ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ジョン・ブードロー R.I.P.

2017-01-30 19:31:45 | ニューオーリンズ
少し前の話になりますが、1月14日、ニューオーリンズの偉大なるドラマー、ジョン・ブードロー(John Boudreaux)が亡くなられたそうです。享年80歳。ニューオーリンズR&B創世記を代表するドラマーの一人であるはずなのに、その訃報があまり大きく取り上げられていないので、本当のことなのかいまだに信じられないのですが…。

亡くなられたことを伝える記事はこちら→ http://www.nola.com/music/index.ssf/2017/01/john_boudreaux_drummer_has_die.html


プロフェッサー・ロングフェアの「Go To The Mardi Gras」、ジェシー・ヒルの「Ooh Poo Pah Doo」、クリス・ケナー「I Like It Like That」、アーマ・トーマス「Cry On」、リー・ドーシー「Lottie Mo」、アーロン・ネヴィル「Show Me The Way」、アーニー・ケイ・ドゥ「A Certain Girl」、クラレンス・ヘンリー「But I Do」、バーバラ・ジョージ「I Know」などなど、数多くのニューオーリンズR&Bクラシックのリズムを担ったレジェンドです。また、03年には初のソロ名義アルバムもリリースしていました。






PROFESSOR LONGHAIR GO TO THE MARDI GRAS

1959年、ロンに残された長髪教授の大名曲。49年の「Mardi Gras In New Orleans」を含むアトランティックのセッションでもジョン・ブードローが叩いていたと言われますが、やはりこの曲が極めつけでしょう。



The Hawkettes - Mardi Gras Mambo

アート・ネヴィルのデビュー曲としても知られるホウケッツの「Mardi Gras Mambo」。実はこのホウケッツがジョン・ブードローにとって最初のレギュラー・バンドだったそうで、後々までマルディグラのスタンダードとなるこの曲のリズムも彼によるもの。



Jessie Hill "Ooh Poo Pah Doo—Pt. 1"

ニューオーリンズR&Bの新しき60年代の幕開けともなった名曲。この曲を始め、アラン・トゥーサンのプロデュース曲の多くでドラムスを務めています。



Barbara George - I Know (You Don't Love Me No More)

ハロルド・バティステが中心に立ち上げたAFOにも参加しています。こちらはAFOからのバーバラ・ジョージのヒット曲。



ジョン・ブードローさん、安らかに。

ヘンリー・バトラーの平癒を願って

2017-01-14 20:21:30 | ニューオーリンズ
HENRY BUTLER & STEVEN BERNSTEIN & THE HOT 9 / VIPER'S DRAG

私の大好きなニューオーリンズのピアニスト、ヘンリー・バトラーが癌に冒されているそうです。しかもステージ4とのこと。ステージ4っていわゆる末期癌ですよね? もう67歳ですし、とても心配です。


ヘンリー・バトラーは盲目の黒人ピアニストで、ニューオーリンズを代表する鍵盤奏者の一人。その自由奔放に黒いフィーリングが溢れ出るような感性は、個性派揃いのニューオーリンズ・アーティストの中においても、常に異彩を放ち続けてきました。それ故にここ日本ではマニアックな人気に留まってしまっているかもしれませんね。

私が初めてヘンリー・バトラーを観たのは、2000年のパークタワー・ブルース・フェスティヴァルで、この時はバンド・セットでした。2度目は2006年のコットンクラヴでピアノ・ソロ、3度目は08年のビルボードライヴで、なんとシリル・ネヴィル、ジョージ・ポーター・JRとの豪華共演でした。3度とも素晴らしいライヴでした。どんなステージでも圧倒的な存在感を放ち、驚異的な鍵盤プレイと、太く黒光りする歌声に感動させられました。まったくもって偉大なるピアニストです。

なんとか、病気を克服して、また元気な姿を見せてもらいたいものです。




OffBeat Magazineの記事→ Henry Butler Diagnosed With Stage 4 Cancer, Fundraiser Launched To Assist With Treatment

