CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ブランディングすれば

2023年06月30日 | PROG ROCK

1975年ジョン・グッドソール(G)、パーシー・ジョーンズ(B)、ロビン・ラムリー(Key)にフィル・コリンズ(Dr)ら4名によって結成されたのがプログレ・バンド、Brand X。

芸風はジャズ・フュージョン・インスト系。

因みに知名度の印象から言ってフィル・コリンズが主として結成したバンドとしばしば思われているが、彼はあくまでドラマーとしてバンドの構成メンバーの一員という認識が正しいのではないかと...

彼等のファースト・アルバムは翌年にUnorthodox Behavior(邦題は当時、異常行為だった)のタイトルで登場。

全く売れなかった印象が...

一聴してみると全員が高度な演奏技術を持っていて、初めて聴いた時はびっくり! 特にパーシー・ジョーンズのベース奏法が非常に印象的だし、フィル・コリンズのドラムも手数の多いジャズ・タッチの演奏もジェネシスのものは違って別人が演奏しているかのような... 一味どころかも二味違う!

アルバム・タイトル通り、曲の進行や演奏技術も通常の思考を超えたもはや変態チックって言ってもいいのかも知れないし、商業マーケティングに於ける比較でよく使われるブランドAでもなく、またBやCでもない規格外のXの名は彼等にピッタリですかね。


二番煎じ、ちょっとパンチが足りない

2023年06月29日 | AMERICAN ROCK/POPS

1974年フリートウッド・マックから脱退したボブ・ウェルチ、その翌年に3人組の新バンド、パリスを結成。

1975年から2枚のアルバムを出すもその評価は何故かイマイチ、ただ当時パリスのファースト・アルバムは日本のその筋では結構話題に登っていたような...

3枚目のアルバムを制作するもバンドが解散状態で、ソロ・アルバム、French Kissとして1977年に出すとこれが大当たり。

てな事で続編、Three Heartsが1979年に登場。大ヒットした前作と比べると少々控えめな印象のサウンドでちょっと個人的には期待外れだったような...

(セクシーな女の人が一人増えただけで、アート・デザインのコンセプトは前作とほぼ同じ)

このアルバムどう見ても続編って立ち位置なんだから、二番煎じって批評を恐れず開き直って前作以上に弾けりゃよかったのに....って思う今日この頃。

(何故かビートルズのI Saw Her Standing Thereをカバー)


マニアにおすすめ

2023年06月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

のっけからゴスペル調のフォーク・ロック。そしてブルースありカントリーあり、更にジャクソン・ブラウンのJamaica Say You Willのカバーもと結構バラエティーに富んだアルバム。

オリジナル・メンバーがロジャー・マッギンだけになり1969年のアルバム、Mr. Byrds And Mr. Hydeでスタートを切った新生バーズ。

それから4枚目に当たるオリジナル・アルバム、Byrdmaniaxが1971年に出た。前作と前々作の評判もよく当時精力的にライブ活動にこなしていた彼等だが、何故かこのアルバムの評判が良くなかった。

(このアルバムの内容とはリンクしないと思われるデス・マスクのジャケにビビってアルバムの購入意欲が削がれたのだろうか?)

(何故か我が家にはSQのクアッド盤が... バーズを4チャンで聴く必要があるの?)

プロデューサーのテリー・メルチャーがコーラスやストリングスをバンドの了解を得ずにうオーバー・ダブしたとかアルバム制作に於いて色々フリクションがあったみたいだが....

まあバンドとしてはもっとシンプルにやりたかったのかもしれないが、今聴けば特にそれらのオーバー・ダブが聴き苦しいとは感じず、なぜこのアルバム売れなかったのかな?

もちろんデビュー当時のMr. Tambourine Manを歌っていた頃とは趣は違うが個人的にはいいアルバムだと思う。

少なくともバーズのマニアにはおすすめのアルバムであることは間違いない。

そうオイラはByrdmaniax。


脱獄成功!

