政治ショー三幕

2012-05-31 00:00:09 | 市民A
本当は、スペイン国債やイタリア国債の利回り上昇による国債ドミノゲームの方が重要テーマと思うが、国内での政治ショーが三幕あった。

まず、河本準一氏吊るし上げショー。

なんで、一般論の議論ではなくちょっと小賢いだけの小心者の一国民である河本準一氏が吊るしあげられたのか。だいたい所得がいかに多いと言っても、彼の才能であと何年この職業を続けられるかわからないではないだろうか。どうみても明石家さんまになれる訳もないだろう。金持ちという一般的カテゴリーからは、はずれているように思うし、これからの世界って、5割の仕事をしないで何らかの生活保護を受ける人と4割の普通の人と1割の高給取りのクリエーターというような構成になるのではないだろうか。スマホを見ている人は多いけど、コンテンツ作れる人はほんの一握りだし、高級レストランで料理を作る人とそれを食べる人とファストフード店に並ぶ人みたいな関係で、少数の「クリエイティブな人」が高給を得、税金をたくさん払い、単に「おカネを使う人」に政府(税務署)を経由して再分配するような社会になるのではないだろうか。


菅直人吊るし上げショー

どうも、彼をバッシングする人たちの気持ち(動機)がわからない。別に彼を支持するわけでもなく、今更ながら他者の批判をする態度もいかがとは思うが、原発事故の結果としては、ほぼ同じようになったのではないだろうか。

表現はともかく、現場から当事者の東電が逃走することは防いだし、避難地域が広過ぎたという批判は、後知恵もいいところで、放射性物質拡散範囲は当時の風向きの結果の話であって、風向きが変われば安全が危険に変わるわけで、半径で避難地区を決めたこと自体がおかしな判断とは思えない。

また、彼の「原子力ムラ批判」には正鵠を突いている部分も多いと思うが。


そして、小沢×野田戦。

一本勝負なのか三本勝負なのか、デスマッチなのかはよくわからないが、小沢氏の発言要旨を読む限りは、消費増税がノンなのではなく、順番が違うといっているだけで、野田首相が歳出削減案をいくつか打ち出し顔を立てれば、10%が通ってしまうのだなあと思うわけだ。

注目すべきは、増税時に行うかもしれないと言われている軽減税率について小沢氏から提案がなかったようだが、まあ、軽減税率って脱税の入り口みたいなものだから、やめた方がいいと思う(節税の専門家の小沢氏も勧めていないし)。また、教科書的な「消費税は逆進性がある」かどうかには少し疑問がある。というか、果たして消費者は税金を負担するのだろうかということもある。低価格品の場合、中間流通段階ですべてかぶってしまい、税率%分のマージン低下というだけじゃないだろうか


次の政治ショーはエジプト発かもしれない。結果は想定されているようで。ショックは少ないかもしれないと思っている。

転倒感覚

2012-05-30 00:00:04 | 市民A
眼科に行った。コンタクトの処方箋を書いてもらうため。日食で視力がなくなったわけじゃないが、本当は、その後、右眼の視力が落ちたような気もするが、新聞情報では眼科に行っても治らないと書かれているので、とりあえず視力検査を参考にすることにするが・・

待合室に小冊子がいくつかあって、そっと手にしてパラパラと。一冊目は「遠視と老眼」。遠視と老眼が全く別物であることが書かれているが、実際にはよく理解できない。どうも、遠視はそれ自体が問題らしいが、老眼は病気じゃなく老化ということらしいが、あえて深く理解しないことにする。

次に「近視のはなし」。まあ、近視になるのは多くは10代の頃らしいが、自分が近視になったのは30歳位の頃。ちょっと眼が悪くなったころにメガネ屋に騙されたのかもしれない。


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で、その冊子の中に、眼で物が見える原理の絵があるのだが、カメラと同じようにレンズによって、上下左右が網膜上には逆に写っているそうだ。その逆映像を、すべて逆にして脳が認識しているそうだ。

