王座戦第三戦も「海老」で決する

2023-09-30 00:00:26 | しょうぎ
王座戦第一戦は永瀬王座が昼夜二食ともイセエビカレーを選び、逆転勝ち。第二戦は夕食に海老入り五目焼きそば(春巻付き)で二尾のエビを食べた藤井挑戦者が逆転。第三戦もエビが決め手となるのではと誰も気づいていないチェックポイントを観察していた。なにしろ形勢は永瀬王座寄りだった。

当日の食事だが、永瀬王座は昼は「ひつまぶし」。おやつはドリンクのみ。そして注目の夕食はハンバーガー。昼と夜が逆ではないだろうか。つまり、エビはなし。藤井挑戦者は、昼は名古屋コーチン入りハヤシライスとオムレツ、おやつはガトー・ポムなど。そして夕食は名古屋コーチン入りきしめん。一見、両者ともエビは食べなかったようだ。



しかし、挑戦者の食べたきしめんだが、一見、エビなしに思えるが、画像を拡大してみるとエビが少なくとも一尾はいるように見える。

しかし、今までの幸運はエビ2本である。きしめんに乗っているエビは1尾だけだ。

藤井挑戦者の昼食は名古屋コーチン入りのハヤシライスとオムレツ。夜のきしめんには名古屋コーチンが使われている。つまりオールニワトリだ。ニワトリもエビのようにピョンピョンと跳ねるわけだ。

第四戦は京都。あまりエビ料理は食べないようだ。えびいもを使った京懐石があるようだ。


さて、9月16日出題作の解答。








今週の問題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

謎の道具の正体は

2023-09-29 00:00:40 | あじ
おそらく調理関係の道具と思われる謎の道具があった。その他にもパイナップルの芯抜きとか、アボカドの種抜きとか特殊道具の用途は解明したのだが、一つだけわからない道具があった。



まあ、何の用途か知らなくても、いままで困ったことはないというか、困った時に「これ」があったらいいというシチュエーションも覚えていない。ホタテの殻を開ける時に困ったことはあるが、この器具では無理だ。先が横向きの波になっている。ピーラーのようだが、ジャガイモのような丸い物とかキュウリとかゴーヤのような長い物にも対応できない。護身用には長さが短い。

ということで、思い出したのが、グーグルレンズ。まあ、庭で蜂やヘビを見かけた時に危険度を調べるのには有効なので、試してみる。蜂やヘビは撮影するのが危険だが、この道具は手に持つと危険な感じが漂うが、近づくだけでは人畜無害だ。

結果は、・・・

製品名だけで用途がわかるようになっている。

カニむっキー。

蟹の足に対して有効な武器のわけだ。おそらく、以前、蟹を頂いた時に同梱されていたのだろうと思う。これ以前に頂いた蟹フォークと一緒にして収納することにした。蟹以外の用途は思いつカニー。

J事務所の行方

2023-09-28 00:00:28 | 市民A
多くのスポンサーが所属タレントの起用を止める方針を公表しているし、公表しなくても止める企業は多いだろう。そもそもCMへのタレントの起用は効果がないという調査もある。企業が広告制作を依頼するのは広告代理店ということも考えなければならない。広告代理店の名前がまったく表に出てこないというのも奇妙だ。

ある化粧品の会社は、タレントたちに対し、別の事務所への転籍を勧めてみたが、正論には冷たい声が浴びせられた。

同業他社が積極的に転職者探しをしないのは、①まだ、影の権力に怯えている。②タレントが大量に押しかけてもマネージャーがいない。マネージャーも転職を求められている。という普通の理由だけではなく、

同業他社からすれば、J事務所と所属タレントの両方ともサッパリといなくなればいい。そうすれば、自分たちのタレントが活躍するのだから。

ということで、理想論のようには行かないだろう。


また会社の事実上の存続の方針だが、800億とも1000億円とも言われる資産を後継者優遇税制を利用し、現代表取締役の相続税を少額で済ませようという説もある。

資産とは何かというと、本件で銀行筋の話がないので、おそらく事実上の無借金経営だったのだろう。そもそも業務遂行上、設備投資とか非常に少ないはずだ。つまり、現金同等物と不動産かな。この種の事業にそう大きな運転資金はいらないはずだ。

さらに、慰謝料を払ったとしても、総金額はたいした問題ではないかもしれない。そもそも、男性への性暴力が法令的に犯罪となったのは、最近のことで、多くの性犯罪は犯罪ではなく、しかも時効ということになる。

そうなれば、会社を解散し、株主として会社資産を自分のものにし、最高税率55%を納税すれば、残金を手にすることができる。

これは、現実? それとも悪夢?

