CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

地下室に眠ったビンテージ物

2024年03月04日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

オイラが若かりし頃聴いていた60年代末から70年代にかけて流行ったニュー・ロックがクラシック・ロックと呼ばれる様になってどれくらい経ったのだろうか?

1966年ウッドストック近郊でのモーター・バイクの事故で重傷を負ったディランは活動を休止。傷の癒えた翌年ザ・バンドのメンバーとウッドストックのピンク色に塗られた彼らの住居、ビッグ・ピンクでセッションを繰り返す。

ここで出来上がった主な曲はザ・バンドのデビュー・アルバムに収録された他、多くのアーティストらによってカバーされ世にでる。

それ以外の音源は正式にリリースされることはなく、その後ザ・バンドのロビー・ロバートソンによってオーバ・ダブを施しステレオ化され、ようやく1975年にThe Basement Tapesというアルバム・タイトルで日の目をみることに。

確かに60年代に録音された古さを感じさせる音源ではあったが、70年代半ばにこのアルバムが登場した時はノスタルジーを誘うあたかも樽に詰め込まれたワインの様に熟成した雰囲気を楽しむことが出来た。

絶え間なく大量に生産され巷に溢れる新しいロックが10年後、20年後に果たしてどれくらい生き残っているか興味深い。

是非ともクラシック・ロックとして生き残って欲しいものだ。


バーズ再来か?

2024年02月25日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1978年、ロジャー・マッギン、ジーン・クラークにクリス・ヒルマンが揃ってトリオを結成。バーズ再結成かと思いきやバンド名はシンプルにマッギン・クラーク・アンド・ヒルマンに落ち着いた。

翌年のファースト・アルバムは全米39位と中ヒットとバーズの御威光はまだまだ健在。

そしてセカンド・アルバムでさらなる飛躍が期待されたものの、ジーン・クラークのアルコール依存とドラッグ中毒がひどくなってライブ活動が維持出来なくなってしまった。

ジーンはセカンド・アルバムに自作曲を2曲を提供したものの、レコーディングできる体調ではなくなり準メンバーに格下げとなった形で1980年にセカンド・アルバム、Cityを残るメンバーでなんとか完成させた。

(バンド名はMcGuinn, Hillman Featuring Clarkとなった。)

またプロデューサーのアルバート兄弟とアルバム制作の方向性が噛み合わなくなってきたこともあって、不完全燃焼となりチャートも136位と大幅に後退することに。

80年代ともなるとやっぱりこの手のフォーク・ロックは時代遅れと言うか刺激が足りないと捉えられたのかもしれないね。

オイラの耳には当時懐かしのフォーク・ロックって感じで悪くないと思ったし、今聴いてもその印象は変わらないのだが....

 


The Last Waltz Suite

2024年01月27日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

The Bandのロビー・ロバートソン氏、去年の8月に亡くなれていたのをつい先日知った。

本日は彼らの解散コンサートのアルバムでも。

1969年のデビューから曲作りとオリジナル・アルバムのレコーディング、更にその合間にライブ・ツアーが間断なく続いたことから、ロビーはツアー疲れから今後スタジオ・ワークのみ専念との提案、他のメンバーとの折り合いはつかなかったものの取り敢えず解散コンサートを実施。

それが1976年にロスで著名なミュージシャンのゲスト参加によって開かれたラスト・ワルツのコンサート。記録映画としてマーティン・スコセッシがメガホンを取り制作され1978年に上映。また同時にその模様を3枚組LPに収録したサントラ盤も発売された。

その収録されたライブ音源の出来がイマイチだったそうでサントラ制作の過程でかなりのオーバー・ダブが施され、またライブ音源以外にこの記録映画のテーマ・ソングと言えるThe Last Waltz Suiteがスタジオ録音で別途制作された。

この組曲の中にソウル・コーラス・グループのThe Staple Singersから改名したThe StaplesがかってThe Bandの看板曲The Weightをカバーした縁からなのか今回同曲の録音で共演を果たしている。

娘Mavis Staplesの気持ちのこもったソウルフルな歌唱に親父さんRoebuck Stalplesの押さえ気味な歌唱も中々の出来で私のツボにハマって何度もリピート。

映画のDVDかユー・チューブにアップされているビデオ・クリップなどの映像で見れば尚いい感じ。

本編のライブ音源よりいいかも。


Budokan

2024年01月04日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1978年、10数年ぶりにワールド・ツアーに出る事になったディラン。このツアーに日本が組み込まれ日本独自企画のライブ盤が制作される事に。

そのコンサートに居合わせたファンはオリジナルの演奏とはあまりにも異なったアレンジメントに一体何を思ったであろうか?