というのは、実に不思議な話で、たぶん、生まれた時から直ぐに逆に認識できるようになっていて、トレーニングとかの結果ではないのだろう。逆というのは要するに画像を180度回転した状態なのだから、二日酔いのベッドの中みたいな見え方なのかもしれない。

哺乳類にも、爬虫類にも、鳥類にも魚類にも同じような仕組みの眼球があるのだから、この「すべて見えたものの逆にイメージできる能力」というのは、何億年も前からのことなのだろう。もしかしたら、昆虫なんかは違うのかもしれない。

将棋などのゲームでは、相手の指し手を想像する時は、上下左右が逆になったりするかというと、そういうこともないが、プロ棋士なんかは、自分が反対側に回って指すように見えるのだろうか。

ところで、冊子には書かれていないが、人間の目は画素数が百万画素程度だそうで、既にデジタルカメラの方が上をいっているらしい。それに、物を見るって、そういうことじゃないのだと思うわけだ。見えたものが脳をどのように刺激するかということじゃないだろうか。

そして、やや気になっていた右眼の度数だが、半年前より改善していた。左眼の方は変わらない感じだ。度数が改善したのは、もしかして・・

シベリウス交響曲第4番(マゼール)

2012-05-29 00:00:00 | 音楽(クラシック音楽他)
s41991年にピッツバーグ交響楽団をマゼールが指揮し、ディジタル録音。

なぜ、この一枚を聴いたかには大した意味がない。最大の理由は、ピザの配達を頼んだところ、30分後ということで、その30分間の有効活用だった。特にシベリウスの意味はなく、CDジャケットのマゼールの快活な表情がピザと赤ワインといった連想につながったのかもしれない。

ただ、実はシベリウスの交響曲第4番は、この表情とは無関係な「不安」な楽曲である。静寂の中から、どこからともなく始まる第一楽章は、ただただ暗い。さらに第二楽章も第三楽章も第四楽章も、いずれも人間の心の中の不安をテーマにしているようにも聞こえる。

思えば、シベリウスは、ベートーベンやモーツアルトやチャイコフスキーなどの大作曲家時代の後に登場。ヨーロッパの戦争の不安の中を生きていた。さらに、自分はガンに侵されていると勝手に思い込んでいたそうだ。すべての不安を背負い込んでいた作曲家だ。

思えば、日本でも「ばくぜんとした将来の不安」を感じていたのが、シベリウスの27年後に生まれ、30年後に35歳で自殺した芥川龍之介だ。


そして、漠然とした不安というのはバブル崩壊後の日本にこそふさわしい感情だったのだが、実は、大震災以降、その不安の正体が徐々に明らかになる。

高度成長を支えていたのは原発が作り出す電気エネルギーだったのが、その危険性に真剣に気付いていた人間は極めて少ない。第一、地震が来るということだって信じていなかった。

今はそれぞれが、漠然とではなく明確に不安の正体を突きつめたところである。

さて、ピザが届いた。

久留里線の混合編成

2012-05-28 00:00:03 | たび
アクアラインで川崎から木更津へ抜けて、さらに、そのまま圏央道を10分ほど走ると、突き当りになる。木更津東ICである。この先、工事中だが、成田空港につながる予定。

この木更津東ICから降りるとT字路で、右に曲がると1分足らずでセブンイレブンがあり、大きな駐車場で車を降り、店舗に入ろうと思う瞬間に、裏手に列車の気配を感じた。

JR東日本久留里線下郡駅である。撮影しようと思ったが、あいにくポケットには低画素数の携帯電話しかない。こういうものでも写真家のプロはあらかじめ、さまざまなシチュエーションでの撮影方法を研究しているのだろうが、これからガイドブックを読むわけにはいかない。敷地のフェンス越しに、撮影してみた。

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撮り鉄家ではないので、そこで見たことしかわからないが、単線のディーゼルで、二種類の車体が混じっている。3両編成。北海道なんかでは一両で走っている場合もあるので、利用者は多いのだろうか?とか・・

