四旬節第4主日
「今週の祈り: 憐れみ深い神様。御子の辱めによって、あなたは堕落したこの世を引き上げ、死の絶望から私たちを救われました。あなたの光の中へ私たちを導き、私たちのすべての行いがあなたの愛を映し出すことができますように照らしてください。あなたと聖霊とともにただ独りの神、永遠の支配者、御子、主イエス・キリストによって祈ります。 ♪ アーメン
〇 四旬節第4主日 説教 (週報掲載説教要旨)
先週の福音から
四旬節第3主日 世界祈祷日「 愛をもって忍耐する 」 小泉 基 牧師
エフェソ4:1-3 ヨハネ15:12,13,17
パレスチナの女性たちの声に耳を傾けましょう。
■わたしの名前はリナです。2022年5月11日、叔母のシーリーンが亡くなりました。ジャーナリストでしたがジェニンで殺害されました。わたしにとってシーリーンは、パレスチナが経験した理不尽な環境下においても生き抜く、強い風にも耐える、 まるでオリーブの枝のような人でした。
■シーリーンの死は、パレスチナが一人の偉人を失ったことでもありました。アルジャジーラの有名なジャーナリストであったからです。
■その上、彼女はわたしにとって叔母であり、 バプテスマを受けた時のゴッドマザーであり、親友でもありました。物心ついた時から、手本とする存在であり、パレスチナの若い女性たちにとっても手本となる存在でした。成長するにつれ、わたしもシーリーン叔母さんのように成功したいと思うようになりました。
■専門職をもち、いつも人の気持ちに寄り添える人になりたいと思いました。夏休みに家族を訪ねてきた叔母と過ごし、さまざまなことについて語り合ったひとときは、今もわたしにとって、かけがえのない宝物です。
■25年間、シーリーンはパレスチナ人の経験を語り、真実の声となるために彼女の人生をささげました。そしてテレビを通してパレスチナとアラブのすべての家を訪問していました。葬儀の日には、シーリーンがパレスチナ人らの心に確かに届いていたことが証明されました。寄せられた溢れるほどの連帯のしるしは、パレスチナの共通の記憶として深く植えつけられ、わたしは決して忘れることはないでしょう。
■イスラエル軍からの脅迫にも屈せず、棺を担いでくれた強く勇気あるパレスチナの人々に、わたしたちは感謝してもしきれません。
■シーリーンがパレスチナ人キリスト者だったということを、多くの人は知りません。シーリーンは信仰によって、宗教が違う人たちを愛をもって忍耐し、受けいれました。彼女は、すべての傷ついた人たちに寄り添っていました。エルサレムの聖地に入ることのできるイスラム教徒とキリスト者、双方のために奮闘しました。真実を語り続けるということは、占領者に対してさえ愛をもって忍耐するということでした。真実を語ることは、愛をもって抵抗するということの一つの形です。なぜなら抑圧する人の人間性を回復させる力があるからです。シーリーンという一本のオリーブの枝は、こんなにも早く切り落とされてしまいましたが、 彼女の遺したものは生き続けます。シーリーンの記憶は、この地球を豊かにし、わたしたちに、真実を語り正義を求め続ける勇気を与えてくれるのです。 (小泉)
《来週の礼拝》
#3月17日 午前10時30分 四旬節第5主日 礼拝
*司 式:小泉 基牧師
*説 教:小泉 基牧師「大を望みて小を棄つる」
*奏 楽:滝田裕美さん
*聖書朗読:小笠原里子さん
*礼拝当番:蔵谷俊夫さん、小笠原里子さん
*聖 書:エレミヤ 31:31-34、ヘブライ 5:5-10、ヨハネ 12:20-33
* 讃 美 歌:76、72、増補49