少し前に岩波ジュニア新書『平家物語を読む』を読んで、なんとなくもう少し踏み込んでみようかと思うとともに、琵琶法師の語る平家物語を聞いてみたいと、たぶん無理だろうと勝手読みして書いたのだが、琵琶法師ではないが、琵琶奏者の語る平家物語というのは、実在していることがわかった。というか琵琶を弾く場合、平家物語は定番みたいなものらしい。
そうとは知らず、平家の滅亡に向かう歴史を歩き続けた女性の著作を手に取って読み始めたのだが、著者の上原まりさんは、琵琶奏者だった。祖母の代からの琵琶奏者であるととしかも、平家ゆかりの神戸市出身。さらに、宝塚のスターだった。神戸、琵琶、歌い手ということになれば、平家物語ということになるしかない。実際、youtubeには彼女の「祇園精舎の鐘」の演奏が並んでいて、いつでも聞きたいだけ聞ける。
本書は平家物語の種類とか、成立の秘密にも触れられているが、平家物語の登場人物、それぞれのエピソードが書かれ、それに対応する悲劇の段が挙げられている。さすがに岩波ジュニア新書には書かれていない残酷な事実も、本書では確実に記されている。人物で平家物語を見ると、後白河法皇と源頼朝という二人はとらえどころのない妖怪になっていて、平清盛は、常識の存在しない宇宙人のようになっている。
平家の巡礼というのは、京都六波羅、鹿ケ谷、神戸福原、屋島、壇ノ浦、寂光院といったところだ。個人的には鹿ケ谷と寂光院は行ったことがないが、その他の場所で感じた気持ちは著者とほぼ同じだ。
僧俊寛の悲劇の場所である鬼海島には、いつか行ってみたいような気がする。
そうとは知らず、平家の滅亡に向かう歴史を歩き続けた女性の著作を手に取って読み始めたのだが、著者の上原まりさんは、琵琶奏者だった。祖母の代からの琵琶奏者であるととしかも、平家ゆかりの神戸市出身。さらに、宝塚のスターだった。神戸、琵琶、歌い手ということになれば、平家物語ということになるしかない。実際、youtubeには彼女の「祇園精舎の鐘」の演奏が並んでいて、いつでも聞きたいだけ聞ける。
本書は平家物語の種類とか、成立の秘密にも触れられているが、平家物語の登場人物、それぞれのエピソードが書かれ、それに対応する悲劇の段が挙げられている。さすがに岩波ジュニア新書には書かれていない残酷な事実も、本書では確実に記されている。人物で平家物語を見ると、後白河法皇と源頼朝という二人はとらえどころのない妖怪になっていて、平清盛は、常識の存在しない宇宙人のようになっている。
平家の巡礼というのは、京都六波羅、鹿ケ谷、神戸福原、屋島、壇ノ浦、寂光院といったところだ。個人的には鹿ケ谷と寂光院は行ったことがないが、その他の場所で感じた気持ちは著者とほぼ同じだ。
僧俊寛の悲劇の場所である鬼海島には、いつか行ってみたいような気がする。