daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

電王戦

2014-03-16 08:21:37 | 日記・雑談
昨日が開幕、有明で第1局でした。
既報の通り、残念ながら菅井君は敗れてしまいました。
会見でも話しましたが内容的にもプロがミスをして、あるいは実力を出し切れずに負けたのではなく、この1局に関しては習甦の指し回しが素晴らしかったという印象です。
△5二歩と打った手のことを話しましたが、そのすこし前の△4二飛も、人間にはなかなか思いつかない好手でした。
開発者の竹内さんは本当に紳士で素晴らしい方なので、プロとしては残念でも竹内さんのこれまでの努力が報われたことは、良かったなと素直に思います。

ところで、菅井君の発言の中では「10年後は人間のほうが強いと思う」というのが繰り返しPVや記事で使われていることが多いように思うのですが、あれは「これから人間が(一生懸命努力すれば)いまよりもっと強くなるはず」という意味だと僕は解釈しています。
会見の場での受け答えからも、彼のそういった気持ちを強く感じました。
また、いままでのコンピュータ将棋は勝負には強くても、人間が強くなるために役に立つ感じではなかったのですが、今日の将棋を見ていて、今後はそういういい方向に進むかもしれないなと思いました。

その後の第2局のPV、やはり物議を醸しているようです。
私にとっても全く想定外の事態でしたので、驚き戸惑いながら対応しています。
とにかくできる限り誠実に、かつ正直に事に当たっているのですが、結果それがどのように受け止められるのか、まだ全く分かりません。

現時点で必要な情報はすべて出しましたので、より詳細な説明責任は対局が無事に始まって以降、果たすようにしたいと考えています。
人間ですから、こういう状況で盤上に集中することは非常に難しいと思うのですが、紳哉さんにはなんとかこの一週間は静かに対局の準備に専念してもらいたいと思うばかりです。

今日の中継は棋王戦第3局。
宇都宮の第4局があるかどうか、という意味でも気になる一戦です。

僕自身は、午後から後輩の結婚式。
月曜日はいつも通り役員会と、3か月の一度の理事会です。