相撲界の裏側は?豪華な部屋に何が

2007-07-03 00:00:18 | スポーツ
相撲界に関する二つの記事がある。いずれも産経より


耳は裂け腿に「根性焼き」痕 17歳力士急死
 06/29 16:33
 大相撲名古屋場所を迎える愛知県の犬山市で、時津風部屋の序ノ口力士、斉藤俊)さん(17)=時太山=がけいこ中に急死した。新潟市内の実家に戻った遺体は、家族も正視できないほどひどい状態だったという。激しい稽古で鍛え上げるのが角界の常識とはいえ、根性焼きの跡も。何度も部屋からの“脱走”を図った斉藤さんに何が起きたのか。愛知県警では事件と事故の両面から慎重に捜査を進めている。
 「顔面は赤く腫れ、身体中にはアザとすり傷。耳は裂けていた。さらに太腿にはたばこを押しつけたやけどの痕が3カ所あった」。斉藤さんの叔父(44)はこう語った。
 新潟県の自宅に戻った遺体の惨状は正視に耐えられないものだった。「今は何も考えられない。頭がパニックになっている…」と憔悴(しょうすい)しきった声で話した父親(50)は血圧が200まで上昇し、寝込んでしまった。
  「お兄ちゃん子だった小学3年の妹は、遺体のあまりの惨状を目の当たりにし、全身を痙攣させ、半狂乱で『お兄ちゃーん』と叫んだ」(叔父同)。遺族は弔問に訪れた友人らにも、「とても見せられない」と、遺体と対面を断った。
 斉藤さんがけいこ中に倒れ、犬山市内の病院に搬送されたのは26日。午前中のぶつかりけいこ中に突然意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は「虚血性心疾患(急性心不全)」。愛知県警によると、全身に皮下出血やすり傷があり、肋骨(ろっこつ)の軟骨部分に骨折した跡があった。
 28日行われた新潟大病院での行政解剖は、「多発性外傷によるショック死が考えられる」との所見だった。
 「これまで体に異常は一切なかった。新弟子検査もパスしてるんだから心臓の疾患はとても考えられない」(叔父)
 斉藤さんは地元県立高校を2年で中退し、4月から時津風部屋に入門したばかりだった。叔父は「格闘技に興味を持っていた。同郷の知り合いがいた時津風部屋への入門を薦めた。ヤンチャな子だったから精神修行のつもりもあった」と話す。
 だが、修行の辛さに斉藤さんは6月に入り、3度脱走していた。
 5日前、千葉の親戚(しんせき)から金を借りて戻ってきた。「やるにしてもやめるにしてもちゃんと会って話さなければいけないと送り出した。今考えると、無理に行かせなければよかった」(叔父)。
 高校ではテニス部に所属。斉藤さんを知る学校関係者(49)は「体格がよく元気な子だった。これから活躍すると思っていたのに…」と語った。
 ・・・
 愛知県警犬山署は「死因から事件、事故の両面で捜査中」として、時津風部屋の力士らから事情を聴いている。



史上初、受検者“ゼロ” 大相撲の新弟子検査
 2007/07/01 16:52
  大相撲名古屋場所で募集されていた新弟子検査の応募者が1人もいなかったことが1日、わかった。応募者ゼロは史上初。新弟子検査の応募は1日が締め切りだったが、応募した人はいなかった。


二つの記事は関連があるということだろう。さらに、古くから問題になっている八百長の件。

相撲通または両国通ならば知っていると思うが、部屋といっても千差万別。金回りのいい部屋もあれば、スカンピン部屋もある。
弟子入りといっても普通は知人の紹介とかだろう。田舎から状況して連れて行かれた部屋が木造アパートみたいなところではガッカリしてしまうだろう。ALWAYS三丁目の自動車修理工場みたいな話だ。実名を挙げて恐縮だが井筒部屋など、みかけは、木造アパート。

かたや、問題の時津風部屋は伝統もあり巨大だ。鉄筋の巨大なビルは大部分を高級マンションにしていて、一部を部屋として使っているようだ。いかにも札束ビュンビュンと見える。これも伝統の力であるのだろう。

が、・・・

それは、長期的には、優秀な力士を輩出し続けてこそだ。そして、それこそが今、「カネ積み方式」は困難になり、「稽古で強くするしかない」ということになったのではないだろうか。そうなれば、立派な建物の部屋こそ、厳しい稽古が必要になり、今後は「井筒部屋でもいいや」というようなことになるのかもしれない。