その年の2月から3月にかけて行われた日本公演を見にいく機会は残念ながらなかったものの、同年の8月に出たアルバムがラジオから流れた。曲によってはこれは新曲なのか?と勘違いするほどで、時折り聴こえる慣れ親しんだフレーズでようやくどの曲なのか判別がついた次第。

結局LPは当時購入に至らなかったものの、90年代に再発されたCDをようやく購入する。

しかしまだまだ違和感があって馴染めなかった。

さらに時は過ぎ去りそれから30年以上たった今、不思議な事に案外サクサクと聴ける。

年を重ねる毎に共にオイラも丸くなり、もうなんでもOK! 当時のディランの声が今では優しくいい感じに聴こえる。


サイケデリック・ムーブメントの中で

2023年12月13日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ビートルズの1966年のRevolverや翌年のSgt. Peppersなどのアルバムが出てきてヒットしミュージック・シーンにサイケデリック・ムーブメントを巻き起こす。

アメリカでもバーズが1966年に意欲的な作品、Fifth Demensionsを発表したもののフォーク・ロック調だった前作を超えることが出来なかったため、作風をもう少し練り直す事に。

そして完成したアルバムが翌年のYounger Than Yesterdayで、バンド内の3人のソング・ライターがそれぞれ工夫を施し新しい一面を見せた。

ロジャー・マッギンとデビッド・クロスビーの関わった作品はそれまでのフォーク・ロックサウンドによりサイケデリックなアレンジメントが加わえ進化させ、とりわけクロスビーの作品はインド音楽に影響を受けたラーガ・ロックの入り口的なサウンドを示した。更にジーン・クラークがバンドから脱退したことによってクリス・ヒルマンが曲作りに精力的に参加し後年のカントリー・ロック的なサウンドを披露。

しかしながらアルバムは前作と変わらず全米23位の中ヒット、またこのアルバムに収録されたディランのカバー曲、My Back Pagesを巡ってマッギンとクロスビーが対立。クロスビー曰く、この曲を収録する事によって過去のアルバムの作風に回帰する事によってバンドの進化が見出せないと批判。この事が引き金になったのかクロスビーはバンドから脱退することに。

てな事でバンドのかっての人気を取り戻せず、メンバー3名になってしまったバンドのその後の方向性が定まらぬ事に…

ただディランがジミヘンのAll Along The Watchtowerのカバーがこの曲の最終形だと高評価したが、オイラもバーズのMy Back Pagesのカバーが最終形だと思うぐらい気に入っている。


やっぱりブルース・ロック、その5

2023年12月10日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1966年にアルバム、Blonde On Blondeをヒットさせ数々のツアーもこなして精力的に音楽活動を行なっていたディランであったが、モータ・バイクでの事故で重傷を負ってしまい療養生活に入る。

その時期に心の中に何か期するものが、次のアルバム制作において作風にも変化が。

1967年の末に出た8枚目のオリジナル・アルバム、John Wesley Hardingは数曲ティール・ギターが登場するも基本ディランのアコギもしくはピアノにドラムスとベースのシンプルなトリオ編成のバンドで制作された。

(ジャケのデザインもいたってシンプル)

今回のアルバムはブルース・ロックと言うよりは、ディランが従来のフォーク・ロックにカントリーやブルースなどの味付けを施した事で穏やかでまた少々鄙びた印象も。ただ作詞には無法者のJohn Wesley Harding、Drifter(放浪者)、Lonesome Hobo(さびしい流れ者)やPoor Immigrant(貧しい移住者)など表舞台に登場しない社会の底辺の属する人々に視点を当てている。

ところで見張り塔から何が見えたって?

馬に乗ったJoker(道化)とThief(盗人)が今の境遇から抜け出す術があるはずだと会話しながらやってくるのが...

