南極観測船、今年で６０年 「しらせ」が出港
南極観測船「しらせ」が１１日午前１０時、南極へ向けて東京・晴海埠頭（ふとう）を出港した。月末に空路で出発する５８次観測隊（約８０人）を豪州で乗せ、１２月２日に出港、年末の昭和基地到着を目指す。
１９５６年１１月８日に初代南極観測船「宗谷」が晴海を出港してから、今年でちょうど６０年になる。「しらせ」は４代目の観測船で、２００９年に就航した。大鋸寿宣（おおがひさのぶ）艦長は「船は大きく機器も新しくなったが、任務の達成を決めるのは人であることを肝に銘じ、総員１７９人一丸となって任務に邁進したい」とあいさつした。昭和基地周辺はここ数年、海氷が厚い状態が続いて接岸に苦労したが、昨季ごろから海氷の一部が割れて流れているため、今季は順調に着けるのではと期待されている。昭和基地に到着すれば、燃料など約千トンの物資を運び込む予定だ。
