寒川神社のねぶた

2020-01-31 00:00:00 | 市民A
ねぶたと言えば青森県なのだろうが、神奈川県の中部にある寒川神社の神門の上部に、青森県のねぶたを製作されている方(北村蓮明氏)が作られたねぶたが飾られている。



毎年、新型に交換されていて、今年が20回目と言うことだそうだ。12回目までは年の干支にちなんだ造作だったが13回目からは神話を題材としているそうだ。

今回は「神武東征」がテーマ。宮崎の高天原から橿原(奈良)に向かって神武天皇が進軍を始めた時の図で、この長い戦いで神武天皇の兄が戦死している。また天皇の味方になったのが、八咫烏(ヤタガラス)と金色のとび。

作品は向かって右側の金色のとびが活躍している場面だが、とびが攻めているのは神武天皇(享年127歳)ではなく、神武天皇の敵だろうか。神鳥としては、八咫烏は神武天皇に作戦を教えたとされるが、とびは実務部隊長だったのだろうか。

今年は神武天皇の即位2680年に当るそうだ。一方、初期の頃の天皇の時代は、天皇にとっての1年は庶民の半年、つまり1年に2歳ずつ年齢が増えるというルールがあったという説もあり、そうなると日本史は矛盾のない妥当な年表になることが知られている。

ぼくたちの家族(2014年 映画)

2020-01-30 00:00:13 | 映画・演劇・Video
本来、多数の映画賞をとり、多くの有名人が絶賛している映画であり、単に「すばらしい」というべきなのだろうが、どうしてもそういうように言いたくないような気持ちもある。

というのは、題材は深刻であるのだが、実は日本のどこにでもある問題がどこにでもあるような方向に流れて行って、ありがちな結果になる。



父と母、二人の男児という普通の家庭に不幸が訪れる。母親の病気。突然に医師から脳腫瘍で余命1週間と家族は言い渡され、バラバラだった一家は結束することになる。なんとか助かる道を探し始め、ついに脳腫瘍ではないことが判明し、転院することになる。

ところが、父と母には巨額の借金があり、まもなく子供が生まれる長男は入社して日が浅い薄給だ。さらに長男はこどもの頃に引きこもりになっていて、次男は家に寄り付かなかった。

過大な借金は、どこにでもあるわけではないが、それ以外の要素はどこにでもある。ちょっとしたことから病気になっていることがわかり、バタバタしたり家族の結束が強くなったり。そして最後は全員で旅行に行く(本作ではハワイ)。

監督は、今や幅の広い作風に変貌した石井裕也、父母は原田美枝子と長塚京三、兄弟を兄の方を妻夫木聡、次男を池松壮亮。

つまり、大きな流れとしては「家族の絆」なのだが、底辺に流れる「ひきこもり問題」、「貧困問題」、「医師の誤診問題」が日本の不気味な未来を想起させるわけだ。

なお、原作者の早見和真氏だが、重いテーマの小説が多い。軽い気持ちでページを開いてはいけない著者のような気がする。

朱の丸御用船(吉村昭著)

2020-01-29 00:00:57 | 書評
吉村昭氏の著書は26冊を読んでいて、これが27冊目。彼の小説は、多くは実話を再調査して歴史に埋もれていた人々の苦しい生活や阿鼻叫喚に、彼なりの客観性を与えて、まざまざと蘇らせるものが多いが、まれに歴史的事実ではないものや、歴史的事実を少し変えて書く場合もある。



本書『朱の丸御用船』はノンフィクションなのかフィクションなのか。読んでいる途中でページを一旦閉じて、スマホで調べればわかるのだが、時間遅れでテレビ放映されるゴルフ中継の結果を途中で調べるようなもので無粋もいいとこだ。

ただ、なんとなくフィクションのような感じを持っていた。話がうま過ぎるわけだ。さらに、読み進むにつれ結末の恐ろしさが読者に重くのしかかってくる。そして、事態は破滅の方向に進んでいくわけだ。まったく小説的なのだ。

時代は江戸時代末期の天保年間、場所は三重県の漁村である。この漁村にかかわらず日本には古来忌まわしい風習が残っていた。それが難破船からの残留貨物の抜き取り。沈みそうな船が沖を通る時、船員は筏で逃げたり、泳いだり、あるいは船に取り残されたりするものだが、その船の荷物はいずれ海に沈むものとして、沿岸の漁民が群がるように奪い取っていた。なかには口封じのため生き残っていた船員をなんとかしたこともあっただろう。この漁村でもそうだった。

