Laboratory ARA MASA のLab Note

植物観察、読んだ論文に関しての備忘録
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論文)簡便な半数体植物作製法

2010-03-31 23:59:44 | 読んだ論文備忘録

Haploid plants produced by centromere-mediated genome elimination
Ravi & Chan   Nature (2010) 464:615-618.
doi:10.1038/nature08842

米国 カリフォルニア大学デービス校のRaviとChan は、TILLING法によりシロイヌナズナのセントロメア特異的ヒストンCENH3の突然変異体cenh3-1 を選抜した。この変異体は胚致死性のヌル変異体だが、GFPタグをつけたCENH3(GFP-CENH3 )やCENH3の超可変N末端尾部ドメインを変種ヒストンH3.3のものに換えてGFPタグをつけたGFP-tailswapCENH3 プロモーター/ターミネーター制御下で発現させることによって胚致死性を解除することが出来た。GFP-tailswap 植物は正常に細胞分裂を起こし、体細胞に異数体は検出されないが、減数分裂で異常が起こり不稔となる。しかし、野生型の花粉で交配することで野生型の60-70%程度の稔性が得られた。このF1世代は、発芽率が低いが、発芽した植物の中にGFP-tailswap 母親由来の染色体が排除されて父親由来の5本の染色体となった半数体植物があった。半数体植物は野生型の母親にGFP-tailswap の花粉を交配しても得られ、このような植物は細胞質も含めて完全に母親由来の半数体ということになる。半数体植物は基本的に不稔だが、染色体の倍加が起こることがあり二倍体(倍加半数体)の後代が得られた。また、GFP-tailswap 植物と天然の四倍体シロイヌナズナ(Wa-1)を交配することで二倍体の後代が得られた。よって、セントロメアを介したゲノム排除を利用することにより多倍数体の倍数性を半分にすることが可能となる。この手法はあらゆる植物種の半数体作製に拡張可能と考えられ、①組織培養を介さない、②雌性半数体、雄性半数体のどちらでも作製できる、③ハイブリッド種子の作製に用いられる細胞質雄性不稔系統の作出を早めることが出来る、④遠縁交雑による稔性障害を回避することができる、といった利点があり、育種を大幅に加速することができる。

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論文)塩およびアブシジン酸感受性に関与する遺伝子座

2010-03-30 06:30:59 | 読んだ論文備忘録

RAS1, a quantitative trait locus for salt tolerance and ABA sensitivity in Arabidopsis
Ren et al.  PNAS (2010) 107:5669-5674.
doi:10.1073/pnas.0910798107

シロイヌナズナのエコタイプShakdara(Sha)は、タジキスタン シャクダラ山脈の標高3400m付近で採集されたもので、その種子は様々なストレスに対して耐性を示すことから、Landsberg erecta (Ler )と掛け合わせて作成された組換え近交系集団(RILs) を用いたQTL解析が行なわれている。米国カリフォルニア大学リバーサイド校のZhu らは、Ler × Sha RILs を用いて、芽生えの葉色と根の伸長に関しての塩ストレス耐性とアブシジン酸(ABA)非感受性を示す第1染色体上のQTLを見出し、このQTLのマップベースクローニングを行なった。同定された遺伝子(At1g09950、転写因子様タンパク質をコード)をResponse to ABA and Salt 1RAS1 )と命名し、Ler とShaの対立遺伝子の配列を比較したところ、ShaのRAS1 はC末端領域に未成熟なストップコドンが見られ、Ler との間に2箇所のアミノ酸変化を含む16箇所の塩基置換が見られた。Sha由来のRAS1 対立遺伝子を含むLer バックグラウンドの準同質系統NIL(RAS1 )は塩耐性とABA非感受性を示した。また、Ler とNIL(RAS1 )とのF1世代は塩およびABA感受性を示すことから、LerRAS1 対立遺伝子が優性であることが判った。LerRAS1 をNIL(RAS1 )、Sha、Ler で過剰発現させるとそれぞれの対照よりも塩およびABA感受性が高まり、エコタイプCol-0のRAS1 T-DNA挿入変異体、LerRAS1 RNAi系統は塩およびABA耐性が対照よりも高くなっていた。RAS1 は通常の条件下では殆ど発現が見られないが、塩およびABA処理により一過的に発現が誘導された。abi1-1 変異体とRAS1 過剰発現個体とのF1はABA非感受性であることから、RAS1 が機能するためにはABAシグナル伝達経路が機能している必要がある。以上の結果から、C末端の欠損により機能喪失したRAS1がShaのABA感受性の低下と塩耐性をもたらしていると考えられる。

