詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

やかん

2009年10月01日 | 
やかんは
家のあちこちに10個くらいある
無茶苦茶雨漏りがする家だったので
台風や大雨の季節には
やかんとバケツの総動員

夜中にふっと起きた時に
ごくごく喉を鳴らしながら飲む
やかんの水もある
 
脳梗塞のあと痴呆症になって
深夜になると いつも
「ご飯をまだ食べてない。殺すつもりか!」と
叫んでいた母の愛おしい母の顔と声

だから
家のあちこちには
大小様々なやかんだらけ

昔から
やかんのような人間が大好きだったのだと気づく

お湯が沸くたびに
ピューとけたたましいやかん
登山用の平べったいひしゃげたやかん
いざという時のために
2リットルの水と共にじっと耐えてるやかん

そしていつも
病床の母が
なによりも愛用してた琺瑯製のカラフルなやかん

やかんのように生きていこう
誰がなんと言おうと
生命の誕生以来 ずっと
いのちを育んできてくれた
あちこちのやかんたちの類い

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