ジュゴン掲示板

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沖縄県への緊急提案~IUCN来日に向けて

2017年09月23日 | ジュゴンブログ
沖縄県と9月20日に話し合いをしました。
9月3日に那覇市内で開催した「世界は見ているーユネスコ/IUCN調査団が沖縄に」
「やんばるの森と辺野古の海を守ろう」シンポジウムと海勢頭豊コンサートで確認した
5項目(注)の実行を求めるためです。9月4日の申し入れに続く2回目の話し合いです。

(9月3日シンポ)

(9月4日県に申し入れ)
沖縄タイムス(9月5日付)「『北部訓練場考慮を』世界遺産登録 国に市民団体」

(注)5項目
1.世界自然遺産推薦地域を保全する十分な緩衝地帯を設定すること
2.世界遺産の「完全性」を担保するために、管理計画の対象に「北部訓練場」を含めること
3.オスプレイの訓練を中止し、配備を撤回すべきこと
4.辺野古・大浦湾を視察地に含めること
5.IUCN第6回世界自然保護会議で採択された決議「島しょ生態系への外来種侵入経路管理強化」をふまえて、辺野古・大浦湾の埋め立て土砂の外来種対策に取り組むこと

県側は自然保護課長、辺野古対策課長、基地対策課副参事です。

(1)9・3シンポの確認5項目について、各課から回答を求めました。
 しかし、沖縄県は世界自然遺産登録について、
「環境省は…」と沖縄県の意見を言わず政府の立場を説明するなど
自らが自然遺産管理責任者としての自覚がありません。

2月にIUCNに提出した推薦書にも、沖縄県が問題とする意見は何ら明記されていません。
これでは「不十分な緩衝地域の問題で絶滅危惧種への危機」はなんら解決しません。
また、「北部訓練場が明記されていない」ことは、IUCN現地調査で自然遺産対象地域の境界確認の時、
説明のしようがありません。事実と異なるからです。
オスプレイの訓練による排気熱などの影響などをどうするのでしょうか。


(2)自然遺産の隣に基地がある米軍を世界自然遺産のステイクフォルダー(利害関係者、当事者)と考えていません
推薦書には米軍の存在が明記されていないのです。

 県は「政府は米軍と協議していると思うが、米軍との関係は難しいので働きかけをしていない」と小さな声で答弁します。
 これでは、沖縄県の主体性はありません。
 私たちは、「米軍に直ちに協力を要請すべきです」
 「JEGSで米軍は規制されている。遺産条約でも規制はある。ステイクフォルダーとして、米軍をテーブルに着かせるべきだ」と
 声を大にして説得。沖縄県に資料を提供して、勉強するように厳しく要請しました。

(3)IUCNから辺野古埋め立て外来種対策の協力の申し出を断るなど
環境団体が17年にわたって作ってきたIUCNとの関係を大事にしてはいません
IUCN本部はハワイ決議(沖縄など島しょ生態系への外来種対策の強化)をふまえて、
世界自然遺産と辺野古外来種問題を一体として受け止めていることは
5月の沖縄県への返書(4月に沖縄県はIUCNに要請書を出しています)で明らかにしています。

しかし、沖縄県は6月にIUCNに出した返書では辺野古埋め立て外来種問題を世界遺産登録と別の問題としているのです
IUCNは不信感を持っているに違いないので、現地調査までにIUCNにアクションを起こすべきと厳しく申し入れしました。
琉球新報(9月8日)「IUCN調査 沖縄県辺野古と別協議要請 自然遺産登録 政府と同調」
沖縄タイムス(9月9日付)「知事の書簡が『誤算』 自然遺産登録、辺野古と別協議望む県の思惑」

話し合いの最後に、10月11日から20日に行われるIUCN現地調査までに、
自然保護課は自然遺産登録で問題ありと思う点をはっきりと主張すべき、
辺野古対策課は現地調査までに辺野古の外来種対策についてIUCNに協力を求めるアクションを起こすべき、
と申し入れ
、上司に報告しますと小さな声で答えました。

琉球放送RBC(20日放送)
「IUCN視察~市民団体が県に要望『辺野古大浦湾も視察地に』」
琉球新報(21日付)
「基地除外は『非現実』 世界自然遺産登録環境団体、県に指摘」

沖縄タイムス≪22日付)
「世界遺産 米軍協議を 北部登録を市民団体県に要請」


 ジュゴンの保護者より