しかし一方、力士の卵にとっては、うまいメシこそ重要な要素なのかもしれない。牛肉コロッケや中国産のウナ丼ばかりじゃだめなのだ。


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久間発言の許容できない点

2007-07-02 00:00:19 | 市民A
久間発言の許容できない点
「原爆投下に理解を示した」久間発言について、既に批判の嵐が起きていて、あえてさらに書くか、と思うが、どうしても書きたいことがいくつかある。

a8a72cf2.jpg1.彼個人の歴史認識の危うさ
 「米国による原爆投下はソ連の参戦を牽制し、その後の冷戦構造で有利にはかるため」、という主旨なのだろうが、ソ連参戦はすでに1945年2月のヤルタ会議で決定済み。第一、広島に原爆が落とされた8月9日、ソ連参戦(宣戦布告は8日深夜)。むしろ、米国による原爆投下によって終戦になり、参戦の時期を失うことをソ連は恐れていたはずだ。ドイツ戦線終戦直前に英国がドレスデン大空襲を仕掛けたように、最後に自国の貢献を印象付けるのは戦勝国側の常套手段だ。もともと、ずいぶん前から米国は原爆を開発していて、擬似原爆の投下実験も繰り返している。

2.日米戦争→原爆投下→戦後日米同盟による復興→そして今
 米国によって原爆を二発も投下され、一瞬にして巨大な被害を蒙り、その後、その米国の援助の元に復興した、という世界史に例のない複雑な戦後史について、日本人の誰一人が、すっきり納得した解釈をしているわけではない。多くの国民が「議論してもしかたなく、心にわだかまりを秘めている」といったことではないだろうか。さらに、まさに今、もっとも重要なのは日米関係だというのに、安易な保守主義が米国人を怒らせつつあるのだと思えてくる。
 たとえば、英国はかつて米国と戦争をしたのだが、今、英・米両国は絶対的な絆でつながっている。どちらの政府が交替したとしても、国民的な信頼関係ができているわけだ。
 日米だって、あと一歩なのだろう。米国側だって、口にはしないが、若干の後悔はあるはずだ。あれから一度も使ってないじゃないか。

3.国民を代表する意見のように思われたら困る
 2の中で書いたように、この問題の解釈は、日本国民の一人一人が心の中で割り切れていない問題。国民にとってタッチーであるとともに、一大臣が偉そうに発言する問題なのか、ということだ。あなたの個人的解釈であって、大臣としての発言ではないことを表明すべきだ。

4.防衛大臣が「原爆落とされてもしかたがない」という発言は国防上極めて極めて危険
 まさに、原爆が飛んでくるかもしれないというのに、それを食い止めるのが、あなたの仕事ではないか。
 戦争に負ける話をすることなど、防衛大臣として失格としか思えない。弱気の防衛大臣が隣の国にいたら、あなたが隣国の大将だったら、どう考えるのか、ということ。

5.広島・長崎市民の感情を踏みつけるような無神経大臣がいる、と世界中からあきれられる
 即時、クビが妥当と思う。厚労大臣→農水大臣→防衛大臣と徐々にヒドさが加速している。今回は、国家的大損害に発展する可能性を感じる。


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アンリ・ミショー、ケーテ・コルヴィッツ(~8/12)

2007-07-01 00:00:38 | 美術館・博物館・工芸品
742ba5d3.jpg東京竹橋の近代美術館で常設展の付録で、アンリ・ミショー展が開かれている。私は、詩人としてのミショーのことは知っていて、20世紀のフランス文学の中で、かなり大きな位置を占める文学者であるとは思っていた。

そして、現代画家である。というか、キャンパスの上の詩なのかもしれない。イメージを文字をタイプすれば詩になり、キャンパスに描けば美術品になる。日本には、二兎を追うもの一兎をも得ず、という諺があるが、フランスにはないのだろうか・・たぶんないと思うが。

742ba5d3.jpgそれも、アマチュア臭い旦那芸ではなく、挑戦的かつ実験的な作品である。たとえば、「ムーブマン」1950年頃から書き始めた。本展でもムーヴマン関連は多数出品。




しかし、・・・

742ba5d3.jpgムーブマンと言えば、1980年台を代表する米国のポップアーティストであるキース・へリング(1958-1990)の十八番ではないだろうか。それによく見ると、結構似ている。

日本では銀河鉄道盗作事件というのがあって、メルヘン→漫画→歌詞と変化する中で、どの部分が盗作か?というのが議論になっているが、キース・ムーヴマンが登場した80年代はミショー(1899-1984)は既に80才台になっている。

気がつかなかったのだろうか、あるいは第二次大戦でフランスを助けた米国人の恩義を感じて、自由にマネさせたのか、あるいは単に訴訟準備中に怒り心頭でひっくり返ったのだろうか。


742ba5d3.jpgそして、合わせて追加料金不要で、ケーテ・コルヴィッツ展(版画)が開催中。ケーテ・コルヴィッツ(1867-1945)はドイツの女性版画家。代表作である「連作・農民戦争」が全点揃っている。まさに聞きしに勝る迫力である。封建時代のドイツ農民の苦闘と革命的蜂起を連作で表現。襲撃にそなえ、鎌や鍬を砥ぐ老女の表情はまさに鬼の面である。支配層との階級闘争と敗北の表現は、人間の感情の究極の悪魔的部分が表出している。

こういうのを見ると、二度の世界大戦を起こしたドイツ人の、本質的恐ろしさがわかってくるようである。イチオシである。


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