聖霊降臨後第8主日
「今週の祈り: 憐れみ深い裁き主・まことの神様。あなたはあなの子どもたちを確信と憐れみのうちに顧みてくださいます。御子の道に根ざすことができるように、御国に生きる私たちをあなたの霊によって養ってください。救い主、主イエス・キリストによって祈ります。 ♪ アーメン
〇 聖霊降臨後第8主日 説教 小 泉 基 牧師(週報掲載説教要旨)
先週の福音から
「ちょっとずれている」
■社会全体に宗教・キリスト教への期待が大きくは感じられないないこの時代にあっても、宣教のためには環境を整備しつつ、地道な伝道の業を続けていくほかない。では教会においでになるのはどのような方なのか、誤解を恐れずにいえば「ちょっとずれている人」だといってよい。世の中には、効率よく、楽して儲かることを良しとする価値観があり、イエスさまのメッセージとは、明らかにズレがある。
■イエスさまが語られる「種を蒔く人のたとえ」も、そのことを物語る。耕作可能な場所を選んで広く種を蒔いていくという古代パレスチナの農業では、種はあちこちに飛んでいかざるを得ない。環境の良くない地に落ちた種は、実を結ぶことがない。イエスさまはご自身で、この種とはみ言葉のことであると解説しておられる。わたしたちが誰かを励ましたり、慰めたりする言葉も、聞く人たちとのあいだに信頼関係がなければ、実を結ぶことはない。
■オンラインで神学生たちと日本キリスト教史を学んでいて、ちょうど日本における農村伝道について学んだところだった。戦前戦後に米国の宣教師が日本の農村に建てた教会は、大規模な資金投入があったにもかかわらず、かならずしも大きな成果をもたらしたとは言えなかった。一方でデンマークをモデルとして各地で取り組まれた農民福音学校などの取り組みは、三愛運動と呼ばれ、小規模でも地道なネットワークが築かれている。
■そのひとつである愛農学園高校は、一時は生徒募集に苦戦し、苦闘する時代があったにもかかわらず、時が巡って有機農業が注目されるところとなり、昨年はグッドデザイン賞ベスト100を受賞するなど、全国で最も注目される学校となったという。確かに、折が良いときも悪いときもあるが、み言葉が飛んでいく場所を選ぶことなく、倦まずにみ言葉の種をまき続けることが求められている。たとえこの世的には愚かな働きに見えたとして、そのただひとつの種が、30倍、60倍、100倍もの豊かな実を結んでくれるとするならば、茨の中の種も、石地の種も、無駄な種であるとはいえない。砂漠に水をまくような、無駄で地道な取り組みこそが、2000年にわたって、このキリストの教会を生かし続けてきたことに心を留めつつあゆみたい。(小泉)
《来週の礼拝》
#7月30日 午前10時30分 聖霊降臨後第9主日 礼拝 *オンラインで礼拝を行います。
*司 式:小泉 基牧師
*説 教:小泉 基牧師「よく見れば見える」
*礼拝当番:小笠原里子さん
*聖 書:列王記上 3:5-12、ローマ 8:26-39、マタイ 13:31-33&44-52
*讃 美 歌:278、289,増補41