Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

「徳川の平和」を鑑賞して

2016-11-03 22:21:04 | Weblog

 11月3日は、平和と文化を重視する日本国憲法が公布された日で「文化の日」と定め祝日が制定された。これだけでは何故「文化の日」としたのか納得できないが、国は「文化勲章」等の叙勲が行ない、また文化的行事が行われる日となっている。私にとって静岡で一番文化的匂いを感ずるところは、静岡鉄道の県立美術館前駅から欅並木のプロムナートロードを通って県立大学や図書館、美術館に通ずる箇所だと思っている。ここは有度山の北側の樹木が多い丘陵地にあり、文化的施設が樹木の中に佇んでいる。丁度この時期、県立美術館では「徳川の平和」と題し江戸絵画の展示が行われている。この道を歩いて展示会を見に行った。

 駅に降りたのは午後1時30分ごろであった。祝日とあって子供ずれの夫妻や、中高年の人達がゆっくりと歩いていた。欅通りの道から少し林に入ると静かな別世界が広がっていて小鳥のさえずりも聞こえていた。少し遠回りしてから県立美術館に着いた。室内にある椅子に腰かけ10分ほど休んでから展覧会場に入った。

 250年続いた江戸時代は平和であり文化も栄えた時代であった。それは戦国時代を終わり、すさんだ世相から平和を実感していく時代でもあり、鎖国とは言え中国明、清の文化が色よく反映されていた。またオランダを通じて西洋の文化が入ってくる時代でもあった。そして開国によって江戸幕府が終わろうとする時期は、絵画にも不安な気持ちが映し出されていた。約2時間ほど掛けて見たが。江戸初期は御用絵師、狩野派のグループが力強い画風を広めたこと、その後は民間の個性が際立った絵師達が活躍した時代は柔らかな画風に変わっていったこと、これらは絵師達が時代の変化を受け、それが画風に表わしていったことがよく分かった。中でも江戸中期の画風は自然豊かな中で人々が生活する様子は喜びと安堵が手に取るようにわかった。私自身絵画を鑑賞し享受できるような人間ではないが、その時代時代の絵師たちが、どのような気持ちで絵を描いたのか考えることができた。今日は文化的時間を過ごすことができた一日となった。

 話は変わるが「文化の日」は、1946年11月3日で日本国憲法が公布された日である。そして「憲法記念日」は1947年5月3日日本国憲法が施行された日で祝日となった。私は、公布された日は「憲法記念日」であり、施行された日が「文化の日」の方が合っているように思う。しかし戦後祝日が制定されたとき統治していたGHQの意向が反映されたものという。これ以外にも「建国記念の日」や「勤労感謝の日」は、それぞれ「紀元節」「新嘗祭」であった。戦後70年も過ぎた今、祝日の意味を確認すべき時ではないかと思う。