三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

バイバイ、ブラックバード<伊坂幸太郎>

2013-05-10 11:09:31 | 
バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
伊坂 幸太郎
双葉社

 

 

 久々の伊坂さん。

 痛快、軽快、ニヤリニヤリでした。

 

 とりあえず太宰治の『グッドバイ』も読みたいと思います。

 

 

 

 

 

 以下、ネタバレあり!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 五股男の星野ちゃんと怪物みたいな繭美が、何故か愛おしい。

 

 

 

 

 

 しかしあのラスト、なに???!!!

 『ココで話が終わった』 って認識した瞬間、息を飲んでしまいました。

 そりゃあ全ての答えが提示されない良さってのもあると思うけどさぁ。

 もっと繭美ちゃんと星野君の絡みを読んでいたくて、しかもこれからその関係性(あるいは繭美の人間性)に変化が訪れそうな所で唐突に終わっちゃったから、ちょっと置いてかれた感があったかも。

 いずれにせよ、設定は酷い話のはずなんだけど、なんだかほっこりしてしまうようなお話でした。

 

 

 

 

 この話もいずれ映像化されるのかもしれませんが、その場合は繭美のキャスティングを原作に忠実に、細身の美人は不可でお願いしたいものです。


鹿男あをによし<万城目 学>

2013-03-21 11:18:29 | 
鹿男あをによし
万城目 学
幻冬舎

 

 

 

 万城目ワールド全開でございます。

 ホルモーよりバカバカしくなくて、でもとんでもない世界観でございます。ぷぷ

 でも奈良にいる鹿なら、もしかして喋ってもおかしくないかも。

 奴らはなんだかふてぶてしいのであります。

 

 

 赴任当初の頃を読んでて、なんだか夏目漱石の『坊っちゃん』ぽいなと思ったら、解説で児玉清氏もそう書いておられました。

 もちろん私なんかより、よっぽど深い読み込みで。

 ですよねー、やっぱりアレは漱石ですよねー、と思った人がたくさんいたに違いない。

 なんか一々あだ名付けるととこか、文体とかも何となく漱石です。

 

 

 さてもう内容については今更なので、何も言いますまい。

 ドラマも時々見ていたので、あら藤原君は女じゃなかったのねーとか、いきなり鹿化するんじゃないのねーとか。

 万城目作品の映像化では、どうも和み系的天然の男性役を、綾瀬はるかちゃんにあてがわれるのね(笑)

 またドラマも見たくなりました。

 そして奈良に行きたくなりました。

 鹿せんべいは本当に旨いのだろうか… 


僕は長い昼と長い夜を過ごす<小路 幸也>

2013-02-28 12:50:48 | 
僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ文庫JA)
小路 幸也
早川書房

 

 

 

 久々にハマる本と出会えた。嬉

 

 小路さんなので、文章の柔らかさと温かさは大丈夫だろうと思ってたら、外れませんでした。

 なんか不穏だしミステリーなのに、みんな優しいの。

 あんまりハラハラしなかったのは、ナタネ氏の安心感がデカすぎるんでしょうな、やはり。

 

 

 以下、ネタバレあり!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 50時間起き続けて、20時間眠り続けるっていうのは、どんな感覚なんだろう。

 さすがに普通にサラリーマンはできないよな。

 雇ってもらえなさそう。

 それだけできっと孤独だろうなぁ。

 生きていくの大変かも。

 まぁでもずーっとそうやって生きてきたなら、メイジみたいに飄々となんてことないって感じで生きていけるのか。。。

 

 

 ところで結局お父ちゃんを殺した犯人は分からず仕舞いって事なのね?

 メイジが昔見た怖い夢が現実だったなら、もしかするとメイジが殺したのかもしれないし。

 森田製作所の3人のうち、誰かが殺したのかもしれないし。

 もしかすると本当に強盗なのかもしれないし。

 それはメイジ達がそれぞれ抱えたまま、生きていくって事なのかしら。

 それとも読み込めば、誰が殺したか分かるのかなぁ。。。。

 でもそこの謎解きは、この物語において重要じゃないんだと思う。うん

 

 

 ナタネ氏とメイジの繋がりがああだったとは。。。

 たったアイスキャンデー一口だったけど、ナタネ氏にとってはそこから人生が変わったんだよねぇ。

 命をかけて守ろうって思うくらいに。

 刺されたナタネ氏の語りには、思わずホロリとしてしまいました。

 イイなー、ナタネ氏みたいな人どっかにいないかなー。

 リローとして関係が続いてるのもイイ。むふふ

 