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学会参加)日本植物分類学会第9回大会(愛知) 2日目

2010-03-27 22:44:44 | 学会参加

学会2日目は午前中に口頭発表16題があった。その中で、対馬と四国のアカショウマについて新種の提案があった。アカショウマは地方変異が多く、分類学上の再検討がなされている。

愛知教育大学は桜の樹の多いキャンパスとして有名らしく、近隣の人たちが観桜に来るようだ。まだ時期的にはちょっと早かったが、自然科学棟前の枝垂桜は見事な花を咲かせており、この樹を写生している人がいた。

午後からは学会を中座して名古屋ボストン美術館で開催されている「17-19世紀の西洋植物画-永遠に花咲く庭」(2009年12月12日~2010年4月4日)を観にいった。本展覧会は17~19世紀に制作された114点の植物画を通して西洋植物画の発展の歴史を紹介している。一口に植物画といっても、様々な画法の変遷があることを知り、興味深かった。

 

愛教大キャンパス内の見事な枝垂桜


名古屋ボストン美術館「17-19世紀の西洋植物画」のポスター

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学会参加)日本植物分類学会第9回大会(愛知) 1日目

2010-03-26 22:31:51 | 学会参加

日本植物分類学会第9回大会が3月26日~27日に愛知教育大学で開催された(28日にもエクスカーションと一般公開シンポジウムあり)。この中で、東北大学の牧研究室の菊池さんが「核マイクロサテライトマーカーを用いたバイケイソウの系統地理学的解析」というタイトルで、国内のバイケイソウは中部地方を境として南北2つの系統に分けられること報告していた(詳細は私のHPの「バイケイソウプロジェクト」で報告します)。

その他、私の個人的関心で興味深かった発表に以下のものがあった。

侵略的外来種アメリカハマグルマの種子生産と海流散布の可能性について(琉球大・島袋ら)
沖縄本島、石垣島、西表島などで野生化している要注意外来種アメリカハマグルマは、これまで種子繁殖はしないとされていたが、稔性のある果実を生産し、海流散布も起こりうる(海水浮遊能力と海水接触後の発芽能力がある)ことがわかった。

琉球列島におけるAinsliaea (キク科モミジハグマ属)近縁種の系統進化(京大・三井ら)
琉球列島のモミジハグマ属近縁4種(ホソバハグマ、キッコウハグマ、ナガバハグマ、オキナワハグマ)の系統関係を核SSR領域12遺伝子座を用いて遺伝構造解析したところ、沖縄本島と八重山・宮古のオキナワハグマは60万年前に分断して殆ど交流がないことがわかった。しかし、両者には形態的に識別できる点がない。

琉球列島とオーストラリア東南部に隔離分布するコケタンポポ属Solenogyne Cass.(キク科シオン連)の分子系統地理(台湾中央研究院・中村ら)
コケタンポポは奄美大島、徳之島、沖縄本島、西表島の渓流に生育する植物で、本属植物はオーストラリアから琉球へと渡ってきたと考えられている。しかし、オーストラリアのコケタンポポ属植物は乾燥した環境に生育し、熱帯には分布していない大陸間隔離分布する植物である。本属が南半球から北半球へ分布を広げる際、熱帯では生き残ることが出来ず、琉球列島で渓流というハビタットで西表-沖縄本島-奄美・徳之島と分布域を広げていったと考えられる。

