CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

LP諦め、エア・チェックしたカセットからCDへ

2021年11月04日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

70年代中頃になると値上げに次ぐ値上げでLP一枚が2500円程度で販売され、当時の一般的な所得から考えるとLPの購入って結構割高な商品だった。

ただその頃はカセット・デッキが比較的安価で高性能となり、録音テープもダイナミック・レンジの広いハイ・エンドなスペックものが投入された事から、LPを購入して直ぐにカセット・テープにダビングして聴くことが流行った。

さらに週刊でFMラジオの番組表を掲載した雑誌も発行されたことから、大ブームとは言えないもののエア・チェックもオーディオ・マニアの間では流行った。

これだとガチのファンでない限り特にLPを買う必要も無くなってくるわけで...

本日はデビッド・ボウイの1974年の8枚目のアルバム、Diamond Dogs。

当時土日を除いた毎日夕方、新譜アルバムを丸ごとオン・エアーするFMラジオ番組があって、このアルバムをエア・チェック。

テープに録音されていることによってから、LPで再生するよりは手軽に再生でき何度も繰り返し聴いていた。

てな事で、ジャケのセンスがイマイチでグロテスクだとか内容も他の作品と比べれば劣るなんて辛口な批評もあったが、個人的には耳に馴染むアルバムとなった。

しかしそのテープも劣化して廃棄処分と相成る。

2004年になると30周年記念盤Diamond Dogsが発売されたので、当時住んでいたシンガポールのCDショップで懐かしさに誘われて購入に至る。

ボートラ音源が収録されたCDを含む2枚組として発売されたものの、ダビング出来ないCopy Controlled CDと言うスペックだった。

(ダビング出来ないって事は無いけれど、PC使ってダビングしている最中にPCもしくはメディアが壊れてもわしゃ知らんって感じかな?)

当時シンガポール、香港やマレーシアは英国のレコード会社の販売テリトリーでEMI系の新譜はほぼCCCDだった様に記憶する。

不評によりCCCDはその後すぐに廃止され、また新たなフォーマットのDVD Audioもさほど話題にならず、まさか1周回ってレコード・ブームになろうとは…


今でも何がなんやら

2021年08月15日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

ロンとラッセルのメル兄弟が中心となってアメリカで結成されたバンド、スパークス。

アメリカで成功しなかった彼らが渡英し完成させたのが1974年の3作目のアルバムがキモノ・マイ・ハウス!

(外人さんが着物を自己流で着たらこんな風になるってのを写してみたかったのかな?)

(英国でリクルートしたバンド・メンバー3名を加えて完成)

女性ボーカルかと勘違いしてしまう様なハイトーン・ボーカルをブリティシュ・ロックビートに乗せてオペラチックでかつ前衛的に展開。

付いて行くのに精一杯。

因みにアルバム・タイトルは他のアーティストの曲名、Come On My HouseだとかKimona My Houseなどを捩ったものだとか…?

さらにアルバム・ジャケに配した目を引くポップな写真はバンドとは関係のないモデルさんらしい。

てな事で音だけでなくアルバム全体が洒落っ気たっぷり。

このアルバム当時英チャートでは4位とそこそこ売れたらしいのだが、私とは少々波長が合わなかったのか結局所有する彼らのアルバムはこの一枚だけ。

今宵オジンの身になった私が、今一度聴いてみる。

むむ〜 まだまだ修行が足りんわい!

メル兄弟のこの容姿、確かに只者ではない!


グラムの終焉

2021年02月04日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

な、な、なんじゃ〜 これは〜!

新譜のマスター・テープを聴いて、リプリーズ・レーベルの幹部が飛び上がったかどうかは定かでは無い。

アメリカでの発売が却下となったMarc Bolan & T.Rexの一味が制作した1975年のニュー・アルバム、Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrowのアメリカでのプレスは却下され、ヨーロッパ、日本その他一部地域のみでの販売となった。

(邦題はズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー、ズィンク・アロイは亜鉛合金で何と無くアメコミに出てくるような怪人のイメージか? Hidden、隠されたという意で顔が隠されたライダー、すなわち仮面ライダーとなる。Tomorrowは明日を象徴する明け方と考えて朝焼けって言葉が登場。ネット上ではマークが来日した時仮面ライダーの番組を見て思いついたそうな。ホンマかいな〜?)

