盤上のフロンティア(若島正詰将棋集)1~14番

2020-02-29 00:00:19 | しょうぎ
せっかく2750円で購入した詰将棋集なので解き始めようとするが、全100問のうち後半は長手数が多い。とても自力では解けそうもない、というよりもそこまで時間を費やせないと思う。ずっと前に「近代将棋」誌の難問を解いていたような気力も棋力も体力もないので、本当にわからない場合は答えを見るという妥協を図ることとすると同時に、ソフト(柿木)を使いながら鑑賞するということにする。

知人の中には、ゴルフの時にOBはカウントしないとか、グリーンに乗ったらパット数1を足してパターは使わないというようなマイルールでやっている人もいるのだから、いいだろう。といっても100題のうち10題くらいは解きたいなと小さな願望はキープする。若島先生のIQの1/10はあるだろう。

それで、解き始めて気付いたのは、一問ずつにハッシュタグを付けるがごとく分類がされている。例えば、第一番は「アンピン、双玉」。第二番は「間接逆王手、ピンメイト、双玉」。第三番は「1/3ロイヤル・バッテリー、限定応手逃れ、双玉」。段々と意味の分からない単語が増えてくるわけで、結構、理屈っぽい作品が多いように思う。

それで、今回、1~14番ということだが、14題目に目標の10題が解けたわけなのだが、実は個人的に低レベルだが実用的に知りたいことがあった。「金」と「と」の使い分け。もちろん、どちらでも構わない場合だが、自分的には攻め方、玉方ともに、自陣内は「金」、敵陣内は「金」と「と」のうち、主役は「金」、脇役は「と」にしていたのだが、教授はどのようなセオリーによるのだろうか。



実は第8番の部分図に受け方に「と」が配置される。場所的には玉方の自陣に近いので「金」でもいいので、調べてみたが、よくわからなかった。何か特別のマイルールがあるように感じた。

それと、14番までの中の2題は柿木9と違う解になる。しかも持駒が余る。調べていくと、『無駄合い』の定義が異なるように思える。



例えば、上図のような場合、柿木9では、3三馬の一手詰ではなく、2二に玉方が合駒を打つことになり、駒余り五手詰となる。余詰め解釈の違いだろう。


さて、2月15日出題作の解答。





なんとなく、盤面を広く使った問題。3手目の成不成不問、収束の玉方の逃げ方の手分れの微妙な点がある。途中、6手目の『焦点の合駒』を知らないと、早く詰んだと思い込むはず。

動く将棋盤はこちら。(Flash版)

動くgif盤はこちら。→
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今週の問題。



2四銀をむやみに動かさないこと。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

差別と区別は違うのだから

2020-02-28 00:00:00 | 市民A
最近のウイルス報道で目立つのは陽性者が身分を隠すこと。本人は、身分を明かすと色々と差別されるからという気持ちなのだろうが、実際には陽性になって人格的差別を受けるわけではなく、陰性者と区別されるということに過ぎないのだと思う。

伝染病には隔離とか自宅待機という区別が必要なのは普通の人ならわかるはずで、別に屋形船に乗ろうがハワイに行こうがスポーツジムに行こうが雪まつりに行こうが、人格的に差別されるはずはないのだから、もう少し行動履歴を公表してもいいと思う。

それと、あえて検査に行かない隠れ陽性者が増大しないことを祈るばかりだ。退院後、再発病するという話だが、そもそも新型は肺以外でも増殖する性質があるそうで、全身にウイルスが回っている場合、喉や肺の検査だけでは完治とはいかないだろう。結局は免疫力だけでは治らないようなやっかいなウイルスのようにも感じていて、早期の適合薬の開発を待つということかもしれない。

五輪問題だが、そもそも日本で抑え込めたとしても、世界中に拡がれば開けないわけだ。海外選手が日本に入国しようとしても陽性ならば母国にお帰りいただくことになるからだ。
もっとも1、2年後に延期となれば、新たな五輪景気もあるかもしれない。

ところで横浜の市井の話題。

1. 紙類が品切れになった 
横浜川崎方面でデマが流れたそうで、棚にはティッシュ、トイレットペーパー、キッチンタオルが消えた。本当にデマかどうかはわからない。

2. マスク購入
朝一番でマスク購入者の列に並ぶ。そろそろ補充が必要。並んだからといってもなかなか買えない。先日、ある店頭に並んだところ、開店前で25番だった。マスクの数が40で列は90人。見ていると、開店時間が近づくと割り込みを狙うオジサンが数人いることに気付く。わざわざ列の近くにあるベンチに座って眠ったふりをしている。また、一家族一つと言われているのに夫婦で少し間隔を離して二つ買おうという戦術の者もいたのだが、どちらも買えなかった。

