スミダマンのほのぼの奮戦記

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さいたま芸術劇場

2017-12-27 07:04:15 | 建物

さいたま市中央区にある舞台芸術施設が、1994年に完成した

さいたま芸術劇場だ。S造とRC造とSRC造を併用した複合構造で

地下2階地上4階の建物。敷地面積は18,970.3㎡(5748.6坪)、

建物延床面積は23,855.81㎡(7229坪)ある。

設計は香山寿夫氏(香山アトリエ+環境造形研究所)で

施工は間組・大成建設・八生建設JVが担当した。

1995年に第8回村野藤吾賞、第36回BCS賞(建築業協会賞No517)

そして1996年に日本建築業会員作品賞を受賞している。

この各種の賞を見ても建築的視点から大変優れた建物だ。

建物の用途は演劇、ダンス、クラシック、ピアノコンサートなど

かなり絞られた芸術を中心に使われている。ここで、

近々に演じられるものとしてシェクスピアシリーズの

「アテネのタイモン」、川口隆夫「大野一雄について」

ジェローム・ベル「Gala-ガラ」、レオニダス・カヴァコスの

ヴァイオリン・リサイタル、工藤重典フルート・リサイタルなどマニアックな企画が続く。

芸術劇場の中の配置は各ホール、稽古場、練習室、

総合インフォメーション、レストラン、カフェ、舞台芸術資料室

駐車場(155台)などに分かれている。

当劇場は埼玉県芸術文化振興団の芸術監督を務めた

蜷川幸雄が手掛けた芸術公演を数多く上演した劇場と名が知られている。

又欧米の著名なコンテンポラリー・ダンス・カンパニーの首都圏における

代表的な公演劇場として定着している。建築意匠観点から見ると

列柱と半透明のガラスブロックで取り囲まれた劇場の中央に

位置する円形広場(ロトンダ)やガラス屋根から自然の光が

入る構造になっている。沢山の写真をアップしたが、内外装に

特徴的な所が数多く見られ、撮影ポイントが宝の山のようにあってビックリした。

幅5m長さ100mにも及ぶ通路「ガレリア」。ここも素晴らしい空間で

ここ自体がもう芸術的領域にあると感じた。そんな評価もあってか

TVドラマのロケとしても使われるとか(TBS日曜劇場砂の器 フジTV行者魂など)

この日は知人のシャンソン発表会がこの小ホールで開かれたので行ったが

シャンソンとこの建物2つに感激でき、大変充実した日になった。

因みにさいたま芸術劇場の収容人数は2000人。

内大ホールが776席、この小ホールは266席から346席(可変式)

音楽ホール604席、映像ホール150席、大ホール、音楽ホールの

音響設計はヤマハが担当している。

 

劇場内にはフランス料理の「ビストロやま」と姉妹店の

カフェ「ペペロカフェ」が入っていてちょっとお洒落な時を過ごすことができる。

ここはそっと覗いてみた稽古場。奥に舞台道具が置いてあり、

すぐにでも稽古が始まりそうな気配であった。生前の「世界のニナガワ」も

ここで苛烈な演技指導をしたにちがいない。

長い通路のガレリアにはこの様な飾り置物や過去当劇場で

演じられた写真、稽古風景などが展示してあり、

さらに素晴らしい空間にアクセントを与えていた。

優良ホール100選に選ばれたさいたま芸術劇場をさらに有名にさせたのが

現代日本を代表する演出家のひとり蜷川幸雄氏だ。

氏は埼玉県川口市の出身で、2006年に当劇場の芸術監督に就任。

昨年5月に亡くなるまで「さいたまゴールド・シアター」を

発足させ、この地で大活躍していた。氏は短気な気質で、

演技指導の厳しさでも知られ、「口よりも手よりも先に、物(特に靴)が

飛んでくる」と言われる程一般的にはスパルタ演出家のイメージが強い。

しかし一方で人情的で心優しく「周りだけでなく、同様に

自分に対しても厳しい」姿勢で仕事をするため、

数多くの俳優やスタッフから慕われてきた。このパネルには

「最後まで、枯れずに、過剰で創造する仕事に冒険的に挑み

疾走するジジイであり続けたい。」と記してある。

1935.10.15―2016.5.12


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