アリーナ×3

2023-09-27 00:00:41 | 音楽(クラシック音楽他)
先週末に、新横浜にある横浜アリーナのコンサートに行った。デビュー50周年記念の全国ツアーの終盤戦。50周年というと、椅子に座って歌うような演歌歌手かというと、そうではなく、松任谷由実さん。



ミック・ジャガーもそうだが、歳をとるということを、忘れてしまうとか「歳を取っていない」と自分に宣言することで年をとらない効果があるのだろうと思うし、少し声が出なくなると、ハードロックに書き換えてしまえばいいとか、そういうものなのだろう。ということで「ひこうき雲」は、もうステージで歌われることはないだろうとは思うが、AI技術でなんとかなるかもしれない。



ところで,会場は満席。横浜アリーナの定員は約17,000人。横浜には2020年にオープンした「ぴあアリーナMM」が定員12,000人。そして、今月末に横浜駅の東口の先に「Kアリーナ」がオープンする。本格的な劇場で定員20,000人である。横浜アリーナはスポーツ兼用ということもあり、座席の種類には平等感がある。Kアリーナの座席は「貴族と平民」ということになるようだ。

おそらくKアリーナは企画段階では、前横浜市長が企てていたカジノ構想の中で長崎などを蹴落とすために、美術館、劇場を地元の必須条件とするために浮上したはず。世界最大級の劇場といっているが、柿落し(こけらおとし)は「ゆず」のコンサート。ちょっと心配だ。

心配の理由だが
1. ライバルの新横浜の横浜アリーナは東急新横浜線開業で、新宿、渋谷、大手町方向から乗り換え1回でつながってしまった。
2. 客を集められるタレントがジャニーズ問題で減少した。
3. 宗教法人にも貸しにくい状況になっている。

東京都には劇場が少ないということなのだろう。

「ロバとイヌ」の謎

2023-09-26 00:00:15 | 市民A
フランスの寓話集『ラ・フォンテーヌ寓話』は多くの寓話の集大作で、日本でいえば『日本民話集』みたいなもので、イソップ寓話なども含まれていて、フランス人の基本教養らしい。1600年代に成立している。

その古典的名作に20世紀の画家、マルク・シャガールが挿絵を描いている。シャガールは寓話集の中から100話を選択し、挿絵をエッチングで刷り、全100冊のうち半分近くに色をのせている。

ところが、その86話目の『ロバとイヌ(L’ Ane et Chien)』は、寓話の内容と版画の内容が一致していないと言われている。



寓話の方は、主人と一緒にロバとイヌが歩いていて、主人が居眠りをする間、ロバは草を食べ始めるのだが、犬の餌はロバの背中にあるので、イヌはロバにしゃがんでほしいと頼むが、ロバが拒否。そこにオオカミがやってきてロバが狙われるが、イヌに護衛を頼んでも、イヌはそれを拒否して、ロバはオオカミに食べられてしまうわけだ、

ところが、版画の方には、話に出てこない女性がいるし、オオカミはいない。主人の足元の犬は子犬でオオカミとはとても戦えない。ロバは生きているし。

画家が何を描こうが勝手だが、シャガールが大家になる前の作品なので、全体として独創性は少ししか出していない。そして、あまりにも話が違う。

有力な説は『ロバと子犬(L’ Ane et le petit Chien)』という話が別にあって、ロバが主人と奥さんにかわいがられている子犬に嫉妬して、「お手」をしようと立ち上がったところ、棒でたたかれたという話があるそうだ。(何を言おうとしている寓話かはよくわからないが)

