ゴルフの中でもパターのこと。ゴルフでもっとも多くの回数使われるクラブが「パター」。
パターの名手「世界の青木」が書いた一冊「必ず5打縮まる・パットの神髄」を読む。世界のシニアツアーを渡り歩く現役プレーヤーが、パターをペンに持ち替えて書いたとは思えないから、インタビューをライターが本に仕立てたのだろう。口でしゃべると当たり前の強気表現でも、紙に書くと傲慢に感じるものだ。
ゴルフのパターでよく言われるのは、上りは強くパターの芯でオーバーするように打ち、下りは芯をはずして距離を合わせて流し込むように、ということ。わかっていてもここ一番の下り1.5メートルなどで、力が入ってさらに往復運動を繰り返したりする。”もっと弱く打つべきだった”と後悔し過ぎて、弱気になり、今度は手前でストップする。手前でストップするのでは、どうやっても入らない。本書によれば、ショートしたパットは100年待っても入らないそうだ。
さらに、下りに加え、芝目の葉先がカップの方に向っているような順目の局面では、傾いたガラスのように微妙なタッチになる。手にはめていたグラブを脱ぎ、殻の薄いタマゴを転がすような技が必要になる(そんな技は持っていないが)。
しかし、・・・
おそらく、現役プロでは一番パットが巧いといわれる青木功によれば、
「下りの順目は強く打て!」ということになる。
バックスイングなどとらずに、ボールの芯を「パシッ」とパターの芯で打てばいい。小さめできついグラブをしたまま、直線的なラインで強く転がせば入る。
ということになる。長嶋茂雄のバッティング論みたいだ(来た球をバシッと打てばいい)。
説明としては、”強く打てば、曲がらない”ということだそうだ。
”芝の堅さは、ボールを置いた時にわかる”とも書いてあるが、それってルール違反じゃないかと思うが、芝面を触って調べたらいけないのだが、感じ取るのは違反じゃないということだろう。
そういうことが、数多く書かれている「強気ゴルフ」の本なのだが、それは青木功がプロだからだろうと思えるわけだ。パットを確実に二打ずつで入れていても、トーナメントでは優勝できない。1回優勝するのと10回10位になるのでは賞金は天と地なのだから、1パットのチャンスがあれば、リスクを追っていくのが当然の選択になる。投資銀行のトレーダーのボーナスと同じだ。失敗してもリスクなし、成功したら億万ボーナスということだ。
だから、技術が中途半端なアマチュアがマネをすると、・・・
実は、読んでからしばらくして、実戦でマネをしたのだが、
”無理”
まったく無理である。入る予感がない。
私は、ただの凡人だからだ。
ところで、本書の中で青木は、「パターがショートするようになったら、引退する」と豪語している。「届かなければ、入らない」というのを、英語で言えば、
「 Never Up , Never In . 」
と、言うのだが、知ったふりして、外国人シニア男性(&女性)がいるところで、口にしないように。
別の意味があるから。