そして、ある時、沖合で難破した船がいて、米俵が相当量積まれた状態で水没に向かっていた。夜になり人目がなくなった頃、漁民たちが米俵を船から下ろし、漁村全体で山分けし、さらに物理的証拠を隠滅した。ところが沈みそうだった船は幕府の調達船(朱の本御用船)で、全国の幕府直轄地の米を江戸に運ぶ途中であった。幕府の財産の横領は関係者の死罪と定めがあった。しかし、漁民たちの行為は完全犯罪のはずだった。

ところが、沈んだ船の方にも事情があった。こちらも犯罪者だったのだ。幕府は米の輸送中の転売を恐れ、常に2隻で運航し相互監視するよう命じていた。しかし、犯罪はこの二隻の共謀で行われる。一隻目の船は各地で米を売り払い、二隻目の船も相当量の荷抜きを行った上、二隻とも海の難所と言われる大王崎付近で沈没させてしまったのだ。それが、三重の漁村の前を流れていったわけだ。

そして、沈没船の調査の方から犯行が露見していくわけだ。


この小説が書かれたのは1997年だが、それに先立つ1982年に『破船』が発表されている。こちらも難破船からの収奪品の話だが、どこかの集落で天然痘の患者に赤い服を着せ、海に流した話である。その患者船から天然痘と見抜けず略奪した服を着ているうちに村の大半が亡くなってしまうという恐ろしい話なのだが、この小説の怖さは、それほどでもない。結末が予想できるからだ。さらに発表後38年経っても、実話であるとは思われていないわけだ。

その『破船』が実話でないと考えられていることから『朱の本御用船』も実話ではないと感じていた。それでも十分に怖い。幕府の調査は日に日に事件発覚に近づいていて、ついに強制捜査の日になったのだが、この村は直前にニセ役人がきて口止め料を百両も奪われたばかりで、次にニセ役人が来たら打ち殺すことにしていた。そこに現れたのが本物の役人であったわけだ。

実は、この話は実話があったわけだ。地方の歴史愛好家の方が掘り出していて、それを吉村昭氏が過去の印税収入のうちいくばくかを投じて調べ直し、筆を執ったわけだ。

著者の膨大な作品群の中でも、かなり上位の小説だろうと思う。

靴底戦争で見えたA社のドジ?

2020-01-28 00:00:14 | スポーツ
1月26日に行われた大阪国際女子マラソンで優勝し、五輪出場にかなり近づいた松田瑞生選手だが、記録は日本歴代6位。報道のかなりの部分は、薄底シューズのことであった。

ナイキのヴェーパーフライではなく、ニューバランスのNの字が目立つシューズなのだが、特注品で制作者は三村仁司氏(71)ということ。彼女は外反母趾で特注の靴が必要だが、ナイキの靴は市販品なので足には合わないということと、三村氏は靴の製作の第一人者ということで、元メジャーリーガーのイチロー氏の靴も作っていたということが報道されていた。

この「イチローの靴」ということに違和感があり、調べ始めると、意外なことが見えてきた。日本最大のスポーツ用品メーカーのアシックス社(本社は神戸)のことだ。


というのも、2014年4月29日の弊ブログ「アシックススポーツミュージアムで靴のサイズの話を聞く」にも書いたのだが、神戸ポートアイランドにあるアシックススポーツミュージアムに行った時の話だ。その時に、イチロー、ダルビッシュ、高橋尚子をはじめ多くのアスリートの靴はアシックスが特注で作っている、と言われ、イチローのスパイクや高橋さんのランニングシューズが展示されていた。

イチローの足は28.5センチ、ダルビッシュは30センチ以上ということで特注するしかなく、その割に靴が小さく見えたので、係りの方に質問をすると、オーダーシューズはぴったり作れるので小さく見えるということだった。高橋さんの靴は小学生用みたいな大きさに見えた。

しかし、松田選手はアシックスではなく、Nのマークの靴を履いていたわけだ。

ここで、三村氏の経歴の方と合わせていくことにする。1948年8月、加古川に生まれる。高校の時は長距離走を得意とし、卒業後、オニツカ(現アシックス)に入社し、シューズ製作の研究を続け、1974年から特注シューズの製作を始める。多くの競技用のシューズを手掛け、特にマラソン用としては瀬古利彦、高橋尚子、有森裕子、野口みずきなどのシューズを作っている。他のスポーツ用としてイチローや香川真司ということのようだ。ただしイチローの靴は途中からはアシックスの別のチームが担当している。