画中に棒はないが、おそらくそうなのだろう。

では、どこで入れ違ったのだろうか。

実は、シャガール版の寓話集だが、数奇な運命から始まっている。もともと、この企画はフランスの画商ヴォラールが寓話集を画入りで出版しようということから始まり、故郷のソ連(というかロシア帝国というかベラルーシのユダヤ人街というか)を捨て1923年からパリに移住していたシャガールに依頼した。

1927年から1930年の間に制作されたのだが、最初の原画は多重刷り用だったそうだ。しかし技術的問題からエッチングになったそうで、それも時間がかかっている。またフランスの民話集の挿絵がロシア系ユダヤ人というのも物議があったそうだ。

そしてなんとか原版ができた頃に、大問題が起きる。中心人物の画商ヴォラールが事故死したそうだ。

さらに第二次大戦が始まり、パリはファシストの侵入を受けることになる。ユダヤ系のシャガールは慌ててアメリカに脱出。作曲家でピアニストのラフマニノフと同様だ。

そして、フランスに戻ったのは1950年。パリではなく南フランスの町だ。

つまり1930年に完成した時に、原画に題名を付ける時に、シャガールかヴォラールかその他の人間が間違えたということだろう。「ロバとイヌ」か「ロバと子イヌ」。小さいという単語が一つあるかないかの差だ。

そして、22年間お蔵入りになっていて、最終段階でもパリにいなかったので、電話か手紙で、打ち合わせをしただけだったのかもしれないし、一応、シャガールもチェックしたのかもしれないが、20年以上前に読んだ本のことなど、そう覚えてなくても全く不思議ではない。

長く知らなかったこと

2023-09-25 00:00:42 | 市民A
人生、長い間知らなかったことが、突然わかることがある。

だいたいは不幸な話だ。まあ、色々あるだろう。そもそも秘密の話を自分が知らないということ自体、まずいことのはず。

本件も厳密にいえば、悪い話で、損害があったというか。といっても人生の大惨事というレベルの話ではなく、その1/1000レベルの話。

髭剃りのこと。

今はだいたい二種類の髭剃りを使っている。ドイツ製の電動髭剃りと米国メーカー(シック)のハイドロ5という五枚刃の手剃り用のT字型のシェーバー。二つ使うというのは、剛毛系で伸びが早いのでいきなりシェーバーで顔を剃ると、痛いし、剃り残しが発生するから。電動で剃った後、手剃りで仕上げる。

このシェーバーだが世界では、主にシックとジレットの二強になっている。国産メーカーもあるが、ビジネスホテルの使い捨て用に置かれていて、使うと、どこか出血してしまう。



もともとはジレット派だったのだが、はっきりしないが15年ほど前からシックハイドロという5枚刃を使い始めた。あるホテルに泊まったときに、部屋に替刃付の新品がプレゼント用に置かれていて、使い始めたのが最初だ。基本的にはその後、替刃交換を続け、T字型の本体は、一度だけ買い替えて、ずっと使っている。

ただ、欠陥は、替刃のヘッドに青いカバーがついていて、そのカバーが大きいので鼻の下のように微妙な場所には刃が届かないという困ったことが起きていた。そのため電動も使っていたのだが・・・



先日、替刃の交換をする時に、うっかり青いカバーを持ったのだが、後方に90度、カバーが開いてしまった。壊してしまったと思ったのだが、どうもきれいにカバーが開く。鼻の下にあてがってみると何の問題もなく細かい作業が可能だ。

実は、替刃のケースには書かれていない。T字型の本体の新品のケースには書かれているが、ほんの一言という感じだ。その後は替刃だけを買っていた。

しかし、カバーをはずして使い始めたのだが、そもそも、青いカバーは要らないような気がする。

禁止用語のタイトル

2023-09-24 00:00:34 | 落語
落語は江戸時代からの演芸なので、オリジナルのストーリーには、現代の観点から言うと「禁止用語」や「差別用語」が含まれているし、噺の内容次第が封建的な部分もあり、噺家は、部分修正したり、まずい部分をカットしたりするし、どうしても難しい場合はお蔵入りにしてしまう。

