ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

安倍晋三をメーデーに呼ぶ馬鹿

2014-04-28 00:00:00 | 社会時評

こんな記事が出ました。朝日新聞の記事より。

>「残業代ゼロ」厚労省懸念 政権、前のめり 競争力会議

山本知弘、清井聡

2014年4月23日02時58分

政府は22日の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)で、労働規制を緩和し、法律で定める時間より働いても「残業代ゼロ」になる働き方を一般社員に広げる議論を始めた。働き手本人の同意が条件だが、厚生労働省は、経営者の立場が強いため、本人同意が強制されるとの懸念から慎重な考えを示した。長時間労働の拡大につながりかねず、大きな議論を呼びそうだ。

  • 「残業代ゼロ」一般社員も 産業競争力会議が提言へ

 民間議員の長谷川閑史(やすちか)・経済同友会代表幹事が22日、労働時間ではなく、成果をベースに賃金を支払う仕組みを提案した。例えば、子育て中の女性などが退社後に自宅に持ち帰って仕事ができるようになれば、企業は子育て・介護世代を活用しやすくなり、雇用が増えると主張した。

 議長を務める安倍首相は「時間ではなく、成果で評価される新たな仕組みを検討してほしい」と指示した。今回の提案では、年収が1千万円以上など高収入の社員のほか、労使合意があれば一般社員も「残業代ゼロ」の対象とする。長時間労働の拡大を防ぐため、政府が労働時間の上限の基準を示し、労使で決定することも盛り込んでいる。

個人的な意見を書けば、安倍晋三(だけではもちろんありませんが)が考えそうなことです。inti-solさんがおっしゃるように

>こんな制度を導入して、働く人にとって得になることは、ほとんどないと思われるので、私は断固として反対です。

という以上のものではないでしょう。

で、しばらく前にこんなことも報道されました。今年3月の記事を(魚拓)。引用は一部。

>安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置付ける国家戦略特区の最大のポイントは、雇用の規制緩和だった。現在の日本の労働法制は解雇を厳しく制約している。特区における規制緩和は、

(1)労働者と経営側が事前に契約を交わし条件や手続きを明確にしておけば、解雇しやすくなる
(2)有効契約で5年を超えて働いた人が、無期契約になれる権利をあらかじめ放棄できるようにする

ことを目指した。外国企業の進出やベンチャー企業の設立を容易にし、海外からの投資を呼び込む狙いがあった。

 だが、雇用の規制緩和は野党や労組、マスコミから「解雇特区」「ブラック企業特区」と批判された。首相周辺は「雇用軽視のレッテルを貼られたら、安倍政権の実績が吹き飛びかねない」として雇用の規制緩和を先送りした。しかし、「失業なき雇用の流動化」をスローガンに掲げ、雇用見直しを加速させたい安倍政権は、岩盤と見なされてきた雇用の規制を打ち破る突破口として、バーチャル特区の福岡市での実験的導入を目指す。

これも、そうとう好意的に考えても

>働く人にとって得になることは、ほとんどないと思われる

というものでしょう。が、これは別に意外ではありません。安倍なんてそんな男です。

がですよ、これはいくらなんでもひどいんじゃないんですかね。

首相、賃上げ成果強調 連合中央メーデー 与野党幹部が出席

産経新聞 4月27日(日)7時55分配信

連合は26日、第85回メーデー中央大会を東京・代々木公園で開催した。安倍晋三首相が自民党政権の首相では13年ぶりに出席。首相はあいさつで、「何としても賃金の上昇を実現させたいとの思いで政労使の懇談会をつくった」と述べ、春闘でベースアップが相次いだ実績を強調した。

(後略)

ここまでくると率直に言って笑っちゃいますね。いや、まじめに考えれば笑っちゃいけないんだろうけど、このような労働者に不利益な制度改革をしようとする人物をメーデーに呼ぶ労働組合の元締め団体って、私にはそれこそ肉屋を支持する豚というレベルだと思います。もちろん安倍だって、こんなところで解雇特区や残業代ゼロへの理解を求めるような演説なんかしはしないでしょうが、どちらにせよ安倍といい連合といい、どうしようもない連中です。いちおう私も労働組合員ですが、いいかげんうんざりしました。

なお、参考になる記事を書いてくださったinti-solさんに感謝を申し上げます。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アジア周遊紀行(2013・夏)(48) | トップ | アジア周遊紀行(2013・夏)(49) »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Rawan)
2014-04-28 02:23:17
>働き手本人の同意が条件だが、

見過ごされやすいんですけど、例えば入社面接などにおける(同意的な)圧力としても機能しかねない面があるんですよね。
「ウチはこういう形を取っているんだけど、どう思う?」みたいなね。
極論すれば、会社に入りたいばかりに面接で賛意を示したりすると、それを逆手にとって「我が社は最初から同意を取ってある」ということもありえるわけで……
返信する
Unknown (月夜)
2014-04-28 21:54:07
まあ、連合は、政府に融和的だと批判されていぐらいですからねえ。
どの程度批判に値するかは置くとしても、よりにもよって解雇特区や残業代ゼロを政策に掲げている阿倍をメーデーに呼ぶなんて組合員を馬鹿にするにも程があるというものです。
返信する
Unknown (bogus-simotukare)
2014-04-28 22:24:47
まあ、連合系労組・UAゼンセン(旧同盟系、旧民社党系)にいたっては荒木和博なんぞゼンセン会館に呼んで講演させてますからね(荒木ブログの記述による)。そういう「荒木を講演に呼んで恥じない輩」が安倍を呼んだんでしょう。
返信する
>Rawanさん (Bill McCreary)
2014-04-29 06:41:44
>入社面接などにおける(同意的な)圧力