2023年06月28日 | BRITISH ROCK

アメコミによく出てくるような超支配者が管理する監獄、Dimension 5から脱獄に成功した4人が、自由を求めて最終戦争を起こすきっかけとなる。その結末は如何に… 

シン・リジィの1976年に出た6枚目のアルバム、ジェイル・ブレイク。

アイルランド出身のフィル・ライノット(ベースとボーカル担当)が中心となり、フォーク・ロック系のサウンドでスタートしたものの、残念ながらそれほどインパクトを残せなかった。

ツイン・リードにスコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンを固定した前作あたりでメロディアスかつハード色をより打ち出し、このアルバムでタイトル通り遂にブレイクに成功。(全英10位、全米18位)

アメリカ遠征で当時売り出し中だったバックマン・ターナー・オーバードライブやボブ・シガーなどの前座を務めたことがバンドのサウンドに大いに影響を与えたと思われる。

シングル・カットされヒットしたJailbreak、 The Boys Are Back In Town、Cowboy SongにEmeraldなど聴きどころ満載。


ワンマン・バンドじゃないよ

2023年06月27日 | AMERICAN ROCK/POPS

60年代末期、ジェームス・ギャングで活動していたジョー・ウォルシュは71年、The Whoのツアーでの前座をこなし人気が上昇していたバンドから脱退し、3人編成のバンド、バーンストームを立ち上げ、翌年にセルフ・タイトルのアルバムを発売。

続くアルバムは何故かバーンストーム名義ではなく、ジョー・ウォルシュ名義でソロ・アルバム、The Smoker You Drink. The Player You Get.が1973年に出た。このアルバムからシングル・カットされたRocky Mountain Wayがそこそこヒットし、ジョーの知名度も更にアップ。

メンバーは1作目と同じ、ジョー・バイタル(Drums)、ケニー・パサレリ(Base)と新たにキーボード奏者が加入し4人編成。しかし他のメンバーも曲の提供やリード・ボーカルを取ったりと通常のソロ名義のアルバムとはひと味違うバンドとしての一体感がある。

また、ジョーはギターだけでなくキーボードも操り、フーの前座時代にピート・タウンゼンドから影響を受けたのか、この時代の他のアメリカン・ロック・バンドとは一味違うシンセ演奏もこのアルバムの聴きどころ。

因みにプロデューサーがジェームス・ギャング時代からずっとビル・シムジクだった事からイーグルスにグリン・ジョンズの代わりのプロデューサーとしてビルを紹介、その関係から後に本人もイーグルスに加わることに。

 


サード・アルバムです

2023年06月24日 | AMERICAN ROCK/POPS

フュージョン系ラテン・ロックにおけるバンドの創作活動としてはこのアルバムがピークだったと思える、1971年の3枚目のアルバム、Santana III。

後にジャーニーを結成する当時弱冠17歳だったニール・ショーンがバンドに加入し、カルロス・サンタナとツイン・リードを披露するところも聴きどころ。

セカンドアルバムのBlack Magic Womanのようなヒット・シングルはなくともトータルで聴かせる力作。

宗教臭さ(Spiritual)を感じさせない現実的(Down to earth)なサウンドがいい。


ファースト・ソロです

2023年06月24日 | BEATLES-BADFINGER関連

1970年に出たポールのファースト・ソロ・アルバム、McCartney。

出た当初は手抜きだとか結構酷評された。

当然ビートルズのアビー・ロードなんかと比べられると反論の余地もないのは仕方がない。

ただバンド活動とは別のやりたい事を宅録風のリラックスした状態で楽器も全て自身でこなすシンプルなワンマン・バンドの手法は当時としては革新的だったと思う。

フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガムの後に登場したソロ・アルバム、Law And Orderにも結構影響を与えていたのでは…

アルバム全体がサラッと流れていく感じが心地よい。

それに比べるとWild Lifeは少々くどく感じられ消化不良だったかな?


Space Oddity(宇宙での異常)

2023年06月23日 | Bowie, T.Rex, Hoople and Glam.

デビッド・ボウイの1969年の2作目のアルバム、Space Oddityでも。

60年代末期のサイケデリック風フォーク・ロックって感じで、アコギのサウンドはエレキ一辺倒より柔らかく感じられて心地よく聴こえる。

このアルバムは1968年に公開されたSF映画、2001 A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)とか人類初の月面着陸を試みようとするアメリカのアポロ計画なんかにインスパイヤーされたとか。

ただ、あれから50年以上経った21世紀も四半世紀を過ぎようとしているのに映画で描かれたような宇宙計画のレベルにはまだまだ到達していない。

異常事態によって宇宙で迷子になってしまったトム少佐もきっと痺れを切らしている事かと…

早くオイラを救出してくれ~!