今回聴いたのは、「妾馬」と「青菜」。どちらも抵触気味だ。

まず、「妾馬」(噺:柳家さん喬)。「めかうま」と読むそうだ。「妾」は要するに第二夫人。使用禁止用語らしい。イスラム圏ではまったく問題ないが日本ではいつの時からかは不明だが一夫一妻制だったが、二人以上のベッドパートナーを持つものも多く、特に江戸時代の大名についていえば、男子が産まれないと、お家取り潰しとなり家来含めて浪人となり全国放浪の身になるため、財政の許す限り2号、3号と囲っていた。側室という呼び名もあるが、基本的に大名は国元と江戸の間を毎年移動しなければならず、国元には身分の宜しい本妻がいて、江戸には器量重視の側室がいて、結果として江戸の方に子供がたくさん生まれていたようだ。

で、そういうわけで、ある大名は江戸の町民の器量よしを一目ぼれして城内に入れ、男子が産まれる。「おつる」が一夜にして「御鶴の方」になり、その兄で風来坊が、大名屋敷に呼ばれることになる(この男は、長尺本の場合は、お城入りの時にもらった百両を博打ですったことになることもある)。そして衣装一式は長屋の主に借り、城中に入るのだが、城内のコトバが符号のように聞こえ、会話ができない。ついに殿様から、「いつもの話し方でよろしい」と言われて、「べらんめえ」になり酒を与えられ、さらに唄のいくつかを披露する。

結果として、名字帯刀を与えられ、武士になり上がるわけだ。

普通はここまでで、きちんと話すと1時間になり、さらに後段があって、武士としては素人だが、急用を与えられ、馬に乗って疾走することになるのだが、行き先は馬任せということになる。二編話すと「妾」と「馬」と題名が完結するのだが、最初だけだと、単に禁止用語一文字になってしまう。

柳家さん喬師匠の枕だが、まず「二世議員」の話から。軽く褒めるが、誰だってぼんくらなのは知っている。次に「歌舞伎界」。これは同じ芸能の世界からみた世襲制についての厳しい意見を軽妙に語る。最後に「落語界」。こちらは僅かに二世がいるが、それも含めて「実力世界」と表現。やや嫉妬も感じられるが、世襲制に批判的な市民の多くが拍手をもって盛り上がる。

「青菜」(噺:柳家権太楼)。これは結構有名で、主人公は植木屋さん。大庭を抱える大旦那のところで仕事をし、仕事が終わったところで、縁側で旦那と一杯やる(現代の植木屋は99%が車に乗ってくるのでありえない)。その時の旦那夫婦の振る舞いに感激し、家に帰ってから妻にも、同じように接客してほしいと無理難題を言いつける。このあたりが男尊女卑ではあるが、植木屋は石を運んだり梯子を木に掛けて剪定したりと、女性向でないこと甚だしい仕事なので、わからなくもない。そこで親友を家に招いて、鰯の塩焼きを鯉の洗いと称したり、仮想空間を作ろうとして失敗を続ける。最後に「弁慶」ということなる。

オチがなかなかわからない。「弁慶」といのが実際に戦いで立ち往生で亡くなったことから、仮想空間の設定の種が尽きて、立ち往生したことを意味することによる。また、上方では「弁慶」は「割り勘」を意味する言葉でもあるそうだ。

防止策より罰金を

2023-09-23 00:00:02 | しょうぎ
将棋ペン倶楽部誌の秋号が送られてきた。9月なのに酷暑の中、「秋」という字を見ると、僅かに嬉しくなる。今号のメインはペンクラブ大賞の選考で、その部分はまだ読んでいないのだが、一般投稿記事の中で、6月に行われた大学選手権の決勝で発覚した不正事案(対局中にトイレと言って何度も離席し、スマホAIアプリで次の一手を調べていた)についての詳細と処分、さらには防止のための私案が書かれている。

準決勝でも同様のことがあったようで、関係者がスマホ確認後に協議を行っている間に会場から姿を消したそうで、主催者の大学連盟は永久追放を決定したそうだが、4年生のようで効果はあるのだろうか。2位が優勝、3位が2位、4位が3位に繰り上げになったが、準決勝で負けた学生が本当は一番だったのではないかとの可能性はある。

