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植物観察)北海道バイケイソウ花成個体数調査

2023-06-18 16:19:23 | 植物観察記録

6月14日から17日にかけて、北海道でバイケイソウ花成個体数調査を行ないました。昨年は、定点観察をしている全ての群生地で多くの花成個体が見られ、一斉開花であったと考えられます。ですので、今年の花成個体数は少ないであろうと予想していたのですが、まさにその通りとなり、全ての調査地で殆ど花成個体は見られませんでした。各調査地の昨年と今年の花成個体数は以下のようになります。

何れの調査地においても、花成個体数は昨年の1/100~1/1000以下となっており、花成する潜在能力のあった個体の大部分は昨年に花成してしまったと考えられます。草原生のバイケイソウであれば、光合成で得た炭素源を林床生のバイケイソウよりも多く蓄積出来ると思いますので、来年には再び花成個体が見られると思われますが、林床生のバイケイソウでは株の養分蓄積に時間がかかり、「花成個体なし~極僅か」の状況がしばらく続くのではないかと思われます。

サロベツ カブト沼の林床生コバイケイソウについては、2019年に非常に多く花成個体(279個体)が見られ、2022年も多くの花成個体(88個体)があったのですが、今年は調査地の花成個体は僅か1株でした。この花成個体数の変動は、サロベツ湿原センターで公開している開花調査記録と一致していました。

北大植物園に植栽されているバイケイソウは今年も花成していませんでしたが、シュロソウは花成していました。私は野生のシュロソウを観察したことがないのですが、バイケイソウやコバイケイソウとは異なり、シュロソウは毎年花成するのかもしれません。

 

礼文島調査地(2023年6月15日)

 

ベニヤ原生花園調査地(2023年6月16日)

 

旭川調査地(2023年6月14日)

 

野幌森林公園調査地(2023年6月17日)

 

カブト沼 コバイケイソウ調査地(2023年6月16日)

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