3. スポーツジム
機械を使う筋力トレーニング系はどうしても機械を握る必要があり、危ないと思っていた。名古屋や市川では大増殖している。私の行っているジムも日に日に利用者が減り、今も来ているのはニュースを見ていないと思われる人たちばかりになっているので、私もとりあえず月会費はもったいないが、もう行かないことにしている。そもそも歩くだけならジムに行く意味はないし。

4. 黄色い市営バス
 クルーズ船からの一斉下船の時に主要駅等に乗客を運んだのは黄色の横浜市営バスだ。このバスは今は各地のバス車庫に分散して数台ずつ隅の方に留められているようだ。「みんなが見ていたので、当分、このバスを使うことはないということで、そのうち使うようになってから消毒するそうだ。問題はバスではないのだ。

5. 税務署
 もう少し拡大したら、税務署に行けないと、誰しも考えるので、昨日の税務署は混んでいた。申告期限が1ヶ月伸びるという報道があったが、すべて後追いだ。似ているが運転免許の更新時期だ。「違反者グループ」に区別されてしまったので警察署では更新できない。早くいくべきなのかどうか、よくわからない。髪をカットするのも混んでいるのではないだろうか。

天国と地獄(1963年 映画)

2020-02-27 00:00:01 | 映画・演劇・Video
アカデミー賞を受賞した「パラサイト」のポン・ジュノ監督がインスパイアされた映画と言うことで、「パラサイト」を観る前に観るべき映画らしい『天国と地獄』を観る。1963年の映画だからポン監督は、その時はマイナス6歳である。

tengoku監督は黒澤明。黒沢清監督の父親ではない。無関係だそうだ。「羅生門」とか「赤ひげ」とか殆どの映画が代表作と言っていい。

本作も、巧い。脚本が細かいところまで行き届いているという感じだ。会社役員の権藤(三船敏郎)が会社の中で地位を脅かされている。そして最後の財産の5000万円で、会社の大株主になって反対派を一掃しようとしているさなかに息子が誘拐されるという事態になるが、誘拐犯は役員の息子ではなくお抱え運転手の息子を誤認誘拐してしまう。犯人は医学部のインターンなのだが、そんな適当な男が医者になっても困るわけだ。身代金は3000万円。

そして、運転手のこどもを助けると、自分が経済的破綻に陥るという窮地に追い込まれる。その権藤を助けようと、神奈川県警の警部(仲代達矢)が犯人を追いかけ続けるわけだ。

基本的には、会社役員の裕福な生活と自分の貧乏を比べてインターン生は完全犯罪を計画し、2850万円を手にする。残る150万円は、当時大量に横浜にいたジャンキーの男女を利用するが、合法的に見える手口で殺害してしまう。ところが警部は様々な捜査や解放されたこどもの証言などから犯人を追い詰めていく。そして逮捕寸前に、犯人を泳がせることにする。犯人を死刑台に送るためには罪状が軽すぎるとして、次の事件を犯したところで捕まえようとしたわけだ。結果、彼は違うジャンキーを殺してしまい。逮捕される。現在であれば、殺人事件を犯させてから逮捕するなんてできないわけだ。

ただ、どうも細部ではしっくりしないことがいくつかある。そもそもインターン生は、そのうち医者になって開業すれば会社役員よりも豊かな生活が送れたはずだ。我慢ができないわけだ。なぜ身代金は3000万円であって、5000万円ではなかったのだろうか。

さらにラストの少し前にインターン生が、横浜の街を歩く権藤を見つけ、たばこの火を借りるところがあった。どうも貧富の差をあざけるようなインターン生の特異な性格を表しているそうだが、私には権藤とインターン生が組んだ狂言誘拐ではないかとも疑ってしまった。どうも素直になれない。

パソコンを手放した頃、テレワークとは

2020-02-26 00:00:00 | 市民A
北京の日本人からメールが届く。日本の会社の中国子会社に出向している男性なのだが、どうしているのだろうと思いながら、こちらからメールはしなかったのだが、中国では湖北省、河南省、温州市&台州市(浙江省)の完全封鎖によってピークは過ぎつつあるとのこと。中国を含め世界中が日本の方策や実行力を注視しているようで、五輪ができるかどうか微妙ではないだろうかとの意見。

北京の生活は春節休暇(1/24~30)が2/9まで延長され、2/10からは自宅でのテレワークを余儀なくされているそうで、自宅から買い物(100m)しか行動圏がないものの、約2週間の間に、テレワークの形ができてきたそうだ。パソコンがあればほとんどのことはできるとのこと。

また、人だらけの北京市も一転して戒厳令のような状態で、動いているのは宅配のバイクだけとのこと。普通の店舗や料理店も春節入りから1ヶ月間も売り上げがないことで、キャッシュフローが悪化しているようで、倒産多発が目の前にあるようだ(といっても、先に日本の旅館がつぶれたようだが)。

