詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
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ピッキ蛙外伝 (1)(2)(3)

2009年05月31日 | Weblog
僕がトヨタグループに入ったのは、まだバブル真っ最中の頃だった。それまで務めていた鉄工所の営業事務の現場で、毎日毎日職人たちと喧嘩するのに嫌気がさしてとうとうそこを止めてしまった。ぼやぼやしてるとハンマーやらモンキー等が飛んでくるので命の危険を感じたせいもある。

その時ふっと、そこで一緒に働いてたおばさんが「あんたは腰が低いから商売向きかも」「もしもあんたがトヨタグループの勤め人なら娘をくれてやるんだけどね・・」とを思い出して、トヨタグループの試験を受けることにしたのだった。

僕同様に多くの途中入社の同僚がいっぱいいて、毎年人事担当者が日本全国から期間社員を集めるのに四苦八苦という時代だったのか・・即採用となった。

交通事故で大学中退の自分が最初に配属された職場は、直径約10センチ、長さ約1メートル、一本二十キロもある丸い鋼材からクランクシャフトを最初に削る工程だった。
毎日毎日、数百本のその鋼材を機械に入れては、開始ボタンを押し、それを出すということの繰り返しだった。

唯一の採用条件が残業をやるということだった。残業は毎日4時間。夜勤の時にはよくその鋼材を足に落としたものだった。幸いに、作業靴の先に入っている鉄板のおかげで、足は無事だったけど・・

まだ二十歳代だった僕は、夜勤が終わるとそのままパチンコ屋へということが多かった。夏には知多半島へと泳ぎに、冬は長野県へと山へということも時々だった。
休みというと、競馬開催時期には公営競馬か名古屋競馬場、時には笠松競馬場へと行くこともあった。

僕の運命が大きく変わったのは、その会社の研究開発部門へと引き抜かれてからだった。後で聞くと、僕の前に打診された一流国立大学大学院を卒業して入社した同じ途中入社の同僚がそれを断ったのであったそうだ。

この間の事情はちと複雑だ。その頃のこの会社には二つの派閥があって、一つはリストラの業績で部長(後には重役)派と、実力重視の社長が後ろ盾になっていた・・多くの特許を持つ研究開発部門の長の派閥とがあって、この同僚の定年退職した父親がリストラ派の部長派だったせいだった。

当然ながら、研究開発部門での人材が現在での会社トップとなっている。それと会社での一番の出世コースの組合上がり派と。
この研究開発部門のボスには、何故だかとても可愛がられた。大卒ばかりの中で高卒のボスは淋しかったのかもしれない。
「妻が医者の娘なので、医者の娘との縁談を紹介してやるか?」と聞かれたこともある。でも肩が張りそうなので断ってしまったけど・・

そのボスが会社設立のために退社してしばらくして、その研究開発部門はいつの間にか消滅してしまい・・僕の受難の時代がはじまった。完全なリストラ部長の時代へと突入だった。

同僚のほとんどは一流大学出の技術者だった。「○○さんがいればこんなことにはならなかったのにな・・」とぼやいていた同僚は、その約十年後に、僕が追いだされるように退社する時には、すでにエリートコースをまっしぐらの課長になっていた。


(2)子供時代
子供の頃の記憶のほとんどは、三歳違いの従兄弟に連れられて遊んだ記憶がほとんど。夏にはトンボ採りや、山葡萄、コクワ、ハタンキョ、姫リンゴ、桑の実、グスベリ・・採り。海にもぐって、シュリ貝という子供の頭くらいあるムール貝やウニを採ったり、湖でボートに乗ったり、温泉プールで泳いだりだった。

それ以外は、本や漫画本を読んでいるか、ラジオを聞いてるか、テレビを観てるか、庭で花を育てているような・・他の子供ともあまり遊ばない引きこもりみたいな子供だった。

たぶんこの原因は、小学校に入学して間もなく、教室でおしっこをもらしてしまって、「やーい、しょんべんたれ」とからかわれたことが原因なのかもしれない。

(3)転機
えらいあちこち飛んでしまって申し訳ないですが、詩ならいざ知らす、自伝的散文は初めてのことなのでどうか大目に。そのうち調子も出てくるのかも・・

もう一つのトヨタグループでの転機が、定年退職間もない父の死と、そのすぐ後の母の脳梗塞後の入退院と、心臓動脈瘤の破裂手術後の認知症と寝たきり状態だった。

それまでは、会社で一番の出世コースの組合役員への道を順調に登っていたのだったが・・組合の役員を務めてくると、最低でも課長級へと昇格(特に人事・総務の)し、その先は地方議員や国会議員へと。

母の入退院や介護をしなければならないので、組合の仕事をことわってしまってから環境が一変してしまった。

けれどもこれは仕方なかったと思う。まだ結婚していなかったし、親不孝ばかりして心配ばかりかけていた母の介護が最優先だったのだから・・
けれどもこれから、僕の地獄の日々が始まることになってしまった。




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