かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫) | |
万城目 学 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
あぁなんだか久しぶりに、優しい優しいお話を読んだよ。
沁み入るようなお話でした。
万城目さんってば、こんなお話も書くのですね。
最近は、日本語が荒れてない(と私が感じるだけですが)本に出会うだけでも一苦労な中、このお話ってば言葉も優しかった。
流れるような日本語でしたよ、あくまで個人的にですが。
ウ○コ柱とか言っちゃってても、ね。
以下、ネタバレあり!!!!
作家さんというのは、本当にすごい。
書いてるのは妙齢のおっちゃん(失礼)のはずなのに、描かれている世界のなんと瑞々しい事か。
かのこちゃんの好奇心でキラキラした毎日が、眩しいったらないです。
すずちゃんとのやりとりとか、微笑ましいし。
猫のマドレーヌ夫人も、これまたステキです。
とても品があって 『夫人』 と呼ばれるにふさわしい。
玄三郎とのお別れはあっさり書かれていたけれど、本当に悲しかった。
公共の場所で泣きそうになったよ。
でもマドレーヌ夫人が、夢の中かもしれないけれど、玄三郎に恩返しできて良かった。
お肉は夢だったかもしれないけど、空き地のシートがめくれたのと、玄三郎のご飯が柔らかいタイプになったのとすずちゃんをお祭りにつれていけたのは現実だったし。
それにしてもマドレーヌ夫人は、本当にどこかへ行っちゃったのでしょうか。
わたしもかのこちゃんと一緒に、もう少し待っていたいと思いました。