ところで、東京でも電通が、全社員(5000名)がテレワークになったそうだが、もしかすると、現代の若い人は、パソコンを捨て、スマホやタブレットだけで生活しているという噂もあるし、ワードやエクセル、パワポなどのビジネス用のソフト(アプリ)を持っていないという可能性がある。そもそもカタカナを全部は書けない人が増殖しているそうだ。

思い起こせば、江戸時代の最終局面で、武士が本来の存在価値である刀を振り回す必要に迫られた時、実は金に困っていた武士は刀を質に出し、流れてしまって竹光を差していた者もいたとの映画『たそがれ清兵衛』があった。

破壊された小机城の復元は

2020-02-25 00:00:02 | The 城
小机駅周辺を散策してから小机城に登城する。天守閣のない城なので、目印を間違えないように一応事前に軽く調べておく。実際には有名ではない城は、現地をよく見ないで解説を書く人もいるので、とりあえず参考という程度に頭の中に仮置きする。実際、ちょっと違った。

城の歴史は、15世紀前半に築城され、15世紀後半に関東管領の上杉氏の中で重鎮だった長尾景春が長尾家内部の対立で内紛を起こし、それに乗じて景春もろとも長尾家を全滅させて上杉家のナンバー2になろうとした知将太田道灌が景春派の豊島家の立て籠もる小机城を知略によって攻め立て、小勢ながら大勝利をおさめ、当時の常識だが、捕まえた敵兵を全員殺してしまう。その後も道灌は景春一派を攻め立てて関東から追い出してしまうのだが、残念ながらボスを捕まえることができなかった。

敗れた豊島氏の本来の居城は豊島城という。「としまえん」そのものだが、ついに流れるプールを追い出して、ハリポタと練馬城址公園の姿に戻ることになった(余談)。

そして、今度は上杉家の中に太田道灌の台頭を警戒するグループが現れて、伊勢原市で入浴中に暗殺されてしまう。

まあ、関東の戦国時代は、基本的には生臭い話が多い。

ということで、小机城に関する最大のエピソードは、太田道灌に攻めつぶされたことなのだ。そして、結局、秀吉が北条家を小田原城で制圧し、出城だった小机城は廃城となった。しかし、いわゆる平山城で丘のような小さな山を改造しているので、居住や農耕にはまったく不向きな土地だったようで、最近になって、色々と手が入り、城跡らしい風情を蘇らせている。

とはいえ、小田原城のような立派なものではない。そもそも石垣はない。山の斜面に空堀を掘って、一部を平らにして小屋を建てて本丸と言っていたのだろう。



まず、地図なのだが、二種類の地図が掲示されている。そのうちの往時の想定図。かなり大きい。まず、東西にJR横浜線が走っている。さらに南北に太い点線の幅で示されている帯状のものがあり、これは第三京浜道路だ。世田谷から横浜の三ツ沢まで片側三車線で、その先、横浜新道につながり戸塚のあたりで一般道になる。つまり、元の城跡を鉄道と道路で縦横にカットされたわけだ。現在の城址公園は線路の北側のみで濃い黄緑の部分だ。第三京浜の西側へは東側から道路の切通の下をくぐっていくことができるが、「見るべきものはない」と色々と書かれている。



そして、駅から10分ほどで公園に入るが、城門があるわけでもなく、山道を歩くと竹林が広がる。さらに起伏が多いのだが、柵で区切られた歩く部分は、元々城の空堀だった部分なので、傾斜がきつい。水堀と空堀の違いだが、空堀の方が急傾斜を作りやすく堀に誘き寄せて上から矢を放つという作戦がとられる。よく、秀吉は水攻めが得意と言われるが、そもそも空堀に水を引き込むのは難しい。特殊技術が必要になる。



この空堀を張り巡らせるというのは、5キロほど離れた場所の茅ヶ崎城も同様だ。茅ヶ崎城も城址公園になったが、小机城は、落ち葉が積み重なっていたり土の地面がむき出しになっていたりと、本物風だ。茅ヶ崎城は手入れが行き届きすぎているともいえる。


そして、講演の西端に「日本道路公団」の境界杭が打たれている。その場所から高速道路の下のトンネルまで降りてさらに向こう側で山を登る必要がある。「見るべきものはない」との説が多いが、本当は、鶴見川に面しているのは道路の向こう側。その光景から太田道灌に攻められる感覚を感じてみたいのだが、行くとまた戻らないといけない。