(Marc Bolan & T.Rexの一味)

1974年David Bowieがアルバム、Diamond Dogsを出した後アメリカ・ツアーを敢行、そこで徐々に芸風がソウルへと転換し、翌年プラスチック・ソウルと呼ばれたアルバム、Young Americanを出して大ヒットを飛ばす。

グラムの終焉を感じ始めたMarcがこれに感化されたかどうかこれまた定かでは無いが、このアルバムのベクトルが同じような方向だと感じた。

かってのヒット・シングル、Telegram Sam、Metal Guruや20th Century Boyなどのグラム特有の怪しい雰囲気の素がパラパラ振りかけられたお馴染みのロック・ナンバーをこのアルバムに期待してはいけない。

ここにはスローからミディアム・テンポの甲高いバック・コーラスに彩られた少々地味な味わいのグラム風ソウル・ナンバーがずらりと。

このノリにハマることが出来るかどうかで、このアルバムの評価が決まる。

ちなみにアメリカでは、レーベルをカサブランカに変更して、このアルバムから3曲そして次作のBolan’s Zip Gunから8曲調達して合併アルバム、Light Of Loveが発売されたとの事。

Bolan:あんさん、商売上手でんな〜

Bowie:なんの、なんの。アメリカ・ツアーでオーティスのR&B、Knock On Woodのカバーをサービスのつもりで演ったら意外に受けてね、ツアー自体も最後あたりは自然にソウル・ツアーに変わって行ったからね。もうホント、ラッキー!

Bolan:こっちなんか、プレス拒否られオマケに必死で作った2枚の新譜1枚に編集しやがって! もうホンマにわやや!

Bowie:ワシが思うに、あんさんグラムのスパイスかけ過ぎたんと違いまっか? ツアーして分かったけど、アメリカではとっくにグラム終わってましたで〜

万人ウケする世界の味の素かけときゃよかったのに... いつでも〜、どこでも〜♪♪  中略  マイ・ファミリ〜 アジノモト〜♪♪ ってアンディさん歌ってましたで〜

てな会話があったかどうかは定かでは無い。

ロックは各々の感性の問題。誰がなんと言おうと良いと思えばそれでよし。

ただ、商売として考えると流行の波に乗らなければ、全く売れないで終了てなことも。

このアルバムはその後一周回ってようやく評価されたものの、ボランさんはもうおらんかった。

(2014年の再発LP)


誰がB級やねん! その3

2020年10月22日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

70年代前半の頃と言えば英ハード・ロック黄金期。新しいバンドが続々。

本日は新鋭英ハード・ロック・バンド、Silverhead の1973年のセカンド・アルバム、16 And Savaged(アルバムの邦題は凶暴の美学)でも。

また16 And Savagedという曲がアルバムに個別に収録されていて、その邦題が “16才で犯されて”とこれまた少々過激な印象で当時このアルバムの購入に躊躇された紳士淑女のお方々も多かったのでは…

ジャケのデザインやリーダー格のボーカル、マイケル・デ・バレスから醸し出る妖気から何と無くグラム系のサウンドと想像するも、開けてビックリ、中身は英国の誇る純正ハード・ロック。

1曲目のHello New Yorkなんてキャッチーで凄くカッコ良い。

ただバンドはこの後当時日本限定で発売されたライブ・アルバムを出してあっけなく解散。

どの様な理由があったのか定かでは無いが、やっぱりアルバムの売れ行きに問題があったのだろう。

その理由としてバックの演奏が迫力にかけマイケル・デ・バレスの個性あるボーカルを生かしきれなかったのでは無いかと…

特にリズム・セクションが軽すぎ! もっとヘビーなサウンドで勝負しても良かったかな?

で、私の最終評価は、

あのディープ・パープルが所属するパープル・レコードからの発売は期待度満点のA級レベル + ハードさが足りぬプロデュースは C級評価 = B級となり、ここで巷の意見と一致する。

(日本は東芝がオデオン・レーベルから発売、当時結構プロモーションに力を入れていたこともあって日本では人気が結構あったそうな...)

Silverhead:誰がB級やねん! 毎度適当な事言って、このトウシロが!

どうもすいません。


ロックの殿堂、2020

2020年10月12日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

い先日Rock & Roll Hall Of Fameの2020年受賞が発表された。

今年アーティスト部門では5組選ばれたそうですが、その中で我が全日本クラシック・ロック聴くだけ友の会の70年代部門で推薦リストに入っているグループ、ドゥービー・ブラザーズとT.レックスが遂に選出!