不正防止のための私案は色々書かれているが、もっと簡単に、「業務妨害」と対戦相手への「慰謝料」の両方を頂きますということにすべきだ。ペナルティなきルールは破り放題だろう。プロなら永久追放、奨励会員だったら研修会へ陥落という程度だろうから。アマなら追放に加え、今までの大会への出場分も含め50万から100万円程度にすればいいのではないだろうか。ホテルのチェックインのように開始前にクレジットカードの登録をしておけば、事はスムーズに進むはず。


さて、9月9日出題作の解答。








今週の出題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

10億円

2023-09-22 00:00:26 | 市民A
この2ヶ月、あまりの暑さで、ゴルフ場に行くことはなかったが、そろそろ屋外練習場に行こうかと、近くの奇妙な形の練習場に行った。奇妙というのは敷地の形。先が細くなっているのは「遠近法」のためではなく、実際に、先へ行けば行くほど細くなっている。いわゆる「台形」だ。下辺が50m、上辺が20m、奥行きが100mといったところだろうか。



面積を求めると、
(50+20)×100÷2となる。3500m²、ということは1000坪強。周辺地価は、坪100万円なので、3500÷3.3×100万円)で、約10億円。固定資産税等は1.7%で1700万円。

さらに、この台形の隣に住居と大駐車場がある。合計すると20億円か。おそらく会社になっていて、ジャニーズ事務所の代表取締役が辞任しない理由と同じく事業承継優遇税制の対象で相続税が軽減されるのだろう。

この優遇税制だが、基本的には中小企業の後継者問題のためとされ、創業者のこども間の不公平という大きな問題を起しているし、そもそもファミリー企業に未来があるかという問題と背中合わせである。大阪の方では古くから、創業から三代で傾くといって「ぼんぼん」とか「ぼん」とか言われている。

中小企業のことを「国の宝」と言っていた時代もあったが、その後、「こだわりの一品で生き抜こう」になり、とうとう「統合・合併の時代」となってしまった。日本でも某自動車会社の社長もついに変わり、EV重視に転換したり、スーパーマーケットのファミリー企業は、漂流中。ファミリー企業が巨大企業に名を連ねるのは日本と韓国ぐらいだろう。

サイコ(1960年 映画)

2023-09-21 00:00:42 | 映画・演劇・Video
ヒッチコックの晩年に近い作。おそらく現代では、精神疾患をメインテーマとした映画は作れないと思う(特に日本では間違いなくNGだろう)。ヒッチコックは精神疾患を平気で登場させるし、殺人事件を起こすのも通常のことだ。


事件は一組の不倫カップルから始まる。男のはっきりしない態度に女は困惑してしまう。妻と別れるためには多額の慰謝料が必要だ。そして、ちょうど女の勤めている不動産会社に金持ちがやってきて4万ドルの家を現金で買う。女は金を銀行に預けることになるが、つい出来心で4万ドルを持ち逃げする。

車で逃走中のシーンは、カーチェイスというよりも警官との知能戦といったところだろう。そして女の停まるモーテルが判明。すべてはそのモーテル101号室で行われる。

女も私立探偵も、保安官をも騙して殺してしまったのは誰なのか。


モーテルでナイフで殺害し、血痕を洗い流すというのは、つい最近の出来事であったが、比較すると、最近の事件の方が、怖い。首を切り取ったのだから。

『ばかもの』絲山秋子著

2023-09-20 00:00:58 | 書評
ここ2年ほど絲山秋子の本を読んでいる。『ばかもの』は2008年に雑誌「新潮」に連載される。



冒頭から主人公のヒデと年上の額子の絡みが始まる。ずいぶん大胆だ。(ガクコ)という名前も変わっている。読み終わってから考えても、別にアキコでもヒロコでも良いように思うのだが、もしかしたら深い寓意があるのかもしれない。なにしろ目に見えない存在が2回登場する。神というにしては、ちいさな役目しか演じないのだが、小説的に言うと、別にその見えない力を登場させなくても物語は進行可能だ。

