設計者、現場担当責任者、

各施工協力者など数多くの人の名前と担当者のみが彫られている。

こんなのは初めて見た。

建築に携わる人間としてこの建物のウロコ状の外壁パネルが目に止まったので参考にパチリ。

 

 


東洋文庫

2020-11-20 06:39:07 | 建物

1889年に史学会が設立され日本での科学的歴史研究が本格的に始まった頃、

岩崎久彌氏は和図書の収集に着手。

1901年にはマックス・ミュラーの旧蔵書1万冊を購入し東京帝国大学に寄附している(この蔵書は震災で焼失)。

そして1917年、ロンドン・タイムス特派員中華民国総統府顧問等をつとめた

G・E・モリソン氏の蔵書を購入し、1924年に財団法人東洋文庫を設立した。

この東洋文庫は六義園正門より1本大通り沿いの不忍通りに面している。

その隣りは駒込警察署、日本医師会館、文京グリーンコートと続いている。

東洋文庫は東洋学の研究図書館で三菱第三代当主・岩崎久彌が1924年に設立したのは前述の通りです。

ここは東洋学分野での日本最古・最大の研究図書館であり、

世界5大東洋学研究図書館の一つに数えられている。

ミュージアムに入館すると手前にはミュージアムショップ「マルコ・ポーロ」が併設されている。

ここには東洋文庫に関わる魅力的なオリジナルグッズが販売されていた。

ここから時空を超える本の旅が始まる。

ここオリエントホールでは100万冊もの蔵書の中から

企画展に合わせた内容の資料を様々な言葉で紹介している。

その蔵書の中には国宝5点、重要文化財7点がある。

その内訳は漢籍40%、洋書30%、和書20%、他アジア・アフリカ言葉10%の構成に成っている。

ここは歴史知識の有無に限らず誰もが気軽に楽しめるのが特徴で、

遊びと知が深く結びついた新しい形のミュージアムです。

東洋文庫ミュージアムはより多くの方に

アジアの歴史や文化に興味をもってもらうことを目指して開設された。

当文庫の蔵書は広くアジア全域を網羅し、これ程まとまった収集は世界的にもあまり例がなく、

東洋学研究のための日本最大の貴重書コレクションだ。

1階のオリエントホールでは様々な貴重な展示がされていたが、

今年の秋に野口英世の生誕の地へ訪問しただけに、

アメリカで交流があった医学博士が刊行した野口英世の英文の伝記書が一番目に留まった。

1階のオリエントホールから2階のモリソン文庫・岩崎文庫の企画展会場へは

ご覧の様なチーク材のストリップ階段を上る。

この空間は1・2階が吹抜けの大空間に成っていてすごく開放的で迫力があった。

東洋文庫の数あるコレクションのなかで最も有名なのがモリソンコレクションだ。

1917年、東洋文庫の創設者・岩崎久彌は北京駐在のオーストラリア人のE・Gモリソン博士から

東アジアに関する欧文の書籍・絵画・冊子等、約2万4千点をまとめて購入した。

それから一世紀の時間が流れた今ここにその貴重なコレクションがよみがえった。

2014年4月9日に上皇陛下ご夫妻が東洋文庫にご来館した時の写真。

上はダニエル・デフォー1719年のロビンソン・クルーソー漂流記。

下はジョバンニ・ラムージオ編1583年ベネチア刑の東方見聞録(航海・旅行記集成)。

この東洋文庫の建物もグッドデザイン賞2013、東京建築賞など数々の賞に輝いている。

この日は三菱創業150周年記念企画として

岩崎文庫の名品_東洋の叡智と美 展(2020年10月7日~2021年1月17日)が行われていた。

本展では岩崎文庫の中から国宝、重要文化財をはじめ、貴重かつ美しい本や浮世絵など、

日本の書物文化の歴史を彩る名品を厳選して見ることができた。

神護寺経一魔訶般若波羅蜜大明咒経

日本で初めて翻訳された西洋解剖学の医学書「解体新書」。

杉田玄白・前野良沢らによって翻訳された。

本読は蘭学の発達と日本の医学史に大きな影響を与えた。

14世紀前半(鎌倉時代~南北朝時代)成立、1615~24年頃刊した「徒然草(嵯峨本)」。

吉田兼好の随筆「徒然草」を活字印刷した本書はとりわけ装飾が豪華な1点だ。

文字よし 下絵よし 文章よし!