上の写真は、OffBeat Magazineの記事にもあるスティーヴン・バーンスタインとのコラボ作で、こちらが今のところの最新作。スティーヴン・バーンスタインはラウンジ・リザーズ、セックス・モブでの活躍でも知られるニューヨークのトランぺッター。この奇才どうしの共演は意外にもトラディショナルに根ざしつつ、やはり一筋縄にはいかない多彩な魅力に溢れています。オリジナル曲はもちろん、ファッツ・ウォーラーやジェリー・ロール・モートンのカヴァーも味わい深い。当ブログの2015年ベストアルバム企画の第10位に選ばせて頂いた、私も大好きなアルバム。







HENRY BUTLER / PiaNOLA Live
こちらは08年のライヴ盤「PiaNOLA Live」。ビルボードライヴでサインを頂きました。片方の手でペン先を支えながら、両手でゆっくりと書いてくれました。右側に丸っこく書かれたのがそのサインですが、何て書いてあるのでしょうか?「HB』ですかね? 実はサインを頂くためにこのCDジャケをヘンリーに手渡した時、目が見えないヘンリーは私に何か話しかけてくれたんです。でも英語が全く駄目な私は、ただオロオロするばかりで、なにも答えられませんでした。結局無視してしまったようなものなのです…。ヘンリーはそのまま鼻歌まじりにサインを書いてくれましたけど…。私はただありったけの気持ちを込めて「サンキュー!」と言うのが精一杯でした。 この時のことが、今も心残りです…。

リバース・ブラス・バンド @ブルーノート東京

2016-06-02 19:50:29 | ニューオーリンズ
5月31日、ブルーノート東京にて、リバース・ブラス・バンドのライヴを観てまいりました!!

リバース・ブラス・バンドと言えば、ニューオーリンズのファンキー・ブラス・バンドとしてはダーティ・ダズンに次ぐ老舗。結成は1983年。以降、新陳代謝を繰り返しながら、ダーティ・ダズンと並び、かの地を代表するトップ・バンドに君臨し続けてきました。近年も、2011年の「REBIRTH OF NEW ORLEANS」がグラミー賞『Best Regional Roots Music Album』部門を受賞するなど、その勢いは増すばかり。

今回の来日メンバーは、グレゴリー・ヴィールズ(トロンボーン)、ヴィンセント・ブルーサード(サックス)、シャドリック・オーノレー(トランペット)、デスモンド・プロヴォスト(チューバ)、ジェナード・アンドリュース(スネアドラム)、キース・フレイザー(ベースドラム)の6人。ベースドラムとスネアドラムのコンビがリズムを受け持つ、トラディショナルなブラスバンド・スタイルです。(当初はスタッフォード・エジー(トロンボーン)もアナウンスされていましたが、体調の都合により、残念ながら出演キャンセルとなっています)。


さて、私が観たのはこの日の2ndショー。客電が落ち、拍手に迎えられメンバーがステージに上がる。ステージ上に雑然と並べられていた、ベースドラム、スネアドラム、チューバ、トロンボーン等を各々がおもむろに手にし、始めた演奏は「jambalaya」、ハンク・ウィリアムスがルイジアナのバイユーを舞台に歌った名曲ですね。続いてニューオーリンズが誇る偉大なシンガー、ファッツ・ドミノの「I'm Walking」、さらにニューオーリンズが生んだジャズ巨人、シドニー・ベシェでお馴染みのスタンダード「I've Found A New Baby」と続く。

セカンドラインなビートにホーンが飛び交うごった煮グルーヴ。いやはや、これぞニューオーリンズですよ!ですが、そのグルーヴは思いのほか渋いと言いますか、緩い感じ。もっと前のめりにグイグイ攻めてくるかと思ったんですけどね。リバース・ブラス・バンドと言えば、昔はダーティ・ダズンに比べて随分やんちゃなイメージを持っていたもんですけど。そう言えば、最新作「MOVE YOUR BODY」も、グラミー受賞の前作「REBIRTH OF NEW ORLEANS」も、モダンと言うよりはトラディショナルな雰囲気を強く感じさせる愛すべき作風でした。頻繁なメンバー・チェンジで若い血を入れつつ、しっかりと伝統を受け継いで行く、それが今のリバースのスタイルなのかもしれません。もちろん”緩い”と言うのはニューオーリンズ特有の味であり、堪らない旨味なのです。そしてそのグルーヴの懐の深いこと!やっぱ本物は違うな~と、感慨もひとしお。

