ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

アリシア・キーズ

2008-08-14 16:37:31 | R&B、HIPHOP
ALICIA KEYS / REMIXED

サマソニのアリシア・キーズ! 最高でした!

もう、私はこの日を待ちわびていましたよ! なんてったってあのアリシア・キーズがスタンディングで観れるんですから!

この日、私は3時過ぎからサマーソニック08のメイン会場であるマリン・スタジアムに入り、アリシアの前のアクトが終わると同時にステージ前方へ詰め掛けました。何とか中央やや左より前から4、5列目をキープ。徐々に夕闇へと変わる空気の中、ぎゅうぎゅうになりながらアリシア・キーズを待つことしばし。バックにはマーヴィン&タミーなんかが流れこの後のステージへの期待が徐々に高まっていきます。

そしてひときわ大きな音でユーリズミックスの「Sweet Dreams」がかかり、バック・ミュージシャンが登場。ホーン隊にバック・コーラスまで付く大所帯。いよいよ始まります。1曲目は「Go Ahead」。アリシア登場に沸くスタジアム。憧れのアリシア・キーズが目の前に! 格好イイ!!! 一瞬にして会場全てを虜にするような美しきも凛々しいオーラ。そして力強くソウルフルな歌声! この迫力は完全にスタジアム仕様。1曲目からもう痺れまくりです!

………

で、この後のアリシア・キーズ。基本的に私は記憶力に乏しい上に何だか恍惚としてしまって、詳しい曲目等ほとんど覚えていません。もちろんぎゅうぎゅうでメモを取る余裕などまったくありませんでしたし…。

ですが、便利なことにヤフーのニュースにセットリストが既にアップされていました。それによりますとこんな感じ。

Intro
01, Go Ahead
02, You Don't Know My Name
03, Teenage Love Affair
04, Heartburn
Interlude
06, Karma
07, How Come You Don't Call Me
08, If I Ain't Got You
09, I Need You
10, Wreckless Love
11, Diary / Tender Love
12, My Boo
13, A Woman's Worth
14, Fallin'
15, No One

とりあえずこのリストを参考に記憶を手繰ってみます。


序盤は軽い振り付けがあったりして、ちょっと可愛いらしいところも見せてくれましたね。そして「Heartburn」では激しく腰を振るのか?とちょっと期待しましたけど振りませんでしたね。あのアクションやめたのかな~? でもアリシアには腰を振る必要はありませんよね。

そして中盤。グランドピアノに座っての「Karma」。これはラテン・ヴァージョンでしたね。夏の野外にぴったりでした。途中メンバーのソロも交えて格好良かったですね。アリシアも楽しそうでした。次はプリンスのカヴァー。観客に“指パッチン”させてそれに合せてピアノを弾き始めましたね。なかなか粋な演出。そして中盤のハイライトは「If I Ain't Got You」。やっぱこの曲でしょう! もう歌いだした瞬間からトロけそうでしたよ。しかもグランドピアノに座ったアリシアは私の目の前の位置なんです。もちろん客席に対して横向きにピアノが設置されているので、横顔しか見えないわけですが、たまに観客のほうをくるっと向いて微笑みかけるんですよ。その時、私が微笑みかけられたような錯覚に陥るわけです。120%錯覚なんですけどね…。

そして新作から「I Need You」と「Wreckless Love」。やっぱり新作の曲は独特な高揚感があって良いですね。特に「I Need You」はじわじわとくる曲調のなか、アリシアのパッションがビシビシ伝わってきて感動的でした。そして「Diary」。ここではバック・コーラスのジャーメイン・ポールが聴かせます。後半はほとんどデュエット状態で盛り上げましたね。さらに続いて「Tender Love」。もうほとんどジャーメイン・ポールの独壇場な雰囲気。しかも上手い! さらに濃い! アリシアがここまで彼をフューチャーしたくなる気持ちも分かりますよね。彼のようなクラシックなソウル・フィーリングが持ち味なシンガーを抱えるアリシアって素敵ですね。