特にドゥービーズが今まで選出されなかったことが、ずっと由々しき問題だと思っていたが、今回選ばれたことでその憤りもは少しは収まったかと…

ただ、T.レックスの場合はアメリカでは大成功したとは言えないので、そんなものかとは思ってはいたが、それでも歴代の受賞者と比較するとやっぱり遅かったと個人的には感じる…

それはさておき、今宵は殿堂入りのお祝いを兼ねて、T.レックスのベスト盤でも。

(2016年、英Demon Recordsから出た編集ベスト盤)

リスナーの記憶に残るようなギター・リフやシンプルなフレーズの繰り返しの手法などが使われていて、また飽きのこないようにどの曲も比較的短く2から3分程度の長さに編集されている。

英シングル・ヒットの王様ですかね。

助手:ついに殿堂入りかですね。いや〜 少々遅かった気はしますが喜ばしいことですね。

博士:ワシなんか、40数年前にすでに何度も殿堂入りを果たしておる! キリッ

助手:えっ! 本当ですか?

 

いらっしゃいませ、いらっしゃいませ。

本日お足元の悪い中、娯楽の殿堂!当ホールにご来店いただきまことにありがとう御座います。

どちらのお客様も、日頃鍛えたその腕と粘りそして根性を発揮していただき、ドンドンバリバリお出しくださいませ!


金髪はハード・ロックがお好き?

2020年09月10日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

4枚のスタジオ・アルバムを発表後、Mott The Hoopleは1972年アイランド・レーベルからCBSレーベルに移籍。

(日本ではキング・レコードから1973年に発売)

同年、アイランド時代の総括として過去4枚のアルバムから代表曲をまんべんなく収録しイギリスで発売されたのがRock And Roll Queenなるサンプラー的コンピ・アルバム。

1969年、敏腕プロデューサー、ガイ・スティーブンスに見出され、ディランがストーンズを歌うと言うようなコンセプトで結成されアイランドからデビューしたハード・ロック・バンド。

当時の彼らは、ワイルドなライブは定評があったものの、レコードの売れ行きはそれほどでもなく活動に行き詰まりを感じ解散一歩手前までいった。

ストレートでガッツある演奏。

なかなかよろしおます。

今更ながら、何でこれが当時それほど受け入れられなかったのかな?

むむ〜

多分、今じゃビゲンで簡単に大量生産出来るけど、当時金髪人口が少なかったからかも...

んなわけない!

モデルはやっぱり金髪女性のシンボル、モンローさんでしょう。


お次は何処へ?

2020年08月15日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

ジギーはもうお終い。これからは新しい物語が始まると、お口直しのPin Upsを挟んで登場したのがSFチックなダイアモンドの犬。

なるほどなるほど、そう来るのねとこちらも仰せに従って方向転換。

と思いきや、なんと今度はソウル、若きアメリカ人!

むむ〜、これはついていくのがなかなか大変と思っていたら、1976年にStation To Stationが出る。

(ギタリストはカルロス・アロマー、キーボードにはスプリングスティーンのEストリート・バンドからロイ・ビタン)

前作、若きアメリカ人と同じ方向性のアルバムかと思っていざ聴いてみると、少々様子が違う。

せっかくソウル・モードに順応したらお次はプログレ・エレポップか!

まるで次のベルリン三部作の予告編みたいに、出だしの一曲目のStation To Stationの頭からエレクトロ・サウンドが鳴り響きプログレし、さらに3次元テレビが登場するTVC15ではTransitionなる言葉が飛び交い変革を呼びかける。

前半のエレポップから後半力強くロックするStation To Station、お次は脱力感が満喫できるディスコ調のGolden Yearでド〜ンと落として、通常運転のソウル調Word Of A Wingに繋がる結構上げ下げが激しい構成は、これはこれで楽しめる過渡期のアルバムですかね。

(2016年の再発盤、RCAからBOWIEレーベルに)

ここまでやられると反対にもうお好きにどうぞと肯定する自分がいる。

とは言え、個人的に一番楽しめるのはミック・ロンソン率いるスパイダースをバックにロックするボウイに一票かな?

(90年代再発時に登場したカラー・ジャケット)


戦車軍団、出撃開始!