そして、アシックス在職中に2004年に「現代の名工(厚労省)」、2006年には「黄綬褒章」を受章している。黄綬褒章受章は58歳の時である。そして、2009年、アシックスを定年退職。おそらく60歳定年制であろう。功労者にしては早い退職のようにも思える。

退職後、高砂市に「M.Lab」というシューズ工房を立ち上げ、アディダスと専属契約をするが2017年に契約終了。2018年からはニューバランスとの契約がスタートしている。

本来なら、アシックス社が必要というなら何らかの継続雇用、あるいは工房との専属契約を考えそうなものだが、何か対立点があったのだろうか。あるいは過剰人員の削減中で、退社する社員を引き留めるような状態ではなかったのだろうか。真実はわからない。

さらにアシックスは、五輪が近いというのに経営状態が良くない。簡単に言うと「売れない」ようだ。一方で、数年前から始めている新ブランド「オニツカタイガー」の意味がよくわからない。なんとなく創業家(鬼塚家)に対する忖度から始めたのではないかとも感じられるのだが、国内でも海外でも受けそうもないネーミングだし、アシックスブランドとの関係も不明だ。

もう一つ、2018年には靴の研究データ3万ファイル以上が、退職した若手の研究職の社員の個人メールに添付ファイルとして送信され、その社員がドイツ系P社関連会社に転職するという事件も起きている。


ところで、多くの一流選手の靴は特注品なのだろうが、ナイキのヴェーパーフライの市販の靴を3万円で購入の上、靴底を破って、速さの秘密と言われるグラスファイバーのボードを取り出し、自分の靴底に埋めこむこともできそうに思える。そもそも禁止論が出ているが、靴底の中にグラスファイバーが仕込んであるかどうかを、どうやって検査するのだろうか。犬に嗅がせるのだろうか。たぶん、靴を壊すしかないだろう。

中華まんの日?

2020-01-27 00:00:00 | あじ
数日過ぎてしまったが、1月25日は『中華まんの日』という記念日だそうだ。といっても制定されたのはそう古くもない。調べた結果、2010年の1月25日が第一回目の記念日だったそうだ。記念日と決めたのは、北海道旭川市にある「あったか旭川まん推進会議」だそうだ。つまり十周年。

起源は、1902年(明治35年)1月25日、旭川で記録したマイナス41.0度という日本最低気温に由来している。寒い日に中華まんを食べようということだ。

ここから饅頭の話に行く前に気温の話。この1902年1月25日前後に北日本を襲った寒波だが、第一位の旭川に次ぐ第二位の記録も翌日の1月26日の帯広のマイナス38.2度。中華まんの日の2日前の1月23日には、あの八甲田山遭難事件(210人の行軍中、199人が凍死)が発生している。饅頭をかじりながら犠牲者のことを思い出せばいいのだろうか。

饅頭の話に戻るが、中華まんといっても、中国で普通に食べられているのは、具なしの饅頭(マントウ)。パンのような主食である。といっても具入りの饅頭の起源は諸葛孔明と言われる。各地で戦争を行っていた戦いのプロ。ある時、氾濫する河川で軍勢が立ち往生した。言い伝えでは荒ぶる竜神をなだめるために、49人の人柱の頭を斬って川に投げ込むと効果があると言われていたが、49個の頭をそろえる方法が思いつかず、頭の格好に団子を捏ねて、中に肉を詰めて代用したことによるそうだ。何の肉を詰めたのかはっきりしないが。

この中国の具入り饅頭が渡来してきた話だが、実は肉まんと餡まんとではルーツが全然違う。

餡まんの方だが、中国にあった肉まんを禅宗の僧侶がたべるために、肉の代用品が使われるようになった。つまり、野菜とか小豆である。そして中国に禅宗の修行にいった日本の禅僧が持ち帰ったのがそういった餡まんであり野菜まんだった。1200年台から1300年台の頃だ。

一方、肉まんが日本に来たのは江戸時代の長崎。長崎はオランダと中国との間の貿易の接点であり、ここに中国渡来の肉まんがやってきたのだが、残念ながら日本人の口にはあまり合わなかった。おそらく肉が中心だったのだろう。

本格的に日本で食べ始められたのは、肉と野菜の混ざった具が使われるようになった後で明治以降のことになる。つまり2つのルーツが合体して、日本の肉まんになり、日式肉饅頭として逆輸出ということになった。