ところが、この記事を書きながら調べてみたら、ちょっと訳ありのようだ。

この先頭のクリーム色とレッドの国鉄カラーの車両はキハ30型。そして後ろに繋がるのがキハ37型という車両で、どちらも超レア車両らしい。もはや数台しか日本に残っていないようだ。

そして、昨年の冬に、これらの車両についに「定年引退の時」が言い渡されたようだ。

 
久留里線新型車両の導入について(PDF)


ハイブリッド型ディーゼル車両へ置き換わるようだ。なにしろ燃料の軽油は高い。そして、車両重量が重いということで、逐次線路の改良工事や安全設備の設置が進められているようで、結果として「撮り鉄屋」の撮影ポイントが、どんどん失われていくそうである。

というか、撮影ポイントが少なくなればなるほど、撮影の欲望が高まるのがマニアというものなのだから、まったく同情しないけど。

悠久の美(出光美術館)

2012-05-27 00:00:22 | 美術館・博物館・工芸品
yukyu1有楽町の出光美術館で開催中(~6月10日)の『悠久の美』へ。

悠久とは中国4000年の歴史というのだが、本当に4000年の歴史なのかどうかは、よくわからない。文明のはじまる前には石器時代があり、ある時期に統一政権が興り、中央集権的に文明および文化が始まったのだが、現在わかっているのは「夏」「商(殷)」「周」という順番で、「夏」以前は不明だ。(もっとも日本なんか、遠い過去の政権のことなんかまったくわからないし、去年の政権のことすら、記憶があいまいだ。逆に米国は、大統領が替わるたびに、建国の精神に戻ろうということを言い出す)

yukyu2そして、この夏・商・周の三王朝を「三代」という。(三代という言い方で、もっと後世の王朝を3つ束ねていうこともある)

それで、本展では、主に室町・江戸時代に中国大陸から流入してきた「からもの」と呼ばれる主に唐の時代以降のオタカラ類を数々見せた後、それらの減流として「三代」への回帰があったとしている。

そして、三代の特徴としては、素材が青銅製であること。そして、玉といわれる石材。

実際には、鉄や木材も使われていたのだろうと推測できるが、長い年月の末、朽ち果てたのだろう。造形的には、唐時代以降は、青銅器で作られた古来の造形を、陶器で焼き直すという作業が続けられたようだ。古いものを大切にしようという概念が当時の中国人にはあったのだろう。

yukyu3そして、思えばそれらの古典的な形を模した壺や皿や茶道具は、その後、中国だけではなく朝鮮半島や日本列島での造形に大いに影響を与えているのは確かだ。

ただ、日本人(及び朝鮮半島人)は、ごちゃごちゃとしたデザインを好まず、あくまでもツルっとした触感をもって、極上と考えたのだろうと思っている。

門脇芳雄氏ご逝去の報

2012-05-26 00:00:21 | しょうぎ
全日本詰将棋連盟元会長の門脇芳雄氏が5月17日にご逝去されたそうだ。享年78歳。2年前の脳梗塞以降、再起できなかったようだ。



実は、書棚にある『詰むや詰まざるや』および『続詰むや詰まざるや』は古典詰将棋を門脇氏が編集・解説したもので、奥付けをみると初版が昭和50年12月、三版が昭和53年7月になっている。「無双」と「図巧」を両者とも収録している。当時は、この2作に触れるには、この本を買うところから始まるようなところがあった。

今となってはよく覚えていないが、本を買ってから、開くまで10年以上かかったような気がする。


さて、5月12日出題作の解答。

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▲5二銀打 △4二玉 ▲1二飛成 △3三玉 ▲3二竜まで5手詰。

なんとなく、可能性の低い方の手に、どんどん進んでいくといった感じで作った。余計な御世話だが、初手を▲5二銀と「打」を付け忘れると不正解。3手目は▲1二飛不成でもいいが、その場合は最終手で▲3二竜と書くと不正解。