さらに城内では誰一人見かけることはなかったのだが、道路のむこう側の山に、一人の男が腰にタオルをぶらさげ登っているのが見えた。なんとなく、怪しき感じが漂っている。思えば、その入口(=出口)が一か所しかない山に入ることはいつでも合法的に可能なのだが、実際にそこに行く人はほぼいない場所なのだ。考えられるのは秘密資金の隠匿。山のどこかに密かに穴を掘って、5年から10年の間、横領や密売で得た現金や金塊を隠しておくには最適な場所のわけだ。手ぬぐい男は、埋蔵場所の確認に行ったに違いないわけだ。あわてて退散する。下見はしないことにする。

小机駅周辺散策

2020-02-24 00:00:00 | おさんぽ
新型コロナウイルス感染から免れたことになっているダイヤモンド・プリンセス号の陰性乗客が先週19日より順次、自由の身になっている。その方法は、市が用意したバスによって横浜駅などのターミナル駅などで公共交通機関によって好きなところに行ってもらうということ。外国人の方は羽田か成田であろうし、国内遠距離の方は新横浜駅だろうし、近距離の方は横浜駅だろう。たぶん政権に配慮し、東京駅丸の内口というのはないだろう。

横浜で言うと、横浜駅から新横浜駅の間を運行する市営地下鉄が、ホットラインになる。しかも、横浜市が用意したバスを運転するのは、市営バスの運転手さんということだろう。通常は路線バスで広い横浜市内を走行しているはずだ。

ということで、しばらくは横浜、新横浜方面、市営地下鉄、市営バスから遠ざかっておくことにするのだが、そうすると不便なことが多い。そもそも天気が良いのに、マスクをして出歩くのが面倒だし、人混みのないところを探したところ、新横浜の隣の駅のJR小机駅の周辺を散策することにした。ある目的物があるのだが、その前に小机のこと。

実際には、何もない小さな駅だったのだが、新横浜駅と小机駅の間に国際競技場ができたことで、小机駅の価値が出てきた。ワールドカップ日本(+韓国)の決勝戦が行われ、ラグビーのワールドカップが行われ、五輪でもサッカーのメイン会場になる。男子決勝はここで、女子決勝は新国立。

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多くの人は、競技場(日産スタジアム)は新横浜にあると認識しているが、わずかに小机の方が近いそうだ。ところが小机は横浜線の駅で都心部にはつながっていない。東神奈川から八王子まで国道16号線と近いところを通っている。横浜線で東急、小田急、京王などとの接点を利用すれば混雑する新横浜駅よりは早くスタジアムに行けるかもしれない。

で、小机の話の前に横浜線の話だが、この線には日本の近代工業の歴史が隠されている。一つのカギは横浜。輸出港だった。今でも1時間に数本は東神奈川から根岸線に乗り入れていて、横浜の先、桜木町まで乗り換えなしで行ける。一方、横浜線は北に向かっていくと相模原を通り、八王子に到着するが、実はさらにその先に八高線がつながっていて、高崎まで一本の線が通っていることになる。つまりシルクロードになっている。高崎の生糸を横浜へ。そして世界各地に向かっていた。逆にインドの綿花が横浜から北上し、綿工業が北関東に拡大した。国道16号線も同様の陸路だった。


さて、高架の小机駅から地上に降りていくと階段に巨大な看板がかけられている。少しめまいがおきた。

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RUGBY WORLD CUP 2019 JAPAN  2019年9月20日開幕!


チケット情報として、発売日や購入用のチケットサイトのURLが記載されている。今すぐIDを登録しようと書かれている。

なんとなく、いままでの記憶の中では、今が2020年で、妙な疫病が流行していて、半年くらい前に、日本チームにはリーチ・マイケルというラグビーの神様が降臨し、リーグ戦を突破したような記憶がうっすら残っていたのだが、単に長い夢だったのだろうか。疫病にかかって、時間の感覚が狂い、長い長い夢から覚めたところなのだろうか。そういえば駅の回りは田園地帯で畑だらけ。見えている競技場は昭和の東京オリンピックのためだろうか。

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そして、小机には立派な禅寺があった。金剛禅寺という。同様の名称の寺は鎌倉はじめ各地にあって紛らわしいが、由緒のある大寺院である。名物は山門前の駐車場に立つ白い小僧の像。ほうきを持っている。禅寺なので、何か意味があるはず。おそらく山門をくぐる人間たちに、「おまえらは、チリのような存在だ」ということを知らしめるためだろう。「チリ」は小さいが人畜無害。だが「ウイルス」はやっかいだ。見えないほど小さく、ほうきでは退治できない。