ところで、横浜に在住しているので横浜中華街での肉まん事情だが、饅頭が大きいことで有名なのが「江戸清」なのだが、観光的におすすめが「同發」の肉まん。非常に簡単にいうと、江戸時代に長崎に渡来した純正肉まんに近い。塩味で具の原料は豚肉とタマネギだけ。タマネギは溶けているので肉の比率が非常に高い。一度は口にしてもらいたい。口に合わなければ、コンビニでもう一個買って口直しをし、自分が本物人間かコンビニ人間かを確認すればいいだろう。

やなりいなり(畠中恵著)

2020-01-26 00:00:07 | 書評
『やなりいなり』は「しゃばけ」シリーズの第十巻。現在のところ十八巻まで発表されているので、約半分。とりあえず十冊読んで一休みしようと思っていた。休んでいるうちに二十巻まで進んだ頃に再度読もうかなと思っているが、そうならないかもしれない。何しろ、人の意の通りにならない妖怪や無数に日本に存在するらしい神様や悪魔や鬼や狐狸などの登場するシリーズなので、たまには読まないと天罰が落ちるかもしれないし。私だけの天罰ならともかく、巨大地震とかミサイルとかペルシャ湾封鎖とか大勢を巻き添えにするようなことがあってはいけない。

yanariinari


「しゃばけ」シリーズの特徴は、一つは妖怪たちの愉快な活躍と病弱で推理探偵のような主人公一太郎(1/4妖怪の血が混じっている)の活躍であるが、もう一つが時代小説としての顔。封建制度の中心地である江戸の街を肯定的にとらえて、庶民の生活を描いている。江戸も東京も市井の人の生活には共通項が多いという筋立てだ。藤沢周平のように重くはない。

第一巻の頃は、江戸の街の紹介の比率の方が多かったような感じだが、徐々に妖怪たちの活躍に筆が進んでいるような感じがある。

本作は5作の短編連作集。シリーズの中で長編は数える位で、そのあたりが少し残念な感じがある。

一作目が、「こいしくて」。まず、前作の「ゆんでめて」は奇妙な構想になっていて、一作目から四作目までのストーリーが五作目にして消えてなくなることになる。しかし、一度は存在したストーリーであって、登場人物の記憶にはないものの、なんとなく深層心理のところに残影が残っているらしい。そういう説明が何ヶ所かになされている(それだから、第一巻から順番に読まないと困るわけだ)。

災いをまき散らす神様や、そういう時だけ人々がすがる時花神(はやりがみ)や江戸市中の川にかかる数多の橋にはそれぞれ橋姫とよばれる神様がいるのだが京橋の橋姫が恋煩いによって職場放棄したため、長崎屋の周りに恋煩いをはじめ、さまざまな病気が蔓延してしまう。

二作目は「やなりいなり」。町内に静岡方面から盗賊団がやってくる。一方、死に損ないの寄せ芸人熊八の幽霊が長崎屋に現れる。盗賊団は人間なので妖怪たちの活躍で一網打尽となる。熊八は意識不明の自分の体に戻り、再び芸の道を進むのだが、生き返ったからと言って落語がうまくなるはずはないし、臨死体験を語り続ければ、奇人怪人の類として見世物小屋に行くしかない。あっさりと退場したのでシリーズの後の方で復活するかもしれない。盗賊団は、人を殺した上、大金を奪った罪があるので、磔にされたはずだ。京橋一帯は、五街道起点の日本橋よりも西なので、平和島の近くにあった刑場でグサグサッとされて、そのまま鳥類の食事となったはずだが、記載はない。

三作目は、『からかみなり』。めずらしく一太郎の父親の藤兵衛の話。これは難しい。藤兵衛は100%人間なのだから妖怪の姿は見えない。ところが、雷の子が空から落ちてきて、迷子として自身番に届けたわけだ。ということで、雷の子はすぐに地上で雷を起こすので、いい迷惑なわけだ。

四作目は、『長崎屋のたまご』。竜が登場。強すぎる。手に負えない。

五作目は、『あましょう』。江戸の結婚事情である。衛生事情が悪かった当時のこと、許嫁が突如亡くなって次を探したり、跡継ぎが必要なための結婚、さらには資産目当ての結婚とか。資産目当ては現在も行われているようで、うまく資産家の財産の一部を手に入れたといった例も聞いたことがある。未遂に終わりそうで必死で勉強している例も聞いたことがある。