そのリズムの根幹を担うベースドラムのキース・フレイザーこそ、このバンドの創立者の一人で、今回の来日メンバーにおけるまさにバンドの柱心。シンバルをマイナス・ドライバーで叩いてるそう。流石レジェンド!そして若きスネアドラムのジェナード・アンドリュース。この彼はかの地を代表するトランぺッターの一人、ジェイムス・アンドリュース(トロンボーン・ショーティの兄)の息子さん。2人とも決して派手なことはしませんが、ハネたリズムを堅実に積み重ねて行く。そしてそのリズムにうねりを加えるチューバがデスモンド・プロヴォスト。この彼は、ジェナード・アンドリュースと供にNEW BREED BASS BANDという若手ブラス・バンドを組んでいる逸材。このリズムを担う3人がステージ後方に陣取る。

ステージ前方には、向かって左から、バンドを引っ張るトランペットのシャドリック・オーノレー。彼はトランペットだけでなく、歌も歌うし、MCもやる。そしてヴィンセント・ブルーサードのサックス、グレゴリー・ヴィールズのトロンボーンと並び、この3人のホーンが煌びやかに絡み合う。その瑞々しくも自由奔放なアンサンブルはまさにニューオーリンズ! まあ、前面に3管しかないのはブラスバンドとしてちょっぴり寂しい感じもしましたが、それがかえってトラディショナルな魅力を際立たせていたかもしれません。

さて、中盤はブラスバンドらしく、「Keep That Body Shakin」~「It's All Over Now」~「Hot Venom」へと切れ目無しに繋がれる。しかも「It's All Over Now」辺りからバンドもエンジンがかかってきた様子で、グルーヴもギアが一段上がった印象。続く「Hot Venom」での次から次へとスピーディーにリフを畳み掛けて行くファンキーなノリも強力。サビを観客に歌わせたり、コール&レスポンスで盛り上がったり。

「Texas Pete」、「Take 'Em to the Moon」と最新作からの曲が続き、お待ちかねの「Rebirth Got Fire」。この曲のホーンリフが始まると、自然にテンション上がりますよね。そして観客達でサビを歌って大盛り上がり!さらに「Tornado」、「I Feel Like Funkin It Up」とキラー・ソングが続き、会場もパーティー・ムードになってくると、そのまま「Do Watcha Wanna」へと雪崩れ込む。シャドリック・オーノレーが「これからセカンドラインだ!」みたいに呼びかけると、いよいよ観客達も総立ちに。そしてリバースのメンバーは全員が演奏しながらステージを降りて行く。さあ、パレードだ!!観客達も白いナプキンを振り回しながらついて行く。会場内は一気にニューオーリンズのカーニバルな空気に満たされる。メンバー達は一列になって会場の後ろの方まで巡って行く。やりますね~。堪りませんね~。

熱狂のうちに一旦メンバー達はステージを降りる。もちろん熱気はまったく下がらない。アンコールは「Take it to the Street」。先ほどまでのパレードの熱をそのまま引き継いで、観客総立ちのまま駆け抜ける、必殺のニューオーリンズ・ブラス・バンド・ナンバー。ファンキーこの上ない演奏で終了。やっぱニューオーリンズはいいですね!


↓この日のセットリストはこんな感じだったかな?

01. jambalaya
02. I'm Walking
03. I've Found A New Baby
04. Keep That Body Shakin
05. It's All Over Now
06. Hot Venom
06. Texas Pete
07. Take 'Em to the Moon
08. Rebirth Got Fire
09. Tornado
10. I Feel Like Funkin It Up
11. Do Watcha Wanna
---------------------------
12. Take it to the Street


*間違ってましたらごめんなさいね。



終演後はサイン会。私もシャドリック・オーノレーと、ヴィンセント・ブルーサード、グレゴリー・ヴィールズの3人からサインを頂きました。ジェナード・アンドリュースとデスモンド・プロヴォストのお二人はツアー・メンバーでしょうから仕方ないとして、キース・フレイザーがサイン会に来てくれなかったのは残念でしたね~。