海岸と琵琶湖岸に生息するハマエンドウの分子系統地理(京大・大槻ら)
ハマエンドウは日本全国の海浜に生育しているが、琵琶湖岸にも生育する。琵琶湖の集団と日本全国の海岸の集団との葉緑体DNAの解析から3つのハプロタイプが同定され、琵琶湖集団は古代琵琶湖が現在の位置に移動した際に海岸集団から隔離され陸封されたものであることが示唆される。


殺風景ですが、お約束の大会看板




大会ロゴは周伊勢湾要素のシデコブシ(Magnolia tomentosa

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論文)胚の極性制御機構

2010-03-25 22:14:07 | 読んだ論文備忘録

Control of Arabidopsis apical-basal embryo polarity by antagonistic transcription factors
Smith & Long  Nature (2010) 464:423-426.

doi:10.1038/nature08843

植物では胚形成の際に極性をもつ軸が形成され、シュートおよび根の幹細胞集団の確立がそれぞれ軸の頂端部と基部の端で起こる。IAA12/BODENLOS(IAA12/BDL)と相互作用を示す転写コリプレッサー TOPLESSTPL )の温度感受性ドミナントネガティブシロイヌナズナ変異体tpl-1 は、胚を29℃で育成すると軸の頂端側の細胞も根に分化し、両端が根となる。米国 ソーク研究所のLong らは、tpl-1 変異体では基部/根を決定する調節因子のPLETHORAPLT1PLT2 )が頂端側でも発現していることを見出した。tpl-1plt1-5plt2-1 三重変異体では頂端部の根形成が見られないことから、PLT の異所的発現が頂端部での根形成をもたらしていると考えられる。また、クロマチン免疫沈降(ChlP)により、TPLはPLT1 および PLT2 遺伝子のプロモーター領域に結合してPLT の発現を直接抑制していることが判った。次に、tpl-1 変異体の軸の両端での根形成を抑制する変異体を選抜し、クラスIIIホメオドメインロイシンジッパー(HD-ZIPIII)型転写因子PHABULOSAPHB )遺伝子のマイクロRNA MIR165/166 ファミリー結合部位にミスセンス変異のある変異体phb-14d を見出した。HD-ZIPIII 遺伝子はシロイヌナズナに5つ(PHBPHAVOLUTAPHV )、REVOLUTAREV )、INCURVATA4INC4 もしくはCORONACNA ))、ARABIDOPSIS THALIANA HOMEOBOX-8ATHB-8 ))存在し、いずれの遺伝子もMIR165/166 による制御を受け、側生器官や維管束走行の向/背軸側の決定に関与していると考えられている。PHB 以外のHD-ZIPIII 遺伝子においてもMIR結合部位に変異が生じた機能獲得変異体はtpl-1 変異による頂端部での根形成を抑制することから、HD-ZIPIII 遺伝子は軸の頂端部の細胞の分化の方向を調節する転写因子として機能していると考えられる。tpl-1 変異体ではPHBPHV REVICU4 の発現が心臓型胚の頂端部で消失してしまうが、MIR165/166 は正常に発現していることから、tpl-1 変異体頂端部におけるHD-ZIPIII 発現の喪失はMIR165/166 とは別の転写制御によってなされている。tpl-1plt1-5plt2-1 三重変異体では頂端部でのPHBREV の発現が維持されていることから、PLT1/2HD-ZIPIII の発現の負の制御因子として機能している。また、tpl-1 変異の機能しない温度(24℃)ではtpl-1rev-9 変異体でのPLT1/2 の発現パターンがtpl-1 変異体を29℃で育成した時と類似していることから、HD-ZIPIIIPLT1/2 の発現を制御していると考えられる。以上の結果から、根およびシュートという極の決定においてPLTHD-ZIPIII は拮抗的関係にあることが示唆される。