2020年08月13日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

我々遥か彼方の極東の地に暮らす者としては、生活でほぼ同じ言語を操るアメリカ人とイギリス人は同じような考え方とか意識を持っていると子供の頃からずっと思ってきたのだが、後に仕事の関係で彼等と知り合うと全く別の人種ではないかと思うことが多々あった。

もちろん、人それぞれでこの国に生まれたからこの人はこうだと型に嵌めて色付けするつもりはさらさらないが、やっぱり違うなって…

特に音楽の好みなんかは、顕著な差があると思える。イギリスで流行ったからといってアメリカで必ず受けるとは言えない。

本日はT.Rexの1973年のアルバム、Tanx!

(立体図は旧ソ連のT-62戦車かな?と戦車オタクの血が騒ぐ)

T.Rexは1971年に出したアルバム、Electric Warrior(全英1位)と翌年のSlider(全英4位)にて全英で頂点の人気を確実にしたわけだが、アメリカに於いてElectric Warrior(全米32位)と Slider(全米17位)の売れ行きは英国での人気に比例したものでは無かった。

おおまかに英米の好みの違いを比べてみると、イギリスでは少しばかり翳りのある音楽が好まれ、アメリカでは元気百倍な明るいものが好まれるように個人的に思うのだが...

当然のことながら、アメリカでも成功したかったマーク・ボランは新たな試みを次作に取り入れようと考え、その回答が1973年に出したアルバム、Tanxだったのでは?

基本的にはそれまで通りの制作路線であるシンプルなギター・リフ中心の2−3分程度の短いポップ曲が収録されてはいるが、全体的にアメリカ受けするよう前作より ファンキーで明るい雰囲気の曲調でアルバムを制作。

特にソウル・ゴスペル調の女性コーラスを配したLeft Hand Luke And The Beggar Boysはそれまでに無かったアメリカ志向で5分を超える長尺な曲だった。

(2014年英Demonレーベルからの再発LP)

SliderとTanxの発売の間にシングルとして発売され大ヒットした、Children Of The Revolution、Solid gold Easy Actionと日本で録音されたT.Rexの代名詞とでも言える 20th Century Boyなどは若干アルバムの方向性と異なっていたからなのか、アルバムには収録されず初出の曲だけでアルバムが作成されまたアルバムからのシングル・カットもなかった。

マークが本作にかなり自信を持っていたのだろうと推測するのだが、残念ながら結果は全米102位と惨敗。

やっぱり、アメリカ攻略は、先ず飛び道具としてシングル・カットされた曲で先制攻撃をかけ、地ならしをした上で戦車での侵攻作戦を開始すべきだったのではないかと…

もし、上記3曲のシングルが当時Tanxに収録されていたならどうなっていただろうか?

サイド1の一曲目に破壊力抜群の20th Century Boy、中盤にChildren Of The RevolutionとSolid gold Easy Actionそれぞれ配置し、最後にLeft Hand Luke And The Beggar Boysでアルバム締めればすごいことになったのではないかと今更ながら思うのである。

マーク氏:あなたの助言にTanx、いや違った、Tks。

なぬ〜、これを言いたいがために回りくどい話を!!

どうもすみません。


本当に下らない小ネタアゲイン・アンド・アゲイン

2019年05月18日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1972年の大ヒット・アルバム、Sliderを出した後も、72年から73年にかけてChildren Of The Revolution、Solid Gold Easy Action、20thCentury Boy、The GrooverにTruck Onとヒットシングルを立て続けに出し、待望のニュー・アルバム、Tanxも73年に発売された。

(レコード収納のスリーブはタンクで一杯)

(Demonレーベルからの再発盤) 

作風は前作の延長上にあるものの、アメリカ・マーケットを意識してかFunkや女性コーラスを起用したSoul調の味付けが施された曲も登場。 

チャート的には、イギリスでは前作と同じ4位となったが、一番売れてほしいアメリカではなんと17位から102位と後退。 

このアルバムには一連のヒット・シングルが1曲も収録されていなく、しかもそれらシングルはどの様な理由からかアメリカでは発売されなかった模様。 

これじゃ売れない。 

今聴いても血湧き肉躍るあの20thCentury Boyが収録されなかったとはね…. 

元々アメリカ・マーケットではアンダー・グラウンド的なグラム・ロックは幅広く受け入れられる土壌はなかったし、当時グラムロックも賞味期限切れ間近と言う状況だったけれど…. 

