ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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上原ひろみとレキシ ~レキシが助けにやってきた~ @SWEET LOVE SHOWER 2016

2016-09-01 10:12:22 | フェス、イベント
8月28日、山中湖で開催されたスウィート・ラヴ・シャワーにて、「上原ひろみとレキシ ~レキシが助けにやってきた~ 」を見て参りましたました!

アンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスが健康上の理由により、今夏のフェス出演をキャンセルせざるを得なくなり、トリオ・プロジェクトで出演予定だったサマソニ東京は「上原ひろみ×熊谷和徳」、サマソニ大阪は「上原ひろみwithウィル・リー&クリス・パーカー Special Guest 熊谷和徳」、とやまJAZZは「上原ひろみ(ソロピアノ)」、東京ジャズは「ミシェル・カミロ×上原ひろみ」、といった具合に急遽変更となった訳ですが、SWEET LOVE SHOWERについてはなんと、「上原ひろみとレキシ ~レキシが助けにやってきた~ 」と題して、上原ひろみをあのレキシが助けにくる!!って言う訳で、そう来たかー!みたいな。

両者の共演は一昨年の豊洲PIT「レキシ対オシャレキシ」以来。あの時もホント最高でしたからね。それがまた観れるんです! しかも野外フェスで! とテンションが上がりつつ、さらに直前にレキシが「助けられるのか?」なんてツイートしていたものですから、これは本当に助けられるのか確認しに行かなくては! と思い、行ってまいりました。山中湖まで!!!

当日、夕方までは曇りでなんとか保っていたんですが、上原ひろみとレキシが始まる直前に雨が降ってくるという、そんな悪状況の中、いよいよ開演時間。まず注目はどのように始まるのか? 一昨年の「レキシ対オシャレキシ」では、レキシの演奏中に上原さんがステージに駆け込んでピアノに飛びつくように弾き始め、レキシのライヴを掻き回すという展開でした。ですが今回はあくまでも上原ひろみをレキシが助けにくるというストーリのはずですからね〜。果たして?

場内に次の主演アーティスト「上原ひろみとレキシ」が高らかにアナウンスされ、一気に盛り上がる観客達。ステージには上原さんが一人で現れ、そのまま一言も発せずにピアノの前に座り、ジャジーに弾き始める。それは弦をミュートしたベーズプレイや、アヴァンギャルドなフリージャズ、超高速4ビート?ブギウギ? といった感じに変幻自在に変化していく。そのいかにも上原ひろみのプレイに心が躍らずにいられない。しかもそこかしこに何やら耳慣れたメロディーが忍び込まされている。それはレキシの「狩りから稲作へ」のメロディー!! もうこの次点でワクワクですよ。この後、どんな共演が待ち構えているのか?

そして怒濤の勢いだった上原さんのピアノ・ソロは、急にスロー・テンポとなり、何やら寂しい感じに。頼り無さげなタッチで紡がれる旋律はやはり「狩りから稲作へ」。そしてたまりかねたように上原さんの悲痛な叫び「助けてー!レキシー!!」。どこか上原さんらしい”ふにゃふにゃ”した恥ずかし気な悲痛な叫びに観客達は大爆笑。そしてスーパーマン風なマントを翻してレキシこと池田貴史さんが登場。そして気持ち良さそうに「助けに来たよー!!!」。割れんばかりの拍手歓声。「俺に助けられるのか?」と不安も漏らしつつ、バンドと共にいよいよ始まる「狩りから稲作へ」。

ワウワウ・ギターのカティングに絡む上原さんのピアノも格好良い! そしてピアノを弾く上原さんが楽しそう! 上原さんはステージ上でいつも楽し気にピアノを弾いていますが、レキシと一緒にやっている時の笑顔はまた格別なんですよ!! 多分、普段のステージとはまた少し質の違う楽しさなんでしょうね。そしてレキシが助けに来てくれて嬉しかったんでしょうね。そんな上原さん笑顔、最高です!

そしてお楽しみの「イナホーオ!」のコール&レスポンス。実はライヴ前に会場内をウロウロしてましたら、結構な人が稲穂を持って歩いていて、どうもオフィシャル・グッズ売り場で稲穂を売っていたらしいのですが、私はゲット出来なかったんです。でも池ちゃんが「稲穂を持っていない人は手でやろう」とか、「稲穂を持ってなくても恥ずかしくないから! むしろ持っている方が恥ずかしいんだから!」とか言ってくれたので、周りで稲穂が揺れるなか、私も手を振りながら「イナホーオ!」とレスポンス。楽しい!! もう雨なんて何のそのな楽しさ!

そして上原さんもコール&レスポンスにピアノで挑戦するも、彼女らしい天然振りが炸裂。レスポンス不可能なコールにその都度、池ちゃんから「イナホは3文字だから!」とか、「難しい!」とか、「激し過ぎる!」とか、「音が高過ぎる!」とか、「和音は無理!」とか、色々突っ込まれてて面白かった。この辺りのボケと突っ込みと言いますか、その息のぴったり感は何なんでしょうね?