ヒデはまだ学生でぼんやりと将来のイメージを考え始めた頃、額子は姿を消す。別の男と結婚するためだ。そしてヒデは大学を止め、新しい彼女と付き合い始めるが、その頃からアルコール依存症にまっしぐらに進んでいき、ともだちはすべて逃げ出し、彼女は去って新興宗教に入り、ついに信者の殺人に手を貸してしまう。ヒデはついに酒酔い運転で物損事故を起こす。そして、禁酒会に入り入院。このあたりの書き方が狂気にあふれていて、読者は本を読み切らずにブックオフに持っていこうか悩むところだ。

ここからが、再生物語に入っていくのだが、小料理屋をやりくりしている額子の母から別の町にいる娘に会いに行くべく説得される。不慮の事故で片腕を失った彼女は離婚していた。そこから、時間をかけ、また冒頭のような絡みがはじまっていくが、ずっしりとした質量感がある。

一般的な日本の小説では、こんな大技の展開にはしないだろうなって感じがある。映画化もされているが、海外の映画ではこれぐらいぐちゃぐちゃしたのが普通なような気がする。

ラ・フォンテーヌの『寓話』(画:シャガール)

2023-09-18 00:00:09 | 美術館・博物館・工芸品
先日、世田谷美術館で『シャガール版画展』を鑑賞した時に、最初の部屋が、『ラフォンテーヌの寓話の挿絵』であり、後年の絵画の片隅に登場する異世界の動物が初期の作品にも登場していたことが驚きだったのだが、このシャガールとラ・フォンテーヌの寓話の関係を調べていると、疑問が山のようにあった。

寓話は、詩人だったラ・フォンテーヌがフランスの太陽王(ルイ14世)が皇太子の教育用に使うためにイソップ寓話を含む239話を収集したもの。14世は皇太子より長生きし、孫が15世となってしまったので教育は無駄になったが、フランス国民共通の共通認識になった。

日本で発行されている書籍では、239話全部が収録されているのは岩波文庫(上下)ぐらいで、30話ぐらいにして絵本になっているのも多い。

シャガールの寓話は100編。選ぶのはシャガールに任されたようだ。

そして、版画展の総ての作品は「神奈川県立近代美術館」所蔵品ということだったが、なぜかカラー版はほとんどなく、大部分は黒だけのエッチングだった。



それで横浜市の図書館を検索してみると、シャガール版のラ・フォンテーヌの寓話というのがあるので、さっそく取り寄せる、1952年に完成したフランス語版とほぼ同じだ。

かなり立派な書籍なのだが、非売品。やはり過去に展示会(2006年:川村記念美術館)があった時のカタログらしい。豪華すぎる。そしてページを開くと、色彩の入った版画が並んでいる。版画展のものとは何が違うのかというのは、読後にわかった。



まず完成したのは、水彩絵の具で描かれたシリーズ。そしてエッチングで完成した「白黒版」、そして、その白黒版に手で彩色したもの、がある。彩色版は45冊という話もある。

そして、この寓話にはさまざまなストーリーが展開されるが、寓話集の方にもストーリーがあることがわかってきた。なかでも「寓話と版画が一致していないだろう疑惑」のある第86話『ロバと犬』が有名だそうだ。

「テリタル」は、何語?

2023-09-17 00:00:20 | あじ
自宅から徒歩圏にあるファミレスは「ガスト」。2番目は「サイゼリア」だったが、閉店。1Kmのところに「くら寿司」。「ガスト」までは歩5分なので、時々行く。スカイラーク系列店だ。系列内にある「から好し」という唐揚げ専門店を取り込んだ店舗もある。

それで、先日行った時のこと。いつものように店の奥の方に店員が数名いて、「空いている席にお座りください」と大きな声で言われる。そして、タッチパネルでオーダーを始める。

唐揚げを食べようとして、電子メニューを探していると、「から好し」とは別のジャンルで唐揚げに白いソースがかかっている丼があった。そして、タッチパネルをポチッして待つ。