岩宮武二 京のいろとかたち

2020-02-23 00:00:02 | 美術館・博物館・工芸品
3月末までの予定で六本木のFUJIFILM SQUAREで、写真家若宮武二展『京のいろとかたち』が開かれている。残念ながらギャラリートークはコロナの影響で中止になった。

kyonoiro1岩宮武二氏(1920年-1989年)の略歴だが、高校卒業後、1938年にプロ野球選手になる。南海というチームで現在の金満球団福岡ソフトバンクのルーツだが、当時は最も貧乏な球団だった。調べると、チーム結成はプロ野球発足から2年経った1938年。つまり岩宮捕手は球団創設時のメンバーなのだ。しかし、捕手というポジションは競争が厳しいわけで、彼はいつまでも2軍であり2年後には写真の勉強を始める。実際、高卒2年でプロ野球を辞めるのは早すぎるような気がする。よほど貧乏球団で給料が壊滅的だったのだろう。

kyonoiro2そして、写真を勉強するも満州に応召され、運よく早めに復員できた。そして、ついに写真店を開業する進駐軍を相手に商売できたのは、体格が良かったからだろうか。しかし、これかた不運が始まる。写真店が全焼。ゆくゆくは個展を開こうと溜めていた写真作品が全焼。さらに結核を患い、3年の闘病が始まり、肋骨7本を失う。

manukanしかし、1954年に『マヌカン』という風変わりな写真がコンテストで受賞したことから、写真家の道を歩んだ。(マヌカンとはマネキンのこと。戦前の日本に現れたのは、人形としてのマネキンではなく生身の人間(女性)がモデルになることで、マネキン嬢はデパートの中で展示品の衣装を着て歩き回っていたらしい。フランス語をそのまま書くとマヌカン=招かん、と聞こえるのでマネキンというようになったそうだ)

岩宮氏が被写体に選んだのが京都の町。大阪に住んでいた彼は、戦災を受けていない京都を何度も撮影に行き、古き日本の造形物や色彩がそっくり残っている京都を溺愛したようだ。今回の展示は、それいらいの京都である。

もっとも展覧会の副題である『日本の美を追い求めた写真家』だが、美を追い求めない写真家、画家の類がいるのだろうかと不思議に思う。

職団戦、コロナにより不参加

2020-02-22 00:00:51 | しょうぎ
4月12日に足立区の東京武道館で開催予定の将棋職団戦、歴史ある団体戦で、出場を重ねていたのだが、締め切り間近に選手は集まったのだが、コロナウイルスのことを熟慮した結果、不参加とすることになった。

理由を列挙すると、
1. ゲームスタイルが対面競技だし、駒は不潔だし、病気がうつりやすい。
2. 東京武道館は狭いし、トイレに清潔感がない。
3. 仮に感染すると、検査、治療、治癒後の自宅待機で3~4週間になり、有給休暇が足りない。
4. 東京マラソンのように、一度参加費を納入すると返金されない可能性が高い(返さない旨の明記あり)
5. 申し込んでから不参加だと、全敗扱いになり降級する。
6. 将棋連盟の体質として、「いつもお世話になっている東京武道館、弁当業者、将棋まつりの存続があやしい東急デパートからの賞品購入、手伝いの奨励会員のお小遣い、棋士の指導という名のアルバイト対局」などの職団戦関連者との関係性を断ち切れず強行開催するのではないかという疑念がある。

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などを総合判断。


さて、2月8日出題作の解答。





要するに、普通に▲3二飛から追っていくと最終手が▲2四歩打の打歩詰になるので、1手ずらす必要がある。

動く将棋盤は、こちら。(Flash版)

GIF版。



今週の問題。



特に1六歩は要らないのだが、詰将棋と船内監禁は短い方が好まれる。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

食パンの高級化

2020-02-21 00:00:00 | あじ
銀座のパン屋といえば8丁目の木村屋が有名だが、「あんパン」の世界の話。対極の1丁目といっても銀座通りではないが、全国に急速に店舗を増殖しているのが「に志かわ」。食パン専門店である。お隣の日本橋で、「にしかわ」と言えば布団店だが、間違えないように、「し」を「志」にしたのだろうか。どちらも白くて手触りや、固さは同じぐらいだが、原料が異なる。綿花なのか小麦なのか。

急激に、店舗を増やして行き詰まる食品店は枚挙にいとまないので、心配になるが、第50店目が昨年、近隣にオープンしていた。



1本(2斤800円+税)を購入する。当店の違いは「水にこだわる」ところだそうだ。水といえば「天然水」とか「富士の湧き水」とか「深層海洋水」とか「水素水」とか色々あるが、こちらは「アルカリ電解水」だそうだ。これを使うので柔らかなしっとりした生地になるらしい。

なぜか考える前に、この電解水だが、とんでもないことで品切れになりそうな予感がある。つまりウイルスを撃退する効果が高いということだそうだ。ドラッグストアの店頭からマスクが消え、アルコールが消え、次に消えるのがこれだろうと言われている。事実、長期在庫品みたいなのが100均に並んでいた。給食用のマスクも売れ残っているようだ。