 バンさんはメイジを裏切ってなくて、良かった。

 なんか出番少ないけど、イイヒトであってほしかったのよねー。

 安藤君も、イイ奴だったし。

 

 きっと彼らは大ヒットゲームを作って、森田製作所も立ち直って、未来は明るいよね。

 そう思います。

 あー楽しい話だった。


みんな邪魔 <真梨 幸子>

2013-02-14 09:21:13 | 
みんな邪魔 (幻冬舎文庫)
真梨 幸子
幻冬舎

 

 

 

 真梨幸子祭でございます。

 このダルさが読みやすいのであります。

 あんま後引かないし。

 

 この本、単行本では 『更年期少女』 ってタイトルだったとか。

 そっちの方がしっくりくるし、インパクトあるよねぇ。

 なんで変えたんだろ?

 イタすぎた?

 

 

 以下、超ネタバレあり!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうかー、ガブ様は男だったかー。

 やられた。

 てっきりバーのママがガブだと思ったんだけどねぇ。

 少女趣味のマダム達だから、あまりに綺麗なガブ様(女性)に心酔して、恋心にも似た思いを抱いてるんだと思ってたよ。

 まぁそれにしちゃちょっと激しいと思ったんだが。

 

 しかしガブ様男だと分かって読み返すと、ランチの時に太ももに手を置いたり、やりすぎだべ。

 マダム達の心境の変化とか関係性をひっかきまわしたくて、わざとやってたみたいだけど、やりすぎたねぇ。

 だから殺されちゃうんだねぇ。

 少女趣味のマダムをなめたらイカンぜよ。はは

 

 犯人はマルグリットだったわけだよね?

 でもホントに怖いのは、結局はエミリー?

 最初は被害者だと思ってたけど…

 『みんな邪魔』 だったのはエミリーだったの?

 それともどもマダムも…?

 

 


殺人鬼フジコシリーズ <真梨 幸子>

2013-02-13 12:24:28 | 

 インタビューインセル読んで以来気になって、一気に2冊再読しちゃった。むふふ

 

 以下、ネタバレあり!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やはり続けて読むと、人物関係が把握しやすい。

 

 えーとどれどれ…

 

 

 茂子はフジコを引きとった叔母さんですね。

 ほんで下田健太は茂子の実の息子。

 って事はフジコとは従兄弟…かと思いきや、フジコは茂子の実の娘だから、姉弟か。

 なるほど、殺人者の血は茂子の血って事なのかしらん。

 

 あれでもその殺人鬼フジコを操ってたのは茂子って事は、実の娘を殺人鬼に仕立て上げたって事か?

 茂子こえぇー。

 健太も同じくなのかな。

 なるほど茂子は自分の思い通りに事を運ぶ為に、実子を殺人者にするような人って事か。

 こえぇー。

 

 しかしその茂子をも超えたのが、みっちゃん@高峰美也子なのね。

 隔世遺伝か。

 

 『殺人鬼フジコ~』 の方で、ラスト数行で書かれてた美也子の体の一部が発見されたって記事。

 あれは健太に犯された時、削がれた指と耳だったのねぇ。

 ほんでみっちゃんは健太の姪って事になるけど、これってタブー?

 叔父と姪って、タブー感薄いけど。

 

 

 それにしてもやっぱり、村上さん(だっけ?)が一番無関係で可愛そうでシタ。

 

 

 

 


かのこちゃんとマドレーヌ夫人 <万城目 学>

2013-01-29 13:33:11 | 
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)
万城目 学

角川書店(角川グループパブリッシング)

 

 あぁなんだか久しぶりに、優しい優しいお話を読んだよ。

 沁み入るようなお話でした。

 万城目さんってば、こんなお話も書くのですね。

 

 最近は、日本語が荒れてない(と私が感じるだけですが)本に出会うだけでも一苦労な中、このお話ってば言葉も優しかった。

 流れるような日本語でしたよ、あくまで個人的にですが。

 ウ○コ柱とか言っちゃってても、ね。

 

 

 以下、ネタバレあり!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 作家さんというのは、本当にすごい。

 書いてるのは妙齢のおっちゃん(失礼)のはずなのに、描かれている世界のなんと瑞々しい事か。

 かのこちゃんの好奇心でキラキラした毎日が、眩しいったらないです。

 すずちゃんとのやりとりとか、微笑ましいし。

 