キャッチーなヒット・シングル、2−3曲余分に収録すればアメリカで前作同様にヒットしたアルバムと思うのだが。 

その数年後、デビッド・ボウイーがダイヤモンド・ドック・ツアーのアメリカ公演で芸風がグラムから徐々にソウルへと変遷して行き、その総決算として出されたのが次作アルバム、Young Americanだったと思えば、ボランさんあんたは一歩先んじていたんだね。 

この様な素晴らしいアルバムを残してくれて感謝! 

Thanks! 

いや違った。 

Tanx!


Ziggyの卒業アルバム

2019年01月18日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1972年、デビッド・ボウイーはThe Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Marsと言う長いタイトルの5枚目のオリジナル・アルバムを出した。



性別不詳、無国籍、もしかしたら宇宙人かも?と言う架空の人物、Ziggy Stardustを演じツアーのステージで歌った。そして翌年もこのキャラクターの延長で、アルバムAladdin Saneを出した。

Ziggy Stardust Tourは1972年にアメリカで開始、そして同年の12月クリスマス休暇からUK Tourをキック・オフ。

ただ、ボウイーもこの独創的なキャラクターに縛られることによって芸風が定まってしまい、今後の活動に窮屈な思いをするのではないかとの危惧を感じたのだろうか?

1973年5月12日から始まった第三期Ziggy Stardust Tourの最終日だった7月3日、ロンドンのハマースミス・オデオン会場での最後の曲、Rock N Roll Suicideを歌う直前にZiggyの卒業を表明した。

このライブの模様は、のちに映画化するために撮影と録音がなされていた。

しかしボウイーがZiggyを卒業したかったのと当時の録音の音質が悪かったため、お蔵入りだったそうな….

陽の目を見たのは1983年で、ようやく2枚組LPが発売された。

この時は購入に至らず、手元にあるのは2003年にトニー・ビスコンティーが音質改善のリミックスを行った30周年記念盤である。


(クラムシェル・タイプのボックスにCD2枚と下記のオマケ収納)


(CDのレーベル、悪名高かったコピー・コントロールのロゴがクッキリと)


(ボウイーの最後のコンサートを報道する当時の新聞の切り抜き)


(入場チケットのレプリカ)

21世紀になってデジタル技術の進歩と共に、昔では到底不可能だった音質の改善が最も簡単に。

このリミックス・アルバム、The Motion Picture、Ziggy Stardust And The Spiders From Marsは中々良い音質で、さらにボウイーの1969年のSpace Oddityから1973年のAladdin Saneのアルバムまでのベストな選曲が楽しめる。

それにミック・ロンソンのリード・ギターも中々ヨロシイ〜

ただ、2003年当時はコピー・ガードの議論が盛んに行われていた頃で、CDはコピー・コントロール仕様の代物。

まあ、iTunesにも問題なくリッピング出来たし、うちのCDデッキで再生しても今のところコピー・コントロール仕様のマイナスの影響はないので特に気にすることもない。

博士:わしも作風を変えて、この不人気なブログから早く卒業宣言したいと思うのじゃが、どうすれば…?

助手:博士! 良い手が見つかりました。このブログのコピー・コントロール機能を停止し、他の有名ブログからの記事をコピーし貼り付ければ読者倍増ですよ!

そうすれば、Ziggy Stardustではなく、ブログ界で、“じきに〜 スターだ〜す”てなことに。

どうもスイマセン(初代林家三平調で)

それにしても、アイドル物の卒業アルバムと違って、収録から10年もかかっても卒業アルバム発売出来るとはすごい余裕だね。


(2015年発売のLP)


(CDと異なるLPレーベルのデザイン)


ランダムにレコード紹介、その34 21世紀に20世紀少年はダサいか?

