「人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。人は、まことあり、本地たづねたるこそ、心ばへをかしけれ」とて、よろづの虫の、恐ろしげなるを取り集めて、「これが、成らむさまを見む」とて、さまざまなる籠箱どもに入れさせたまふ。
とは、虫が好きなお姫様のお話であるが、このお方は一体何歳であるかと思うハイセンスな最初のせりふが上である。この方に比べればナウシカのお姫様などまだ生悟りと言って良い。しかし、思うに、例の光るお方が幼女を覗いてサラって育てたように、「これが、成らむさまを見む」という姫も、たぶん幼女好きが幼虫好きだっただけの話であろう。彼女をのぞき見しに行った男は、裸で木にぶら下がっていれば毛虫と一緒に回収されたかも知れないのに実におしい。
今も人々のなかには、変身とか変態に異常な執着をみせる人たちがいるが、たぶん「これが、成らむさまを見む」という気分なのである。これが悟りの境地に関係がありそうなのは重要である。
1巻しか読んでないが、「蟲姫」の虫はあんまり虫がかわいくない。作者は、虫よりも虫の毛とか触角に反応してしまう人なのであろう。虫が好きな姫の眉に注目するようなものである。
とは、虫が好きなお姫様のお話であるが、このお方は一体何歳であるかと思うハイセンスな最初のせりふが上である。この方に比べればナウシカのお姫様などまだ生悟りと言って良い。しかし、思うに、例の光るお方が幼女を覗いてサラって育てたように、「これが、成らむさまを見む」という姫も、たぶん幼女好きが幼虫好きだっただけの話であろう。彼女をのぞき見しに行った男は、裸で木にぶら下がっていれば毛虫と一緒に回収されたかも知れないのに実におしい。
今も人々のなかには、変身とか変態に異常な執着をみせる人たちがいるが、たぶん「これが、成らむさまを見む」という気分なのである。これが悟りの境地に関係がありそうなのは重要である。
1巻しか読んでないが、「蟲姫」の虫はあんまり虫がかわいくない。作者は、虫よりも虫の毛とか触角に反応してしまう人なのであろう。虫が好きな姫の眉に注目するようなものである。