動く将棋盤はこちら


今週の問題は、先週に続いて「王飛金金香歩歩」の握詰めボツ作。

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先週作よりは複雑だが、終盤で玉方の変化同手数がある。結局、縦方向ではなく横展開作を作り、ポストに投函。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

南極料理人(2009年DVD)

2012-05-25 00:00:24 | 映画・演劇・Video
この映画を見るまで、南極の日本基地は「昭和基地」だけだと思っていたのだが、そこから南極に1000キロ進み、南緯77度19分01秒に位置する「ドームふじ基地」のことは知らなかった。そこには、ペンギンもアザラシも住めないし病原菌すらいない。


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雪はあり余るほどあるが、水は雪から作るしかない。気温はマイナス50度付近だ。

そこには8人の男がいるだけで、科学者に混じって、一人の料理人がいた。西村淳。原作者の名前だ。その西村を演じるのが堺雅人。なぜか料理人の役を無難にこなす。


それで、結構話題になった映画だが、ちょっとケチをつけると女優がほとんど登場しない。まあ、8人の異分野の研究者たちが、料理を食べるという共通項でつながる。

そして、極寒の地で食べられるのは、実は高級食材。洋食や和食で男たちの心を和ませるのだが、実は日本の中年男性の好物は高級食材ではなく、夜食で食べるインスタントラーメン。料理人の目を盗んで夜間、調理室でこっそりラーメンを食べるので、ついに、任期の半ばでラーメンが底をつく。

そうなると、基地内がパニックになる。ただし、その分、他の高級食材が余ってきて、調理人は、ついに「イセエビ」の海老フライを揚げてみる。

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そして、朝食から「カニ料理」ということになるわけだ。

懸案のラーメンについては、任期終了の直前、ベーキングパウダーから炭酸水を作り、それをかん水として利用し、小麦粉を打つことにより、ついに完成に至るわけだ。

なんとなく思うのだが、この映画には、本来映画に必要な要素である「ストーリー」がない。一つ一つが面白いエピソードをつなげているが、それを見て、何を思えばいいのだろうか。

スポーツ高に転進か・・

2012-05-24 00:00:36 | スポーツ
7500要らない郵便が届く。

出身高校の同窓会名で、寄附金7500万円を求める内容である。振り込め詐欺の親戚だ。

どうも、出身校のOBがおカネを出し合って、7500万円を集めて、立派な運動場を後輩に送ろうということらしい。

おカネを出す気はないし、後輩に何かを送る気持ちもないので、すぐにゴミ箱送りでもよかったのだが、ふと、趣旨の方を読んでしまった。というのも、7500万円で、グラウンドを買えるわけもないので、幾分かの興味をもったからだ。

そして、趣旨を読んでいて仰天したのが、グラウンドの利用計画。各種スポーツに使われるのだろうが、野球、ソフト、ラグビー、サッカー、女子サッカー、テニス。

これらを同時にできるようにしようというのだから、いかにも無理がある。

まさか、卒業後○○年も経って、いつの間に高校が進学校ではなくスポーツ系になっていたのだろうか。

さらに、現実に目を向けるなら、もっと使う面積が狭いスポーツに特化した方がいいんじゃないだろうか。

女子ボクシングとか。

将棋道場とかだ。

思想地図 VOL4 想像力

2012-05-23 00:00:32 | 書評
souzo現代思想について思想家たちが寄り集まって、各種テーマで一冊の本にまとめるという、いささか無謀なシリーズである。VOL1、2、3は、「日本」、「ジェネレーション」「アーキテクチュア」。そして第四巻が「想像力」であるが、実際にはその題名が意味するレベルまで完成しているのかどうか疑問がある。

そして、本作の上梓は2009年である。いわゆるゼロ年代の終わり。そして、地震は起きていない。

構成は、インタビューあり、対談あり、思想家により手法は様々だ。そして、その膨大な人間によって意見は少しずつ異なるので、本著を総評することは困難である。

いくつかのパートでいえば、現代美術家である村上隆氏が唱えている「スーパーフラット論」について、評論家と対談するのがあるのだが、途中で村上隆はイライラしてしまい、「俺は絵描きだ」というような展開になる。確かに、モノを作る人とそれを批評する人では、まったく異なるのだ。

