★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

シマノフスキ

2016-11-30 23:31:03 | 音楽


中学校のときに、FMで流れてて「おっ、いい曲」と思いつつ曲名が分からなかったものが、今日、シマノフスキの交響曲第二番だと判明。そういえば、東大でも耐震工事で図書館が一年間閉鎖されるという。うちの図書館も同じことがあったが、こういうのはれっきとした授業・研究への妨害行為である。問題なのは、お偉方の中に、図書館がなくてもなんとかなるだろうと「本気」で思いこんでいる、そしていざとなったら来館者数でエビデンス笑を示したがるなどの、本当の馬鹿がいることである。

うちの図書館も改修された結果こちらの思考が乱れる造りになってしまった。東大も気をつけた方がよかろうね……

乱れるというのは、例えば今のわたくしで言うならば、円地文子の『食卓のない家』より三田誠広の『漂流記1972』の方がリアリティがあるとか思ってしまうあれのことである。

杉浦民平とトニー谷

2016-11-29 17:36:05 | 文学
最近の演習で話題になっているのは、杉浦民平で、次はトニー谷が来る予定。こういうものの勉強をきちんとしないで「戦後レジーム」とか抜かすやつは、×っかじゃなかろうか。




平成はトニーたけざき氏…


カストロとマリア

2016-11-26 19:10:59 | ニュース


カストロが死んだって…。ゲバラに遅れること何年か知らないが、わたくしは喘息持ちなのに革命家になったゲバラの方が好きだ。(イメージ)

そういえば、以前「ダヴィンチ・コード」という映画を観たが、そこでキリストとマグダラのマリアの子孫?という設定になっていた女優はどこかでみたことあるなと思ったら、「アメリ」の人であった。あの不思議ちゃんがキリストの子孫な訳はない(イメージ)。「ゴダールのマリア」をやっていたミリアム・ルーセルは、思わずテレビの前で合掌してしまうほど美しかったが、あんな感じの美人をキャスティングしたならば、キリストの子孫だと言っても誰も文句は言えないであろう、と一瞬思ったが、キリストの好みがあまりにも美人だということになればそれはそれで問題であろう(イメージ)。

そういえば、ゲバラも死に顔があまりに美しかったので、「イエス様」とつい兵士たちが合掌してしまったらしいのである。


2016-11-26 14:11:41 | 大学


以前、心が腐っている人物を判別するのに、「コミュニケーション能力」、「連携」という言葉を使うかどうかが指標であったが、最近は、「チーム学校」とかもっと端的に「チーム」とか「人ととして当然」とかが加わってきた。つい最近についていえば、「国策」というのも入って、わたくしの心も腐りそうである。

ニホンザルではない、木曽の山猿である

2016-11-23 18:14:00 | ニュース
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20161115/CK2016111502000024.html


昔から、平地にでて狼藉を働くと目の敵にされ、追い出される。上の記事では同級生がコメントしていた。
椎名麟三の「ある不幸な報告書」のレポートをみてたら、やっぱり、家族や絆とかいうのは、猿の群れへの恐怖を無理矢理打ち消すものであり、あまりに集団の中の「罪と罰」のありように目をこらすのもそれと似たところがあると思った。

神智学その他

2016-11-22 23:12:27 | 文学


学生のレジメの中の資料に、偶然昭和20年代の「生長の家」についての新聞記事があって、ひとしきり神智学と芸術についてお話しするはめになる。内容的には大田俊寬氏のものを出なかったが――、大田氏も、オウム真理教の惨劇があってこそ歴史が見えてきたのであろう、今のわれわれも安倍氏やトランプ氏によって見えてくるものがあるであろう。

と書いてみたものの、AKBのコンサートでピンクフロイドのことが分かるという風にうまくいかないのが、芸術論の面白いところであろう……

今日は、アーチストがオルガナイザーでなければならないという、昭和29年におけるある批評家の意見についてのレポートを書いてもらったが、結構面白かった。アーチストとしてベートーベンを挙げたわたくしみたいな奴は一人しかおらず、みんなゴールデンボンバーとかなんとかを例に出してきたのは興味深い。


その中でぼくは静かに果しなく成長してゆく壁なのです。

2016-11-21 20:02:52 | 文学


トランプのおっさんは下々の批判にいちいちキレてないでさっさと国境線に壁をつくってみろよ。はやくしろよ、人生長くないんだから。しかし、安部公房ではないが、壁は案外成長してゆくものであって、壁自身が「見渡す限りの荒野です」という悲しみを抱えているから大丈夫かも知れない。


ピンクフロイドの「壁」から……comfortably numb(心地よく麻痺して)

https://www.youtube.com/watch?v=2_P-t0idgqI&feature=youtu.be

十四歳の「壁」

ローレの罪と罰

2016-11-18 23:54:47 | 映画


1935年の作品。観てみた。音楽がLouis Silversだった。エイプリル・シャワーの……。ドストエフスキー原作、ユダヤ人監督、スタッフアメリカ人のアメリカ映画なわけである。この前、「おれは中学の時罪と罰を読んで、ほんとロシア人というのは得体の知れない奴らと感じた」と言ってしまったが、むろん、芸術の國ロシアに対するわたくしの長年の尊敬は時々ヘンなことを口走らせるのである。考えてみると、マーク・トゥエインやフォークナーと比べてみた場合、トルストイとドストエフスキーの主人公たちが特に凶悪とは言えない。近代文学者の一部は比較的昔から言っていたが、ソ連とアメリカは似ているのである。テンから狂ってる我々が言うのも何であるが、これからは米露が仲良くなることを考え……

女房的

2016-11-17 23:03:46 | 文学


共通科目でニーチェの女性論とか「カルメン」とか「カインの末裔」とかを語りつつ、ゼミで平野謙の「女房的文学論」などを検討する。――本当にゆっくりと歴史は進むということを実感する。「聖おにいさん13」を読んだが、もうこの作品のノリにはついて行けない気がする。