Princes(王子達=支配者階級)はその二人を見てある故事を思い起こす。

あの栄華を極めたバビロンでさえ滅んだ様に我々だっていつかは滅ぶって。

カントリー・タッチののんびりした味わいのアルバムと思いきや、ディランさん結構攻めてるね。


SACDとオジン

2023年11月18日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

レコードと比べると小型で扱い易く、その音質も半永久的として80年代に登場したCD。

しかし2000年あたりがCD販売のピークだったそうで、それ以降は徐々に生産量も減っていった。近頃はネット配信のサブスクやレコードの復権によってその存在感がさらに小さくなっている。

我が家でも一時はCDの収納スペースに困りプラケースを捨ててソフビの薄いケースに変えてみたものの、この収納方法でCD棚に置くと背表紙が見えず一見して一体何のCDなのか判別がつかず、もっぱらPCに収録されたデジタル音源をD/Aコンバータ経由でステレオ・アンプでアナログ再生している。

せっかく買ったのに全く使わないのは勿体無いと、再びCDの存在感を出すためプラケースを買い直し収納を仕直している今日この頃。

今日もCD棚を整理していたところ、ちょうど15年前SACDプレーヤーを買ったので何故か発作的に同時に買ってしまったディランのハイブリッドCDのボックス・セットが目に留まった。

てな事でディランの1965年の通算6枚目のアルバム、Highway 61 Revisitedを久々にSACDで味わってみる事に。通常音源のCDも持っていたんだけれどね… 

正直なところ比較するために通常音源を聴き込んでいるわけでもないし、そもそも老化による聴覚の劣化もあるのでその違いはよくわからない。

まあオジンとしては、ディランのターニング・ポイントとなった名作をSACDで味わう雰囲気だけでオーケーとしておきます。

オジンにSACD、宝の持ち腐れ。


セピア色の渋い奴

2023年10月17日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

その昔、コマーシャルでオレンジ色の憎い奴ってキャッチ・フレーズの夕刊紙ありましたっけ。

ただ、最新の出来事を次々とタイムリーに伝えるネット・ニュースの登場により、その日の午前中の出来事を伝える夕刊紙は少々時代遅れ。

夕刊紙の衰退が顕著になる今日この頃、かっての記憶が少しずつ消されていく感じでちょっと寂しく思う。

そんな中オイラとしてはセピア色の渋い奴を応援したいですね。

それは1969年のザ・バンドのセカンド・アルバム、The Bandの事。セピア色のモノクロ写真に写っているのは5人組の地味な出立ちの兄貴達。

ただレコードに針を落とすとそこにはアメリカの市井での様々な情景が描かれていて懐かしさを感じる。

ポップなサウンドかと言われればそうではないが、その渋みを何度も繰り返し味わうことによってなんとなく温かみや親しみが染み出してくる。

ロビーもついこの間あの世に旅立ってしまい、ガースのみが最後の生き残りとなってただただ寂しい限り、でもセピア色の渋い奴は永遠不滅と声を大にして言いたいね。


マニアにおすすめ

2023年06月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

のっけからゴスペル調のフォーク・ロック。そしてブルースありカントリーあり、更にジャクソン・ブラウンのJamaica Say You Willのカバーもと結構バラエティーに富んだアルバム。

オリジナル・メンバーがロジャー・マッギンだけになり1969年のアルバム、Mr. Byrds And Mr. Hydeでスタートを切った新生バーズ。

それから4枚目に当たるオリジナル・アルバム、Byrdmaniaxが1971年に出た。前作と前々作の評判もよく当時精力的にライブ活動にこなしていた彼等だが、何故かこのアルバムの評判が良くなかった。

(このアルバムの内容とはリンクしないと思われるデス・マスクのジャケにビビってアルバムの購入意欲が削がれたのだろうか?)

(何故か我が家にはSQのクアッド盤が... バーズを4チャンで聴く必要があるの?)

プロデューサーのテリー・メルチャーがコーラスやストリングスをバンドの了解を得ずにうオーバー・ダブしたとかアルバム制作に於いて色々フリクションがあったみたいだが....

まあバンドとしてはもっとシンプルにやりたかったのかもしれないが、今聴けば特にそれらのオーバー・ダブが聴き苦しいとは感じず、なぜこのアルバム売れなかったのかな?

もちろんデビュー当時のMr. Tambourine Manを歌っていた頃とは趣は違うが個人的にはいいアルバムだと思う。

少なくともバーズのマニアにはおすすめのアルバムであることは間違いない。

そうオイラはByrdmaniax。


Slow Train Coming

2023年04月28日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ユダヤ人だったディランが1978年突如クリスチャンに宗旨替えした、そしてその翌年からゴスペル・アルバムを制作が開始していく。

後にゴスペル三部作と呼ばれたその第一弾が本日の1979年作Slow Train Coming。

ゴスペルと聞いて戸惑いディランから離れていったそれまでのファンもいたが、信仰心の熱い彼の地では新たなファンを獲得し、アルバムもチャートのトップを窺うほどの大ヒットとなった。

今回はマッスル・ショールズ・スタジオでジェリー・ウィスクラーとバリー・ベケットによるプロデュースの下、腕利のセッション・ミュージシャンに囲まれたレコーディングはそれまでの行き当たりばったりではなくかなりプロフェショナルに満ち溢れた作品になったのではないだろうか?