読んでいて思ったのは、村上隆の考えとは違うのだろうが、スーパーフラットというのは、日本では戦後の歴史が全く進んでいないということで、何もかもが羅列になってしまうのだろう。ストーリーのない世界である。

それと、東浩紀が中心で村上春樹論をやっているところ。「1Q84」の1部と2部が発売されて、批評家たちは結構批判している。明らかに全部読んではいないなあと思える方もいる。

最後の対談は、東浩紀と宮台真司が、郊外のハイパーマーケットや、アウトレットを評して、「一日楽しめて子供も満足する」なんて、話をしたりしていて、ちょっとイメージダウンだろう。

1080年以来の金環日食

2012-05-22 00:00:01 | 市民A
日食の朝、すでに雲に覆われていた東の空が、俄かに雲が流れ始め、7時30分頃、雲に切れ目にリング状の太陽を発見。通勤中で歩行していたので、手持ちの低画素のカメラで撮影。

もともと雲の間に見えるので、フィルターを使わなくても雲がフィルターのような状態になる。

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直接、カメラを向けては目が焼けてしまうので、電線の間に太陽を配置して、電線を写すようにした。

月蝕についで、日食まで写すことができて、幸いである。

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さて、このような大がかりの金環日食ショーだが、平安時代の1080年以来とのこと。その時代はどういう時代かと言うと、藤原道長や紫式部、和泉式部などの王朝文化が終わった直後で、白河天皇の治世である。この白河天皇は無類の女好きで、中宮が先だった後は、さらに次々と手を出し、その後飽きると家臣に面倒をみさせた、と言われる。NHKの説だと平清盛そのものが白河天皇の落とし子という設定なっている。

そして、歴史上有名な次の日食は1183年におこっている。この時、すでに清盛はなく、木曽義仲が平家を京都から追い出すが、日食の日に行われた「水島の戦い」では、日食を天文学的に予想していた平家が、日食を恐れる源氏軍を打ち破ったことになっている。

フェイスブック?とマイクとカメラが・・

2012-05-21 00:00:50 | 市民A
サラリーマンのアンケートは新橋SL広場と相場が決まっていて、新橋のビルで働いていた頃には何度も相手をしたのだが、有楽町でブラブラしていたら、ここにもいた。

○○○○テレビです。

関西からご出張か・・。というより、新橋でインタビューするのは在京各社の縄張りだから、隣駅でやっているのだろう。


フェイスブック知ってますか?

(上場の日だ。ただし、日本じゃないよ。)

ええ、まあ。

やってますか?

い・い・え。

どうしてやらないんですか?

・・・・

実は、答えに数秒詰まった、というか、最近、社会学と言うか、思想科学というか、そういうのを読んでいて、「どうして、フェイスブックをやるのか」ということについて、少し考えていたのだが、「どうして、やらないのですか?」ってさすがに関西人の言いそうな質問だ。

説明すると10分ほどかかりそうなので、

「秘密主義なんで・・」

と、思ってもいないコトバが口から出てしまった。


ところで、「何で今、フェイスブックなのか」といことについて、本当はどのように考えているかというと、2000年頃から(ゼロ年代)、セカイ系のストーリーというのが実際の社会にも、小説やアニメといった虚構の世界からも、さらにゲームからも、消えていっている。ということらしい。歴史の停滞(日本でいえば歴史の停止)というか、個人がセカイに双方向に干渉しあえるというのがフェイスブック他の登場になったんじゃないかなって思っているわけ。だからジャーナリズムの衰退というのも大原因なのだろうけど、ジャーナリズムといっても、テレビや新聞って、もはや何なのだろう。報道といっても、地震や原発問題といった大事件があるからこそ存在できるのだろうか。