 猫のマドレーヌ夫人も、これまたステキです。

 とても品があって 『夫人』 と呼ばれるにふさわしい。

 

 玄三郎とのお別れはあっさり書かれていたけれど、本当に悲しかった。

 公共の場所で泣きそうになったよ。

 でもマドレーヌ夫人が、夢の中かもしれないけれど、玄三郎に恩返しできて良かった。

 お肉は夢だったかもしれないけど、空き地のシートがめくれたのと、玄三郎のご飯が柔らかいタイプになったのとすずちゃんをお祭りにつれていけたのは現実だったし。

 

 それにしてもマドレーヌ夫人は、本当にどこかへ行っちゃったのでしょうか。

 わたしもかのこちゃんと一緒に、もう少し待っていたいと思いました。

 

 

 


公開処刑人 森のくまさん <堀内 公太郎>

2012-12-24 18:04:37 | 

軽やかさと残虐さの組み合わせが良いんでしょうな。

ただ…日本語の使い方が、時々気持ち悪いんだよねぇ…

 『歯の根が合わない』って、歯がガチガチ鳴る状態だよねぇ…靴下を口の中に詰め込まれて『歯の根が合わない』って、うーん、私的には気持ち悪いのですよ。

 お話以前に、そこで引っかかっちゃったよ。

 

 

 ストーリーとか展開はキライじゃなかったけど…

 

 どうせなら処刑シーンはもっと残虐でも良かったような…

 いや、あれくらいがちょうどイイのか…

 

 『森のくまさん』 の歌と殺人の組み合わせってゾッとするし、映像化したらハマりそうですな。

 

 

公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

堀内 公太郎
宝島社

SOSの猿<伊坂 幸太郎>

2012-12-17 11:38:50 | 
SOSの猿 (中公文庫)
伊坂 幸太郎
中央公論新社

 

 記念すべき、今年100冊目に選んだのは伊坂さんのコレ!

 ちょっと前に買ったけど、100冊目にと思って温めてたのだー。

 

 しかしまぁ、にんともかなりオカシげな話でありましたなぁ。

 なんじゃーこーりゃー、っていう。

 競作(?)の五十嵐大介氏の 『SARU』 も気になるところであります。

 

 

 以下、ネタバレあり!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 うーんなんだろ、ホントに不思議だった。

 なんで孫悟空?!みたいな(笑)

 

 『私の話』 と 『猿の話』 が交互に展開されるわけですが、前半の 『猿の話』 は遠藤君達に向けて話されていた、孫悟空の予知話って事だったのねぇ。

 その認識でもって、もう一度読み返したい。

 

 田中氏(中田氏か)の隣の部屋で起こした騒ぎが、株の誤発注に繋がるというのは、いくらなんでもデキすぎだと思う。

 なのでやっぱりあれは、眞人君の中に孫悟空が居たんだと私は思う。かな。

 先を見通せる力を持った孫悟空だったからこそ、あの部屋で騒ぎを起こすことを思いついたっていうか。。。

 

 

 

 変な話だったなぁー、という印象が強すぎて、今のところ私の中で伊坂作品の上位ではないですが。

 何度も読み返したら、また違う味わいがありそうな気がします。

 スルメ的な・・・

 

 

 

 


ペンギン・ハイウェイ<森見 登美彦>

2012-12-16 10:39:16 | 

なんだこれは…

ずっとずっと、楽しい感じでお話が続いてたのに…

 

最後のページを読んだら、涙が出てきた。

泣かない事に決めているアオヤマ君の代わりに、涙が出たみたい。

 

森見さん、こんな話も書くんですね…

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

森見 登美彦
角川書店(角川グループパブリッシング)

るり姉 <椰月 美智子>

2012-12-13 12:51:53 | 
るり姉 (双葉文庫)
椰月 美智子
双葉社

 

 

 軽やかで素敵なお話でした。

 出てくる人が、みんな優しい。

 そうそうチャック開いちゃうよね、と共感した女性はどれほどいるのでしょう(笑)

 

 

 以下、ネタバレあり!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もぅ、るり姉が死んじゃうと思って、哀しくて悲しくて。

 闘病の一章のあとお話が過去に遡るのも、思い出をたどっているようで悲しくて悲しくて。

 

 と思ったら回復してたんかい!!(泣き笑い)

 

 良かった。

 

 都合が良すぎるかもしれないけど。

 闘病部分は書かれていないわけだし。

 キレイすぎるかもしれないけど。

 

 でもるり姉生きててくれて良かった。

 ほっとしました。