熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知財価値評価研修会

2008-10-27 22:19:24 | Weblog
知財価値評価10月度研修会に参加してきました。

今月の研修のテーマは、「M&Aと知的財産」、「商標権価値評価事例」、「文具を題材とした特許権価値評価の事例」です。

参考になったのは、「M&Aと知的財産」です。
M&Aの類型別知的財産の取扱上の留意点が分かりやすく説明されたので、オープンイノベーションを題材とした論文作成・講演会の予定がある私にとって、大変役に立つ内容でした。

知的財産権の価値評価で難しいのは、事業収益に占める知的財産権の寄与率をどのように算定するかです。

通常、3分法(技術の寄与率を1/3として、技術の寄与率=知的財産権の寄与率とする)、25%ルール(技術の寄与率を25%として、技術の寄与率=知的財産権の寄与率とする)で求める簡易的な方法が採用されているようですが、あまりにも大雑把で説得力がありません。

詳細に寄与率を求める方法も提案されていますが、個別具体的な算定方法で、適用範囲が狭いという問題点があります。

以上の理由から、実務では、合意形成に重点を置いて知的財産権の価値評価を行う方法がとられているようです。
合意形成と言えば聞こえが良いのですが、要するに「両者の落とし所を決める」という、極めて不透明な算定方法です。

企業の知財部門に勤務していた者としては、不透明で、個別具体的な算定方法は、かなり抵抗がありますね。

何とか適用範囲の広い算定方法を考え出さなければいけません。
評価人により知的財産権の算定価値が大きく異なるような事態は避けたいですからね(弁理士の専門性が疑われます)。

私も微力ながらお手伝いしたいと考えています。



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