かなり笑っちゃったニュースを。いや、笑ってはいけないんですけどね。
>2015.3.30 22:14更新
批判の17歳逮捕 シンガポール警察
シンガポールの警察は29日、死去した初代首相リー・クアンユー氏をナチスの独裁者ヒトラーらになぞらえて批判する内容の映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したとして少年(17)を逮捕した。地元メディアが30日報じた。
シンガポールでは屋外での集会やデモ行進が原則禁止されるなど、言論の自由が制限されている。
少年は約8分間の動画で「リー・クアンユーは恐ろしい人間だった」「彼は独裁者だったにもかかわらず、民主的な考えの持ち主であると世界の多くの国をだますことに成功した」などと話したという。
23日に91歳で死去したリー氏は首相時代、野党関係者に名誉毀損訴訟を起こし、賠償金支払いで相手を破産させ、野党勢力を弱体化させる強権的手法を取った。(共同)
つまりこの少年の主張は正しいってことですよね。ヒトラーとまではいわずとも、少なくとも専制な人間、強権政治を行った人間であるということは疑いない。リンクは産経でもこれは共同通信の記事ですが、産経独自の記事として次の記事を。
>ただ、言論や結社の自由など国民の政治、社会的な諸権利を抑え、監視により国家の安定を維持した側面は否定できない。与党・人民行動党(PAP)に有利な選挙制度の下、従順な国民には住宅供給や年金制度などの「アメ」が豊富に与えられる一方で、体制批判に走ればさまざまな「ムチ」が待ち受けていた。
開発独裁をめぐる批判が欧米で高まるなか、リー氏が傾倒した「アジア的価値観」は、家父長的な指導者に強権を認めるものとして、人民行動党の長期政権や、エリート支配を正当化する言い訳となった。
とありまして、産経も専制の批判もあることは指摘しているわけです。
そう考えると、彼は、息子を国のトップにつけたりと、いろいろ問題もありますね。日本も2代目以降の政治家だらけですが、少なくとも安倍晋三をふくめて、リー・クアンユーの息子のようなストレートな跡継ぎというわけでもない。
今年あたりシンガポールにも行ってみようと思いますが、私なりにいろいろこの国を垣間見たいと思います。
2017年3月26日付の追記:こんな記事がありました。
>政治批判のシンガポール少年、米国に亡命へ 申請認められる
2017.03.26 Sun posted at 13:23 JST
(CNN) シンガポールで宗教や政治を批判する発言をとがめられ、2回にわたって拘束された十代のブロガー、エイモス・イーさん(18)が米国への亡命を認められたことが26日までに分かった。米移民判事が判断を下した。
法廷文書によると、イーさんは昨年12月にビザなしで米国に入国。シンガポールへ帰国するのが怖いとして、年明けに亡命を申請していた。
移民判事はイーさんを「若き反体制活動家」と呼び、シンガポール当局による訴追や拘束などの扱いは「政治的意見を理由とする迫害」に当たるとの見解を示した。
一方、米国土安全保障省は亡命受け入れに反対の立場を示していて、来月17日までに異議を申し立てることができる。
イーさんは2015年7月、ユーチューブに投稿した動画の中で同年3月に死去したリー・クアンユー元首相を「独裁者」などと批判したとの理由から53日間収監された。昨年9月にも、ソーシャルメディア上の投稿について、宗教を侮辱し、「キリスト教徒とイスラム教徒の感情を傷付けた」などとして6週間の収監を言い渡された。
人権活動家らは、シンガポールで言論の自由が制限されていることを示す一例だと指摘してきた。
たぶんこの少年、上の記事に出てくる人ですね。なかなか根性があるというか度胸のある少年です。敬意を表します。
>それにしても中国といい韓国といい日本といいアジア諸国は世襲が大好きなようですね、やはり農耕民族特有の「家族主義」なんでしょうか?
日本は言うに及ばず、韓国といい中国といい、親が超大物ですからね。おっしゃるように、儒教的な文化が、2代目にそぐうところなどがあるのかもですね。
まあ、「他人のふり見て我がふり直せ」という話でもありますが。