そして、注文品をロボットがもってくる前に、唐揚げ専門店とは別の唐揚げなのだろうかという疑問が沸き上がる。しかし、別々の鶏肉で調理するわけには行かないだろう。

さらに、この料理の名前は何だったかを忘れてしまい、ガストのHPのメニューで確認しよううとしてもなかなか難しい。グランドメニューではなく宅配メニューの中にあった。

「唐揚げテリタル丼」というようだ。600円となっている。

実際に私が払ったのは700円。正確に言うと、「楽天ポイントカード」で支払う。どうも首都圏価格のようだ。まったく首都圏感のない場所なのによくわからない。

夕食負けした現王座

2023-09-16 00:00:31 | しょうぎ
王座戦第一局は、永瀬王座が昼食と夕食にイセエビカレーを連投し、逆転勝ちしたのだが、神戸のホテル・オークラでの第二局の食事もウォッチしていた。

果たして、永瀬王座の昼食はビーフカレー。一方の藤井七冠は神戸ポーク味噌炒め御膳。

そして、伏線は3時のおやつ。永瀬王座はアイスカフェオレ、グレープフルーツジュース、オレンジジュースとドリンクばかりだ。実は昼食でもアイスカフェオレとアイスウーロン茶を飲んでいる。いささか水分摂りすぎの感がある。トイレ問題は大丈夫だろうか。実際、延々と1分将棋が続いた。藤井七冠は栗の和菓子とウーロン茶。

そして問題の夕食。王座は第一局では昼夜とカレーを重ねたのだが、今回の夕食はアメリカンクラブハウスサンド。ずいぶん軽い。早めの終局を予想したのではないだろうか。一方、七冠は「桃花林」の五目中華焼きそば春巻き付き。第一局ではオニギリセットだったので、今回は作戦変更。どうも入玉による長期戦を考えていたのではないだろうか。以前の記憶だが東京のホテル・オークラの中華レストラン「桃花林」の場合、春巻はサービス品で何本でも追加できていたような気がする。一本というのが、いかにも入玉用の追加エネルギーに思える。



そして五目焼きそばの画像を確認すると、焼きそばの上に海老が二本いるではないか。七冠が不利だった局面から抜け出したのは「エビパワー」だったのかもしれない。

結局、王座の玉は入玉寸前で頓死してしまった。

第一局では永瀬王座のカレー二連投の話ばかりが伝わったのだが、カレーではなく具の方の海老二本(イセエビ)が勝利をもたらしていたのかもしれない。次局も海老二本がポイントかもしれない。


さて、9月2日出題作の解答。








今週の問題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

女性外務大臣のこと

2023-09-15 00:00:56 | 市民A
外務大臣が代わった。あまり短期で変わっていい職務ではないのだが、何かあったのだろうか。国際会議の時など他国の要人から「あのピアノの上手い大臣、名前は失念しましたが、どこに行ったのですか?」と質問を受けそうだ。

新大臣は、オウム真理教事件のクローザーとして有名だったが、どうなのだろう。国連で演説するのを楽しみにしているようだが、外務大臣の最優先任務は、演説ではなく交渉ということを忘れないでほしい。

ここからは現在の大臣の話ではないが、今、将棋講師もしていて、ある小学校でも数十人の児童に教えている。女児が半分近くいる。男児の場合、いくら強くてもプロになることは勧めないが(藤井聡太先生が多くの賞金を独り占めしているからだ)、女流棋士はなるのも易しいし、イベントへの派遣確率も高い(女流棋士の数は男子棋士の1/3なので、仕事が多い)ので金の卵になり得るわけだ。

ところが女児の中で一人、学校側が手を焼いている子がいる。いわゆる女王様タイプで、たとえば横に動けない銀という駒を横に動かし、指摘されると、「わたしが動かすのだから正しい」と宣言するわけだ。教室が終わってから、手を焼いている先生から、どうしたらいいか相談を受けるのだが、「そういう押しの強い子が政治家になるのでしょう」と変化球で答えてみた。さらに「外務大臣になって、ゴリゴリ交渉してもらえばいいでしょう」とまとめてみた。その数回後には、駒の動きを覚えたようで何事も起きなくなったのだが、要するに人間には二面性があるということだろう。

外務大臣になって、すぐに女王流にやるのは、やめた方がいいと思う。複雑な問題が多いはずだ。