2018年12月19日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

T.Rexの1972年のアルバム、SliderからMetal GuruとTelegram Samの2曲がシングル・カットされ2曲とも大ヒット。

その後、その波に乗って立て続けに出したシングル、1972年のChildren Of The RevolutionとSolid Gold Easy Action、1973年の20th Century Boy、GrooverにTruck On (Tyke)がイギリスなどで大ヒット。

しかし、それらはシングルのみの発売で1973年に出たオリジナル・アルバム、Tanxには何故か一曲たりとも収録されなかった。



それらシングル・ヒット曲をLPでまとめて聞こうとすれば、何とその後同年に出されたマーク・ボラン存命中に出た唯一のベスト・アルバム、Great Hitsを追加購入しなければならなかった。少年のお財布には厳しい仕打ちだったような。そして後年CD化され再発されたオリジナル・アルバムにボーナス・トラックとして収録されたり、Great HitsそのものがCD化された事により、今では簡単に聴くことが出来るようになった。



しかし天邪鬼な私は、どうしてもLPでそれらを再生してみたかったのだ。

Great Hitsは10年ほど前にテイチクからLPで限定再発されたが、今や廃盤となりその新品価格はとても手の届かない プレミア価格となる。

でっ、それに似た選曲のLPが安価(ここがポイント)で手に入らないか、海外の通販サイトを眺めているとありました、ありました。

ちょうどバーゲン価格で買ったので安く手に入れる事が出来たのが2016年に出たこのベスト・アルバム、Solid Gold。さすが大人になるとお財布に余裕がある。まあ、大したことはないけどね....




(英国のデーモンレーベルによる再発LP)

しかしせっかく買ったものの、その存在をしばらくの間失念していて本日ようやく日の目をみる。

選曲は1972年から1977年のベストという事で、1973年時点のベスト・アルバム、Great Hitsとは異なるが、シングル盤のみでカットされた曲はすべて収録されているので問題なし。



このジャケットの写真やデザインが少々チープだけど、まあいいかっ〜。

それでは爆音で20th Century Boyから、ガァ〜ッ、ガァ〜ッ、アゥ〜

もうすぐクリスマス、厳かな雰囲気で年の瀬を迎えるはずが…

21世紀もすでに19年が過ぎ去ろうとするこの時期、 今も聴こえる爆音の20th Century Boy!

ホント、いい仕事してましたってば。


ランダムにレコード紹介、その31 トニー様様だったSlider

2018年12月16日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

レコード棚から一枚のLPが久しぶりに聴いてくれないかと語りかけているかの如く、その背表紙がふと目に止まった。

早いもので、1977年にマーク・ボランが不慮の自動車事故死を遂げてからすでに40年以上経つ。

今日は、そのマークの代表作である1972年の大ヒット・アルバム、Sliderを聴いてみた。

(今回聴いてみたのは、リマスターされた輸入盤。)


(オン・タイムで買った、日本盤のレーベル。ジャケは日本盤のみゲート・ホールドだった。)

マークの相棒、ミッキー・フィンのパーカッションとバッキング・ボーカルは申し訳程度の貢献で、スタジオ録音による実質的なサウンドの構築は、ギターとボーカル担当のマークにドラムスとベース担当の各1名ずつ、計3名によるシンプルな演奏が基本となる。

それに、プロデューサーであるトニー・ビスコンティがストリングスをアレンジしてミックスしている。

もちろんマークの独特なボーカル・スタイルも無視は出来ないが、この切れ味鋭いストリングスこそがアルバム、Slider に於けるT.Rex のサウンドの肝と言って良いのじゃないか….

また、ジャケの白黒写真は当時マーク出演の映画、Born To Boggieの監督をしたリンゴ・スターの名がアルバムにはクレジットされているが、トニー・ビスコンティ曰く、当時リンゴは映画製作で色々と忙しかった様で、その写真を撮る暇などなかったことから、トニーがマークから手渡されたNikonで前と後ろから撮影したとのこと。


(本当はトニー・ビスコンティが撮ったとされる白黒のポートレート)


(ジャケ裏の写真)

マークにとってはこのアルバムの成功は トニー様様だったのではないかと今回印象付けられた次第。


今日の一枚、ディスコのジョンって? YOUNG AMERICAN

2016年10月13日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

1975年発売のアルバム、俗にボウイーのプラスティック・ソウルと呼ばれる、YOUNG AMERICANには色々な意味で驚かされた。

後から思うと、1974年のスタジオアルバム、DIAMOND DOGは最後のグラム・ロックであった。


そして同年DAVID LIVEなるDIAMOND DOGのアメリカ・ツアーを実況録音したライブ・アルバムが実質的にFINAL DEATH OF ZIGGYとなる。


YOUNG AMERICANはファンクやソウル系のミュージシャンを起用して制作されたアルバムだったが、一年も経たずにこれほど簡単に音楽指向を変えることが出来るのか?と思った。