ギターにはダイヤー・ストレイツのマーク・ノップラーが主人公を喰わない様に控え目のながらもツボを押さえたプレイである。

移民大国アメリカでは、ヨーロッパの国々と比較すると信仰心は強いと感じられる。住み慣れた祖国を離れ新たな希望に満ちあふれプロミスランドに到着した移民者達を結びつけるのは祖国の政治的なイデオロギーではなくやっぱり宗教で現在に至るも生活の一部となり結構強固な結び付きを維持している。

片や、全国各地寺社仏閣に溢れた我が祖国日本では、一部の熱心な信者を除けば手当たり次第お願いすると言う少々薄~い繋がりですかね。

果たして、我々に未来の希望に満ちたSlow Trainが将来やってくるのだろうか?


さすがディラン様

2023年01月22日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

ボブ・ディランの1965年の5枚目のアルバム、Bringing It All Back Homeを久々に通して聴いてみた。

束になってかかって来なさい〜!って、何となく挑戦的な構図のカバー・アート。猫もその役目を果たしと脇をしっかりと固めている。

当時ブリティシュ・インヴェイジョンと呼ばれたビートルズやアニマルズなど英国のビート・サウンドのアメリカ上陸の影響もあって、ディランもアコギの弾き語りからバック・バンドを従えたフォーク・ロック・サウンドに舵を切ることに。

このアルバムはちょうどその過渡期のアルバムで、従来のフォークとエレクトリック・サウンドを組み入れたバンド・サウンドの曲が半々で収録される構成となった。

この後、彼はアメリカや世界各地をコンサートで回ることになるが、ザ・バンドの前身バンドだったホークスを従えたエレクトリック・セットでの演奏が旧来のフォーク・ファンから叩かれたそうな...

時代は変わる (The Time They Are A-Changin’)って確か1年前に言ったよね。

ねえ君、全ては今終わったのさ (It’s All Over Now, Baby Blue)とこのアルバムの締めをアコギで歌う。

そう、やりたい様にやるさ。

宣戦布告って感じですかね。

さすが。


気楽に味わうディラン

2023年01月09日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

1989年に出たディランのライブ・アルバム、Dylan & The Deadで、1987年にグレイトフル・デッドとのジョイント・ライブ・ツアーの模様を収録したものだ。

発売当時、このアルバムのレビューでは覇気がないとか投げやりなボーカルだとか結構叩かれて、チャートでも全米37位とディランの人気アルバムとは言い難いが、何度も聴きているとこれはこれでいいんじゃないかという思いも…

思うに、ライブで長尺なジャム演奏が得意なデッドとのコラボは阿吽の呼吸と言うか綿密な打ち合わせなど無しにディランの思うがままにピタリとハマっている様な気がする。それ故、ディランの歌いっぷりもよりリラックスした感じで聴こえる様な…

ただ個人的には、40数分程度収録されたシングルLPでの発売という中途半端な形ではなく、2枚組にしてもう少し曲数を増やせばこのアルバムの個性なるものをクッキリと浮かび上げさす事が出来たのではないかと。

ジェリー・ガルシア率いるデッドのメンバーとディラン、アットホームな感じでいい雰囲気!


ディランの翻訳者

2022年11月15日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

フォーク・ロック調で12弦のリッケンバッカーを掻き鳴らし独特な声質でわかり易くディランのMr. Tambourine Manをカバーしたバーズ。

彼らのおかげで、ボブ・ディランの人気が一般大衆に一気に広がったのではないかと個人的に思う。

そのバーズのリーダーだったロジャー・マッギンが1973年にバンド解散後、ソロ活動をスタートさせた。

本日は1976年の彼の4枚目のCardiff Roseでも。

当時ロジャーはボブ・ディランのローリング・サンダー・レビューと言うライブ・ツアーに参加し、ジョーン・バエズらと共にディランをサポート。

何故かデヴィッド・ボウイーのグラム期を支えたりグラム期のモット・ザ・フープルやしイアン・ハンターのソロに関わったミック・ロンソンも参加していて、その時にお互い知遇を得たのか当アルバムのプロデュースとギターの演奏を引き受けた。

内容は従来のフォーク・ロックやトラッド・フォーク調の楽曲だけでなくミック・ロンソンの影響なのかソリッドなロックの味付けも組み込まれていて、ローリング・サンダー・レビューのライブの如く力強くまたディラン風味の出汁も効いていて中々の出来。

(ディランやジョニ・ミッチェルの曲も演ってます)

これまでに数多くの歌手やバンドがディランの曲をカバーして来たが、このアルバムを聴いてやはりディランの一番の翻訳者としてロジャーとバエズは双璧と言えるかな?