グラミー賞 ノミネート『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』

2016-02-13 16:02:09 | ニューオーリンズ
Jon Cleary / Go Go Juice

グラミー賞ノミネート特集の第6回。毎年「ルーツな日記」的に最も気になる部門『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』。とは言えこの「REGIONAL ROOTS MUSIC」という括りがいまいちよく分からないのですが、「REGIONAL」は直訳すると「地域」とか「地方」ということのようなので、つまり地域色の濃い米ルーツ・ミュージックってことですかね? ここにハワイアンやネイティヴ・インディアン系のアーティストに交じって、ルイジアナ/ニューオーリンズ周辺、特にブラスバンドやザディコ/ケイジャンのアーティストがノミネートされるんです。という訳で『BEST REGIONAL ROOTS MUSIC ALBUM』部門のノミネート作品は以下の5組。

Jon Cleary / Go Go Juice
Natalie Ai Kamauu / La La La La
Keali'i Reichel / Kawaiokalena
The Revelers / Get Ready
Windwalker And The MCW / Generations

英国出身ながら、今やニューオーリンズの顔と言っても過言ではないピアニスト、ジョン・クリアリー。90年代からアブソリュート・モンスター・ジェントルメンを率い、ニューオーリンズの新しいファンキーなR&Bを牽引して来た彼。2012年にアラン・トゥーサンのソング集となるニューオーリンズ愛に溢れたソロ作「Occapella!」をリリースし、ソロ・アーティストとしてのマルチな才能を遺憾なく発揮。そしてその「Occapella!」に続くソロ作が「Go Go Juice」。前作とは打って変わって自身のオリジナル曲を瑞々しいバンド・サウンドで聴かせてくれます。今作のためにジョンが集めたバンド・メンバーは、テレンス・ヒギンス(ds)、カルヴィン・ターナー(b)、ダーウィン・パーキンス(g)、シェイン・テリオット(g)、ナイジェル・ホール(kbd)という、決して派手ではないですが、これぞニューオーリンズな強力布陣。これにパーカッションやホーン隊もつき、ジョン・クリアリーらしい弾力抜群のファンキー・ソウルが全9曲。プロデュースは名匠ジョン・ポーター。

1曲目、いきなりスカのビートで始まる「Pump It Up」に驚かされますが、それがごく自然にニューオーリンズのグルーヴにシフトして行き、またスカと交差し、R&Bとブレンドされて行くようなアレンジに、聴いてるだけで思わず笑顔になってしまいます。カーク・ジョセフを含むダーティ・ダズン・ブラス・バンドのホーン隊が参加した「Boneyard」はインディアン風味のニューオーリンズ・ファンク。おそらくダーウィン・パーキンスと思われるアダルトに揺れるギター・フレーズが印象的なメロウ・ソウル「Brother I'm Hungry」、ミーターズの流れを汲む隙間ファンク「Getcha GoGo Juice」、ヘヴィー且つ夜の香り漂う「9-5」などなど。全編で冴え渡るジョンの鍵盤と渋めの歌声も味わい深い。もちろん鍵盤だけでなく、ベースやギターも弾くマルチなセンスも相変わらず健在。そして特筆すべきは、収録曲の多くで故アラン・トゥーサンがホーン・アレンジを施していること。特に「Bringing Back The Home」でのブラスはいかにもトゥーサンな響きで、特に前半のバラード調の部分は曲調やピアノの響きすらもトゥーサンっぽく聴こえて、なんかしみじみしてしまいます。


対抗は、まったくもって個人的な趣味で申し訳ありませんが、ルイジアナのケイジャン/スワンプ・ポップ・バンド、THE REVELERSの「Get Ready」。こちらはレッド・ スティック・ランブラーズ のメンバー達が結成したグループで、これが3枚目のアルバムになるのでしょうか? ルイジアナらしい”いなたい”リズムとメロディー、アコーディオンやフィドルの音色、そして素っ頓狂な味わいのヴォーカルが最高にラヴリー!! 彼の地の空気がムンムンに漂ってくるごきげんな1枚です。そして残りのアーティストは、失礼ながら私の守備範囲ではないのですが、Natalie Ai KamauuとKeali'i Reichel はハワイアン、Windwalker And The MCWはネイティヴ・アメリカンのアーティストのようです。