DAVID LIVEでなんとなく場違いな1966年のソウル系ヒット曲、KNOCK ON WOOD(エディー・フロイドとMG’Sのスティーブ・クロッパー作、オーティス・レディングのカバーも有名)を取り上げていたのは、当時アメリカの聴衆向けのサービスだったのでは思っていたのだが、なるほどそれは次作の方向性を示すイントロだったのかもしれない。

だが私が一番驚いたのは、ボウイーがこのグラムからプラスティック・ソウルへの急な変化についてではない。

それはジョン・レノンがこのアルバムの2曲のレコーディングに参加したことである。

ビートルズ時代のACROSS THE UNIVERSEのカバーは、ボウイーが頼めばジョンは演奏や歌唱に加わることは有り得ると事だとまあ理解出来たが、シングル全米1位になったこのアルバムの看板とでも言える、スローなディスコ・ナンバー、FAMEに作詞・作曲者としてボウイー、ギターのカルロス・アロマーと共にジョンが名を連ねていた。

ジョンがディスコだって!

ビートルズ・ファン友の会に入会していない、ごく一般的なファンとしては、未だに不思議に思う今日この頃である。


人生を怠惰に過ごす諸君!発信せよ!

2016年09月17日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

DAVID BOWIE がMOTT THE HOOPLEに1972年末に提供した曲に、ALL THE YOUNG DUDES(すべての若き野郎ども)がある。

ボウイーによるこの新曲(全英3位)の提供とニューアルバム(全英21位) プロデュースによって、解散寸前だったMOTT THE HOOPLEが息を吹き返した。

ちょっと歌の中身を検証と言うことで、いつもながらの下手な和訳で申しわけ無いが…

Well Billy rapped all night about his suicide
ところでビリーの奴、夜通し奴の自殺についてぺらぺら喋っていがった。
How he kick it in the head when he was twenty-five
25歳にでもなれば、どのように自殺ってのが頭に浮かぶのかを
Speed jive don't want to stay alive
奴らは生き続けたくないんだと
When you're twenty-five
あんたが25歳ならどうなんだ?

And Wendy's stealing clothes from marks and sparks 
ウェンディはマークス・アンド・スパークで服を万引き(注:イギリスの小売業のマークス・アンド・スペンサーからクレームが出ないようにと推測?、後日、車のなかから盗むと歌詞が改められた)
And Freedy's got spots from ripping off the stars from his face
フリーディーの野郎は顔から星の刺青を引っ剥がして痣だらけ
Funky little boat race
くだらね~ボートレースのようだ

Television man is crazy saying we're juvenile delinquent wrecks
テレビの奴、俺たちが不良のガキ共だってまくし立てている
Oh man I need TV when I got T. Rex 
まあ、T.Rex観るのにはテレビいるんだけどなー
Oh brother you guessed 
あんたが思った通り
I'm a dude dad
俺はやつらの親父みたいなものさ
All the young dudes (hey dudes)
すべての若き野郎ども!(野郎共!)
Carry the news (where are ya)
発信しろ!(何処にいるんだ!)
Boogaloo dudes (stand up come on)
のんびりした野郎ども!(さあ立ち上がれ!)
Carry the news
発信しろ!
All the young dudes (I want to hear you)
すべての若き野郎ども!(聴いて欲しい)
Carry the news (I want to see you)
発信しろ!(会いたいんだ)
Boogaloo dudes (and I want to talk to you all of you)
のんびりした野郎ども!(お前らみんなと話がしたい)
Carry the news
発信しろ!

と一番だけを訳してみたところ、25歳で自殺する奴や、周りでもまったくさえない若者が数多く見られる世の中で、大人たちも声を大にして彼らを非難するわけだが、その状況に埋没しないで、自身を現し主張せよ!、そう若者よ発信せよ!(CARRY THE NEWS)と唱える、若者に対する応援歌のようにも聴こえる。

2番以降の歌詞を吟味していないので良くわからないが、ルー・リードらよると、ゲイの賛歌としても捉えられているようだ。

だが、ボウイーによると、半年前に出したアルバム、ジギー・スターダストに収録された5YEARSと言う曲に、地球は5年以内に崩壊すると歌った内容に反応し色々な情報を発信した少年たちについて書いたものだとか…

1番の歌詞を素直に読めば、Boogaloo dudes、(ゆるゆるの野郎)という言葉に特に反応して、私としては怠惰に過ごす諸君!発信せよ!と聴こえる。

と言う訳で、シコシコと読んでもらえるかどうか解らない記事を不定期ではあるが発信しているのである。

何ですって!

