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鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

小沢辞任は自民党への謝罪か

2007-11-05 | Weblog
4日の朝6時からののTBS時事放談を見ていたら、中曽根康弘元総理と渡辺恒雄読売新聞グループ会長兼主筆が出演していて、司会の御厨貴東大教授から「先日の福田・小沢党首会談の仕掛け人と言われてますが‥‥」と問われると、渡辺氏は「知りません」と否定はしていたが、2人とも自民・民主の連立については推進論者であることを言明し、影の仕掛け人であることをうかがわせた。この番組への出演はずっと前から決まっていたのであろうが、ドンピシャのタイミングとなってしまったことは偶然とはいえ、面白いことであった。と思っていたら、なんと小沢民主党代表が突如、辞任を表明してしまった。連立で迷惑をかけた、ということだが、これでは連立をもちかけたのは小沢代表であることを物語っているようで、福田・自民党への謝罪をしているようなもので、後味の悪い”連立騒動”となった。
 渡辺氏は主筆として今年8月16日付けの読売新聞に自民・民主の連立の必要性を大々的に書いた。それ以外に国民の利益を推進する方法はない、というのがその理由で、「連立しないと今後6-7年、日本の政治は麻痺してしまう。方針だけでも早く決めて。懸案は合理的に処理していくのがいい」とも語った。中曽根元総理も「いまの日本の政治は雨が降りそうな状態だ」と連立を全面的に支持した。
 そして番組の最後に福田総理に向けての一言と聞かれて、中曽根氏は「こういう話は1回や2回でまとまるものではない。何回も話し合っていくのだ大事」と言い、渡辺氏も「国会のなかではなく、料亭ででも酒を飲みながら話したらいい」と語り、2人が今回の連立の仕掛け人であることを十二分にうかがわせた。
 で、どうなるか、と思っていたら、4日午後、突如、小沢代表が代表辞任を発表した。「連立拒否は代表に対する不信任であり、混乱を招いた責任をとりたい」というのが辞任の理由であるが、タイミングといい、理由といい、大方の支持を得るには程遠いように思える。
 ここで辞めてしまっては連立の仕掛け人であることを認めたことになってしまうし、自民党に取って代わって政権を獲る大目標がかすんでしまうことにもなりかねない。7月の参院選で民主党に投じた選挙民にお期待を裏切ることにもなりかねない。
 連立の話があった時に党内を説得できる、と思ったとしたら、その政治感覚は狂っているとしか思えないし、連立で民主党が得るものは一体、何だったのだろうか。渡辺氏が言うように連立が果たして、国民のためになるのか、本当に考えたのか。疑問は次ぎから次へと湧いてくる。
 ひょっとしたら、以前から言われているように小沢代表の健康状態が芳しくなく、急場の処方箋と思って連立を仕掛け、華々しく散ったのか、とも思えてくる。としても国民不在といわざるを得ないだろう。
 それにしても小沢氏が辞任会見でマスコミの今回の自民・民主連立に関する報道で、「小沢が仕掛けた」などの中傷する報道姿勢について非難したことと、民主党は若くて、次ぎの衆院総選挙で勝てない、と断じたことの2点については大いなる疑問が残る。あっさりと辞めるのならいいが、自ら党を傷つけるような跡を残すのは解せない。その意味でも後味の悪い連立劇に次ぐ辞任劇でもあった。

追記 5日付けの読売新聞を見て、驚いた。小沢代表が連立内閣の副総理となり、民主党から6人の大臣が入閣することまで、合意していた、というのだ。小沢代表と1人相撲であったのは間違いない。これでは「殿、ご乱心!」と言われても仕方がない。
 さらに驚くのは読売新聞が3面の社説でなおも「それでも大連立をめざすべきだ」と論陣を張っていることだ。渡辺主筆の筆になるのか、よくわからないが、渡辺氏の指示によることは間違いない。新聞人がここまで政争に介入していいものなのか。斜陽一途の新聞の断末魔の”あえぎ”と映ってならないのだが‥‥。
 政治家が小さくなったのか、政治の世界に人が集まらなくなったのか、安倍前首相に続いて頼みの小沢代表までアベ化するとは、一体、日本の政治はどうなるのだろうか。中曽根元総理とは違う意味で暗雲が立ちこめ、暗澹としてくる。
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