平安時代成立、1608年(慶長13年)刊した「伊勢物語(嵯峨本)」、作者未詳。

在原業平ともみられる男を主人公とした歌物語。

美麗な造本が楽しめる。

舎人親王ほか著、720年(養老4年)成立。

1599年(慶長4年)刊した「日本書紀(後陽成天皇勅版)」。

日本書紀では神話の時代(神代)から持統天皇697年8月までの

天皇家に関する出来事を年代順に記した日本で最初の国史。

端正で読みやすい文字と発色の良い墨の色が美しい本です。

「回顧の路」の空間では展示物を保護するため照明を極限まで落としている。

クレバス・エフェクトをこえて、タイムトラベルの終着点に向かう。

したきれ雀、さるかに合戦、浮世楽助一盃夢虚言八百根元記。

下の写真は日本昔話の代表的な存在として知られる「さるかに合戦」。

17世紀後半から18世紀前半に盛んに出版された「赤本」のひとつ。

1793年(寛政5年)、喜多川歌磨の「高崎おひさ」愛敬あふれる江戸のアイドル、両国の水茶屋の看板娘。

1834年頃刊の歌川広重作の「近江八景」。

本作により庶民にメジャーな名所になりました。

1855年、歌川広重作の「五十三次名所図会」。

当時新進の絵師であった広重は一躍人気絵師となった。

「東海道五十三次」が横長の絵だったのに対して、

こちらは堅絵と呼ばれる縦長の構図で最晩年の作品で多用された。

 


文京区大和郷エリアの豪邸

2020-11-19 06:23:00 | 建物

地図上の六義園の下の方一角を昔から「大和郷(やまとむら)」と呼んでいる。

大和郷とは江戸時代、諸藩の下屋敷や武家屋敷が置かれていたことから

明治時代以降に政、官、財界人の豪邸が立つ地域となった。

このため今でも山手線内の高級住宅地として知られている。

大和郷(やまとむら)という都内屈指の住宅街は現在の本駒込6丁目を中心とした一帯で

三菱三代総師・岩崎久彌が六義園周辺の土地を「大和郷」として

アッパークラスに向けて分譲したのが高級住宅地の歴史の始まりだ。

一区画150坪~300坪という規模で分譲された大和郷は

三菱村・丸の内へのアクセスが良いことから三菱グループの重鎮が多く住んでいた。

ほかにも政治家、官僚、実業家などが居を構えていた。

初代名誉郷長は若槻礼次郎(第25、28代、内閣総理大臣)だった。

又、正田美智子(現・上皇后)が受験の為、俵孝太郎の旧宅に移り住んだこともあるという。

六義園を囲む長い長いレンガ塀。

江戸時代、この駒込エリアは富士講、鷹匠屋敷、名産の駒込茄子があった為、

一富士、二鷹、三茄子として江戸っ子は縁起の良い土地として語っていたという。

駒込一帯は文京区、豊島区、北区の区境がある所で写真の右側の家は文京区本駒込6丁目、

左側の家が豊島区巣鴨1丁目1番1号で、真ん中に区境がある。

それでは道路の奥の家は何区なのだろうか?

この2階建ての立派な白亜の建物は個人の住宅なのだろうか?

それとも何かの施設なのだろうか?

とにかくデンとして存在感のある建物で目立った。

静かな高級住宅街を散策していたら突然全く趣きの違う大きな建物が現れた。

道路際に何本も連なるエンタシス系の丸柱は、まるで古代ギリシャの神殿のような建物だ。

これは宗教法人・天心聖教の本部聖堂で天心大霊神様を信仰し、島田晴一を開祖とする宗教だ。

六義園の正門前の通りは大分以前に分譲になったと思われる重厚なマンション群が続き、

この通りも高級住宅街の一角を担っているようにも見える。