難しかった『終盤の鬼手』

2020-01-25 00:00:43 | しょうぎ
年末に入手した『終盤の鬼手(熊谷達人著)』、やはり難解だった。各問題に親切なヒントはあるのだが、レベルとして示されているのは、「10分間で三段」とか「10分間で高段者」とか・・「1級」とか「2級」というのは全106題の中に数えるほどだ。何しろ昭和52年の著であり、県名人が四段だった当時の段だし。およそ正解率は半分といったところだ。

高段者向けの問題だが、たとえば、



解答は▲3五歩 △同歩 ▲1六角だそうだ。

ところで『鬼手』か「きしゅ」と読むのだろう。同音で『奇手』という字もあるが、鬼という字には「強い」という意味が含まれるのだろう。「○○の鬼」というと、大変強い状態を示し、ネガティブなイメージはないが、「鬼コーチ」となると、少し悪役感が入ってくる。京都の羅生門は京都の南側から来る鬼を街中に入れないためだったし、北の方にある一条戻り橋では渡辺綱が鬼を斬ったことになっている。当時の鬼は人肉を食っていたらしい。


さて、1月11日出題作の解答。





少し長かったかもしれないが、銀と歩を駆使し、最後は桂を打って跳ねる。

動く将棋盤は、こちら。(Flash版)

GIF版は、



今週の問題、盤の右下の方だけではすまなくなるはず。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。





指が汚れるホットチョコレート

2020-01-24 00:00:22 | あじ
サンマルクカフェには後述する理由があってよく行くのだが、先日は同じ区内にある店舗で時間調整のため30分ほど過ごした。いつもはホットコーヒーかベトナム珈琲を頼むのだが、朝のコーヒーを飲んでからあまり時間が経っていなかったので、「ホットチョコレート」を注文した。


「ホットチョコレート」とはアメリカ的だが、日本の普通の言い方だと「ココア」だ。注意すべきは、「ココア」の缶には「COCOA」と書かれているが、これを英語圏で「ココア」と言って注文すると、「コーヒー」がでてくるらしい。発音がまったく違うからだ。



で、いわゆるココアがカップに注がれ、別盛で小さなプラカップにチョコレートのフレークが付いてくる。「お好みで追加してください」と言われる。親切なのか不親切なのかよくわからない。スプーンにひとさじすくって投入し、かき混ぜて飲むと、すでに濃厚である。

むしろ、一杯飲んだ後、お湯をもらって溶きなおすとお代わりになりそうだが、そういう提案は恥ずかしいのでしない。全部投入することにする。ところがプラカップがカップのそばにあったため、チョコレートに熱が伝わり、既に解け始めているわけだ。さらにカップの縁は既に少し飲んでいるためチョコレートが付いていて、結局、指も口の周りもチョコレートでベトベトになってしまった。スマホを操作するわけにはいかないわけだ。



で、店内を探したのだが、紙ナプキンはどこにも一枚すら置かれていないわけだ。SDGsだろうか。社会の持続のために紙ナプキンは敵なのだろうが、会社の持続のことは考えないのだろう。

ところで、サンマルクの泡沫株主なのだが、業態や店舗数の拡大期にちょっとだけ参戦したのが失敗で、僅かずつ株価が低落を続けている。あまり例のないような緩やかな下り坂道のわけだ。しかも社長が亡くなってしまい、後継社長は銀行マンのようだ。この規模の会社(つまり社長が手腕を発揮すべき規模)の社長が銀行マンで成功した例はあまり聞かない。

ということで、このグループのレストランやパスタ店の常時20%引きの株主優待カードを使って挽回を図っているのだが、時々不快なことがあった。店員が株主優待割引のことを知らないことが多かった。カフェの場合は事前支払いなので、知らなければ店を出ればいいのだが、レストランは後払いなので2回にわたり不愉快があり、株主として本社にクレームを付けて、その後はどの店でもレジのそばに社員用に注意書きが張られていた。それでも1回、割引いてもらえなかったこともあった。わたしも小売店の指導をしていたことが一時あったので想像するのだが、正社員が一人もいない時間帯があるのだろう。もうからなくなると悪循環に陥るという例なのだろう。その時はもうクレームはあきらめることにした。

今回、驚いたのは、レジの横にクレジットカードのロゴよりも大きく株主優待カードのコピーが張られていたこと。たぶん、別の誰かが強い抗議をしたのだろうと想像した。


ともかくも、ホットチョコレートの注文をした顧客には、特別に紙ナプキンを2枚(指を拭くためと、口の周りを拭くため)提供することが必要だろう。

それと注文の時に強く「dカード」の提示を求めるのはいかがなものだろう。なぜ、他の電子マネーではなく「d」になったのか。携帯系は利用者が3分割されているわけで、1/3を選ぶということは、2/3を捨てることになりかねないような気がする。心配だらけの会社。

