宗教改革主日
「今週の祈り:全能の神。恵みの主よ。あなたに忠実な民に聖霊を注いで、み言葉うちに堅く保ち、あらゆる誘惑とみ言葉の敵から防ぎ守り、キリストの教会に救いと平和を与えてください。あなたと聖霊と共にただひとりの神であり、永遠に生きて治められるみ子、主イエス・キリストによって祈ります。」
〇久しぶりに栄光の色、朱色の聖壇クロスに、昨日行われた教会の姉妹の葬儀で飾られた制度で美しいお花が飾られました。100歳近くまでこの世を見守り続けてくださった姉妹の最期の時は、急に訪れたようで臨終に牧師が間に合わず、教会員のご長男が式文にのっとりご母堂の洗礼をなさったそうです。どんなにか恵みにとんだ時間がそのお部屋を包んだことだろうと、感動をします。最愛の奥さまを見送り、いくつになってもそっと手を握りしめていたいだろうご母堂を、天におくった山本兄の心の中は、針でつつけばもろくも決壊するほどに涙がたまっていることでしょうに、お葬儀の後始末をしっかりとこなしている兄の姿に、信仰をみる思いです。残された物にはきっとたくさんの使命があるのでしょう。どうか、その使命を全うして再び会いまみえる母と息子、妻とその連れ合いの切ない時間を、神さまが温かくやさしくまもってくださるようにと、心から祈ります。
〇10月30日、宗教改革の主日です。
500年前、カトリックの教えと自分の「恵みのみ」の信仰のギャップに苦しんだルターは、大・大・大勇気をもってカトリックに自分の質問状をぶつけました。それは、純粋に質問状だったのですが、大御所カトリックの反感をかって、ルターは破門をされました。それ以来、ルターについてきた私たちは「プロテスト=反抗するもの、抵抗するもの」とレッテルをはられてきました。そして・・・500年たちました。コツコツと積み重ねられていたエキュメニカルな対話は、今日この日に大きな喜びをもたらしました。
カトリックとルーテルがこの記念日に共同の礼拝をすることとなり、世界中の教会を喜びに満たしています。主題は「争いから交わりへ」というものです。「わが命も、わが妻子も、取らばとりね。神のくには、なお割れのものぞ」と高らかに歌うルターの神信頼がついに争いから交わりへと心の向きを変えた。私は感動をしています。人は、変わることができるんだ・・・どんな争いも命がけで正義を訴えるとき、相手は変わる・・・そんな励ましをえた礼拝でした。
〇宗教改革主日説教 日笠山吉之牧師(週報掲載説教要旨)
ヨハネによる福音書2:13-22
「主の家を思う熱意」
宗教改革主日です。マルチン・ルターが、当時の世俗化したカトリック教会に対して「否」を突きつけ、宗教改革ののろしをあげてからはや5世紀。来年2017年には、ルーテル教会は宗教改革500年を迎えます。各礼拝堂にとりつけられたルターの顔をあしらったバナーを見て、そのことに気付いてくれる人はどれほどいるでしょうか?あのバナーは、私たちのルーテル教会が宗教改革者マルチン・ルターに由来する教会であることを知って欲しい!との期待を込めて作られたものです。とはいえ、バナーを張り出したくらいで教勢が伸びる筈はないわけで、要は実際にバナーを見て、教会に足を踏み入れてくれた人の目に、私たちの教会がどのように映るかでありましょう。そこで、まことの福音が語られているか?神の豊かな恵みと愛が、キリストのあがないによる赦しが語られているか?なによりも、その群れの中に、信仰と愛と赦しとがあふれているか?問われているのは、まさに私たち一人一人なのです。
宗教改革主日のテキストは、イエスさまが神殿から商人を追い出した物語です。神殿の境内で牛や羊や鳩を売っていた商人にしても、またそれら動物を売買するために必要なお金を扱っていた両替商にしても、神殿礼拝のためには必要なものばかりでした。神に感謝を献げるその行為において、より良いものを献げたい!たくさんのものを献げたい!という思いは、貴いものです。しかし、そこに偽善やごまかし、むさぼりや他者への優越感が入りこんでくると、それはまことの神礼拝ではなくなってしまいます。それゆえ、イエスさまは声を大にして言われました。「そんなものは一切ここから運び出してしまえ。おまえたちの中から吐き出してしまえ。この聖なる場所を人の罪にまみれた場所としてはならない」と。ルターが主張したように、キリスト者が求めるべきものは、ただキリストの御言葉のみ。キリストが無償で与えてくださった恵みのみ。そして、それらをキリストに信頼して受け取る信仰のみ。それら以外の私たちの内から出て来る罪という罪は、すべて捨て去らなければならないのです。
ルターの宗教改革500年を迎える前に、今年、私たち札幌教会も節目の年を迎えました。宣教100年。教会が100年もの歴史を歩んで来た重みをずっしりと感じます。信仰の諸先輩たちが残された確かな足跡に目を見張り、自らの信仰を奮い立たせられる思いです。と同時に、私たちルーテル札幌教会の100年の歩みは、ルターの宗教改革の時から数えるとまだ5分の1にしか達していないことも事実です。私たちの札幌教会が、これから200年、300年、400年、500年とこの地に立ち続けるには、何が必要か?主の御言葉に尋ね求め続けて参りましょう。
〇日笠山吉之牧師説教集・・・・・〇日笠山吉之牧師随筆集
〇11月6日(日)午前11時 全聖徒主日
〇司式:岡田薫牧師
〇説教;岡田薫牧師
〇奏楽;若井裕子姉
〇聖書朗読:蔵谷俊夫兄
〇礼拝当番:出口輝子姉
滝田裕美姉
〇聖書:よな書2:1-10・コリントの信徒への手紙一15:50-58・ヨハネによる福音書16:25-33
〇讃美歌211・335(1,2)335(3,4)・192・253
〇11月2日(水)4日(金)はオープンチャーチです。どなたでもご自由にご参加くささい。