Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

オペラ「タンホイザーの大行進曲」から

2019-07-10 18:17:29 | Weblog
 オペラ「タンホイザー」は上演時間が3時間以上となる大作である。ワーグナーは、幾つかのオペラを書いているが、演奏時間が長く、複雑な内容のものが多いと聞く。このオペラもドリスデンの宮廷歌劇場で初演したときは、聴衆の反応は冷淡であったと云う。しかし、彼の音楽性は素晴らしく上演のたびに、聴衆を陶酔させていったとある。素人の私が言うのも奥がましいが、同時代に活躍したイタリア人ヴェルデーの曲は分かりやすく感ずるが、ドイツ人のワグナーの曲は、何故か分かりにくいと云うのが印象である。

 今度オペラ「タンホイザー」の2幕で歌われる「大行進曲」を、8月4日グランシップで混声合唱で歌うが、今回の曲目の中で、一番難儀の曲である。それはさて置き、今回、オペラ「タンホイザー」について調べた。このオペラは、全3幕で構成されていて、序曲、第2幕のエリザベートのアリア、「大行進曲」、第3幕のヴォルフラムのアリア「夕星の歌」は、独立してよく歌われている。

 このオペラのあらすじは、《中世ドイツでは、吟遊詩人として歌う習慣が騎士たちの中でもあった。騎士のタンホイザーは、領主の親族にあたるエリザベートと清い愛で結ばれていたが、ふとしたことから官能の愛を望むようになり、愛欲の女神ヴェーヌスが棲む異界に赴き、肉欲の世界に溺れていた。あるとき夢の中で故郷を思い出し、この異界から離れることを決意する。 第1幕 異界を脱出したタンホイザーが、故郷を歩いていると領主ヘルマンや親友のヴォルフライと会い彼が帰ってきたことを喜ぶ。そこで、昔のように領主の下で働くことを勧められるが、官能の世界に溺れたことを思い拒否するが、ついに説得される。 第2幕 帰ったその日は丁度歌合戦が開かれ、騎士たちは、女性に対する奉仕愛を歌うのに対して、タンホイザーはヴェーヌスを讃える歌を歌い、騎士たちは彼を諫める。領主は彼を追放処分とし、ローマに行き教皇の赦しが得られれば戻っても良いと諭す。タンホイザーはローマ巡礼に加わることにする。 第3幕 エリザベートは、タンホイザーが赦しを得て戻ってくるよう毎日マリア像に祈り続ける。丁度ローマからの巡礼の団体が戻ってくるが、その中にタンホイザーの姿はなかった。ついにエリザベートは、自らの死を持ってタンホイザーの赦しを得ようと決意する。一人残ったヴォルフラムの前に、疲れ切ったタンホイザーが現われ、ローマ教皇から「永遠に救済させない」と告げられたと言い、再度愛欲の女神ヴェーヌスの所に戻ろうとする。そこにエリザベートの葬列が現われる。我に返ったタンホイザーは、エリザベートの亡骸に寄り添い息を引き取る。そこへ、ローマ教皇からの特赦が下った知らせが入り幕となる。》

 このオペラは、我欲の快楽から抜けだそうとするが、その過程で恋人や友人達を巻き込み最後は死んでいくと云う悲劇である。すっきりしない内容であるが、私達が歌う「大行進曲」は、領主の前で歌合戦に参加する騎士や淑女たちが領主を讃え行進する歌となっている。この情景を意識して歌いたい。

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