ですよねえ。そういう場合拒否するのは難しいし、ましてや試用期間中なんか立場は非常に弱いでしょう。

>それを逆手にとって「我が社は最初から同意を取ってある」ということもありえるわけで……

そういうことになる可能性はありますよね。かならずどこかだります。
返信する
>月夜さん (Bill McCreary)
2014-04-29 06:43:29
>組合員を馬鹿にするにも程があるというものです。

私も記事に書いたように、これは連合の見識の問題でしょう。安倍なんてそんな奴だなんてことは初めからわかっているんだから、呼ぶ連合に責任は大きいと思います。
返信する
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2014-04-29 06:44:51
>荒木を講演に呼んで恥じない輩

荒木は今でも本気で労働組合は自分たちの味方、仲間と認識しているみたいですからね。もう少しまともな男と付き合えよとは思います。
返信する
これはひどい (凡人69号)
2014-04-29 22:46:47
結局これって、経営者サイドが人件費を削りたいがためだけの規制緩和の要望でしかないんですよね。それと、いわゆる人材ビジネス業からの要望もあるのかもしれませんけど。
>時間ではなく、成果で評価される新たな仕組みを検討してほしい
営業とかならともかく、製造やサービスなど、成果がかたちとして見えない職種もかなりあるわけですが、いざとなれば管理職の判断とかが給与に反映されるようなかたちを浸透させようというつもりなんですかね?
>労使合意があれば一般社員も「残業代ゼロ」の対象とする
これって、組合がいわゆる「御用組合」だったら、残業代ゼロっていうのもありうるのか?と思ってしまいます。
まあ、安倍晋三という人は腰掛け程度のサラリーマン生活だった(としか思えない)から、こういうことを考えるのだろうなと思いますが。
連合も、メーデーに安倍招待なんてことをやると、中小・零細企業の労働者や非正規雇用の労働者からは「やっぱりあいつらは大手企業の正社員クラブにすぎないんだ」という声も上がるんじゃないか?と思いますけどね。
返信する
>凡人69号さん (Bill McCreary)
2014-04-30 19:04:02
>経営者サイドが人件費を削りたいがためだけの規制緩和の要望でしかないんですよね。

ですよねえ。労働者には得はないでしょう。

>成果がかたちとして見えない職種

総務系のような落ち度のなさが勝負の仕事と、営業のような仕事とは比較してもしょうがないですよね。

>御用組合

まあろくでもない事態になる可能性大ですね。

>安倍晋三

こんなやつ、上司だって経営者だって、腫物の極致でしょう(笑)。まあ社会人としてはきわめて無能だったでしょうが。

>中小・零細企業の労働者や非正規雇用の労働者からは「やっぱりあいつらは大手企業の正社員クラブにすぎないんだ」という声も上がるんじゃないか?と思いますけどね。

ぜったいそうです(笑)。
返信する
記事を紹介いただいて、ありがとうございます (inti-sol)
2014-05-01 07:47:41
私のところの記事に書いたように、連合がメーデーに自公政権の首相を呼ぶのは初めてではないようです。小泉政権のときも1回呼んでいる。ひょっとすると、毎回呼んでいるのかもしれません。何にしても、あの、「痛みを伴う改革」を言っていた小泉や、ホワイトカラーエグゼンプションをふたたび企む安部をメーデーに呼ぶとは、まさしく「肉屋を支持する豚」(実に言い得て妙です)と言うしかありません。

ところで、安部といえば、箸の持ち方がおかしい、という話を最近耳にしました。そうなのかなと思って写真を検索したら、確かにおかしい。あの箸の持ち方で、オバマと寿司屋で会食したの??うーーーーーん。
返信する
Unknown (谷本篤史)
2014-05-01 23:02:38
Rawanさん、職安においても御社規定に準じますとだけ履歴書には書いて、面接で労基法に反する慣習を切り出されても面接を乗り切って会社に入りたけりゃ異議を唱えるなと指導された記憶があります。
まあこんな会社はこちらの方からお断りするのが筋であると考えますがこんな考えでは贅沢なのでしょうかね・・・。私は決してそうは思わない徒弟制度の悪弊やそれに近い悪しき慣習を後生大事に振りかざす会社が悪いと思います。

本題に関するコメントですが第一成果を基準にすると言っても決める人の裁量でどのような給与でもきめられることになる成果給はハッキリ言って搾取の温床以外のなにもんでもありません(すでにSOHOにおいてそんな感じの搾取による弊害があるみたいです)。
そりゃだらだら働いて時間外手当を稼がんとする人はいないわけじゃないですがそんなのはごく一握りにすぎません。早く帰って自分の時間がほしい人の方が断然に多いはずです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。