2024/03/28
箱根へバイケイソウの観察に行ってきました。今年、関東では3月後半に寒い日が続いており、その所為でしょうか、バイケイソウは地上部に出芽して葉の展開がようやく始まりだしたところでした。東京のソメイヨシノの開花予想は平年より5日遅い3/29頃となっています。これは、昨年11月から1月にかけての気温が高かったため、休眠打破が遅れたことによるものとのことなので、ひょっとしたら、バイケイソウの出芽の遅れも休眠打破の遅れが原因かもしれません。2023年に一斉開花した個体からは新しい子ラメット(わき芽)が1~3個形成されます。2023年開花個体の新規形成子ラメット数は、1個の個体から3個の個体までほぼ均等に見られました。したがって、昨年の一斉開花によって集団内の個体数が2倍に増えるクローン繁殖をしたことになります。実生が花成するまでに数十年かかるといわれているバイケイソウにとって、花成後のクローン繁殖は個体数増加の大きな手段の1つとなっています。
標高が高い群生地?では、出芽はしてはいるが葉の展開は見られない。
標高なのか、林床の明るさなのか、栄養状態の違いなのか、この群生地の個体は葉が展開し始めた。
こちらの群生地では葉がさらに展開。
左側は2023年花成個体から出芽した3つの子ラメット。右側の株は、左の個体群の親と同じ時期に形成された兄弟ラメットで、2023年には花成しなかったものと思われる。