ディランに合わせて白塗りのお顔のジョーン・バエズ

奥でアコギを弾くロジャー


サイケデリックなお方々、その5

2022年08月27日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

サイケデリック・サウンドと言うとThe Byrdsを忘れてはならない。

本日は彼らの1968年に出た5枚目のアルバム、The Notorious Byrd Brothers(名うてのバーズ兄弟)でも。

5人でデビューしたバンドも、このアルバムのジャケではついに3人と馬一頭となってしまった。

そもそも個性強いメンバーが集まったわけだが、うまくバランスを取れずにメンバーがそれぞれ脱退していった。3枚目のアルバム、Fifth Demensionではジーン・クラークが既に脱退しており、この5枚目では収録途中でデビッド・クロスビーが解雇、その後ドラムスのマイケル・クラークも脱退。

(レコーディング初期の頃だろうか、デビッド・クロスビーが映り込んでいる。クロスビー:もう半荘やろじゃないの。ロジャー:却下、レコーディングが先!あんた頸だよ。てなこと話してるのかね....)

苦肉の策として脱退したジーン・クラークを呼び戻しレコーディング・セッションに少しばかり参加したものの彼もバンドに留まることは無く、アルバム完成時点ではロジャー・マッギンとクリス・ヒルマンのみとなった。

そんな中で完成したアルバムは結構サイケデリックな香ばしい味付けがなされていて大ヒットとはならずも、全米47位・全英12位とバンドが途中で崩壊してもおかしくない中、割と健闘した部類なのでは…

元々フォーク・ロック・プラス・カントリー志向のバンドであるが、ビートルズのレボルバー辺りから影響を受けたと言われている本アルバムでは、収録曲がバラエティーに富んでいてムーグ・シンセやジェット・マシーンが登場したりカントリー調のペダル・スティールにロジャーの逆指向的なサイケデリックなギター・ソロが絡むと言った一癖も二癖もあるちょっと不思議な感覚。

サイケデリックっていいもんですね。

Notorious Byrd Brothersの皆さん


とうしろディラン・ファンのお供に

2022年06月29日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

初期のディランって自身のアコギとハーモニカの伴奏そって単調なメロディーの数え歌を歌うような感じですかね?

抽象的な文言を含む歌詞を例のガラガラ声で英語で歌われると私のような英語不得手のリスナーにとっては一体何を歌ってんの?ってなってしまう。

ライナーに記載された和訳を眺めながら歌を追っかけるのも少々面倒。

ディラン通の方々はオリジナル・アルバムを聴いた方が良いっていうけれど、やっぱり私のようなとうしろディラン・ファンなら単調の中にも少しでも親しみのあるメロディーを持った曲の方が有難いのですけどね…

てな事で取り出しましたるは、1967年のBob Dylan’s Greatest Hitsでも。ちょうど前年にウッドストックでのバイク事故により重傷を負って当面活動休止となり、レコード会社は苦肉の策でそれまでのアルバムから選りすぐりの曲でコンピ・アルバムを制作。

(ディランにとっては、事故後の長い療養生活も多分良い息抜きになったのでは...  その後ウッドストックの隠れ家でのザ・バンドとの充実したセッションが物語っている。)

アルバム、Blond On Blondに収録された気の抜けたマーチング・バンドのような演奏をバックにこれまた怠く歌い出すRainy Day Woman #12 & 35からゆるりとスタートし、Blowing In The Wind、Like A Rolling Stoneに Mr. Tambourine Manなど著名ヒット曲を挟み、同じアルバムのJust Like Womanで締めくくる。

オォ~!これなら全編どこかで聴いたことのある曲ばっかりで分かり易い。

100回ほど聴いてからオリジナルのアルバムに進めば、これでオイラもディラン通!

あの~ その意気込みは買いますがね。でも今夏、電力需給ひっ迫で節電しなきゃならないので…

いつまで経ってもオイラはとうしろファンって事か…