その後は上原さんの合図で「レキシ対オシャレキシ」の時よりさらにパワーアップしたプログレッシヴなキメを炸裂させ池ちゃんを翻弄。例によってバンドを乗っ取られ、上原さんに「勝手なことやらないで」とか「バンドを巻き込まないで」とか怒っている池ちゃんが何となく可愛く見えてくる。上原さんファンの私ですら池ちゃんを応援したくなりますからね。頑張れ!って言ってあげたくなりますけど、頑張れ!って言われると余計に凹むそうです。

さて、2曲目は「姫君Shake!」。アップテンポなロックなビートに上原さんもピアノの前に立ち上がってステップを踏みながら大きく手拍子。こういう上原さんの姿も結構レア。しかし観客達もノリノリに盛り上がるなか突然のブレイク。そして上原さんのカウントでブルージーに変貌。あきれる池ちゃんを余所に嬉々としてソロを回していくバンドメンバー達。上原さんに向かって「ストーップ!!」と叫ぶ池ちゃんを遮るように激しくソロを弾く上原さん!格好良いー!! そしてさらにテンポを落としていく。上原さんに話しかける池ちゃん、楽し気にピアノで答える上原さん。「ピアノで答えるのやめて!」と怒る池ちゃん。さらに楽しそうな上原さん。なんかね〜、池ちゃんに怒られてる上原さんがまた可愛いんですよ。池ちゃんも「ひろみちゃんの笑顔が見れて良かった!」って言ってましたしね。そしてまたグイグイとテンポを上げていき、一気にロック・ビートへ戻してサビへ雪崩れ込んでいく。この時の昂揚感は半端なかったですね。上原さんのピアノも最高でした。

そして3曲目。まだ3曲目ですが、至る所で悪のりする池ちゃんが悪いのか、その悪のりにその都度反応し、即興していく上原さんが悪いのか、なんとこの3曲目にして最後の曲。曲はもちろん「きらきら武士」。しかも上原さんのおしゃれなアレンジによりラテン調の「きらきら武士」。激しくラテンなソロを弾く上原さんがまた最高!! そして途中、「Just The Two of Us」や「Mas Que Nada」なんかも絡めながら快調に歌う池ちゃんでしたが、完全に上原さんのやりたい放題な状況に「全然、助けられてない」とか、「むしろピンチになってる」としんみり。すると上原さんがスッとテンポを変えてくる。「元に戻してくれるの?」みたいに驚く池ちゃん。「助けに来たオレを、助けてくれるの?」。そしていつものレキシの「きらきら武士」に。おしゃれな「きらきら武士」も良いけれど、オリジナルの「きらきら武士」も最高です! なんだかんだで4つ打ちのリズムですよ!もうこれは有無を言わさずノリノリですよ! 最後は池ちゃんもキーボードソロをとり、頭をブンブン振り回すとそれまでアフロに貯まっていた雨水がバシャバシャ飛び散って大盛り上がり。さらにピアノに駆け寄り上原さんの横に座って二人で連弾。二人して激しく鍵盤を叩きまくって大興奮。いやもうレキシ万歳ですよ!! 上原ひろみも最高!!



セットリストは、あらためて書く程のものでもありませんが、こんな感じ↓ 3曲で45分程でした。

01. 狩りから稲作へ
02. 姫君Shake!
03. きらきら武士



*既に記憶が曖昧です。池ちゃんの言葉など細かい部分は雰囲気的な記憶ですので、一字一句この通りに言った訳ではありません。その他、記憶違いや誇張があるやも知れませんのであしからず。



さて、この日は、ほとんどこの「上原ひろみとレキシ ~レキシが助けにやってきた~ 」を観にわざわざ片道4時間かけて山中湖まで来たようなもんだったのですが、いや〜、ホント来て良かった!! サマソニの上原さんも凄かったですが、それとはまた違う極上のエンターテイメントでした。これほど楽しいライヴはそうそう観れませんよ! 上原さんのプロ根性にはホント頭が下がります。ちなみにこの日は私にとって結婚記念日だったんですけど、レキシを好きな妻も大満足だったようですし、良い結婚記念日になりました!



ちなみに、上原ひろみとレキシの他には、藤原さくらさんが良かったです。あとハナレグミとか、サチモスなんかも観ました。あと永ちゃんも少し観ましたね。天気が悪くて富士山がまったく観れなかったのは残念でしたが、それでもプチ旅行気分も味わえつつ、とても気持ちの良いフェスティヴァルでした。そう言えば、何年か前に上原ひろみのトリオ・プロジェクトを観に来た時も富士山は見えなかったんですよね…。いつか3度目の正直を!!


そしてアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスのお二方が、一日も早く良くなって、トリオに戻って来てくれることを願っています。















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