Laboratory ARA MASA のLab Note

植物観察、読んだ論文に関しての備忘録
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学会)日本植物学会 第81回大会(野田)3日目

2017-09-10 21:40:53 | 学会参加

大会3日目は高校生研究発表会が行なわれ、午後には日本植物学会公開講演会「植物の生き方・人との共生」が開催された。講演会は2部構成となっており、前半は植物の生き方について受精から植生まで様々な視点からの話題が、後半は植物と人との共生について行政の立場からの話題が提供された。講演会後には、野田キャンパス内にある理窓会記念自然公園の観察ツアーが行われた。また、学会開催中に公開展示として、身近な植物の観察やバイオテクノロジーで作り出された青いカーネーションなどが展示物で紹介された。

 

 

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学会)日本植物学会 第81回大会(野田)2日目

2017-09-09 22:33:08 | 学会参加

大会2日目の午後は日本植物学会賞およびJPR論文賞の授賞式と受賞講演があった。

【大賞】
 大隅 良典(東京工業大学特任教授)

【学術賞】
 沈 建仁 (岡山大学異分野基礎科学研究所)
 「光合成光化学系IIと光化学系I複合体の構造と機能に関する研究」

【奨励賞】
 風間 裕介(理化学研究所仁科加速器研究センター)
 「重イオンビームの変異特性に関する研究とそれを利用した植物巨大Y染色体の精密マッピング」

 末次 健司(神戸大学理学研究科)
 「菌従属栄養植物の分類学的整理と生態解明」

 桧垣 匠(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
 「定量的画像解析に基づく植物細胞骨格の研究」

 吉田 大和(理化学研究所生命システム研究センター)
 「色素体とミトコンドリアの分裂増殖システムを読み解く:一分子レベルから一細胞レベルまでの定量的な理解へ向けて」

【若手奨励賞】
 大西 由之佑(首都大学東京理工学研究科)
 「被子植物における核合一制御機構:イネ in vitro受精系を用いた構成的アプローチ」

 小川 敬子(関西学院大学 理工学部  申請時:早稲田大学 教育・総合科学学術院)
 「クロロフィル蛍光測定によるシアノバクテリアの代謝系相互作用の解析」

 高橋 大輔(マックスプランク植物分子生理学研究所)
 「細胞膜及び細胞膜マイクロドメインの低温馴化応答性と凍結耐性」

【特別賞】
 飯田 秀利(東京学芸大学・名誉教授)
 「研究者であることを生かした小学生への生物教育実践」

【JPR論文賞 Best Paper 賞】
 Satoko Iida, Miyuki Ikeda, Momoe Amano, Hidetoshi Sakayama, Yasuro Kadono, Keiko Kosuge (2016)
 Loss of heterophylly in aquatic plants: not ABA-mediated stress but exogenous ABA treatment
 induces stomatal leaves in Potamogeton perfoliatus.
 Journal of Plant Research 129: 853-862

 Riichiro Yoshida, Izumi C. Mori, Nobuto Kamizono, Yudai Shichiri, Tetsuo Shimatani, Fumika Miyata,
 Kenji Honda, Sumio Iwai (2016)
 Glutamate functions in stomatal closure in Arabidopsis and fava bean.
 Journal of Plant Research 129:39-49

【JPR論文賞 Most-Cited Paper 賞】
 Naoyuki Tajima, Shusei Sato, Fumito Maruyama, Ken Kurokawa, Hiroyuki Ohta, Satoshi Tabata,
 Kohsuke Sekine, Takashi Moriyama, Naoki Sato (2014)
 Analysis of the complete plastid genome of the unicellular red alga Porphyridium purpureum.
 Journal of Plant Research 127:389-397

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学会)日本植物学会 第81回大会(野田)1日目

2017-09-08 22:27:49 | 学会参加

日本植物学会第81回大会が、9月8日(金)から10日(日)の日程で、東京理科大学・野田キャンパスで開催された。野田キャンパスは利根運河(利根川と江戸川をつなぐ人工河川)沿いにあり、最寄駅は東武野田線(東武アーバンパークライン)の運河駅となる。ここ野田キャンパスでの植物学会開催は2007年第71回大会以来10年ぶりである。実は前に野田キャンパスで開催された大会は記憶に残っている。前日に台風が通過(?)し、大会初日には台風一過の晴れとなったのだが、交通機関の乱れがまだ残っていて会場に着くのが遅れたことを覚えている。本学会で恒例となっている大会シンボルマークは、今年は湿地のヨシ原などに生育する希少種タチスミレ(Viola raddeana )であった。タチスミレは、日本では関東と九州に分布し、関東では利根川水系の湿地で見られる。野田キャンパスに近い茨城県常総市菅生沼の自生地では、野焼きによる植生管理でタチスミレの生育環境を維持している。

今年の植物学会は東京理科大学野田キャンパスで開催された

 

大会のシンボルマークは利根川水系に自生する希少種のタチスミレ

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論文)光形態形成を制御する転写調節機構

2017-09-06 20:57:17 | 読んだ論文備忘録

A PIF1/PIF3-HY5-BBX23 Transcription Factor Cascade Affects Photomorphogenesis
Zhang et al. Plant Physiology (2017) 174:2487-2500.

