4月6日K総合病院で手術を受けることになった。これは昨年1月胃の内視鏡の手術のとき全身のCT検査で異常らしきものが見つかった。それは大したことでないと思ったが、その後定期的観察期間を経たのち11月に腫瘍であると言われ、今年1月手術が行う予定であった。そのとき医師に話したのは「2月に、どうしても行わなければならないこれがあるので、それが過ぎるまで手術を延期していただけないか」ということであった。それはすぐ了解されたが、その後も体調が悪くなることもなく普通に生活してきた。その手術する部位は、声に影響を及ぼすところであり出来るなら手術をしないで済ますことができないかと思っていた。しかし病院は手術に向け進められ3月17日予定通り全体の検査が行われ、手術の日程が決められていった。
この17日の段階で一縷の望みを託し、医師にセカンド・オピニオンを受けたいことを話した。医師にすれば、今になってなんてことを言うかと、あまりいい気持ちでなかったのか「手術を取りやめますか」と話したが、私は「手術の日は確保していただき、気持ちを整理するためセカンド・オピニオンをお願したい」と話した。そのことは何とか承知してくれ、S総合病院でセカンド・オピニオンを受けることになった。3月29日指示された午前10時30分にK総合病院から預かった資料を持ってS総合病院に行った。
受付を済ませ30分ほど待つと、診察室に呼ばれた。男性の40代後半の立派な医師であった。彼は事前に預かった資料を見たり、またDVD画像に映された部位を確認しながら言った。「腫瘍の部位は、大きくはないが今手術によって摘出することを良いと思います。貴方の年齢から、今なら手術はできますが、より高齢になり部位が大きくなったり、体力的に大変になりますので今の手術を勧めます」と話した。そして声が嗄れることについても聞いたが「これは人によって違いますがその影響はあります」といった。このことが一番心配であったが、医師は、貴方の年令から声が嗄れることを心配することはないでしょうといった感じで話した。
病院を出たときの足取りは重かったが、手術はやむ負えないという気持ちになっていった。そして仮に声が嗄れたり出なくなっても仕方ないと思った。長い間歌うことで楽しい思いをさせてもらった。今後も続けられるかダメになるかもしれない。しかし考えてみれば、今までが恵まれすぎたのでないかと思う。手術によってどのようになるかはわからないが、いかなる結果になろうともそれに従っていこう。