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グラミー賞 ノミネート『BEST FOLK ALBUM』
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Allen Toussaint Day

2016-01-14 10:22:47 | ニューオーリンズ
今日、1月14日はアラン・トゥーサンの誕生日です。昨年11月10日に亡くなられたアラン・トゥーサン、1938年生まれですから、生きていれば78歳でしたね。ニューオーリンズでは、彼の誕生日を記念して、この日を「Allen Toussaint Day」と定めたそうです。彼の地におけるアラン・トゥーサンの偉大さが伺われ、ファンとしてとても嬉しいです!さすが音楽の都!!

今日はアラン・トゥーサンを聴きながら、一日を過ごしたいものです。という訳で、トゥーサン曲の中でも私が最も好きな曲の一つ、「Ride Your Pony」を、トゥーサンが亡くなられるおよそ一ヶ月前、ファンキー・ミーターズのライヴにゲスト出演した映像から。

Allen Toussaint at Crescent City Blues & BBQ Festival







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I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE

2016-01-05 19:23:15 | ニューオーリンズ
スヌーピーが3Dになったと話題の映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』を観てまいりました。実は私、子供の頃から大のスヌーピー・ファンでして、この映画を見るの楽しみにしていたんです。私が見たのは2D字幕版。残念ながら3Dではないんですけど、それでも今までのいわゆるアニメとはまるで違う、CGならではの立体感に驚きました。正直な話、今回のCG化は原作の雰囲気を壊すのではないかと懸念してもいたんですけど、いやはどうして、ピーナッツの世界観を崩すことなく、新しい息吹を吹き込んだ素晴らしい作品に仕上がっていたと思います。有名なエピソードを散りばめたストーリーも良かったですし、表情豊かに飛び回るスヌーピーも可愛らしかったです。

さて、ピーナッツの原作やアニメには、一部例外があるものの、基本的に大人が登場しないというのは御存知でしょうか? 子供達の世界が子供達の目線で描かれているんです。ですがもちろんストーリーの中には大人が存在しています。例えば登場人物の親御さんとか、学校の先生とか。アニメでは姿は現さないものの、喋り声だけは聴こえたりします。ですが何を喋っているかは分らない、「ファ、ファ、ファ~」みたいな音で表現されているんです。私は子供の頃からスヌーピーのアニメを見て、この「ファ、ファ、ファ~」が凄く印象に残っていたので、今回もこの大人の声は変えないで欲しいと思っていたのですが、なんと、今回これを担当したのがニューオーリンズの若きトロンボーン奏者、トロンボーン・ショーティーだったのです!彼がトロンボーンかトランペットかであの「ファ、ファ、ファ~」を吹いてるんです。まさにあの音です!しかも多彩な表現力による、コミカル且つ不思議な音色はまさにハマリ役!! これは嬉しかったですね。しかも結構出番多かったですし!っていうか、今まであの「ファ、ファ、ファ~」の音の正体が分からなかったのですが、管楽器だったんですね~。





TROMBONE SHORTY / SAY THAT TO SAY THIS
トロンボーン・ショーティによる現在のところ最新作となるソロ作「SAY THAT TO SAY THIS」。スヌーピー・ファンの皆様、映画で大人の声をやってたのはこの人なんです!音楽一家に生まれ、小さな頃からジャズの都でトロンボーンの腕を磨き、今ではそのニューオーリンズから世界へ羽ばたく大活躍! 最近はユニクロのCMにも出演して話題になっています。

ちなみにそのユニクロのCMはこちら→https://www.youtube.com/watch?v=YEbz2-yq-Pg

ニューオーリンズ・クリスマス!

2015-12-24 13:57:08 | ニューオーリンズ
この季節になると棚から引っ張り出して聴きたくなるクリスマス・アルバム。特にアーロン・ネヴィルは、これを聴かなくてはクリスマスを迎えられないと思う程、私にとってかけがえのない作品。

という訳で、皆様もニューオーリンズなクリスマスはいかがですか?



「CHRISTMAS GUMBO」収録のアラン・トゥーサンによる「The Day It Snows On Christmas」が、今年は特に染みます。