聖霊降臨後第13主日
「今週の祈り: 神様。あらゆる時代の信じる者たちとともに、いのちの岩であるあなたをほめたたえます。私たちの堅い土台となって、私たちを御子のからだに形づくり、喜んで全世界に仕える者としてください。救い主、主イエス・キリストによって祈ります。 ♪ アーメン
〇 聖霊降臨後第12主日 説教 小泉 基牧師(週報掲載説教要旨)
先週の福音から
「駆け引きもプライドも要らない」
■1995年、神戸で大きな地震があった時、街中が大きな不安に包まれる中で、外国人への不当なデマを拡散している人に出会った。わたしたちは強いストレスに晒され、大きな不安に取り囲まれていくとき、目の前の不確かなものに頼ってでも自分たち守ろうとし、大きな過ちを犯してしまうことがある。関東大震災時の数千人にも及ぶ外国人の殺害事件は、そのようなわたしたちの弱さを示している。次の震災や戦争でそのような排外主義の過ちに走らないために歴史を見つめたい。
■イエスさまは聖書の中で、ユダヤ民族主義と厳しく対峙される。今日の箇所は15章1節からの流れで、エルサレムからやってきたユダヤ主義者達が弟子たちの律法違反を咎めるところからはじまっている。当時のユダヤがローマ帝国の支配下にあったことが、ユダヤ主義者たちの排外主義に拍車をかけ、律法を厳格に守らせることに血眼をあげさせる。
■イエスさまはこうした民族純潔主義と厳しく対峙され、こうした民族主義を越えていく思想を示される。しかしそれが明示されていくのが、外国人であるフェニキアの女性との出会いであったことは興味深い。彼女は、自分がユダヤ人ではないことをわきまえながらも、「小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです」と食い下がる。彼女の謙虚で一途な信仰をイエスさまはお認めになられた。
■ユダヤ人であること、律法を厳格に守っていることが、人を救いに導くのではなく、イエスさまにしかない救いを一途に求めていく。イエスさまは、その彼女の信仰を認められた。わたしたちも心の中に、国籍であるとか、クリスチャンかどうかとか、身内かよそ者か、といった沢山の線を持ち込んでおり、時に大きなストレスやパニックに陥ると、その自分に都合のよい線を大きな壁へと成長させ、その向こう側にいる敵を排除したり、攻撃したくなる。しかしそのような外面的な線や壁は、イエスさまの前にあっては意味をなさない。彼女のように謙虚にイエスさまを望み見ていくときに、イエスさまは、わたしたちの心の中の隔ての中垣を打ち壊し、わたしたちにも手を差し伸べてくださる。わたしたちはいつでも、そのイエスさまのみ手を祈りつつ待ち望んでまいりたい。(小泉)
《来週の礼拝》
#9月3日 午前10時30分 聖霊降臨後第14主日 礼拝
*司 式:岡田 薫牧師
*説 教:岡田 薫牧師「戦いではなく」
*奏 楽:滝田裕美さん
*聖書朗読:蔵谷俊夫さん
*礼拝当番:楢戸恵子さん、小笠原里子さん
*聖 書:エレミヤ 15:15-21、ローマ 12:9-21、マタイ 16:21-28
*讃 美 歌:178、292、250,増補37