先日行われた朝鮮の最高人民会議で
最高人民会議外交委員長に李洙墉（リ・スヨン）氏が選出されました。
＜朝鮮最高人民会議第１３期第５回会議＞
（朝鮮中央通信日本語版 2017年4月11日）
http://www.kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf
金正恩氏が出席 北朝鮮で最高人民会議が開催(17/04/12)
最高人民会議は国会に相当する立法機関で、
外交委員会は１９年前に廃止されていました。
朝鮮憲法には、このような規定があります。
第98条
最高人民会議は、法制委員会、予算委員会などの部門委員会を設置する。
最高人民会議の各部門委員会は、委員長、副委員長、委員で構成する。
最高人民会議の各部門委員会は、最高人民会議の活動を支援し、
国家の政策案と法案を作成、または審議し、執行のための対策を講じる。
最高人民会議の各部門委員会は、
最高人民会議の休会中に最高人民会議常任委員会の指導のもとで活動する。
韓国の新聞「中央日報」の記事によると、
「北朝鮮の外交委員会復活は、党（国際部）、
内閣（外務省）とともに憲法上国家主権の最高機関である
最高人民会議でも外交問題を扱いながら
他国との議会外交を念頭に置いたものとみられる。」
とのことで、これまでとは別の外交チャンネルをつくる、
という意味合いがあるのでしょうか。
＜北朝鮮、最高人民会議に外交委員会が復活＞
（中央日報日本語版 2017年04月12日16時49分）
http://japanese.joins.com/article/995/227995.html
最高人民会議外交委員会の委員長となったリ・スヨンは元外相。
朝鮮労働党中央委員会副委員長で、党の外交担当の国際部長でもあります。
昨年の党大会で書記局（秘書局）は廃止され、
委員長と副委員長で構成する政務局が新設されました。
第一書記が委員長に、書記が副委員長に変わっただけ、
ということもできますが。
また、リ・スヨンは朝鮮の最高政策指導機関である
国務委員会のメンバーの一人です。
李外交委員長は、外相時代の２０１５年、
国連総会でアメリカに平和条約締結を提案しています。
＜北朝鮮外務相 国連総会で米国に平和条約締結を提案＞
（スプートニク 2015年10月02日）
https://jp.sputniknews.com/politics/20151002980981/
リ・スヨンを党だけでなく議会の外交担当に据えたことは、
アメリカとの平和協定を求めるというシグナルなのかもしれません。
＜北朝鮮がアメリカに平和協定要求――新華網は2015年10月18日にすでに報道＞
（ニューズウイーク日本版 2016年2月22日）
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/02/20151018.php
現在、朝鮮の対外的な国家元首役を務めるのが、
金永南最高人民会議常任委員長です。
金永南氏、非同盟会議へ ベネズエラ開催
金永南は外交畑を歩み、国家元首格になるまで外相を務めていました。
１９９８年に憲法が改正され、国家元首格として再設置された
最高人民会議常任委員長に就任しました。
金永南は現在８９歳。
もしかしたら、金正恩委員長のスイス留学時代の「後見人」だった
リ・スヨンがポスト金永南の国家元首格になるかもしれません。
朝鮮のことですから突然の解任があるのかもしれませんが、
リ・スヨンの動きに注目します。
| Trackback ( 0 )
|
|
おすすめブログ
@goo_blog