ウイルスと酵母に関係があるかどうか不明だが、発酵を遅くする効果があるような気がする。そうなると目が詰まった生地ができるだろうと想像できる。

勝手に書いてみたが、まったく違うかもしれない。

実際、購入1日目の夕食は洋食によく合う、味のあるパンということでいい。生のまま食べればいい。

そして二日目の朝食だが、まだトーストにするには早すぎる。これまたシットリ感のある生のパンで食べた方がいい。

三日目の朝食はトーストにする。ミディアムレアに焼けばいい。


問題は栄養バランスだろうか。いわゆる5白といわれる(米、麦、砂糖、ポテト、酒)は健康の敵といわれている。

5白の中のバランスぐらいは考えることができるだろうか。

ターミナル(2004年 映画)

2020-02-20 00:00:52 | 映画・演劇・Video
大黒ふ頭に釘付けになったクルーズ船の乗客に似たような映画はないかと思ったのだが、どうもなさそうだ。アウトブレークに関する映画は『アウトブレーク』というのがあって怖すぎるのだが、監禁映画ではない。「戦場のピアニスト」というのは、ユダヤ系のピアニストが逃げ回る映画だが、誰が敵なのかははっきりしている。事実は小説や映画より奇なり、というのが完成したばかりの大黒ふ頭の客船ターミナル。

terminalということで、むしろ似ているのが映画『ターミナル』。トム・ハンクスが演じる主人公が架空国家クラコージア国から、ある目的でニューヨークのJFK空港に降り立ったところまではよかったが、入国できなくなった。飛行中に母国でクーデターがあって国家がなくなった。自動的にパスポートが失効し、内戦が始まったので、航空便もなくなった。ということで無国籍人となる(つまり、フジコ・ヘミングさんのようなことになった)。

行くところがなくなった彼は、地図上ではニューヨークではありながら、アメリカではない場所、つまりJFK空港の国際線ロビーから動くことができなくなった。そして、英語もたどたどしく、入国審査官からは要注意人物として監視されながら無賃生活を始める。最初は何もかもうまくいかず、25セント硬貨をかき集めてハンバーガーを食べるところから第一歩が始まる。

ただし、社交的な彼は空港の労働者たちと親密な関係を築くことに成功し時給19ドルの空港内建設業という職を得ることができ、服装を一新すると客室乗務員の女性と親しくなることになる。

というような苦難の末、突如、母国の内戦が終り、彼がせっかく築いたニューヨークでの生活基盤も帳消しとなって、本来のNYに来た目的を果たして、母国に帰るわけだ。

荒唐無稽の映画なのだが、驚くことに実話があったそうだ。しかもイラン国籍の難民がシャルル・ド・ゴール空港ターミナル1に住んでいた期間は19年にわたったそうだ。しかもイラン人の方はまったく外交的ではない人物だったそうで結局は精神に異常をきたし、フランス政府が滞在許可を出したことで病院に運びこまれたそうだ。ただし、空港内で稼いだ金で、英国や米国の空港まで旅行をしていたらしい。クルーズ船より自由なような気がする。

クルーズ船監禁やゴーンの高跳びとか、ハリウッド映画のネタになりそうな事件が続いているのだが、五輪でも何か起こるのだろうと、うすうす感じている。

五輪返上した唯一の国

2020-02-19 00:00:22 | スポーツ
新型コロナウイルス蔓延の影響で、微かに「東京五輪返上(中止・延期)」の話が流れている。実際、蔓延しているのは別格の中国を除けば日本だけだ。そもそも湖北省発行パスポートの人と湖北省に2週間前に滞在した人の入国を止めると言い出したのが遅いうえに滞在履歴は本人申告だし、すでに湖北省から流行ははみだしていた。

おそらく全中国国籍滞在者としてしまうと、4月にも予定されている習主席御一行様の日本ツアーに来られる資格者数が主席も含めゼロになってしまうからだろう。

五輪を取るか主席を取るか。こういうのを「二兎を追う馬鹿」というモデルケースなのかもしれない。

ところで、4年ごとの夏季五輪は、かつて三回開かれなかった。いずれも大戦争の時だ。

最初は1916年のベルリン五輪。1914年から1918年まで第一次世界大戦だった。ドイツは当事者だった。この時はIOCが中止を決めた(というか戦争中で開催困難だった)。

次は1940年の東京と1944年のロンドン。夏季五輪の場合は中止になっても開催地は記録に残るので、1940年は東京五輪の一回目となる。つまり今回は第三回東京五輪になる。第二次大戦は1939年から1945年までなので、1944年のロンドン大会は開催不可能で中止になったのだが、日本が真珠湾攻撃を始めたのは1941年の12月だったので、まだ日本国内では戦争になっていなかった。