でも、「何でやらないのですか?」てストレートに聞かれれば、「私の勝手でしょ」というのが本当の答えなのかもしれない。

もう一つ、ザッカーバーグ氏の象徴であるフード付きパーカのこと。実は、洗濯したあと乾きにくいのだが、彼はたぶん洗ったりしないのだろう。少し前に黒人少年がフード付きパーカを着ていたがため、「危険人物」として射殺されたことを、思い出す。

名取洋之助、日本工房と名取学校

2012-05-20 00:00:16 | 美術館・博物館・工芸品
natori報道写真家、名取洋之助の没後50周年企画として、日比谷図書文化館で特別展が開かれている。(~6/26)

まず、現代東京の中心部で「ハーゲンクロイツ」を観るとは思ってもいなかった。1936年のベルリンオリンピックを取材した名取のスポーツ写真が多数並ぶ。棒高跳びの西田選手がバーをクリアした瞬間など、ほとんど奇跡とも言うべきシャッターチャンスを得ている。

また、スタンドを埋める観客がカギ十字の旗を振るシーン。もちろん、彼が思想として受け入れていたのか、報道カメラマンとして撮影していたのか、はっきりしない。また、米国各地を撮影して歩いたようだが、むしろそれらの写真の方が人間をよく撮っている。

むしろ報道として社会を取るよりもポートレートとして、人間を写すことにより、その人物の全体像をクリアに伝えることの方が得意だったのではないかと、感じる。ただ、もちろん、ジャーナリズム界では、そういうような言われ方はしない。あくまでも「報道写真の父」と言われるわけだ。

戦後は、土門拳や木村伊兵衛とともに「日本工房」を組織。後進の育成に努力、ということになっているのだが、実際には大物写真家は生まれたのだろうか。まあ、日本の歴史は戦後になって止まってしまったので、大物が現れなくても、別に構わないのだが・・

超絶的な握り詰

2012-05-19 00:00:46 | しょうぎ
第28回詰将棋全国大会は7月15日に松本市で開かれる。日本に現存する本物の天守閣12本の一つが、松本にある。その観光スポットのためか、市内のタクシーは、どんどんメーターが上がるので、注意が必要だ。長野県には、その1週間前に行くので、15日には、ちょっと行けないかなあ残念、という感じが漂う。

さて、恒例の「握り詰」だが、駒種が詰将棋パラダイス誌上で発表された。

王・飛・金・金・香・歩・歩」計7枚。


超絶的だ。駒は8種類あるというのに、角と銀と桂がない。特に、詰将棋といったら角とか銀とか桂でしょ、と言いたい。飛車と金は強過ぎる駒だし、香、歩、歩は無力だ。

だいたい駒数が少なすぎる。7枚というのは、どんな小さな手なのだろう。駒箱の中に指を入れて掴んでいるのではないかと疑いたくなる。

7枚なら7手詰位が妥当な手数と思うのだが、それでは応募の価値ないだろう。

そういえば、昨年も少なかったと思い、調べると、王、飛、金、銀、桂、歩、歩、歩。今年は、さらに駒が減った。この調子だと、そのうち、王と金銀だけで計5枚みたいになるのかもしれない。


ブータレてもしょうがないので、最近作をあれこれ改造して、つまらない追詰めみたいなのができて、数えると2●手詰。ただ、途中がダラダラなのと、収束に、2手長駒余りの変化がある。まあ、花将棋だからいいかなと思って、封筒に詰めてみたものの、本誌の「名局ライブラリー」の中の記事で、過去の秀作の変長について、こういう記載があった。

当時は許容範囲だったが、現在は大きなマイナス要因となり、授賞対象から除外されることが確実と思う。


ということで、とりあえず、封筒から取り出し、ボツ作として本日の出題作とする。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。



5月5日出題作の解答。

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▲4八銀 △同玉 ▲4九銀 △5九玉 ▲7七飛 △6九玉 ▲3六角まで7手詰。

まあ、初手の発見がすべてのような気がする。

動く将棋盤は、こちら

ショー子のエロいい話(DVD・2011年)