横田國平写真展『雪里』

2020-01-23 00:00:22 | 美術館・博物館・工芸品
六本木のFUJIFILM SQUAREにあるフォトサロンで開催中の『横田國平写真展・雪里』を観る。



横田氏は1958年生まれで新潟県柏崎市に生まれる。中越である。豪雪地帯であり米どころである。雪や棚田、山里の風景。かつて日本のどこにでもあったような風景が、多くの地方で失われている。



2006年頃から現在までに美しい地元の光景を撮り続けているそうで、『雪里』という写真集の発刊記念の展覧会だそうだ。



川端康成の「雪国」という小説がある。多くの読者は越後湯沢の冬の光景を思い浮かべながら読み始めることになるが、雪に覆われた町を美しいとみるか醜いとみるか、想像は人さまざまなのだろうが、横田氏の『雪里』の写真集の中の雪世界を思い出せば、あの小説はもっと深く美しい日本を描いたことがわかるだろう。



もっとも、だからといって容易に雪国に移住できるようなことはないだろう。さらに美味いコメを収穫できるわけもない。また、簡単に雪里の写真を撮ることができるわけはないのだ。カメラを常に持って風景を探し続けなければならないのだろうと想像している。

井村淳写真展 ALIVE・GREAT HORIZON

2020-01-22 00:00:52 | 美術館・博物館・工芸品
六本木の富士フィルムフォトサロン東京で開催中の井村淳写真展。ALIVE GREAT HORIZON。日本語にすると、「大地平線の生き物たち」というのかな。



アフリカ大陸に生きる動物たちを激写している。動物だけではなく、サバンナに孤立して生える木々や満月、沈む夕日や上る朝日。もっとも、近寄りがたい野生生物の撮影はどうやっているのだろう。まさかドローンではないだろうし、超望遠レンズ使用ということだろうが、遠く離れすぎると朝夕の弱い光の中で鮮明な画像を得るのは難しいはずだ。



さらに、多くは草食動物よりも肉食動物の方がダイナミックで美しい。しかし、近寄るのは怖い。しかも夜明けや夕暮れと言うことは、撮影現場は撮影前、あるいは撮影後は真っ暗な状態のはずだ。足音もなく忍び寄る猛獣たちの気配。



もっとも、自分でサバンナにカメラを担いでいくような無謀な元気も勇気もないのだから、写真家の皆様に任せるしかないわけだ。

「くもんのこどもえんぴつ」を使ってみると

2020-01-21 00:00:31 | マーケティング
数か月前から新たに小学校低学年を対象とした将棋教室で、将棋を教えているのだが、主催者は講師のことなど考えずに、文字が読めない上、椅子に3分以上座っていられない幼稚園児も引っ張り込むため、講師は色々と苦労する。駒の文字が読めず、盤の前に座れないこどもに何を教えればいいのだろうか苦悶することになる。強欲な両親が自分のこどもを年収1億円のプロ棋士にしようとするわけだ。東大に入る方がずっとずっと簡単なのだ。東大合格者は毎年数千人だろうが、プロ棋士になれるのは男女合わせても毎年数人(10人未満)だ。さらに巨額を稼ぐ人数は、全棋士の中の1%ぐらいだから。

ところで、3か月単位で1クールなので、次々と児童は変わっていくのだが、その結果、鉛筆の忘れ物が溜まってくる。教室にサヨナラしたあと、使い古した短い鉛筆の忘れ物を取りに来る子は、今まで一人もいない。



そして、ある種の鉛筆が溜まってきたわけだ。それは「くもんのこどもえんぴつ」だ。くもんというのは「苦悶」ではなく「公文」。ある種の教育集団だ。まあ、ベネッセの赤ペン先生にしても、公文にしても公立小学校のあり方と現実のギャップの間に生じた必然なのだろう。学習塾や水泳教室の時間のはざまに息抜きに将棋教室に来るのだろうが、将棋教室は結果が勝敗として明らかになるため、救いのない世界でもある。

そして、この忘れ物のくもんえんぴつだが、使ってみると、なかなか快適だ。まず軸が六角形ではなく三角形。そして太い。芯も太いように見える。濃さは2B、4B、6Bだそうだ。長さも17センチ、15センチ、12センチと工夫がある。