チャック・リーヴェルって知ってる?

2023年06月22日 | Southern Rock

デュアン・オールマン亡き後、キーボードにチャック・リーヴェルが加わり新生オールマン・ブラザーズ・バンドが誕生。

それまでのデュアンとディッキー・ベッツのツイン・リード・ギターの掛け合いが売りだったのが、彼のピアノが加わる事によりバンドとの方向性が合致したのか演奏に新たな魅力を生み出し、1973年に出たBrother And Sistersは大ヒットを記録。

ただメンバーのドラッグ中毒によって、その絶好調も長続きせずその後スタジオとライブ・アルバム各1作を出してバンドは空中分解。

残ったメンバーのチャック(キーボード)、ジェイモー(ドラムス)とラマー・ウイリアムズ(ベース)に外部からギターのジミー・ネイルズが加わり新バンド、Sea Levelが結成された。

ボーカルがついた曲もあるが、1977年のファースト・アルバムではオールマン風の軽快なフュージョン系インスト曲が味わえ、これがなかなかの出来だった。

1977年のファースト・アルバム

その後3枚のアルバムがキャプリコーン・レーベルから発売されたが、マイナーなバンドのため、初回盤の購入を逃すと直ぐに廃盤となり中々手に入れ難くその後の3枚のアルバムの入手を諦めていたところ、1990年にそれら4枚のアルバムからの選曲でベスト・アルバム、Best Of Sea LevelがCD化されようやくゲット。

因みにチャックはSea Levelから脱退後、ローリング・ストーンズのサポート・キーボード・プレイヤーとしてオリジナル・アルバムやライブなどで長年活躍してきたのは有名な話。


個性的なウエスト・コースト系シンガー・ソング・ライター

2023年06月21日 | SSW

リンダ・ロンシュタット繋がりで本日はウエスト・コーストのシンガー・ソング・ライター、ウォーレン・ジヴォンのアセイラム・レーベル時代の4枚のアルバムをコンパイルした1986年発売のベスト・アルバムでも。いい歌詰まってます。

(骸骨マークに挟まれた副題、A Quiet Normal Lifeは一体何を意味するのか? 何かの皮肉?)

(謎めいたジャケ・デザイン、十字マークの盾を持った骸骨軍団は一体何を意味するのか? )

日本では多分リンダ・ロンシュタットが彼の曲、Mohammed’s Radio、Poor Poor Pitiful Meと他何曲かをカバーしたことでその名が知られていると思う。

シカゴ生まれだが、幼少時はカリフォルニアで育ち高校時代に音楽活動をスタート。高校を中退しニューヨークに行き彼の地でセッション・ミュージシャンとして活動。その後西海岸に戻り、1970年にソロ・アルバムを出すも不発。

1976年ジャクソン・ブラウン・プロデュースによるセカンド・アルバムでようやく注目を集め表舞台に登場。

(1976年のセカンド・アルバム、Warren Zevon)

いい歌沢山作っているのに、日本でそれほど知られていなかったのは、やっぱり歌いっぷりがウエスト・コースト系シンガーの中では個性的って形容すればいいのか、ぶっちゃけ地味だったせいなのかな?

その後、数年おきにアルバムをコンスタントに出し続けて精力的に音楽活動に携わってきたものの、2003年に56歳で病死。

遺作は2003年のThe Wind。

風のように去っていった。


ブレイク前夜

2023年06月21日 | West Coast Rock

1974年に発売されたリンダ・ロンシュタットのキャピトル・レーベル時代のベスト・アルバムでも。

同年キャピトルからの最終作であり全米1位に輝くアルバム、Heart Like A Wheelを除くストーン・ポニーズ時代の3作とキャピトルからのソロ・アルバム3作からのファーク・カントリー系の選曲となっている。