この1940年大会は1936年に決まったことで、準備は着々と進んでいた。公式的には日中戦争の激化を理由に突然1938年7月(つまり2年前)に開催を返上したとされる。日中戦争は、1937年に始まっているのだが、戦地は中国大陸であった。期間限定の五輪も開けないほど弱体な国力にもかかわらず米国と戦争を始めたことは理解できないので、当時の五輪返上には隠された理由があるのかもしれない。(たとえば軍事秘密の漏洩防止とか)

いずれにしても、今回自分から返上すると「2回も返上した国」とラベルを貼られるだろう。こつこつとウイルス退治を続け、IOC決定という天命を待つしかないだろう。中国の方が先に終息して、「私の方で引き受けましょう」と言い出したら笑えるのだが。


追記:書く場所がなかったので最後に追加するが、1940年には札幌で冬季五輪が開催される予定になっていたのだが、これも東京と一緒に返上している。冬季の場合は中止された都市の名前は記録に残らない。五輪が秋以降に延期されると、たぶんマラソンの札幌開催は消えるだろう。「札幌五輪マラソン」も消える。

シウマイ弁当が届かなかったこと

2020-02-18 00:00:16 | 市民A
大黒ふ頭に着桟中のダイヤモンド・プリンセス号に届けられた崎陽軒の4000個のシウマイ弁当が乗客の口に入らなかった件について考えてみた。

もっとも、私は横浜市民だが、それほどシウマイ弁当は好きではない。シウマイが小さすぎるし、肉の量が少ないように感じている。が、本題とは関係ないので味の話はしないことにする。

話を戻すと、そもそもこの船(の従業員)と外部との連絡の流れだが、複雑なのではないだろうか。私も海運代理店7ヶ所などを営業していた会社の社長だったのだが、外国船(特に不定期船)が入港する時には、その船の運航会社が世界的に有名な総代理店に依頼し、その総代理店が現地の代理店を通して外部と連絡することがほとんどだ。

世界的な代理店というのも、2社寡占状態(W社とI社)で、最終的な現地代理店はユニエックスエーゼンシーという会社(港湾への届出)で、この会社は全国5ヶ所で営業していて横浜では中区に営業所があり、全社員で120名近いが、他の営業所の仕事や違う船の仕事もあるだろうし、人工島である大黒ふ頭には拠点(建物)がないので大苦戦だろうと思われる。

さらに、この船はP&Oという大会社の所有船で、船員もそこで乗船させているだろうが、運航しているのは別のグループの会社(何らかの事情があるのだろう)。つまり、本船のクルーへの連絡には最低2社が間に入っているわけだ。(現場では直接の口頭などのルートがあるだろうが、船内の組織も複雑なのでうまくいかない)

船内の組織だが、一番偉いのは船長だが、船長だけでは何もできない。何しろ乗員は1000人だ。(乗客と乗員の比率が、2.5:1ぐらいが、並みのクルーズ船である。本船もそういう数字だ)

クルーズ船や客船ではない場合でも、船員は航海士と機関士に仕事がわかれ、それぞれの資格によって、階級が与えられる。一級航海士とか二級機関士とか。クルマでいえば運転者とエンジン係がいるわけだ。さらにクルーズ船は、まさにホテルと同様なので、接客専門だったり料理専門だったりエンタメ専門とか別組織になる。機能的にいって分業制度になるしかないわけだ。(もちろん緊急脱出訓練は一緒にやるだろうが、今回はまったく逆。緊急隔離訓練なんかしないだろう。普通の会社と同じように各部門のトップが集まって会議をしているのだろう)

シウマイの件も、船側も理由がよくわからなかったのだろうと思う。「キヨウケン」「シウマイベントウ」。意味が通じたのだろうか。まずいことに、コンビニ弁当と異なり、シウマイベントウは赤いフタの紙箱に入っていて中身が見えないし、まとめて大きな段ボールに入っていたのだろうと想像できる。さらに情報のキーになる乗員が無事ならいいが、入院してしまうと、わけがわからなくなる。

また、乗客からの連絡の多くは申し込んだ旅行代理店を通してだろう代理店から直に運航会社につながっているのかどうかはわからない。自宅に届いているH旅行社からのツアーパンフレットには、この船によるツアーも含まれているが、他社も同様ではないだろうか。情報混乱が起きるのは必然のような気がする。


一方、船内の食の安全性から言うと、罹病したかもしれない船員が調理した手作り料理よりも、コンビニ弁当や駅弁の方が優れている。船内には、大型の焼却炉があるはずなので、もったいないが残り物や容器も安全に焼却することができる。