ふだん、鉛筆を使う時は六角形の鉛筆か丸軸鉛筆を使っていた。丸鉛筆は筆の感覚なので達筆の人に向いている。そして、もっぱら児童の忘れ物を横領して使っているわけだが、鉛筆の芯が減ってしまった。電気鉛筆削り器に入れようとしたが、太すぎて入らない。

調べていると、ポータブルの鉛筆削りはネット上では200円位なのだが、送料は600円ということらしい。プラスティックに刃が付いただけで800円は高すぎる。

限られた実店舗では売られているようで、大手書店、トイザラス、イオン、ビックカメラ、西松屋、ヨドバシカメラにあることがあるそうだ。さがしてみようかと思う。

そして、トンボ鉛筆でも三角軸の鉛筆を売っていて、これも鉛筆削りは普通の鉛筆とも公文式とも互換性がない。

実は公文式を探しているうちに不愉快な真実がわかってきた。

愛用している『2B』だが、適用年齢にはこう書かれている、「4歳~6歳」。

実感としては、三角軸のボールペンを作ってほしかったのだが。

小泉大臣の育休の目的は?

2020-01-20 00:00:07 | 市民A
小泉進次郎環境大臣が育休を二週間取得することを発表したのだが、なんとなく釈然としない感じがある。

釈然としない理由は大きく二種類ある。一つは、何のために育休を取るかということ。もう一つは、そもそも大臣にとって休暇はどのようにとればいいものなのかということ。簡単に言うと、普通の会社では社長や取締役は従業員ではないのでそもそも有給休暇という概念がない。いくら休むのも本人の自由なのだ。大臣というのも、そういうものなのではないだろうか。そもそも勤務日数や勤務時間の規定がないのに、育休のことを話すのはおかしいのではないかということ。

まず、一つ目の今回の育休の目的だが、考えられる可能性は、

1.単に妻の負担を軽減するため、
2.不倫疑惑の火消しのため、マスコミの前に出ないため、
3.環境省の中の育休取得を推進するため、
4.国民一般へのパフォーマンス、

目的については小泉大臣の頭の中はわからないので最終解答はないのだが、一般に育休取得が進まない理由は、直属上司が休まないからということなのだろう。

というのも終身雇用制度では、30歳の男性社員の上司というのは、既に育休を取る世代ではないわけだ。環境省では逆に、環境大臣の下にいる政務副大臣、政務審議官といった人たちは、年上で、育休を取るような年齢ではないはず。

また、大臣が休んだからと言って、それを理由にして若手のキャリアが育休をとるのかは大きな疑問がある。そもそも二週間休めるというのは、代わりの人がいるからで、代わりの人がいるということは、自分が唯一無二の存在であるという存在根拠の否定になってしまうわけだ(幻想なのだが)。


大臣の妻は実家にいるそうなので、実際に大臣が休暇中に何をするのかよくわからないが、出生届を出しに行くぐらいだろうか。じっくり時間をかけて名前を考えなければならないかもしれない。

二つ目の話だが、本来、国務大臣の勤務時間はどうなっているのかということ。

まず、どういう身分なのかというと国家公務員は一般職と特別職に分かれる。そしてほとんどの公務員はキャリアも含め一般職なのだが、総理大臣、国務大臣、副大臣、政務官などの省庁のトップ(いわゆる上級国民?)と自衛隊員は特別職になっている。その待遇については、一般職については同種の民間企業を参考にすることになっていて、特別職は一般職を参考にすることになっている(ただし自衛隊員は同種の民間企業がないため別に決める)。

つまり、待遇は民間企業並みということなのだ。ただ、法律をよく読んでも主に給料のことを意味しているようで、休暇日数とか育休を含めた特別休暇のことを規定しているようにも感じられない。さらに、日本の労使関係の決まりというのは戦後からの自民党と社会党の論議の末、法律ではなく多くが判例で決まったようになっているため、あいまいなことが多いわけだ。

しかし、上級の公務員とは異なって国務大臣というのは内閣の一員のわけで、そうなると労働者というより使用者側であることは明らかである。会社で言えば総理大臣が社長で、国務大臣は取締役のようなものだろう。

そう考えると、そもそも大臣は一年間に何日働かなければならないかというような規則の外にいると考えるべきなのだろう。憲法の側から言うと、国会で大臣答弁が必要な時と閣議の時には出席が義務付けられているものの、実際には閣議に出られないときは代理(次官)が傍聴することというルールがあるわけで、欠席は十分に可能だ。つまり、今まででも好きなだけ休めたはず。選挙運動の応援の時は公務外ということになっていたようだが、では公務外の日数(時間数)の上限が決まっていたのだろうか。