モンキーズのメンバーだったマイク・ネスミス作のDifferent Drum、他にはジャクソン・ブラウン、ディラン、ローラ・ニーロらの曲を取り上げていて、その選曲の良さに感心する。

ブレイク直前、スターへの階段を駆け上る初々しい歌声のリンダ・ロンシュタットが十二分に味わえる。


プレッシャーからの解放

2023年06月20日 | AMERICAN ROCK/POPS

1979年の大作、Tuskの制作が終了してもその創作意欲は衰えず、1981年にソロ・アルバム、Law And Orderを発表したフリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム。

Tuskでの彼の提供した作品群はちょっと実験的な曲もありその評価は分かれたけれど、彼らしい個性的な作品だった。

今回のソロではその延長線上の作品集だとも言える。

当時の音楽関連の識者達からはデモ音源のようで完成度が足りないなどと酷評されたが、バンドのレコーディングのようにレーベルから絶えず売れ筋を求めるプレッシャーから解放され、仲間内で肩の力を抜いて制作された作品だと思う。

当然その様な雰囲気はリスナーにも伝わり、アルバム全体をリラックスして聴き通せる。


ここまで変わるか?

2023年06月19日 | AMERICAN ROCK/POPS

昨日のクイーン繋がりで本日はジャーニーでも聴いてみる。

1978年の4枚目のアルバム、Infinityで専任のリード・ボーカルとしてスティーブ・ペリーを起用したことで5人体制となる。

そしてそれ迄のプログレ系インスト・バンドのイメージから脱却、ポップなハード・ロック・バンドへと芸風を劇的に転換し、ここからアルバムを出す毎に売り上げも伸ばしトップ・バンドへと上り詰める。

どこがクイーンと繋がっているかと言えば、今回プロデューサーにクイーンの初期のアルバムを担当したロイ・トーマス・ベイカーを起用した事。アメリカのシンプルなハード・ロック・バンドとは一味違うメロディアスでスマートなヨーロピアン・サウンドの味わいが.....


女王のご帰還

2023年06月18日 | Queen

1980年のアルバム、The Gameに収録されたファンキーなビートに包まれたAnother One Bites The Dust(地獄へ道づれ)がシングル・カットされ世界的に大ヒット。

これに気をよくしたのか1982年のアルバム、Hot Spaceは同様に続編的シンセ多用のブラック・ミュージック系の曲を中心に制作された。

ファンとしては、その手の曲が1−2曲収録されるのであれば目先が変わってバラエティーに富んだアルバムとして歓迎されるが、それらがアルバム全体のイメージに影響を与えるとなるとそっちじゃないんだってば!となる。即ちデビューから続いてきた芸風が維持もしく進化していくことを望むファンが多い。

てな事で、Hot Spaceは思ったほど歓迎されなかった。もちろん、今聴けばこれはこれで良く出来たアルバムだと思うが…

その反省会が開かれたかどうか定かではないが、1984年の11枚目のアルバム、The Works(作品集)はタイトル通りコンセプト・アルバムではないけれど、それまでの耳慣れたクイーン・サウンドが帰還したって感じですかね。

お望みのもの作ってやったぜ。これでどうよ! って言っている様な...

Worksって工場って意味もあるから、製造されたピニオン・ギアが並んでいる。


昔々のお話

2023年06月17日 | Euro Pop

中学生になるとちょっぴり大人になった気分がした。

当時最寄りの中学校から一番離れた校区に住んでいて、一駅分だけれど朝のラッシュ・アワー時大人に混じって電車通学だとか、中間・期末考査の時期には試験勉強と称して家中が寝静まった夜中まで机に向かった。

と言っても、大体はラジオを聴きながらの勉強で、朝眠い目を擦って覚えているのはラジオのパーソナリティーの会話やオン・エアーされたヒット曲ぐらいだったような...

そんな中、この曲もラジオから流れていたような。

オランダ出身のポップ・グループ、ショッキング・ブルーのVenus。彼の地では1969年に発売されヨーロッパや北米各国で大ヒットし、確か日本では翌年に発売されヒットした。

当時徹夜し勉強した内容は全く記憶にないけれど、この曲のサビの箇所、I’m your Venus, I’m your fire at your desire~ 🎵は今でも何気に覚えている。