熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

NEO

2007-11-14 18:55:08 | Weblog
「NEO」と言っても、NHKテレビ番組の「サラリーマンNEO」ではありません。

ジャスダック証券取引所が開設した技術系ベンチャー企業向けの新市場、NEO(ネオ)のことです。

13日、この「NEO」に、第1号銘柄として通信ソフト開発のユビキタスが上場しました。
「NEO」は赤字企業でも上場できる半面、企業が持つ技術・知的財産権の審査に重点を置いています。
外部の有識者らの協力を得て学術的な裏付けも確認してもらい、新産業の創出や経済活性化につながる企業の育成をめざしているそうです。

ユビキタスは任天堂の携帯ゲーム機など向けに通信ソフトの供給を伸ばしています。
成長への期待から買い気配値は公募・売り出し価格(10万円)を上回って推移していました。

この「NEO」にベンチャー企業が多く上場し、知的財産権の価値評価の精度が向上してくると、知的財産権価値評価の専門家の出番が多くなります。

知的財産権の価値評価は難しく、単純に経済的価値評価では図れない問題があります。
それは、権利の有効性の評価です。

企業の知的財産部門でのライセンス交渉を担当した経験から、知的財産権(特に特許権)の権利の有効性(特許権が無効理由に該当しないか、権利範囲が限定解釈されないか、当該特許権の回避可能性等)の判断が、非常に難しいことを実感しています。

例えば、一つの先行技術文献の存在により特許権が無価値に等しくなったこと、審査段階に提出した意見書の記載によりライセンス料を減額せざるを得なくなったこと、権利行使が遅れたために代替技術が開発されて特許権の価値が著しく低下したこと等の経験があります。

このように、特許権の価値評価は、先行技術文献調査、出願・審査経過の精査の他に、技術の進展予測等の、専門性の高さが要求される領域がかなり多いのが特徴です。

裏返して言えば、それだけ弁理士が活躍できる場面が多いと言うことです。

専門性を磨きましょう。



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