思えば、大黒ふ頭に仮設の対策本部を建てて、関係者が情報共有する必要があったのだろうと思われるが、すでに遅いだろう。港湾への届け出では20日の17:10出航予定となっているが、延長になるだろう。船内消毒とか、どこでどうやるのだろう。ちなみに建造地は長崎である。

ハワイ州で起きていること

2020-02-17 00:00:01 | 市民A
ハワイ州では今まで新型コロナウイルスによる発症者がいなかったが、2月13日に明らかになったところでは中国湖北省からの帰国旅行者27人がパールハーバーの海軍基地内で隔離されているそうだ。ハワイに到着する14日前までに湖北省にいた人はパールハーバーに隔離されることになっているそうだ。さらに中国の別地域からの旅行者27人がホテルや住宅の中で自主的に隔離状態にいるとのこと。

ところが、事態は14日になり新展開。オアフ島から日本(名古屋)に帰宅した60歳代の男性が感染していたことが判明。時期的にはオアフで感染したか感染状態でオアフにいたかということになるわけだ。アメリカ的な情報公開だと思うが、当日(と言ってもハワイの方が時差で遅いのだが)宿泊先から情報が出ている。

ホテルチェーン系のバケーションクラブがワイキキ海岸とアラモアナの間に所有しているいくつかのコンドミニアム型のタワーの一つに滞在していたそうで、会員やゲストに一般的な注意喚起のレターが発信されている。(後で訴えられないためとも思えるが)

日本帰国後、2月7日に中部国際空港から名鉄の20時07分発の特急で名古屋市内の自宅に戻ったとされるが、オアフ島のダニエル・イノウエ空港から△マークの航空機に搭乗したそうだ。定刻で19時30分着で特急発車までギリギリということもあるし、空港滞在時間は短かっただろう。


一方、このままだと、ハワイでは日本からの観光客は入国禁止または隔離ということになるかもしれないと危惧。とりあえず、観光中に収容が決定されることも考え、14日間の延泊準備をしていった方がいいだろう。

ダゲレオタイプ 記憶する鏡

2020-02-16 00:00:00 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中(~2/23)の『ダゲレオタイプ 記憶する鏡』を観る。

ダゲレオタイプとは、1839年にフランス人ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール氏によって発明された世界で初めての実用的な写真撮影法のことである。むろん、発明者の名前がこの撮影システムの由来だろう。日本語では銀板写真と言われている。銀メッキした銅板に焼くので鏡のような銀板に見えるわけだ。その後の湿板写真と大きく違うのが、画像の白黒。銀板の上に白黒逆(ネガ)に焼くのではなく、そのまま鑑賞できるポジで焼くこと。



ポジの方がいいように思われるが、そうなると複製はできない。1枚だけの写真になる。だから傷が付いたらとりかえしがつかない。そのため、写真はガラスで覆われて額に入れられる。

ダゲレオタイプは当初は露光が10~20分かかったが、その後、数分まで改良され、さらに撮影時の「首抑え」といった拷問器具ができたことで、肖像画にも使われるようになる。



それにしても数分でも体を動かさないというのは辛い撮影だ。


そして、このダゲレオタイプの画像をもとに、エッチングで版画にして新聞紙に載せたりしていたそうだ。

その後、写真の技術は、軍事用に改良されていきスパイが軍事基地に近づいたり、偵察機に搭載されることになる。

小学1年生の発見

2020-02-15 00:00:00 | しょうぎ
小学生の将棋教室で早石田定跡を解説していた。例の王手飛車が登場する定跡。後手番が主に使うのだが、知らないと痛い目を喫する。



それで、12手目に後手が△5五角と打ったところで、先手の手は定跡では▲3七銀。そして△3六飛、▲6六角、△3七飛成、▲5五角、△2八馬、▲同角、△2七飛と打ってはっきりしない展開になるはずだが、小学校1年のある児童が編み出した手が、『▲3九銀!』。オトナには発見しにくい手だ。考えてみれば、その瞬間は歩得で後手だけ角を打ってしまっている。

一例は△3六飛だが、▲3七歩でも▲2七角でも先手が良さそうな気がする。例えば、▲2七角 △2八角成 ▲同銀 △3二飛 ▲6六角(この手を打たずに▲6三角成では、△3八飛打!を食らう)△2二銀 ▲6三角成といった展開だ。

小学生の前で、後手の次の手が見えず、「来週までに調べておきます」と言ったものの、決定打を見つけていない。花見の招待者名簿のように、先週の話はなかったことにするしかないかも。


さて、2月1日出題作の解答。





飛、角、香の効果を生かした図。できれば2筋の守備駒は省きたかったところだ。

動く将棋盤は、こちら。(Flash版)

GIF版はこちら。



今週の問題。



大筋は図面を漠然と見ているとわかるかも。収束が手分かれになってしまう。

判った、と思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します(不正解の解答も歓迎)。