で、この「Tender Love」。私には馴染みの無い曲だったのですが、黒人コーラス・グループのFORCE MD's が85年に放ったヒット曲だそう。極上バラードとして人気があるそうです。なるほど~。

次の「My Boo」はほとんど記憶にありません…。すいません。そしてラスト3曲はもう極上中の極上。極め付きの3連発です。

まず「A Woman's Worth」そして「Fallin'」。この初期の2曲はアリシアのソウル・シンガーとしての凄みを見せ付けましたね。彼女独特の陰影と言うかブルース・フィーリングが堪りませんでした。多少古い曲でも新鮮に聴かせることが出来るのは、そのアレンジもさることながら、やっぱりシンガーの歌心あってですよね。アリシアのエモーショナルこの上ない歌唱は感動的でした。特に「Fallin'」のブレイク部分でのシャウト! 野外の空に突き抜けました。素晴らしい!

そしてラストは待ってましたの「No One」。これはホント名曲ですね。シンプルな音色に、ゆったりとしたリズム、そしてそこに乗るビッグ・メロディ、さらにアリシアの声! そしてそこからから生み出されるある種の包容力は、見も心も全てこの曲に委ねることが出来るような、そんな力を持っています。特に野外のライヴではその委ねる感覚が幸せで幸せで堪りませんでした。 そしてやっぱりアリシアは格好良い! 中間のフックの部分では椅子に片膝乗せて半立ち状態でピアノを弾きながら歌うんですが、このスタイルがやたら絵になるんですよ!

もう私は感動のなか、サビの『ノ~、ワ~ン』に身を任せ、ラストの『オオオッオッオー』のリフレインではみんなと一緒に両手を挙げて歌いましたよ。しかも大声で。アリシアを中心とした幸福な一体感が会場を包み込み、高揚感は最高潮。もうこのままこの時間が永遠に続いて欲しい!って思いました。

ですが残念ながら終わりは訪れるのです。アリシアは満足気な表情を浮かべ、ステージを颯爽と去っていきました。夢のような時間が終わり、残された観客達もやはり満足感で満たされていたことと思います。もちろん私は大満足でした!


それにしても今回のライヴ、始まる前は果たしてロック・フェスを意識したロック・モードで来るのか?それとも新作の輸入盤についていたDVDで観れるようなゴージャスなハリウッド仕様でくるのか? など、楽しい想像を巡らしていましたが、蓋を開けてみればもうアリシア・キーズど真ん中! これがアリシア・キーズだ!って感じでした。もちろん新作は過去作に比べロック的な要素も強く感じられたので、その辺も含んだアリシア流のR&Bです。もちろん1曲目にヘヴィなビートの「Go Ahead」を持ってきたことや、さほど着飾らない衣装などはロック・フェスを意識してのことかもしれませんね。そしてその堂々とした歌いっぷりは、充分ロック・ファンにもアピールしたのではないでしょうか?

ちなみにその日、アリシアの次のアクトは大トリのコールドプレイ。コラボ好きのアリシアなのでひょっとしたら?とは思っていましたが、やはりありました。終盤、「クロックス」でアリシアが登場。残念ながらクリスとのデュエットではありませんでしたが、ピアノを弾きました。隣で嬉しそうに歌うクリスから時々指示を受けながら、アリシアも楽しそうに弾いていました。


さて、単独来日ツアーは無いんですかね?前回のツアーの時、国際フォーラムで観たアリシアより、今回のサマソニの方が格段にスケールアップしていましたから、フルステージでの単独公演は凄いことになりそうですね。そして今回演らなかった「Superwoman」や「The Thing About Love」はその時のお楽しみ…。


*写真はサマソニ来日に合わせて発売された日本編集のリミックス集「REMIXED」。正直、リミックスにはあまり興味が無い私ですが、ブラック・アイド・ピースとカニエ・ウェストという大物2組による「If I Ain't Got You」は、リミックスと言うよりそれぞれ別録音的に楽しめて面白いです。でも個人的にはジョニー・ロックスターによる「Like You'll Never See Me Again」がツボ。アリシアの囁き声とグルーヴィーなバックが絶妙にマッチ。案外リミックスも面白いもんですね。