ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ONE TIME BRASS BAND @ 荻窪GUNBA

2014-10-15 18:17:37 | ニューオーリンズ
10月10日、荻窪GUNBAにて、ONE TIME BRASS BANDを観てまいりました。ハチャトゥリアン楽団などでも活躍するドラマー、三輪朋彦さん率いるニューオーリンズ・ブラス・バンド。今回は昨年12月にニューオーリンズに渡ったトロンボーン奏者、菊池ハルカさんの一時帰国を祝した凱旋ライヴでした。

その菊池さんを含め、トロンボーン×2、トランペット×2、テナー・サックス、バリトン・サックス、スーザホン、バスドラム、スネアドラム、エレキ・ギターという総勢10名の大所帯。狭いステージにずらりと並んだホーン隊の偉容からして既に圧巻でしたが、そこから繰り出されるギラギラとした音色によるブラス・サウンドの大迫力たるや!小さなライヴハウスで体験するニューオーリンズ・ブラス・バンド、半端ありませんね。かの地ならではの愛すべきメロディーが濃密に絡み合いながらまるで洪水のように押し寄せてくる興奮。そしてバウンスしまくるベースラインとセカンドライン・ビート! バスドラの三輪さんとコンビを組むスネアドラムはブラック・ボトム・ブラス・バンドのアントンさんですからね!

ルイ・アームストロングで知られる「Mahogany Hall Stomp」や、「St. James Infirmary」、ゴスペルの「This Little Light of Mine」など、古き良きニューオーリンズの息吹をたっぷりに、ストゥージス・ブラス・バンドやホット8・ブラス・バンドなど現行ニューオーリンズ・ブラス・バンドの“粋”も感じさせつつ、ソウルやR&Bのカヴァーが彩る選曲も見事でした。特に印象的だったのは、まず「Amazing Grace」ですね。超有名なあの曲ですが、アレンジも演奏もホント素晴らしかった! 静かなギター・ソロから始まり、それを菊池さんの渋~いトロンボーン・ソロが引き継いでゆく。そしてゆっくりとバンドが加わってくるのですが、これが厳かな葬送曲のような雰囲気で、徐々に徐々に高揚感を増していく感じがとても感動的でした。途中でもう一度ギター・ソロが入るんですが、これがまたブルージーで素晴らしかったですね。こういうブラス・バンドにギタリストが入る編成って結構珍しいと思うのですが、そこが凄く良かったです!ちなみにこのギタリストさん、井上大地さんという方で、失礼ながら私はよく存じ上げていなかったのですが…、きっとこの界隈では有名な方なんでしょうね。いいギター、弾いてましたよ~。

そしてもう1曲、「Just The Two Of Us」。グローヴァー・ワシントン・ ジュニア(ビル・ウィザース)の名曲ですが、リバース・ブラス・バンドもやってる人気曲。この日はお客さんとしてハチャトゥリアン楽団のバンジョー奏者、丸山朝光さんが会場にいらしていたのですが、この曲でステージに呼ばれ、日本人離れした黒い歌声を披露してくれました。ハチャトゥリアン楽団などでバンジョーを弾きながら古いジャズを渋い喉で歌う丸山さんも素敵ですが、こういったソウルナンバーも格好良い!!井上大地さんとのスキャット・バトルのような展開もあったりで盛り上げてくれました。あとカヴァーと言えば驚いたのがファレル・ウィリアムスの「Happy」。まさかブラス・バンドで「Happy」が聴けるとは!この意外性と即効性は見事でしたね。


休憩を挟んでおよそ2時間。各プレイヤーのソロや掛け合い、アンサンブル、それらが目まぐるしく、ニューオーリンズならではの躍動感で繰り広げられる充実の2時間でした。終盤は観客総立ちで踊りながら楽しみましたしね。あと曲間のおしゃべりも楽しかったですし、菊池さんのニューオーリンズ話も沢山聴けました。もちろん彼女のニューオーリンズ・フレイバーたっぷりのトロンボーンも存分に堪能いたしました。いや~、ホント、良いライヴでした!!


この日のセットリストはこんな感じだったでしょうか?

01. Mahogany Hall Stomp
02. Can't Be Faded
03. Amazing Grace
04. This Little Light of Mine
05. St. James Infirmary
06. Happy
---------休憩---------------------
07. Sexual Healing
08. Just The Two Of Us
09. Stand by Me
10. BBQ Blues
11. Ooh Nah Nay
12. We Got That Fire
-------アンコール-------------------
13. Everybody Needs Somebody To Love ~ Do Watcha Wanna

10曲目はトロンボーンの山田翔一さんを中心に作曲されたというオリジナル曲。タイトルはたしかこう聞こえたのですが、間違っていましたらごめんなさい。
バンドのテーマ曲のように格好良かった本編ラストの12曲目は「We Got That Fire」ならぬ「One Time Got That Fire」でしょうか?こちらも間違ってましたらごめんなさい。









ONE TIME BRASS BANDのオフィシャル・サイト↓
http://onetimebrassband.wix.com/otbb#!the-band/cjg9


菊池ハルカさんのブログ「haroblog」↓
http://haroblog.jugem.jp/
今回の一時帰国のレポはもちろん、ニューオーリンズでバンドを掛け持ちする活発な音楽活動や、かの地の生き生きとした日常が、美しい写真と共に綴られています。音楽や書籍では分らないニューオーリンズの空気がたっぷり詰まっている素晴らしいブログです。カーミット・ラフィンズなど有名人も登場します。


リトル・マルディグラ2014のオフィシャル・サイト↓
http://www.little-mardigras.com/
数年前、菊池ハルカさんのツイートから始まり、その彼女の情熱が実を結んだ松江市のマルディグラ。思えば、私が菊池さんのことを知ったのも、彼女の「日本でマルディグラをやりたい!」旨のツイートからでした。しかも実際に開催を実現させた訳ですから、彼女のバイタリティはホント素晴らしいです。その松江市のリトル・マルディグラ、今年も10月5日に開催され、菊池さんもハチャトゥリアン楽団で参加されたそうです。私はなかなか島根までは行けませんが、こういうイベントが続けられていること自体が嬉しいですし、凄く大切なことだと思います。ちなみに松江市は日本で唯一のニューオーリンズの姉妹都市だそうです。





コメントを投稿