世界変動展望

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国立環境研究所30代女性研究者らの捏造論文疑惑は調査されたのか?

2013-10-06 00:32:15 | 社会

以前に国立環境研究所30代女性研究者(2012年3月時)らが筆頭著者になっている論文の捏造疑惑について紹介した。加藤茂明元東大分生研教授らの改ざん等が7月に報道され、加藤が分生研に着任してからの論文をすべて調査したと思っていたが、告発者の予備調査報告書の公開を見ると、正確には加藤茂明が責任著者を務めたか、加藤研のメンバーを筆頭著者とするすべての論文165編を調査したという。

告発者に送られた予備調査報告書の一部写し

疑惑論文の筆頭著者の所属を見ると加藤研の所属ではない。ということは、疑惑論文は東大で調査されなかった可能性がある。文科省のガイドラインでは2012年2月の筑波大への告発を筑波大と国立環境研究所の合同で調査する義務がある。合理的な疑いのある告発は予備調査し、不正の疑いがあれば本調査しなければならないのが規定関連)。

この論文はオリジナルデータがないから実験をやり直して修正したデータを提出し訂正を行った関連)。そのことに多くの人が厳しい見解を持っている。

それだけでなく、研究機関が本当に規定に従って公正に調査をやっているのか疑問だ。告発から約1年8ヶ月も経つが、調査開始や結果公表、処分など何も確認できない。筑波大や国立環境研究所は本当に調査をやったのだろうか?

筑波大は専門誌の指摘を受けても藤井善隆の不正を調査せず、世界記録捏造を達成させた前科があるこの態様関連)で調査をやっていないなら規定違反だし、恣意的対処と言われても仕方がない。

国立環境研究所30代女性研究者は現所属が不明で1年半以上研究発表が確認できない。筑波大のおばさん講師も筑波大を離籍したという情報がある。彼女たちがいま何をしているのか、国立環境研究所や筑波大を離籍したというなら、なぜ離籍したのか、マスメディアが調査して報じてほしい。

この件で最も重要なことは筑波大や国立環境研究所が文科省のガイドラインや内部規定に従って告発を公正に調査したのかということだ。ガイドラインや内部規定さえ守られないなら、不公正な対応をやったと言われても仕方ないし、今後別件で不正が告発されてもこれらの機関では公正な調査を期待できない。これは日本の学術の信頼を失墜させる。バルサルタン事件等で甚大な損害を受けた日本の学術の信頼をこれ以上傷つけないためにも、マスメディアはこの問題をきちんと取材して報道してほしい