ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

コステロ&トゥーサン

2006-06-01 14:32:27 | ルーツ・ロック
ELVIS COSTELLO & ALLEN TOUSSAINT / THE RIVER IN REVERSE

5月31日に、渋谷タワーレコードへエルヴィス・コステロとアラン・トゥーサンの
サイン会に行ってまいりました。

まず3階で2人のコラボ・アルバム「ザ・リヴァー・イン・リヴァース」を購入。
そして地下の会場へ入り待つことしばし、で、お待ちかねの2人が登場!

2人ともアルバム・ジャケットの写真のような黒のスーツでバシっと決めて、
コステロは同じ飾りの付いた帽子も被っていました。

最初に短いスピーチが有ったものの、残念ながら演奏は無しで、純粋なサイン会でした。
私もドキドキしながらサインを貰い、英語はしゃべれないのでただ「サンキュー」のみ
言って帰って来ました。写真がそのサイン入りCDジャケです。

コステロは流石にロッカー的な毒の有るオーラを発していましたが、トゥーサンは
常に優しそうな良い人って感じでした。もちろんコステロも常に笑顔で優しそうでしたけど。


さて、このアルバム「ザ・リヴァー・イン・リヴァース」です。
もちろんカトリーナ被災後に録音された、2人のニューオーリンズに対する思いが
結実したアルバムです。プロデューサーは最近トゥーサンも参加した
「I BELIEVE TO MY SOUL」をプロデュースしていたジョー・ヘンリー。

第一印象では、1曲を除いて全てのリード・ヴォーカルがコステロなこともあり、
思ったよりコステロ色が濃厚で、ゲストにアラン・トゥーサン的な感じを受けましたが、
何回か聴いているうちに、トゥーサンのピアノが強烈に耳に残りだし、
曲もタイトル曲こそコステロ作でありながら、残りはトゥーサンの往年の名曲と、
トゥーサンとコステロの共作で占められてるし、なるほどコラボだなと納得しています。
ただ欲を言えば、2人のデュエット的な曲も聴きたかったな~と。

で、気になる曲目ですが、まず目を惹くのが「ASCENSION DAY」。
アラン・トゥーサンのピアノをバックにコステロが一人で唄うんですが、
これが素晴らしい!酒場的でブルージーな雰囲気が心に染みます。
作曲者には2人の他に今は亡きROY BYRD(プロフェッサー・ロングヘア)の名も。
言わずと知れたニューオーリンズ・ピアノの巨匠です。
この曲は彼の名作「TIPITINA」の改作ですよね?
私は勝手にそう解釈して感動していますが、違ってたらごめんなさい。
(そういえば、この曲のインスト・ヴァージョン的なものが、名コンピ
「OUR NEW ORLEANS」に「Tipitina And Me」として入ってますね)

そしてアラン・トゥーサン的、ニューオーリンズ・ファンクがカッコ良い2曲、
「TEARS,TEARS AND MORE TEARS」「WHO'S GONNA HELP BROTHER GET
FURTHER?」はリー・ドーシ-が歌ったアラン・トゥーサン作のファンキーな名曲です。
オリジナルはかのミーターズがバックを務めていたそうです。
本作では、オリジナルのような強烈な「もっちゃり感」はなく、前者はわりとロック的、
後者はトゥーサンらしいアダルトなニューオーリンズ・ソウルな感じです。
ちなみにこの後者が本作で唯一のトゥーサンによるリード・ヴォーカル曲です。
優しくてまろやかなコクの有る声が素晴らしいです。もっと歌って欲しかった…。

とは言え、「NEARER TO YOU」や「FREEDOM FOR THE STALLION」といった
トゥーサン作のスローナンバーを歌うコステロも流石に素晴らしく、
どことなく英国的な「THE SHARPEST THORN」の存在も面白いです。

多少不満的なことも書いてはみましたが、いやはや、良いですよコレ!2人に拍手です!
聴けば聴く程コラボレーションによる最高級の旨味が滲み出てくるようなアルバムです。

なお初回限定盤は30分程度の収録時間ながら、かなり秀逸なDVDが付いてます。
このアルバムのレコーディングにまつわるドキュメンタリーですが、
2人の思いと、このアルバムの輪郭が、より伝わって来ます。



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