★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

関羽は「虎の娘を犬の子にはやらん」とか訳わかんないことを言っているから案の定……

2012-10-08 15:34:10 | 文学
ドラマ「三国志」は第5部「奸雄終命」が終了。

魯粛、龐統、関羽、曹操殿と重要人物がばたばたと死んでゆく。左の四人のうち、一番かっこわるかったのは関羽。魯粛は知識人らしく筆を握ったまま力尽き、龐統は劉備に蜀を攻める口実をつくるために自ら矢に当たる。曹操殿は、最後まできちんと仕事をやり跡継ぎまできちんと選び最後は帝になるのを遠慮するなど完璧。それに比べて関羽ときたら、鬚をなでながら碁を打っているうちに負け戦になっているのに気付いていなかったというマヌケぶり。敗走しているうちに鬚が一気に白くなるなど、老いは気からの典型的症状を示しつつ、敵に囲まれ自殺。自分の墓を暴かれぬよう細工を施した曹操殿にくらべ、みんなのいる前で自殺しても、そのあと首を取られるに決まっているのであり、孫権から曹操へ誕生日プレゼントとして首を宅急便で送られる始末。当時のことである、さぞ腐乱していたことであろう……



最近は神=関羽に失礼ということで、呂蒙を呪い殺したり、宅急便の中の首に「お元気でしたか」と囁いた曹操殿に明るく「元気だよ~」と答え、曹操殿の寿命を縮めたなどの名エピソードはあんまり語られないらしい。ドラマでも亡霊関羽は劉備の前にニヤニヤしながら現れただけであった。ドラマ「三国志」がアカンのは、社会主義リアリズム以降のあれなのか、世界の恥を嫌ってか、「三国志演義」の神仙オバケものの側面があまり活かされていないことであろう。

ともあれ、劉備は、義兄弟関羽の死を聞き卒倒……

さあ、第六部は、劉備怒りの大反撃の末の大敗北





附記)曹操殿のご冥福をお祈りします。


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