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学会参加)第51回日本植物生理学会年会(熊本) その3

2010-03-21 23:50:52 | 学会参加
学会最終日の午前中はポスター発表後半248題の質疑応答と高校生生物研究発表(30題)があった。高校生発表の中で、文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校重点枠事業の鹿児島県立錦江湾高校が幹事校をしている「ダイコン多様性コンソーシアム」の参加校によるダイコン等アブラナ科植物に関する研究のポスター発表があった。最近の高校生はすごい。ダイコンコンソーシアム以外の発表もなかなかのもであり、彼らの将来の活躍に期待したい。
午後はシンポジウム「タンパク質の翻訳後修飾と植物の機能制御」を聴いた。タンパク質の中には翻訳後にリン酸化、グリコシル化、SUMO化、ユビキチン化などの修飾を受け、機能調節や分解調節を受ける。本シンポジウムでは6題の講演があり、そのうち2題はアブシジン酸(理研PSC・梅澤)とジベレリン(名大・上口)の受容体・シグナル伝達に関する話であった。
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学会参加)第51回日本植物生理学会年会(熊本) その2

2010-03-20 19:15:40 | 学会参加

午前中はシンポジウム「ユビキチンから探るタンパク質制御・生命現象」を聴いた。植物にはユビキチンリガーゼ遺伝子が1200以上存在し、植物ホルモンや光による成長制御、環境ストレス耐性、耐病性などに関与していることから、ユビキチンリガーゼの多様性が植物の優れた環境適応の一役を担っていると考えられている。本シンポジウムでは、プロテアソームの作動原理から、葉器官サイズ制御、重力受容といった個別の生理現象解析やユビキチン化タンパク質やF-boxタンパク質の網羅的解析、さらにSUMO化による環境ストレス応答について話題提供があった。

熊本大学の前身校の1つは第5高等学校であり、第3代校長(1891~1893)は「柔道の父」と呼ばれた嘉納治五郎、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)や夏目漱石(金之助)が教授を務めた。キャンパス内には八雲や漱石の記念碑・像があり、その他にも多くの碑や像が配置されいて、歴史散策が楽しめる。キャンパス内の赤煉瓦造の旧本館が「五高記念館」として公開されており、丁度、企画展「昭和六年の天覧標本~子どもたちが記録した豊かな熊本の自然」(3月1日~5月31日)が開催中だったので見学してきた。昭和6年11月の陸軍特別大演習に際して行幸された昭和天皇に熊本の動植物をお見せするために、熊本の児童、生徒、教職員による博物採集・標本作成が行なわれ、優れた標本が「展覧標本」となった。今回の企画展では、熊本大教育学部の生物教室で見つかった135点の植物標本を展示していた。この標本作成を機に県民の動植物への関心が高まり、熊本での博物学の発展に大きな影響を与えることになったそうである。

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の碑


夏目漱石の像


企画展「昭和六年の天覧標本~子どもたちが記録した豊かな熊本の自然」のポスター

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学会参加)第51回日本植物生理学会年会(熊本) その1

2010-03-19 19:00:01 | 学会参加

第51回日本植物生理学会年会が熊本大学 黒髪北キャンパスで開催された。今回は、前回と同じく、4日間の会期で開催(3月18日~21日)され、初日の18日には午後から口頭発表とシンポジウムがあったが、2日目から参加した。南国九州だけあって、大学構内の桜はほぼ満開、穏やかな気候の中での学会だった。今日はポスター発表の前半282題と本部企画シンポジウム、学会賞等の授与と受賞講演が行われた。本部企画シンポジウムは、「植物生理学会はGMO関連課題にいかに取り組むべきかを考える」というタイトルで行なわれ、学会、バイテク関連企業、農林水産省、経済産業省、文部科学省、そして大学における取り組み、動向、考え方が紹介された。最近、植物系の学会ではこの手のGMO関連のシンポジウムが必ず開催されている。今回の講演を聴いて、日本もようやく世界から遅れをとらぬよう産官学が動き出したように思われた。特に農水は、以前は「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる」などと言われていたが、これからは変わるかもしれない。ただ問題なのは、今の民主党政権がどう考えているかだ。学会賞の授与式と受賞講演は、場所を懇親会会場でもあるホテル日航熊本に移して行なわれた。各賞受賞者と受賞講演は以下の通り。

日本植物生理学会賞
 岡田清孝(自然科学研究機構・基礎生物学研究所)
 「シロイヌナズナを用いた植物器官発生機構の解析」

日本植物生理学会奨励賞
 上田貴志(東京大学大学院・理学研究科)
 「植物の膜交通 ~分子機構と高次機能発現における役割の研究~」
 杉本慶子(理化学研究所・植物科学研究センター)
 「植物の核内倍加とサイズ制御の発生遺伝学的解析」