doi:10.1104/pp.17.00418

ELONGATED HYPOCOTYL5(HY5)は植物の光形態形成を促進する転写因子で、数多くの遺伝子の発現を直接制御している。一方、PHYTOCHROME-INTERACTING FACTOR(PIF)は暗形態形成を促進し、光形態形成を抑制している。したがって、HY5とPIFは光応答に対して拮抗的に作用している。中国科学院 植物研究所Lin らは、HY5 遺伝子プロモーター領域にはPIFが結合するシスエレメントの1つであるPBE-box(CATGTG)が2つあり、PIF1およびPIF3がこの配列と相互作用をしてHY5 の発現を活性化することを見出した。マイクロアレイ解析から、MISREGULATED IN DARKMIDA )遺伝子群の発現がPIF3によって制御されていることが報告されている。そこで、MIDA10BBX23 とも命名されている)について詳細な解析を行なった。BBX23 の発現は、pif1 変異体やpif3 変異体で減少しており、pif1 pif3 二重変異体ではさらに減少していた。BBX23 遺伝子のプロモーター領域にはE-box(CATTTG)やPBE-boxモチーフが含まれており、PIF3はこの領域と相互作用をし、BBX23 の転写を活性化することが確認された。T-DNA挿入bbx23-1 変異体の芽生え胚軸の長さは野生型と同等であったが、bbx22 bbx23 二重変異体芽生えの胚軸はそれぞれの単独変異体よりも長くなった。よって、BBX23とBBX22は冗長的に光形態形成に関与していると考えられる。BBX23 を過剰発現させた系統は、各種光条件下で胚軸が野生型よりも短くなったが、暗所では胚軸の長さに差異は見られなかった。このことから、BBX23は光による胚軸伸長を正に制御していると考えられる。phyB-9phyA-211cry1-304 の各変異体でのBBX23 転写産物量は、それぞれ赤色光、遠赤色光、青色光照射下で大きく増加していた。よって、光はフィトクロムやクリプトクロムを介してBBX23 の転写を制御していることが示唆される。BBX23 の発現は黄化芽生えに光照射することで急速に減少し、明所で育成した芽生えを暗所に移すと緩やかに減少した。BBX23タンパク質量について調査したところ、黄化芽生えに光照射をするとBBX23タンパク質の蓄積量は徐々に増加し、明所育成芽生えを暗所に移すと徐々に減少した。明所から暗所へ移行した際のBBX23タンパク質の減少は、26Sプロテアソーム阻害剤のMG132を処理することによって見られなくなった。また、暗所へ移行した際のBBX23タンパク質の減少はcop1-4 変異体では見られなかった。したがって、暗所でのBBX23タンパク質の分解にはCOP1が関与していると思われる。HY5とBBX23の関係について酵母two-hybridアッセイやBiFCアッセイで調査し、両者は物理的に相互作用をすることが確認された。hy5 変異体でBBX23 を過剰発現させた芽生えは、hy5 単独変異体と同様に、青色光下において胚軸が野生型よりも長くなった。したがって、BBX23による光形態形成の促進にはHY5が必要であることが示唆される。野生型とBBX23 過剰発現個体との遺伝子発現の差異をハイスループットRNAシークエンシングによって解析したところ、BBX23 過剰発現個体では162遺伝子の発現が増加し、192遺伝子の発現が低下していた。これらの発現量が変化した遺伝子の29%は光によって発現が制御される遺伝子であった。また、BBX23が発現誘導する遺伝子の16%(26遺伝子)、発現抑制する遺伝子の18%は、HY5によっても発現が制御されていた。BBX23によって発現が誘導されるCHALCONE SYNTHASECHS )、EARLY LIGHT-INDUCIBLE PROTEIN2ELIP2 )およびBBX23によって発現が抑制されるPEROXIDASE59PER59 )、PRO-RICH PROTEIN2PRP2 )について詳細に発現を解析し、これらの遺伝子のBBX23による発現制御はHY5に依存していることが確認された。CHS 遺伝子プロモーター制御下でLUCレポーターを発現するコンストラクトを用いた解析から、HY5とBBX23のどちらもLUC活性を活性化させ、両者が共発現するとLUC活性はさらに増加することがわかった。また、EMSAアッセイから、HY5はCHS 遺伝子に結合するが、BBX23は結合せず、HY5の結合能力に対しても影響しないことがわかった。したがって、BBX23は転写共調節因子として作用し、下流遺伝子の発現をHY5と共に相乗的に制御していることが示唆される。CHSELIP2PER59PRP2 のプロモーター領域にはHY5が結合するG-box(CACGTG)やACEモチーフが含まれており、BBX23はこれらの遺伝子の調節配列にHY5に部分的に依存して結合することが確認された。以上の結果から、BBX23はHY5のコアクティベーターもしくはコリプレッサーとして作用して下流遺伝子の発現を制御することで光形態形成を促進し、光形態形成を負に制御するPIF1/PIF3およびCOP1は、HY5とBBX23をそれぞれ転写および転写後に影響して逆の制御を行なっており、これらの転写因子カスケードによって光環境変化に応答した成長の微調整がなされていると考えられる。

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植物観察)箱根

2017-09-03 22:24:29 | 植物観察記録

久々に箱根へ行ってきました。バイケイソウは朔果が成熟して黒くなり、先端部が割れて種子散布が出来る状態となっていました。登熟朔果数は各株ともそれなりにあり、両性花は大部分が稔実したものと思われます。林床で見られた花としては、ゲンノショウコ、モミジガサ、ノブキ、キンミズヒキ、ツルニンジン、ヤマホトトギスなどが見られました。

 

バイケイソウの朔果は黒くなり、先端が裂け始めた

 

モミジガサを多く見かけた

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