ボウイーは若者(YOUNG)の野郎どもに対してそう歌っているのであって、決して不良のおっさん向けではないって!

では、タイトルをALL THE YOUNG DUEDSからOLD AND YOUNG DUDESに是非変えていただこう~

もしもし、ボウイーさんちょっとお話が。

あの~、ボウイーさんあちらで忙しくされていて、ちょっとコンタクト取れないんですが…

遅まきながら、R.I.P. ボウイーさん

David Bowie - All the Young Dudes


CCCDとデビッド・ボウイー

2016年03月02日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

デビッド・ボウイーが亡くなって、来週で2カ月となる。時が過ぎ行くのはなんと早きこと。

久々に手に取った彼のアルバムが1978年のライブ盤“ステージ”。

基本的に、グラム時代を締め括った“ダイヤモンドの犬”以降のアルバム、ヤング・アメリカンからヒーローまでを中心とした選曲されているのだが、そこに唐突ではあるが“ジギー・スターダスト”からも5曲が披露され、ノスタルジックな味わいも楽しんでもらおうと言う構成になっている。

プラスティック・ソウルやベルリン時代からファンとなりコンサートに来た人もいるかも知れないが、当然昔からファンだった人もそこに来ていただろうと思うわけで、 やっぱりライブには馴染みの曲も必要と考えたのだろう。

昔、よく尖っていると言われたアーティストであれば、“古い曲はやらねーよ、新しいのを楽しんでってくれー”と我儘を言ってしまうのだが、さすがはボウイー、よく分かってらっしゃる。

オリジナルは2枚組のレコードとして発売され、景気付けという意味なのか、懐かしのジギーからの5曲が、一枚目のサイドー1、すなわちアルバムの頭にすべて収められている。実際のコンサートのセット・リスト通りにベルリン時代の楽曲からスタートするアルバム編集となると、全体的に暗く地味に聴こえるのではと危惧したのだろうか?

2005年にボーナス・トラックを付けリマスターされたCD2枚組が発売された。それは、コンサートのセット・リスト通りの収録に変更され、一曲目のインスト・ナンバーのワルシャワがクラッシックの序曲のように静かにゆっくりと進行し、コンサートが始まる。

やはりコンサート通りの進行で収録されたCDは臨場感があり、徐々に盛り上がっていく様子が伝わるのではないかと…

アルバム・チャートを見ると、全英5位を獲得したのだがアメリカでは44位と振るわなかった。

1974年に“ダイヤモンドの犬”のツアーの模様を収録した“デビッド、ライブ”が8位だったことから、どうもアメリカ人は派手なボウイーを好むようであり、ヨーロッパのリスナーとの嗜好の違いがチャート・アクションによく表れていて興味深い。

ちなみに、発売当時購入したのはEMIから出たヨーロッパ仕様のCDで、米盤(バージン・レーベル)に付属していたブックレットはなく、蛇腹式の特殊パッケージの裏表に写真や解説を載せている。



また、英EMI盤は当時悪名高かった、コピー・コントロール・CD(CCCD)での販売で、意図的に間違ったエラー訂正コードをCDのデーター内に埋め込み、従来のCDプレーヤーの読み取り補正を十分に機能させない仕組みとなっていた。(読み取りエラー仕向けてPCにリッピングさせない仕組み)

当方所有のPCではこのCCCDは問題なくアイチューンに取り込むことが出来たのだが、それらの音源のデーターが正確にリッピングされたかどうかは定かではない。

10数年前、違法ダウンロードによりCDの売り上げが落ち込むことを業界は恐れ、CCCDなるものが登場したが、今や16ビットのCDは時代遅れの規格で、さらにハイレゾ・ダウン・ロードでさえ手間になるとのことで、ストレージ不要のストリーミング配信が今後主流となるかもしれない時代へと突入した。

10年ひと昔とはよく言ったもので、当時の最新のコピー防止機能を持ったCCCDの登場なんて今は昔、ボウイーのこのアルバムを手に取ると、時が経つのはあっと言う間だと実感する。

“ステージ”ってアルバム、ついこの間買ったような気がするのだが…