PCP論文賞
 渡辺雄一郎(東京大学大学院・総合文化研究科)
 Atsushi Takeda, Shintaro Iwasaki, Toshiaki Watanabe, Maki Utsumi and Yuichiro Watanabe
 The Mechanism Selecting the Guide Strand from Small RNA Duplexes is Different
 Among Argonaute Proteins.  Plant Cell Physiol. (2008)49(4):493?500.

第7回日本植物生理学会若手海外共同研究フェローシップ
 末次憲之(九州大学大学院・理学研究院生物科学部門)
 「植物のオルガネラ運動はすべてアクトミオシン系依存か?」

 

熊本大学黒髪北キャンパス正門
 



大会ロゴマークのヒゴイカリソウ(Epimedium grandifolium var.higoense)
熊本阿蘇で見られる白花のイカリソウ




熊本大学の構内では桜が満開




日本で栽培されている唯一のGM植物、サントリーの青いバラが大会受付にあった

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論文)冠水耐性イネにおける遺伝子発現の網羅的解析

2010-03-17 17:40:39 | 読んだ論文備忘録

The Submergence Tolerance Regulator Sub1A Mediates Stress-Responsive Expression of AP2/ERF Transcription Factors
Jung et al.  Plant Physiol. (2010) 152:1674-1692.
doi:10.1104/pp.109.152157

冠水耐性イネはエチレン応答因子(ERF)のSub1A-1 が発現上昇することによって長期間の冠水に耐える。米国 カリフォルニア大学デービス校のRonald らは、Sub1A-1 の発現がもたらす冠水耐性機構を解明することを目的に、Sub1A-1 の有無による遺伝子発現の変化を網羅的に解析した。その結果、Sub1A-1 を介した冠水耐性に応答して898遺伝子の転写産物量が増加し、333遺伝子は減少することがわかった。これらの遺伝子を遺伝子オントロジー(GO)に基づいて分類すると、冠水耐性には嫌気的呼吸、抗酸化系の各経路や、ホルモン応答(アブシジン酸、エチレン、ジベレリン、サイトカイニン)が関与していることが示され、冠水耐性応答はホルモンによる複雑な転写調節制御によりなされていることが示唆された。そこで、APETALA2(AP2)/ERF転写調節因子ファミリーに注目して発現解析を行なったところ、12のAP2/ERF 遺伝子がSub1A-1 による正の制御を受けていることが示された。それらは、1) 冠水時のエチレン蓄積による嫌気的呼吸(糖の分解、解糖系、アルコール発酵)とサイトカイニンを介した老化の遅延に関与しているグループ(3遺伝子、グループVIIa)、2) 葉の老化や伸長を抑制するグループ(5遺伝子、グループVIIIa)、3) ジベレリン生合成を負に制御てシュートに伸長を抑制するグループ(4遺伝子、グループIIIc)の3つの推定機能グル-プ分類されるものであった。

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学会参加)第57回日本生態学会(東京)

2010-03-16 22:36:33 | 学会参加

第57回日本生態学会が東京大学教養学部(駒場)で開催された。会期は3月15日(月)~20日(土)だが、都合があって全日程には参加できないので、バイケイソウについてのポスター発表のある今日(16日)のみ参加した。バイケイソウの発表は、北海道大学 大原研究室の草嶋さんの「クローナル植物バイケイソウ個体群の遺伝的構造」と、上越教育大学 谷先生の「バイケイソウの一斉開花現象と地理的な同調性」の2題があった。どちらも大変興味深い内容であり、今後の私のバイケイソウ調査にとって大変参考になった。今年の春の学会では、3月26日(金)~27日(土)に開催される植物分類学会(愛知教育大学)でもバイケイソウに関して東北大学 牧研究室の発表があり、いずれこれらについて私のHPの「バイケイソウプロジェクト」でまとめて紹介したいと思う。

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