2012-05-18 00:00:14 | 映画・演劇・Video
まったく奇妙なもので、吉村昭著「赤い人」を読み終わり、明治時代の北海道の刑務所の残虐な実話を知ったばかりだったのだが、翌日観たDVD「ショー子のエロいい話」は、またも刑務所の話だった。

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といっても、実話ではなく、前科6犯「港のショー子」と呼ばれる不良女子受刑者が送られた先は、「究極特別女子刑務所」。

もちろん、エッチな所長とか看守とかが登場するのだが、さっそく脱獄をたくらんだショー子の前に立ちふさがったのが、女囚の力石徹子。元女子プロボクサーだ。なぜ、徹子がショー子の脱出を阻止したかだが、徹子は所長の愛人だからだ。

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そして、脱獄に失敗しリンチを受けるのは、明治時代の北海道の監獄も女子刑務所も同じこと。血まみれになったショー子は、徹子とのボクシング対決で決着を付けるべく、特訓を開始。

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エロなのか、コミックなのか、スポ根なのか、なんだかよくわからない展開の末、ショー子は徹子をリングに這わせることになる。そして所長の正体は、ショー子の元カレだったという展開になるのだが、キャストの数を減らして製作費を抑えるために、そういう奇抜なストーリーにしてしまったのだろう。最後に所長にパンチを奮ってKOしてしまったのは、後でヤバい結果になったのではないかと、余計なお世話を感じてしまう。

ところで、観ない方がいいようなアバウト映像だったのだが、あえて言えば、女子刑務所がこんなに楽しいところとは知らなかったのだが、とりあえず吉村昭の著作を思い出して、悪夢にうなされる心配がなくなったことだけは評価できるだろう。

赤い人(吉村昭著)

2012-05-17 00:00:08 | 書評
akaihito毎年、数冊ずつ吉村昭を読んでいる。膨大な著作を前にして、そんなペースではマイ人生では読み切れる訳もないのだが、もはや、そんな体力も気力もない。読むほうがそうなんだから、書いた著者の体力・気力に感嘆するしかない。むしろ人間業じゃないと怯えるくらいだ。

本作は、明治時代の北海道で、密かに行われていた囚人の労役をテーマとしている。当時の日本は、急増する人口を抱えきれずに、移民の形で世界に人口を供給していた。一方で、北海道は開拓が始まったばかりで、社会的インフラの整備が急務だった。


そこで、長期刑の囚人を北海道の牢獄に送って、消耗品のような形で、森林の伐採や道路の敷設の仕事を強制していた。現代の北海道には「囚人道路」なるものがあるが、そういうことだ。

その結果、送られたものはほとんどが長生きすることができないため、常に脱獄事件が多発していた。といっても、表題の「赤い人」とは囚人服の色を指しているのであり、赤い服のまま、森林や雪の中を逃げるのでは捕まりやすい。

そして、捕まるものは運がよく、多くはサーベルで切り捨てられる。看守を殺害してから逃げた二人の囚人は、追い詰められ、容赦なく切り刻まれ、肉塊と化し、みせしめのために他の囚人の前に並べられたとのことである。

明治45年。明治天皇が重病に伏せた折、公務員である看守は、快癒への祈りを続けていたのだが、一方で、囚人たちも、なんらかの祈りを続けていたそうだ。現代の北朝鮮では、君主の世代交代が起きた時に恩赦はあったのだろうか。


そういう、「近代日本の裏側」「看守と囚人の戦い」を解き明かしたのが本著であるのだが、実は、あまり好きじゃなかった。囚人にしろ看守にしろ、読みながら感情移入できるようなキャラクターが登場しなかった。題材が暗すぎるのだろう。


alcatrazところで、囚人物といえば、米国で人気になっているドラマ「アルカトラズ」が、日本でもテレビで観えるようになっている。数十年前にアルカトラズ島の監獄を脱獄した集団が、一人ずつ島に戻ってくるストーリーだが、重く、暗く、かつ、はまりそうなので、観ないことにする。