さらに言うと、国務大臣は総理大臣が選ぶわけで、「国務大臣選考委員会」があったり、国会で「公聴会」があったりするわけでもないし、「選挙」とも関係がないわけだ。「2週間休みます」という宣言をする先は、総理大臣一人であるわけだ。

一方、総理大臣の側からすると、「働き方改革」の旗を振った以上、「育休下さい!」と言われて「No!」も言いにくいだろうし、多事多難のおり、環境大臣のことなどどうでもいいことなのだろう。

シェイクスピア映画大全集10枚組

2020-01-19 00:00:41 | 映画・演劇・Video
シェイクスピア全集を読んでから数十年経ち、ストーリーもよく覚えてなく、少し前に『シェイクスピアの魔力(野口卓著)』という解説本を読む始末だった。

今さら、全部を文字で読む気力もなく、芝居となるとますますチャンスがなくなるので、過去に製作された映画を探そうかなと思っていたこともあり、つい新聞広告に乗って10巻セットを購入してしまう。




もちろんこれ以外に劇作は大量にあり、『シェイクスピアの魔力』によれば、四大悲劇を含め37作が紹介されている。10作観てもあと27作もあるのだが、それは後の話にしよう。というか、その他の作品を観るのは一苦労かもしれない。一応『魔力』本には映画の紹介はある。あるいは10作を観たあとは文字で読みたいと思うかもしれないし、原文で読みたいと思うかもしれない(古典英語だ。実は一冊読んだことがある。もはや無理だ。辞書も今は無い)。

一応、四大悲劇(ハムレット、オセロ、マクベス、リア王)の他、ロミオとジュリエット(悲劇)、真夏の夜の夢(喜劇)、ヘンリー五世(歴史劇)、ジュリアス・シーザー(史劇)、お気に召すまま(喜劇)、じゃじゃ馬馴らし(喜劇)である。

劇の種類として、問題劇とかロマンス劇というのもあるが含まれていない。有名作としてはヴェニスの商人が含まれないのは、残念。

そして製作年だが、「じゃじゃ馬馴らし」は1929年。大恐慌の年だ。「ロメオとジュリエット」は1936年。チャールトン・ヘストン主演の「ジュリアス・シーザー」は1970年作。ローレンス・オリヴィエとかオーソン・ウェルズとかロバート・ニュートンが出演しているものもある。1968年のオリヴィア・ハッセーの「ロメオ&ジュリエット」は別に観る方がいいかもしれない。

では、

順位戦、渡辺三冠と藤井七段が全勝

2020-01-18 00:00:49 | しょうぎ
将棋名人戦リーグでA級では渡辺三冠が7勝0敗、3階級下のC1級では藤井七段が8勝0敗。どちらも名人への道を驀進中である。渡辺明三冠は過去に一度も名人戦に出場したことがないのも不思議だが、名人というタイトルで言えば既に後輩の後塵に甘んじていて、ただの名人ではなく「永世名人」を狙うなら、すでに今頃名人戦に登場では遅すぎるくらいだ。3年後には前述した強敵に追いつかれるかもしれないわけで、彼に与えられた時間は少ないわけだ。

さらに実は8大タイトルにも格付けがある。一般に賞金の多い方から格付けが決まるという本末転倒方式では、竜王、名人、叡王、王位、王座、棋王、王将、棋聖の順のはずだ(将棋手帳記載順)実は渡辺三冠のタイトルはこの中の下の3つということになる。そんなはずかしいことを口にするものはいないだろうが、内心おもしろくはないだろう。

もっとも、何年も前に羽生永世名人から名人のタイトルを奪っていれば、今頃は藤井七段へのタイトル移管作業を行っていたはずだ。


さて、1月4日出題作の解答。






答えをみれば、なんだ!?ということになるのが詰将棋。

動く将棋盤は、こちら(Flash版)。

GIF版は、



今週の問題。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定いたします。

あまり健康的でもないか

2020-01-17 00:00:55 | あじ
正月中に増えた体重を倍返しにして減量しようかと、ダイエット食品を買ってみた。



 プロテインダイエット 食物繊維+ビタミン・ミネラル ポタージュスープ

 コラーゲンペプチド配合のバターチキンカレー(レトルト)

 ファイバー・イン・ミートソースW(レトルト)

 黒糖きなこラテ(37種の健康素材)食物繊維、大豆イソフラボンなど

 カルニチン30日分

まだ数値的に効果は、現れていない。(黒糖きなこラテとカルニチンしか試してないし)