ピアノ教室で、「トロイメライ」の曲に挑戦している。譜面は多少アレンジはあるものの原曲に近いものであった。今年の4月先生にこの譜面を見せ練習したいというと「貴方には難しすぎるので、もっと易しい曲にしたらどうですか」を云った。私は直ぐ「頑張るので何とかこの曲に挑戦させてほしい」と無理やり承知してもらった。ドイツの作曲者シューマンの作品で、A-4一枚のやや短めの曲で、そこにはTranquillo(♩=60)とあり、ゆっくりとした旋律は、静かで心が洗われるような曲であった。自分なりに半年ぐらいで弾けるようにしたいと思った。
それなりに努力したなら可能だったかもしれない? しかし半年以上たった現在も、のつこつとした状態で、曲のイメージとはとど遠い音しか表すことができないでいる。具体的に言うなら譜面を見ながら右手は弾けるものの両手で弾くと何の曲かわからない状態である。それでも来年末ぐらいに予定されている発表会までには時間があるからと高を組んでいた。
しかし11月24日の稽古の時、先生から諦め気味に「この状態では発表会までに間に合うか心配です。この曲を諦めて、もっと易しい曲に変えたらどうですか。次回までに別の曲を持ってくるのでその中から選んでください」と言われた。未だこのような状態であり、先生はさじを投げた感じであった。それに対して私は何も言えなかった。その日は、云われたことにショックで、それから約一週間は、必ず1時間程度ピアノの前に座り弾いてきた。そして左手だけなら♩=50ぐらいで弾けるようになった。しかし両手で弾こうとすると、めちゃくちゃな音になってしまっている。それでもこの曲を諦めたくないと思う。
しかし流れは、先生が言う通り、易しい曲を次回から練習することになると思う。そして発表会ではその曲を弾くことになるかもしれない。不本意であるが、そのようになると思う。そこで先生には内緒で、これからも独自に練習し「トロイメライ」を弾けるようにしたいと思っている。完成までにもっと時間はかかるかもしれないがやり遂げたい。そして「トロイメライ」の意味を調べた。 ≪シューマンは「子供の情景」なる13曲からなるピアノ曲集を書いた。その中の7曲目で、「夢」を意味する題名を持った小曲は、美しい親しみやすい旋律ゆえに、曲集の中でもとりわけ有名となっている。素朴な外見にもかかわらず、不規則な拍節法など、特有の複雑な書法も見られ、高度な内容をもった音楽である≫とあった。 難しい曲のはずであった。